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余談篇 3

山崎山崎

お待たせいたしました! 今回は彼の回です! 余談篇は文字数が少ないし場面展開がなくて書く側としては楽なのですが、攘夷戦争篇と比べるとボリュームが少なくて申し訳ない限りです…… 皆様の応援、ご感想、本当に励みになっております。 おかげさまで人間の生活を諦めて四六時中書いております。 X (進捗呟いたりしてます) ▼ https://x.com/yamazaki_sat0 マシュマロ▼ https://marshmallow-qa.com/7wwxx8051vbulh4?t=XmcVGT&utm_medium=url_text&utm_source=promotion

──奈落の地下牢に、桂小太郎がいた。

言葉にすると意味が分からない。

いや、意味だけなら分かる。
桂小太郎は攘夷志士であり、指名手配犯であり、幕府だの奈落だの天導衆だの、そういう陰気な名前の組織にとっては捕まえたら実績解除の通知が鳴りそうな男だ。
だから奈落の地下牢にいても、分類上はそこまでおかしくない。
おかしくないのだが。

問題は、本人がまったく捕まっている顔をしていないことだった。

鉄格子の向こうで、桂小太郎は腕を組んで立っていた。

座っていろ。
捕虜なら座っていろ。
いや、捕虜じゃなくても地下牢で仁王立ちはやめろ。お前だけ牢屋を会議室と勘違いしてんのか。
しかも顔が真面目だ。真面目な顔でおかしな場所にいるから、空間の方が間違っているように見えてくる。
やめろ。奈落の地下牢にまで桂小太郎のペースを持ち込むな。ここはもう十分治安が悪い。

地下牢は、相変わらず湿っていた。
石壁の継ぎ目から水が滲み、一定の間隔で床へ落ちる。
灯りは壁に掛けられた火皿だけで、通路の奥は黒く潰れている。
鉄と黴と古い血の匂いが、呼吸のたびに仮面の内側へこもった。

その中で桂小太郎だけが、やけに姿勢よく立っている。

地下牢の暗さに馴染んでいない。
馴染む気もなさそうだった。

「来たか」

「……馬鹿じゃねぇの」

まず、それしか出なかった。

俺は巡回用の灯りを持っていた。
腰には刀。
仮面はつけている。
いつも通りの奈落勤務姿だ。

見張りの確認。
捕縛者の状態確認。
報告書。
そういう、湿った石壁と血の匂いに慣れた日課の延長で来たはずだった。

なのに、鉄格子の向こうに桂小太郎。
何のバグだ。
奈落もついに幻覚を福利厚生に導入したか。

「馬鹿ではない、これは潜入だ」

「捕まってんだよ」

「違う。敵に捕縛された状態で内部情報を得る、高度な潜入だ」

「それを世間では捕まったって言うんだよ」

「世間が常に正しいとは限らん」

「今は正しい。今回は珍しく世間が勝ってる」

桂は少しも動じなかった。

鉄格子の中で腕を組み、当然のような顔をしている。
その肩には、なぜか埃まみれの縄が一本ぶら下がっていた。拘束されていた名残だろうか。
いや、名残の持ち方ではない。ファッションの一部みたいになっている。
やめろ。地下牢コーデに新ジャンルを作るな。

「で、何で捕まってんの」

「捕まってなどいない」

「じゃあ何でそこに入ってんの」

「入ったのだ」

「入るなよ」

「敵の懐へ入るには、時に敵の用意した部屋へ入る必要がある」

「それ牢屋」

「名称に惑わされるな。大事なのは用途だ」

「用途も牢屋だよ」

言いながら、頭が痛くなってきた。

この間、銀時に会った。
先生が来た。
先生を逃がした。
奈落の見張りを潰した。
報告はごまかした。
それなのに俺はまだ奈落側の顔をして歩いている。
全部、順番に破綻している。

そこへ桂小太郎が地下牢で潜入宣言。

帰りたい。
いや、帰れない。
でも帰りたい。
どこにだ。
分からない。
とりあえず今日の勤務は早退したい。

「……誰に聞いたの」

俺がそう言うと、桂は眉をわずかに動かした。

「聞いた、というより、繋がった」

「何が」

「情報だ」

「俺の近況、事件資料みたいに扱われてる?」

「事件ではない」

「じゃあ何」

「未解決案件だ」

「言い方を変えてもだいぶ嫌なんだけど」

桂は真面目な顔のまま言った。

「解決していないものを、解決済みにしておくわけにはいかん」

「俺は報告書の未処理欄か何か?」

「それに近い」

「近いのかよ」

「それと銀時から聞いた」

「やっぱ聞いてんじゃねぇか」

こいつ、本当に遠慮がない。
いや、遠慮はあるのかもしれない。こいつなりに。
問題は、遠慮の置き場所が世間とだいぶズレていることだ。
人の心を踏む時は靴を脱ぐが、踏むこと自体はやめない。
最悪の和室マナーである。

