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神奈川県警情報システム部の萩原です 26

葵林檎葵林檎

諸伏と仕事の副業編。 本当は風見とも絡ませたいけどあまり接点がないのか悲しいところ。 いつもシリーズへのブクマ、いいね、リアクション、コメント、タグ追加ありがとうございます。 励みになります。 2026/06/06の[小説] デイリーランキング 2026/06/06の[小説] 女性に人気ランキング 2026/06/07の[小説] デイリーランキング 2026/06/07の[小説] 女性に人気ランキング 上記ランキング入りありがとうございます!のんびり更新していきますので何卒よろしくお願いします。

妹主捏造。

スペック
県警の情報システム部
一般職
姉弟の話メインでやりたいので恋愛色少な目
恋愛やる場合の落ち未定

内部の仕事の割り振りはどうしているのかわからないので妄想で書いています。

帰り道、ぷぷ、と車のクラクションが後ろから鳴った。端っこを歩いていたつもりだけど邪魔だったか、とさらに端っこへと避ける。けれど車はすぐに通過することなく私の横について止まった。なんだかまずいことだろうか、と身構えると窓が開き名前を呼ばれる。思わず足を停めれば知ってる顔が奥にいた。

「萩原さん!」
「諸伏さん?」

乗って、と言われて何か話があるのだろうかと察してそのまま助手席にお邪魔をする。諸伏さんはそのままサイドブレーキを外して車を出発させた。このまま家に送ってもらう、なんてことは多分ないだろうな、なんてどこかで思う。きっとここの通路で待ち伏せをしていたのだろうなと察した。

「通りがかってくれてよかったよ」
「待ち伏せじゃないんですか?」

バレたか、なんて困ったように言うけれどその顔は全く困っていない。
緩やかに発信した車はそのまま大通りへと出て首都高へと続く道に入った。

「ちなみにどこに行くんですか?」
「警視庁」

はぁなるほど、と声が出た。このまま残業だな、と時計を見れば17時半を示している。このまま警視庁だとしたら日付が変わる頃に帰ってこれれば御の字か。
待ち合わせもなく私を直接連れて行くだなんて珍しいと思った。いつもはパソコン越しのやり取り。使うデータも送ってもらうか自分で取りに行くから、だ。

「なんかありました?」
「直接見てほしいプログラムがあって」
「プログラム?」

思わず復唱すればそう、と小さく呟かれた。ここから先は直接、と言われたのでそのまま今回の内容に関しては聞かないことにする。
守秘義務が多いと大変だな、なんて思う。自分もそれなりにあるけれど彼のような所属に関しては段違いだ。制約もあるようだしめんどくさいなぁなんて思う。

「電話くれればよかったのに」
「俺のちょっとした息抜きだよ」

外の空気も吸いたかったし、なんて言われてしまえば何も言い返せなくなる。兄に負けず劣らず人たらしだなぁなんて思う。
流れていく車はまだほんのり明るいとはいえすでにライトをつけているのがほとんどだ。車の流れを見るのも久しぶりだな、なんて考える。

「急にごめんね」
「明日が休みじゃなければ断ってました」
「だろうと思った」

諸伏さんとの付き合いは二年ほどになるか。どうやら私の生態をよく存じてくれているらしい。仕事の副業が来るのはほとんど休みの日。たまに平日来たりすることもあるけれどそれは部長が便宜を図ってくれてその内容に集中したりもする。

「警視庁でも私みたいなポジションの人確保した方が便利なんじゃないですか?」
「そうしたいのはやまやまなんだけどね」

なかなかいないんだよ、と言われて首をかしげる。同じように技術畑出身の人ならいそうなものなのだけれど。昨今言われている人手不足もこんなところまで及んでいるのか、と少しばかり感心してしまった。

「萩原さん、夕飯に食べたいものある?」

長丁場になるかもしれないから、買っていこうと提案をされた。コンビニになってしまうけど、と言われてそれなら、と大手のコンビニで一番珈琲の味が気に入っているところを指定した。それなら近くにあるからあとで寄ろう、と言われて少しだけほっとする。
夜に仕事なんてカフェインなければやってられる気がしない。普段からそれなりに夜型だけれど流石に外で眠くなってしまうのは避けたいものだ。

「…」
「どうしたの?」
「いや、こうやって車で迎えに来られて食べたいもの聞かれるって」

デート見たいですねぇ

そんなことを言えば諸伏さんがげほげほとせき込み始めた。特に何も飲んでなかったのが幸いしたのかすぐに息が整う。思ったことを言っただけなのに、と思うけれどそういえばこの人と一緒の時にこういった冗談は言ったことなかったな、と思い出す。

「冗談ですよ」
「だ、だよね…!!」
「半分は」
「半分!?」

デートではないもののたまに兄が来るときに似たような会話をすることがある。多分これが兄ではなく恋人や気になっている人ならデートに当たるんだろうなと思ったことは数知れず。
まぁ今回はこのあとお仕事だからそういう甘酸っぱいことは何一つない。そもそも兄の同期というだけで私の対象からは外れる。勝手に判断してしまって悪いけれど。

