Novel2 months ago · 4.4k chars · 1 pages

カラスが鳴いても猫は丸まる

ふぉると。ふぉると。

「どうだ、重いだろう……動けないだろう……!!いいか、これが拷問だ…!!(癒やされてくれ)」 「……ちょっと待って?おたく『拷問』って言葉知ってる?(小声)」 注意事項! n番煎じ 誤字脱字 捏造過多 全巻読破済み ※Geminiで文章の修正サポートを受けましたが、大幅に手直ししています ※アイデアは自作であり、文章の補助としてAIを使用しています

カラスが死の予兆とはよく言ったものだ。
だがしかし、状況によっては幸運となり得る。

寛政の大獄。伝説の師・吉田松陽を巡る動乱の最中。 奈落の構成員であり拷問官の楔は、血に塗れた暗殺者の衣装を纏いながら、目の前の光景に打ちひしがれていた。

(できねえええ……! こんなの絶対できねえよ……!!)

目の前には、ボロボロになりながらも鋭く鈍い光を失わない三人の侍。

白夜叉・坂田銀時。
狂乱の貴公子・桂小太郎。
そして、鬼兵隊総督・高杉晋助。

その顔を見た瞬間、俺の脳内に濁流のように、怒涛に流れ込んできた情報。
刀も侍も過去の、平和な世界。
彼らの「物語」に感動していた頃――所謂前世の記憶だった。

(嘘だろ…っ…!? ここ、『銀魂』の世界かよ!?
それで、俺は……よりによって奈落の拷問官!)

状況を把握した途端、前世の記憶―――所謂メタ知識が警鐘を鳴らした。
この後、主人公坂田銀時は尊敬する師である吉田松陽の首を自らの手で撥ね、絶望の中で高杉は左目を朧に貫かれる。
物語のターニングポイントであり、永遠に癒えない傷を負う、最悪で最低な曇らせ展開。

(嫌だ。俺は認めない。「物語」として楽しんでた頃はしょうがないとして、今この状況!!何とか出来るかもしれないのに、このまま悲劇が起こるのを大人しく見送るなんて真似、できるわけが無い!!)

「おい。さっさと始めろ。殺さない程度に痛めつけておけ」

同僚の冷ややかな声が、俺を現実に引き戻す。俺は一瞬で腹を括った。

(殺されてもいい。地獄に落ちてもいい。俺の命なんて、こいつらのハッピーエンドの対価に比べれば、安すぎるくらいだ!)

「……ええ。存分に、地獄を味あわせてやりますよ」

俺はわざとらしく低い声で笑い、三人を「拷問部屋」へと引きずり込み、転がした。 重い鉄扉を閉め、鍵をかける。

重い扉が閉まった瞬間、俺は三人の前に膝をついた。意を決して、彼らを見据えた。

「……何だ、そのツラ。やるならやれよ…!」

高杉が低く唸る。憎悪と警戒に満ちたその瞳。殺してやると言わんばかりの眼光が、俺を貫く。
松陽先生の処刑までそんなに時間が無い。それまでにカタをつけなきゃならない。
本来であれば、それまでに心も身体もボロボロにするのが拷問官としての役目。
死んでもそんなことはしないが。

「……っ、」

俺は懐から小刀を取り出すと、迷わず自分の腕を深く切り裂いた。

「なっ……!?」

驚愕に目を見開く三人。俺は自分の血を彼らの顔や服に塗りたくり、外で見張りをしている奈落の連中に聞こえるように叫び声をあげた。

「ああ…っ!!いい声だ! 泣け、もっと喚け! 貴様らの慕う先生とやらを助けて欲しければな!!」

口では罵りながら、俺の手は情けなく震えていた。血まみれの指で、彼らの縄を「解こうと思えば解ける」特殊な結び目に変えていく。

「……お前、何を……」

桂が困惑した声を出す。俺は懐から、部屋の中にある隠し扉から、大量の猫(奈落の庭にいた野良)を解き放ち、彼らの膝や肩、頭に、次々と乗せていった。
自分の唇に人差し指を立て、静かにするように無言で伝えながら、続ける。

「どうだ、重いだろう……動けないだろう……!!いいか、これが拷問だ…!!(癒やされてくれ)」

「……ちょっと待って?おたく『拷問』って言葉知ってる?(小声)」

難なく縄を解いた銀時が、困惑しながら、膝に三匹の子猫を乗せ、もう一匹の猫(大人)の腰を優しく叩いてやりながら小声で話しかけてくる。

「くっっ……!何という拷問だ……!これでは重くて動けないではないか……!」
「ややこしくなるからテメーは黙っててくんない?!……いや、ヅラ、そのまま身悶えてろ(小声)」
「ヅラじゃない桂だ!!(小声)」