「で、何しに来たんだよ。奈落観光?地下牢一泊二日、朝食なし、命の保証なし、チェックアウトは自力でお願いしますっていう地獄のプラン?」

「所在確認だ」

「所在確認なら確認できましたね。はい終了。出口はあちらです。とっとと帰れ」

「それから、生存確認」

「生きてるかどうかは社内規定によるって言ってあんだけど」

「社内規定ではなく、こちらの規定で判断する」

「こちらの規定って何。攘夷志士にも人事部あるの?」

桂は、真顔でこちらを見た。 

「お前は死者ではない」

俺は黙った。

桂はそこで一度だけ言葉を切った。
地下牢の水音が、やけに大きく聞こえた。
ぽたり、と。
石に落ちる音。
それだけで、妙に耳が痛い。

「十年、行方を見失っていただけだ」

「……言い方の問題じゃねぇ?」

「言い方の問題だ」

「自分で認めるんだ」

「死者であれば弔う。生者であれば探す。行方が分からぬなら、見つける。戻れぬと言うなら、道を調べる。言葉を間違えれば、行動も間違える」

「理論武装やめて」

俺は思わず言った。
桂は首を傾げる。

「理論武装ではない。訂正だ」

「訂正?」

「お前は自分に誤った分類をつけている」

「分類」

「死者。敵。奈落の道具。戻らぬ方がいいもの。そういう札を自分で貼っている」

桂は鉄格子の向こうで、まっすぐ俺を見た。

「俺は、それを剥がしに来た」

喉の奥が、少しだけ詰まった。

やめろ。
そういう言い方をするな。

桂らしいのが、余計に嫌だった。

「剥がした下が綺麗とは限らねぇぞ」

「綺麗かどうかの話はしていない」

「じゃあ何の話だよ」

「間違っているかどうかの話だ」

「レスバしに来たなら掲示板でやって。地下牢ですんな。湿度で携帯壊れるぞ」

「レスバとは何だ」

「そこから説明すんの面倒だからいいです」

「逃げるのか」

「逃げるわ。レスバ相手がお前の時点で勝ち目ない。真顔で変なこと言うからこっちの脳が先に死ぬ」

「死なせん」

「そういう話じゃないんだよ」

桂は真面目な顔で黙った。

なんなんだよ。
その顔をするな。
こっちは軽口で足場を作っているのに、桂はすぐ真顔で踏んでくる。しかも足場の真ん中を正確に踏む。

昔からそうだ。
銀時のツッコミは雑に殴ってくる。
高杉の怒りは斬ってくる。
坂本の笑いは勝手に隣へ座る。
桂は違う。
桂は、言葉で位置を測ってくる。

俺がどこに立っているのか。
どこから逃げようとしているのか。
どの言葉の裏に隠れようとしているのか。
そういうものを、真面目な顔で測る。
変人のくせに。
いや、変人だからこそかもしれない。

それに、今日の桂は本当に測っているように見えた。

視線が、俺だけに向いているわけじゃない。
鉄格子。
鍵穴。
壁の継ぎ目。
床の模様。
天井近くの古い梁。
灯りの位置。
見張りが巡回してくる方角。
一瞬ずつ、全部を見ている。
こいつ、捕まっている顔をしていないどころか、地下牢を下見している顔をしている。

奈落の警備が甘いわけではない。
たぶん、普通の人間ならここへ来る前に三回は死んでいる。
桂小太郎が、警備という概念と相性が悪すぎるだけだ。
柩さんに警備のガバさを報告した方がいいだろうか。
いや、報告したところで「桂小太郎を基準にするな」で終わる気がする。それはそう。

「お前は、自分を死んだことにしたがっている」

桂が言った。
俺は笑った。

「いや、まあ、地下牢で仮面つけて人斬ってる元知り合い見たら、死んだ扱いの方が親切な場合もあると思うんですけど」

「親切ではない。怠慢だ」

「言葉が強い」

「死んだことにすれば、探さずに済む。状態を調べずに済む。お前はそれをこちらに望んでいる」

「コメント欄、これ説得パートで合ってる?圧が尋問なんだけど」

「コメント欄とは何だ」

「こっちの話。というかお前今日切れ味鋭すぎるんだけど」

「斬ってはいない」

「斬られてる気分なんだよ。言葉で。しかも太刀筋が真面目」

俺は鉄格子から半歩退いた。
背中が、通路側の石壁に触れる。
冷たい。
仮面の内側で、吐いた息が少しだけ跳ね返った。

近づきすぎると、身体が動く可能性がある。
この間みたいに薬が切れそうな状態じゃない。
むしろ、命令の通り道だけが嫌な具合に開いている。
完全に効いているわけでもない。
完全に抜けているわけでもない。
その中途半端さが、一番たちが悪い。