「……萩原さん、本当によくそんなこと言えるね」
「よく言われます、冗談がすぎることあるって」
「だと思った…」

呆れたような慌てたようなそんな諸伏さんがなんだかおもしろい。はは、と笑えば笑い事じゃないよぉと情けない声を出した。わりと草。
他愛もない話をしていればもうコンビニへと着いたようだ。お礼を言ってシートベルトを外す。諸伏さんも中に入るようでエンジンを止めていた。
外に出れば夜の空気が気持ちいい。そのまま空気を感じながら店内へ入ると蛍光灯の光がまぶしくて少しだけ目を細めた。

「好きなだけかごに入れていいよ」
「ゴチになります」

すでにいくつかのお弁当をかごに入れている諸伏さんの持つかごにドリアを入れる。あと申し訳ないけれど野菜も取りたいので小さめのサラダを。デザートは?と聞かれたけれどデザートまで食べたらお腹いっぱいで眠たくなってしまうから断った。そのままレジに行って珈琲を二人分注文して会計を終える。レジ横のマシンにカップを入れて抽出を待つ。

「こんな時間まで仕事するの久しぶりでなんだかワクワクしますねぇ」
「普段から残業もほとんどないまじめで出来がいいって上長も言ってたよ」

上長も言っていた、ということはうちの部長のことだろう。うちの部長から話を聞いたことあるということはあの人もこういう仕事を手伝っているのか。まぁ県警にも公安はあるし手伝うことも多いのだろう。自分のこと以外はよくわからないけれど。

「ん、そっちも終わったね」
「ですね」

マシンからカップを取り出して蓋を閉める。諸伏さんが片手に弁当を大量に持っているので私が代わりにそちらも閉めてから持つ。
車の中に戻って珈琲を手渡ししてからシートベルトを締めた。諸伏さんの顔が少しだけ近づく。その時に気が付いた。

この人顔にコンシーラー塗って隈隠してるな

メンズメイクも流行っているとはいえそういう目的で使うとは。それかなかなかに困って寝れなくて私に話を持ってきたのか。いつぞやの県警の一課のように。
まぁどちらにしても実際に行ってみなければできることなどないのだから大人しく車の中で珈琲を飲ませてもらうこととした。

犯人から押収したパソコンのセキュリティが頑丈すぎて公安部の誰も突破はできなかった。なんと間抜けなことだろう。ここ数日はそれに掛かりきりで睡眠もろくに取れてない状態だった。同僚である風見さんも相棒にせっつかれているようでこの件を何とかしないと、となっている状態だった。
そんな中、ふと思い出したのが彼女の存在だった。正直公安部に直接連れてくることは迷った。もちろん押収品を外に持ち出すことも考えたけれど何かあった場合、を考えて彼女をここへ呼ぶこととなったのは当日の昼過ぎだった。
ハッキング専門なら自分たちよりはできるだろう、との考えだ。とりあえず一個でもセキュリティを解除してくれれば御の字。
そうして迎えに行ってとりあえず皆時間も時間だし晩飯を、と弁当を配る。もちろんフロアに彼女を入れることはなく彼女は公安が所有しているミーティングルームで食事をとってもらう。一人では悪いだろうと俺も弁当を配った後に行くつもりだ。

「悪いな諸伏」
「いえ、大丈夫です。風見さんこそ大丈夫ですか?」

ゼロ、ダブルミーニングのアイツにせっつかれていないか、と暗に問えば困ったように笑った。少々アイツは人使いの荒いところがある。でも風見さんは負けず嫌いな節があるようで必死に食らいついていっている。

「じゃぁ、彼女も来たのでちょっとPC借りていきますね」
「あぁ、頼んだ」

弁当と例のパソコンと自分のパソコンを持ってミーティングルームに向かう。途中自販機でお茶を買っていけば彼女はタブレットを弄っていた。どうやら持ってきていたらしい。自分に気が付くとすぐにそれをしまった。

「とりあえず飯食べた後にしよう」
「はぁい」

彼女の分の弁当はここに来る前に給湯室で温めた。自分のものも、と思ったけれどめんどくさくてそれはそのままだ。
ほかほかに温まったドリアを渡せば少しだけ袖を伸ばしてそれを受け取った。

「わざわざありがとうございます」
「いいよ、こっちが無理言ってるんだし」

お茶とサラダも渡して自分も弁当の蓋を開ける。彼女がいただきます、と言ってから口を付け始めた。
いつの間にか自分はいただきますの言葉を言わなくなっていたな、なんて思う。小さい頃はあれだけ口酸っぱくちゃんと言うのよ、と言われていたのに。自分も箸を握る前にいただきます、と口を開いた。