仮面の内側で、吐いた息が熱を持つ。
喉の奥に薬の苦みが残っていた。
腕の内側が、じわじわ冷たい。
なのに指先だけ、妙に熱い。
刀の柄を覚えている手のひらが、勝手にそこへ帰りたがっている。

桂はそれを見ていた。
見ているのが分かった。

見逃せよ。
そう思った。

だが桂は見逃さない。
昔から、変なところで目がいい。

「近づかれると、危ないのか」

「情報入ってんだろ」

「聞いたことと、見たことは違う」

「観察実習すんな。俺は理科室のカエルじゃない」

「お前はカエルではない」

「いやそこは分かってんだよ」

「ならば、何だ」

「聞くなよ」

桂は黙った。
本当に聞いている顔をしていた。
俺が答えると思うな。
俺だって知らない。
少なくともただの人間ですとは言いづらい。

桂は、鉄格子の向こうで一歩近づいた。

俺の指が動いた。
刀へ。

行くな、と思うより早く、身体がそう決めていた。

侵入者。

捕縛者。

接触者。

制圧しろ。

違う。

桂だ。

そう思ったところで、身体は聞かない。

俺は左手で右手首を掴んだ。
止まらない。
指が刀の柄へ沈む。
関節の奥が、誰かの命令で軋む。

まずい。

そう思った瞬間、俺は右腕を口元へ押し込んだ。

仮面の下端が押し上がる。
白い面が少しだけずれて、口元に冷たい空気が触れた。
その隙間へ、袖ごと腕を食い込ませる。

噛んだ。力いっぱい。

奥歯が布を潰す。
その下の肉に食い込む。
痛みが遅れて来る。

指が止まった。
刀へ伸びかけていた手が、ぎりぎりで止まった。

鉄格子の向こうで、桂の顔が変わった。

「……口を離せ」

低い声だった。

俺は答えなかった。
答えられなかった。
口を開けば、手が動く気がした。

噛む。
もっと強く。

布に、じわりと赤が滲んだ。

「……おい」

桂の声が硬くなる。

「口を離せ」

ようやく命令の圧が少し引いた。

俺はゆっくり口を離した。

仮面が元の位置へ戻る。
袖は濡れていた。
赤黒く、歯形の形に滲んでいる。
歯の奥に、血の味が残った。
舌で触れれば、布の繊維のざらつきまでまだ分かる。

「……いやぁ」

俺は仮面の奥で息を吐いた。

「便利ですねぇ、人間の身体。ブレーキにもなる。欠陥車すぎる」

桂は笑わなかった。
笑えよ。
そこは笑うところだろ。

「そんな顔すんなよ。桂小太郎を斬らなかった。結果だけ見れば大勝利だろ」

「勝利ではない」

「じゃあ何」

「代償だ」

桂は静かに言った。

「お前が払う必要のなかった代償だ」

俺は何も言えなかった。
言えなかったから、笑った。

「……今のも、必要な情報?」 

俺が笑って言うと、桂はすぐには答えなかった。
その沈黙だけで、十分だった。

「お前さ、確認作業のために人の地雷踏むのやめろよ。調査員の適性ありすぎて奈落にスカウトされるぞ」

「すまん」

謝るな。

俺は笑った。
謝られると、今のが俺の異常だと確定する。
いや、最初から確定している。
しているが、口に出すな。

桂は、鉄格子を掴んだ。
指に力が入る。
白くなるほどではない。
音が鳴るほどでもない。

けれど、見えた。
桂が、ほんの一瞬だけ、何かを飲み込んだのが。

「その顔やめろ」

俺は言った。
桂は何も言わない。

「怪我した犬見つけたみたいな顔すんな。拾ったところで保健所も困る」

「犬ではない」

「そこじゃねぇよ」

「分かっている」

分かっている、と桂は言った。
その声が、妙に低かった。

俺は袖を下ろして、血のついた腕を隠した。

手首が痛い。
でも動かなかった。
動かさなかった。
桂を斬らずに済んだ。

よかった、と考えかけて、やめた。
そういう言葉で処理するから駄目なのだ。

斬らなかった。
噛んだ。
止まった。
血が出た。
それだけだ。

それだけのことを、桂に見られた。

俺は笑った。

「いやー、すごい。十年経つと旧友相手に刃物を抜かなかっただけで教育番組に出られそう。今日のテーマは“我慢できてえらい”です」

「旧友か」

「だからなんだよ」

俺は即座に返した。

そのくらいは言う。
桂は旧友だ。
そこを否定したところで、逆に変だ。

ガキの頃を知っていて。
俺がまだ奈落のものではなかった頃を知っていて。
同じ場所で飯を食って、同じ戦場にいて、同じ馬鹿を見た。
それを旧友と呼ぶくらい、別におかしくない。
おかしくないはずだった。

「俺は、今のお前にとって捕縛者ではないのだな」

桂が言った。
俺は口を閉じた。

「敵でも、対象でも、任務上の障害でもない」

「……急に何」

「お前は俺を、旧友と呼んだ」

「言葉の綾だろ」

「言葉は綾だけでは済まん」

桂は真面目な顔で続けた。

「奈落の者として処理するなら、お前は俺をそう呼ばない」

「呼ぶかもしれねぇだろ。昔の知り合いが敵になった時とか普通に言うじゃん。旧友が敵になった、みたいなやつ。ジャンプでよくある」

「なら、なぜ俺を逃がす位置に立っている」

言葉が止まった。
桂の目が、俺の足元へ落ちる。

「お前は俺を止める位置にはいない。追手を止める位置に立っている」

腹の奥が冷えた。

顔は見えない。
仮面がある。

けれど、桂は俺の顔ではなく、足を見ていた。

通路の幅。
鉄格子との距離。
見張りが来る角。
桂が牢から出た時、俺がどこへ動けるか。

全部、見ている。

「怖い怖い怖い。急に監察みたいなこと言うな」

「お前が、そう動いている」

「動いてねぇよ。立ってるだけです」

「立ち方に出ている」

「やだこの人。立ち姿から内面読むタイプの占い師?」

「占いではない。確認だ」

桂は、少しも笑わなかった。

「お前は、俺を奈落の目ではなく、昔のお前の目で見ている」

俺は黙った。

それは、さっきの“旧友”より、ずっと逃げにくかった。

「……逃げるの手伝うけど」

俺は結局、言った。
桂は眉を上げた。

「俺を舐めるなよ」

「捕まってる人間が言う台詞じゃねぇ」

「自力で出られる」

「じゃあ何でまだ出てないんだよ」

「待っていた」

「誰を」

「お前を」

軽口が、喉の手前で止まった。
代わりに、嫌な沈黙が落ちる。

桂は当たり前のように続けた。

「お前の状態を確認するためには、こちらが逃げられない状態で待つのが最も効率的だ」

「効率の概念、どっかで落としてきた?」

「お前は俺を逃がす」

「決めつけんな」

「十年前も、そうだった」

胸の奥が、鈍く痛んだ。

十年前。
この間から全員その単語を持ってくる。

十年前、十年前、十年前。

何だ。
十年前セールでも始まってるのか。
過去の在庫一掃処分か。
全部返品したい。
宛先不明で送り返したい。

桂は、静かに言った。

「あの時、お前は俺たちを逃がした」

「知ってるよ」

「だが、お前はその後を見ていない」

俺は黙った。
桂の声は、地下牢の石壁に静かに当たって、低く返ってきた。

「見ていないから、勝手に終わったことにしている」

「……そっちが勝手に続けてるだけだろ」

「そうだ」

即答だった。

「認めるんだ」

「認める。俺たちは勝手に続けていた」

桂は、少しも迷わず言った。

「お前が終わらせたつもりでいたものを、俺たちは終わらせなかった」 

言葉が止まった。

やめろ。
それは言うな。

戻ると決めたわけではない。
戻れるとも思っていない。
戻った先で何が起こるか分からない。

それでも、桂は当然のように言った。

終わっていない、と。
俺がいない間も、勝手に続けていたのだと。
その方が、たちが悪かった。

「軽く言うなよ」 

気づけば、そう言っていた。
桂は静かにこちらを見ている。

「軽くは言っていない」

「言ってるだろ。お前ら、みんな簡単に言うんだよ。十年分の穴埋めだとか、一緒に帰りましょうとか、行方を見失っただけだとか。こっちは十年かけて、そういう言葉が届かない場所に慣れたんだよ。薬もある。命令もある。人も殺した。近づいたら危ない。もうだいぶ奈落側に寄ってる。今さら分類変えられても困る」

「分類が間違っていれば、直す」

「役所かよ」

「役所ではない。桂だ」

「知ってるよ」

「ヅラではない」

「言ってねぇよ。俺あんま名前いじりしねぇだろ」

返してから、少しだけ息が詰まった。
このやり取りを、身体がまだ覚えている。
嫌になる。

桂は、何も言わなかった。
言わないでくれる時もある。
それが、たまに余計にきつい。

「なあ」

俺は鉄格子越しに言った。

「お前、怖くないの」

「何がだ」

「俺が」

口にした瞬間、喉が少し冷えた。
自分で聞いておいて、聞きたくない質問だった。

「さっきもお前を斬りかけた。命令が来たら、たぶんまた動く。仕事なら人も殺す。先生の前でも動きかけた。銀時の前でも動いた。お前がこっから出る時だって、俺が何するか分かんねぇぞ」