***

「……あーこれめんどくさいですね」

飯を食べ終わってすぐに彼女は例のパソコンの中身を見始めた。やってほしい内容はまずはセキュリティ破り、その後にできればパソコンに入っている自作したであろう謎のプログラムの解析だ。
内部のコマンドをいくつか打ち込んで彼女は顔をしかめた。

「時間かかりそうです」
「どれくらいって聞いても平気?」
「とりあえずやってみないことには何とも…」

とりあえずあーだこーだ言っても仕方ないんでやりますね、と彼女がぱちぱちとキーボードを叩き始めた。その様子を眺めていたけれど集中しているようで視線は目の前の画面に向いたまま。
これなら少しそっとしておいた方がいいか、と自分の仕事をしようと自分のパソコンを開いた。

ぱちぱちぱちぱちとずっと絶え間なくキーボードの音がする。たまに止まったかと思えばまたすぐに鍵盤を叩くように音がする。自分もだいぶ熱中してやっていたようで時計を見ればあれから二時間程経っていた。彼女の様子はどうだろう、と見てみればまだ熱中してやっているようだ。集中力を途切れさせないために声を掛けないほうがいいだろうか。けれど隣に置いてある茶を見てみれば減った様子はない。水分補給をさせるべきだろうか、と逡巡する。

ぱちん

少しだけ強くキーが押された。それから彼女は大きく大きく息を吸うとはぁと息を漏らした。自分が見ていたのに気が付いたのかこちらを見てへらりと笑う。

「進捗はどう?」
「セキュリティはなんとか。プログラムは解読中です」

ぐるり、とパソコン自体をこちらに向けてプログラムの羅列の横に書かれたメモ帳の内容を読み解いていく。
これは、と思わず眉間にしわが寄った。もっと早くに彼女に依頼をするべきだったか。

「ありがとう、とりあえず続けてもらっていい?」
「はい」
「俺は少しこの内容報告してくる」

ミーティングルームを後にして自席のあるフロアへと戻った。
案の定隣の席の風見さんは手詰まりの様で唸っていた。

「風見さん、例のパソコン、セキュリティ何とかなりました」
「!?…本当か」
「今プログラムの方の解読もやってもらってます」

先ほど脳内に叩き込んだ情報を一旦共有をする。けれどおそらく彼女の解析が終わらないと確定した情報としては出せないだろう。そう話せば風見さんも頷いた。

「その彼女は協力者登録はしているんだな?」
「はい、俺の名前でしています」

一応彼女との関係は公安と協力者だ。彼女の能力を初めてみたその日にすぐに協力者として登録をした。そうしないとどこで誰に囲われてしまうかわからなかったから。

「なら大丈夫か」
「何があっても俺が責任を取ります」
「…わかった」

巻き込んだのは自分。手詰まりだからと彼女の能力にすがったのは自分だ。カモフラージュはしてはいるものの彼女に害が及ばないように手は回している。それが学友との約束でもあるから。

「…一旦あちらに戻って進捗を確認しつつまた情報共有します」
「頼んだ」

そういってフロアを出てミーティングルームに入る。入ってきた音さえも気にならないのか彼女はまた熱中して解読を続けているようだった。ぱちぱちぱち、とずっとキーボードを叩く音がする。なるべく早く解読が終わればいいのだが、と願う気持ちでいっぱいだ。

***

「できたぁ…」
「えっ本当!?」

時刻が深夜を回ったころ、彼女はぺしょり、と机に突っ伏した。腕だけ動かしてこちらに解析をした内容を差し出すと顔を上げる。
ずっとキーボートを叩いていたからだろう、手をぐっぱして指の体操をしている。

「内容はこれで全部かと。あとは裏取りとかはお願いします」
「もちろん!ありがとう!」

とりあえず持って行ってくださいと言われたので彼女が解析をしてくれたものを風見さんのデスクまで走って持っていく。
大層驚かれたがこれで仕事が進む、と安心したようだった。裏取りなんかはこちらの十八番のようなもの、すぐに部下たちに指示して走らせる。膠着していた仕事が一気に動き出す。忙しくなるかもしれないけれどあの缶詰状態よりよほど良い。
風見さんに言われその功労者のところへと行けばうとうとと舟をこいでいた。

「萩原さん眠い?」
「ちょっと…」

まぁ時間も時間だしな、と時計を見ればすでに日付を超えている。

「仮眠してから帰る?それとも今から送る?」
「……帰ります」

よろしくお願いしますと少しだけ舌っ足らずの彼女は先ほどまでの凛々しく難攻不落のセキュリティを突破した人には見えなかった。

— End —

Comments 37

くろにぇこ3 天前
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りなママ3 天前

諸伏に〜🎌(っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ!

1
10-24 天前
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花ちゃん5 天前

Linuxのホワイトハッカー資格持ってそうだな

T
tubasa6 天前

ヒロー! させーっ!!(フラグを)

まーさん7 天前
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零月7 天前

景光押せー!!

7 天前
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にっぴ7 天前
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あんPAN7 天前
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青樹7 天前
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あめ7 天前
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Sakuria
Where every work blooms
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