「怖いか怖くないかで言えば」

桂は少し考えた。
その間、目だけは俺から逸らさなかった。

「怖くはある」

俺は黙った。

そこは、否定しないんだな。

桂の指が、鉄格子からゆっくり離れた。
握っていた跡が、手のひらに残っているのが見えた。

「だが、それはお前を死者にする理由にはならん」

「またそれ」

「それに、怖いからといって置いていくなら、十年前と同じだ」

胸の奥が詰まった。

桂は、逃げない。
真面目な顔で、逃げない。

「俺は、もう同じことをしたくない」

その声は、静かだった。

「お前を見失った十年は、十分長かった」

喉が引きつった。

それは、ずるい。
桂にそんなことを言われると、逃げ道が減る。

桂は泣かない。
怒鳴らない。
抱きしめない。
真顔で言う。

淡々と、十年を“見失った”と言う。

死んだ、ではなく。
消えた、でもなく。

見失った。
つまり、探していた。 

「見失った十年、ね」

俺は笑った。

「綺麗な言い方するよな、お前」

桂の目が、わずかに動いた。

「見失った。探していた。十分長かった。そう言えば、何かずっと続いてたみたいに聞こえる」

言葉が勝手に出ていく。

止めればよかった。
でも、止めなかった。
桂を傷つけるための言葉だと、自分でも分かっていた。

「でもさ」

俺は鉄格子越しに、桂を見た。

「俺がいなくても、お前らはちゃんと十年やってたじゃん」

桂は黙った。

「銀時は万事屋やって、お前は攘夷続けて、先生は生きてて。俺抜きで、ちゃんと続いてた。ちゃんと日常になってた」

喉の奥が乾いた。

「だったら、それでよかっただろ」

桂の指が、鉄格子にかかる。

やばい。
今のは、たぶん踏んだ。

踏むつもりで言ったくせに、相手が痛がった気配を見た瞬間、こっちの腹まで冷える。
本当に面倒くさい。
俺の性格も、桂も。

違う。
そうじゃない。
いや、そうなんだけど。
そう言いたかったんだけど。

言いたかったはずなのに、思ったより嫌な音がした。

俺はすぐに笑った。

「まあ、そりゃそうか」

声が、やけに軽く出た。

「そもそも俺が勝手に消えたんだし。勝手に落ちて、勝手に捕まって、勝手に奈落社員続けてるだけだもんな。お前らの日常が続くのは当然。むしろそうなってほしかったわけだし。俺がいないと世界が止まりますとか言い出したら痛すぎる。主人公気取りも大概にしろって話ですよ」

桂は何も言わなかった。

言えよ。
訂正しろよ。
いつもみたいに、そこは違うとか、主人公とはなんだとか、真面目な顔で言えよ。

でも桂は、黙っていた。
その沈黙が、さっきの言葉より痛かった。

「お前らが普通に続いてるって思えたらさ」

言った瞬間、喉の奥が少し乾いた。

「俺がここで何してても、何になってても、向こうが壊れてないなら、まあ、全部最悪ってわけじゃない。そういう雑な計算ができる」

桂は黙っていた。
俺は笑った。

「便利だろ。俺って帳尻合わせの天才なんだわ」

桂は答えなかった。

「それに、俺の周りってすぐ人いなくなるしな」

口が止まらなかった。

「ここで別れようって拒絶されたりとか、朝起きたら誰もいないとか、気づいたら置いてかれてるとか、そういうの慣れてんの。慣れってすごいぞ。人間、だいたいのことに慣れる」

桂の目が、少しだけ細くなった。

しまった、と思った。
そっちを出す気はなかった。

「今のは違う」

俺はすぐに言った。

「過去回想ガチャが勝手に回っただけ。排出率いじられてる。運営に問い合わせといて」

「お前」

「問い合わせ先は俺じゃないです。俺はもうカスタマーサポート対象外なので」

桂は、静かに俺を見ていた。
その目が嫌だった。

責めてこない。
否定もしない。

ただ、俺が自分で吐き出したものを、そのまま拾っている。

「ずっと、そんなことを」

桂が低く言った。

やめろ。
そこを言葉にするな。

「お前は、そう考えることで耐えていたのか」

「耐えてないです。勤務してただけです。勤怠管理上は問題ありません」

「問題しかない」

「そこはやっと意見が合ったな。記念日にしとく?」

桂は何も言わなかった。
それでも、目を逸らさなかった。

「はい終了。今の供述は証拠能力なし。地下牢での発言は湿気による一時的な錯乱です」

桂は、鉄格子を掴んだまま言った。

「無しにはしない」

「しろよ」

「お前がそう考えていたことも、状態の一部だ」

「また状態かよ。報告書でも書いてんの?」

桂は答えなかった。
その沈黙が、少しだけ痛かった。
たぶん、俺より桂の方が痛い顔をしていた。
それが腹立たしかった。

「……俺、迷子扱いされてんの?」

「迷子ではない」

「よかった」

「大規模長期行方不明者だ」

「規模が上がっただけだった」

「捜索範囲が広い」

桂は少しだけ目を細めた。
笑ったのかもしれない。

そんな顔をするな。
こっちは今、笑われたら困る。
戻りたくなる。
いや、戻る場所なんかない。

あると言われた。
先生にも、銀時にも、桂にも。

でも、まだ信じられない。
信じたら、足がそっちへ向かってしまう。
命令が来ても、薬が抜けなくても、身体が壊れても、行きたいと思ってしまう。

それが一番怖い。

桂は、鉄格子から一歩離れた。

「さて」

「何」

「確認は済んだ」

「何の」

「お前が死者であることを望んでいること。だが、望んでいるだけで死者ではないこと。昔をまだ捨てきれていないこと。接近時に反射が出ること。命令が残っていても、痛みで止めようとすること」

「どんだけ心にメモってんだ」

「重要事項だ」

「俺の不具合一覧を読み上げるな」

「不具合ではない」

「じゃあなんなの」

「状態だ」

桂は言った。

「状態が分からぬまま作戦は立てられん。お前が自分をどう呼ぼうが、俺は俺の見立てで動く」

俺は黙った。
桂は本気で言っていた。

不具合ではない。
状態。

その言い方が、妙に嫌だった。

壊れた、で終わらせてくれない。
もう駄目だ、で片づけさせてくれない。
まだ何かを調べる余地があるみたいに言う。
そういう言葉は、困る。
俺みたいなものには、かなり困る。

「……さっさと出てけよ」

俺は低く言った。

「見張りが来る」

「そうだな」

「鍵は」

「必要ない」

「いや、牢屋だぞ」

「俺を舐めるなと言ったはずだ」

桂は袖から何かを取り出した。

いやなんで物がある。
捕まったんじゃなかったのか。
持ち物検査どうなってる。
奈落の警備、ずっと破綻しすぎている。
いや、桂がおかしいのか。
たぶん両方だ。

桂が取り出したのは、小さな木札だった。
そこには、達筆でこう書かれていた。

“非常口”。

「……何それ」

「非常口だ」

「いや、文字は読めるわ。何で持ってんの」

「非常時に必要だからだ」

「今が非常時なのは認めるけど、その木札でどうにかなるタイプの非常時じゃねぇだろ」

桂は答えず、鉄格子の隙間から木札を滑らせた。
すーっと、乾いた音が石床を走る。
背中は石壁。
目の前には鉄格子。
右手側の曲がり角から、足音。

木札は、ちょうどその足音の前で止まった。

見張りは屈まなかった。
当然だ。
奈落の見張りが、床に転がった不審物を素直に拾うわけがない。

片足が木札を踏みつける。
手はすでに刀の柄にかかっている。
ただ、視線だけが一瞬落ちた。

その一瞬で十分だった。

桂の袖から細い縄が伸びた。
縄の先には小さな鉤。
それが、見張りの腰に下がった鍵束へ吸い込まれるようにかかる。

見張りが踏み込んだ。

俺の肩を押しのけるように、鉄格子へ近づこうとする。
狭い通路で、その動きはほとんど体当たりに近かった。

その前に、桂が手首を返した。

鍵束が、しゃらん、と音を立てて宙を舞う。
見張りの手がそれを追う。

間に合わない。

鍵束は鉄格子の隙間を抜け、桂の手の中へ収まった。

「……スリじゃねぇか」

「違う。戦略的借用だ」

「言い方変えても犯罪だよ」

「奈落相手に窃盗罪を気にするな」

「それはそう」

見張りの目が鋭くなる。
刃が完全に抜かれた。 

「屍、そこを退け。その男を拘束する」

「分かってる」

分かっている。

桂は捕縛者。
見張りは奈落側。
俺は奈落の人間として、ここに立っている。
分かっている。
分かっているから、足が動かなかった。

桂は何事もなかったように鍵を差し込み、牢の扉を開けた。

がちゃん、と音がする。
扉が通路側へ押し出される。
狭い地下廊に、鉄の軋む音が響いた。

桂が一歩、外へ出る。

その瞬間、胸の奥で命令が跳ねた。

捕縛者。

逃亡。

阻止。

桂は、目の前にいる。

見張りは、曲がり角の向こうからこちらへ踏み込んでくる。
狭い通路だった。
俺が一人立っているだけで、向こうから来る見張りの足が詰まるくらいには。

俺の右手が動いた。

さっきより速い。
さっきより深い。
噛む暇もなかった。

刀へ伸びる指を、俺はそのまま鉄格子へ叩きつけた。

がん、と音がした。
思っていたより、ずっと鈍い音だった。
金属に骨が負ける音。
指の感覚が、一瞬で消えた。

「……ッ」

次に、熱が来た。
手首から肘まで、焼けた針金を通されたみたいに痛みが走る。
息が止まった。
膝まで落ちかけて、壁に肩をぶつけて耐える。

刀の柄から、指が外れた。

外れた、というより、握れなくなった。

加減はできていなかった。
止めるために叩いたんじゃない。
動かなくするために叩いた。

桂が、一歩こちらへ踏み出しかけて止まった。

近づけば、また俺の身体が動く。
それを分かっている顔だった。

だから止まった。
その止まった一歩が、妙に痛かった。

「十年」

桂の声が、低く落ちた。

「お前は、そうやって止めてきたのか」

「別に毎回じゃない」

反射みたいに返した。
早すぎる返事だった。

「屍、退け!」

見張りの怒声が飛ぶ。

見張りは俺の脇へ身体をねじ込もうとした。
けれど、通路は狭い。

俺が少し肩を引いただけで、見張りの肩が壁にぶつかる。
抜けない。
見張りが舌打ちした。

「邪魔だ!」

「分かってるって」

分かっている。
分かっているから、足を動かそうとした。

追え。

逃亡を阻止しろ。

捕縛者を拘束しろ。

命令は来ている。
身体も動こうとしている。
なのに、右手の痛みが一拍遅れて腕から肩へ抜けた。
視界の端が白くなる。
息が詰まる。

踏み出した足が、半歩で止まった。

「屍、追え!」

「追ってる追ってる」

言い返した声は、自分でも驚くほど平らだった。

追っている。
たぶん。
少なくとも、命令はそう言っている。
身体も、そのつもりで動こうとしている。

なのに、俺は桂の後ろではなく、見張りの前で詰まっていた。

通路のせいだ。
右手のせいだ。
薬のせいだ。
命令が中途半端に刺さっているせいだ。

理由ならいくらでも並べられる。

けれど結果だけ見れば、俺は見張りの進路を塞いでいた。

最悪だ。

どこからどう見ても、桂を逃がす動きだった。

「……だから言ったろ、今の俺、欠陥車なんだよ」

「ふざけるな!」

見張りが俺の肩を掴もうとする。

その手が近づいた瞬間、身体がまた反応しかけた。

接触。

制圧。

反撃。

俺は咄嗟に肩を引いた。

引いたせいで、見張りの踏み込みがまた一拍遅れる。

桂には、その一拍で十分だった。
あいつは懐から煙玉を取り出した。

「持ち物検査が甘かったな」

桂だけが、やけに気分よく言った。

どうやって検査を通過したんだよ。
そう突っ込みたかったが、声に出す余裕はなかった。

桂は煙玉を床へ叩きつけた。
白い煙が広がる。
湿った地下の空気に、煙が低く這う。
火皿の明かりがぼやけ、鉄格子の影が壁の上で歪んだ。

見張りたちは咳き込みながらも、すぐに動いた。

前へ出る者。
通路を塞ぐ者。
奥へ報告に走ろうとする者。
本当にちゃんとしている。
ちゃんとしているのに、桂の方が理不尽だった。

俺は煙の向こうでせっせと何かしらの木札を貼っている桂を見て、しみじみと思った。

……ギャグ補正って、すごいんだな。

自分が使っていた時は必死すぎて分からなかったが、外から見るとだいぶ理不尽だ。
というか今“順路”とか“こちらではありません”って文字が一瞬見えたんだけど。アホか。

その時、桂が逃げた方とは反対側から、重い足音がした。

どすん。

どすん。

地下牢の床が、微かに震える。

狭い通路の向こうに、白い影が立った。

大きい。
丸い。
妙に無言。
そして看板を掲げている。

『通行止め』

物理的に。

あまりにも物理的に、通路が塞がった。

「何だ、あれは!」

「斬れ!」

見張りの一人が白い影へ迷わず斬りかかる。
白い影はひょい、と避けた。

動きは鈍そうなのに、妙に身軽で妙に当たらない。
狭い通路で、白い巨体が一歩動くだけで、見張りたちの足並みが崩れる。
追うための道が、詰まる。

桂の足音だけが、煙の向こうで遠ざかった。
迷いがない。

順路。
こちらではありません。
非常口。

ふざけた文字が、煙の中で本当に道になっている。
作るな。
奈落の地下に勝手に道を作るな。

見張りの一人が、煙の奥へ怒鳴った。

「仲間を囮にする気か!」

煙の向こうから、桂の声だけが返ってきた。

「囮ではない。誘導だ」

どっちでもいいわ。

俺は心の中で突っ込んだ。
声に出す余裕はなかった。
というか、出したところで届く気もしなかった。

桂小太郎だけが、煙の向こうでやけに気分よく喋っている。
なんか腹が立つ。

白い影は、もう一枚看板を掲げた。

『暴力反対』

「看板で会話するな化け物め!」

桂の足音は、もうかなり遠い。

煙の向こうで、声だけがした。

「では、また会おう!」

もう少し普通に帰れ。

激しく思った。
昔からめちゃくちゃな奴だったが十年も経てばこんなに進化するのか。

桂は最後に一枚、木札をこちらへ投げた。

白い煙を割って、薄い板が飛んでくる。
距離はあった。
けれど、軌道はやけに正確だった。

俺は反射的に右手を出しかけた。

痛みが走る。
指が開かない。

木札は指先をすり抜けて、足元に落ちた。
からん、と乾いた音がする。
は、と空気だけが抜ける笑いが出た。
この程度のものも、右手で拾えない。
俺は左手でそれを拾った。
木札には、達筆でこう書かれていた。

“欠席理由書 未提出
至急、提出されたし
形式自由・代筆不可”

宿題出してんじゃねぇよ。

声に出すには、桂の気配はもう遠かった。
騒がしい音だけが地下牢にやけに元気に響いていた。

俺は木札を握った。

右手が少し震えていた。
さっき鉄格子に叩きつけたせいか。
薬が中途半端に残っているせいか。
桂の顔を見てしまったせいか。

原因候補が多すぎる。

手にした木札の筆跡には、馬鹿みたいに覚えがあった。
捨てようと思った。
奈落の地下でこんなものを持っている暗殺者、どう考えても処分対象だ。
報告書にも書けない。
任務にも使えない。
武器にもならない。
ただの木札だ。
ただの、桂小太郎が勝手に置いていった嫌がらせみたいなものだ。

俺はそれを懐に入れた。

提出する気はない。
少なくとも、今は。

でも、捨てると、あいつの言い分を認めるみたいで腹が立つ。
持っていても、あいつの言い分を認めるみたいで腹が立つ。
どっちにしても腹が立つ。
桂小太郎という男は、昔からそういう場所に物を置いていく。

煙の向こうで、誰かが「非常口はどこだ」と叫んでいた。

ここに非常口などない。
……少なくとも、昨日までは。

俺は懐の木札を押さえた。
けれど、妙に引っかかっていた。

あんな馬鹿みたいな札は、すぐに剥がされる。
燃やされるか、踏み潰されるか、報告書の端に「不審物」と書かれて終わりだ。
だから、残るものなんてない。
ないはずだった。

それなのに、桂が木札を貼っていた時の目だけが、妙に頭に残っていた。

ふざけている顔ではなかった。
いや、ふざけてはいた。全然ふざけていた。
桂小太郎なので、本人は真面目のつもりなのだろうが、あれを真面目に分類していい世界は終わっている。

だが、それだけではなかった気がする。
あいつは、木札を貼りながら、何かを見ていた。
何を、と聞かれても困る。
俺には説明できない。
説明できないものは、報告書に書けない。
書けないなら、見なかったことにするしかない。

俺は木札を、懐の奥へ押し込んだ。

捨てたら負けな気がした。
持っていても負けな気がした。
つまり桂小太郎の勝ちである。
腹が立つ。

報告書に書けない項目が、また一つ増えた。

— End —

Comments 43

める5 天前

説得パートだよ!主人公くんの救出準備が着々と進行している気もするけど、村塾組に会うたび怪我してるからめっちゃ心配😭

にわとろ5 天前

皆が主人公くんに会いに来てくれるのは嬉しいけど、桂とか連続で逃がしてるし、他の奈落の邪魔もしてる訳だから、なんか処分下されそうでちょい心配です…!!! それで更に奈落の命令に逆らえない体にされたりとかも個人的には好きです!!!ほんとに更新ありがとうございます!!!!

ヲタク系かぐや姫6 天前

空間の方を間違いにするし地下牢コーデに新ジャンル作るしで相変わらずのヅラワールド展開…かと思えばあまりにも真っ直ぐな気持ちに涙出てきちゃったよ…これで次高杉が牢の中にいたらどうしよう(そんなことはない…はず)

すずめ6 天前

皆「来ちゃった♡」 彼「なんでいんの」 エンドレスリピート☆

はか6 天前

うおおお~~~~!!!!!! やれ~~!!!!! 幸せになれ~~~!!!!! 更新ありがとうございます!!!!!

京珠6 天前
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ぷぅ6 天前
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みかん6 天前
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モンちゃん6 天前

銀時から先生へ。先生から桂へ。ヅラの次に再会するのは厨二病の高杉くんですかねぇ?

プリン6 天前
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オシシカカタン6 天前
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しば漬け6 天前
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Sakuria
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