お馴染みのやり取り(攘夷戦争Ver.)に密かに歓喜してニヤけそうになるが、我慢だ。
如何に外の奈落には拷問してるように見せかけて、そして、彼らには如何に此方が無害かを示さなければならない。

「ガハッ……息が…、出来ない…!!卑怯だぞ…!!俺をどうするつもりだ……!!」
「どうもしないさ。ただただ手も足も出なくはなるがな!!」
「う゛ぐぁぁぁぁああ!」

まあ彼に至っては割と真面目に拷問の類いとして受け取ってそうだけど……。
一応拷問が行われてるという証明になるから助かるのは確かだ。
……それ以前に縄といて頬が緩みきってしまってるどころかすっかり堪能しちゃってるけど。確かこの人犬派でもあり猫派でもあったな……「肉球に包まれて窒息すればいいんだ!(cv:石田彰)」とか言ってるくらいには動物好きみたいだし。
あ、猫吸いしてる。流石肉球のためならサファリパークに生身で行く男だ、面構えが違う。

「っい゛っ……!!」
「高杉!?」

キツく縛られていたのか、血が滲む程に幾重にも擦り傷がついた手首に、めっちゃ染みるけどよく効く消毒液を高杉にぶっかける。

「痛いだろう、苦しいだろう!!
もっと聞かせろ!!情けなく許しを乞え!!止めるつもりは毛程もないがな!!

……消毒液だ。かなり染みるが、後で軟膏も塗るから我慢しろ(小声)」

「いやさっきからなんなのお前!?(小声)
い゛ッって!!っっつ~~!!」

ツッコミを入れてきた銀時も同様に、手首に消毒液をぶっかけておく。…桂に至っては手錠かけられる人みたいな感じで両手差し出してきた。 いや素直かよ。

「お前……何なんだよ……」

同じく、縄を解いて、俺の消毒液が余程染みたのか生理的な涙を滲ませた高杉は、先程の鋭い眼光は何処にいったのか。ぐるぐると喉を鳴らしながら膝の上でふみふみしている茶トラと、背中に頭を擦り寄せられている黒猫をそのままに、戸惑いに満ちた目で俺を射抜く。

外の見張りの気配が完全に無くなったことを確認し、なるべく声を落として俺は話し始めた。
この世界における俺の「設定」を。

「……、元より、殺すのも、傷付けるのも苦手な方でな。
信じられないかもしれないが、俺はそこそこ名門の武家の次男だった。
――家族は皆目の前で殺された」

ひゅっと、誰のものでもない、息を呑む音が聞こえた。

「………選べと言われた。『傀儡となるか、ここで死ぬか』と。迷わず死を選んだ。
だがそれは――記憶も立場も何もかも忘れた上での死か、何もかもを覚えている上で傀儡となるかの違いだった。……選択の余地なんて、無かったんだ」

俺が前世を思い出したことで蘇ったこの身体に刻まれた記憶。何ともまあ、壮絶過ぎる設定だ。

「……あなたたちの光を見て、漸く、思い出すことができた。…だから、これは、恩を返しているに過ぎない。…本来ならば、仮死状態にして秘密裏に逃がすつもりだったが……。
そのつもりは、ないんでしょう?」

俺が聞くまでもなく。当たり前だと言わんばかりの光を湛えて、見つめ返してきた。
俺にはそれらが、酷く眩しく見えた。

「何。まだ時間はある。…しっかり、『拷問』させてもらうとしよう」

傷を癒やし、猫で血圧を下げ、密かに栄養剤を飲ませる。
それが「拷問官」としての俺の戦い――命懸けの推し活だった。

◆楔(くさび)
天導衆直属の暗殺集団――天照院奈落、奈落三羽(朧、骸、柩)とはまた違う。
天導衆の構成員であり、奈落の拷問官。
吉田松陽(虚)が天導衆を離れた後、能力を買われて天導衆の一員となった。そのため、松陽先生との面識はない。
銀時たちとは同年代もしくは1~2歳年下。

とある名門の武家の次男だったが、徳川定々の策略により天導衆によって捕らえられる。家族を目の前で殺され、茫然自失になっていたところを『今ここで死ぬか、我が傀儡となるか』と究極の選択を迫られ、迷わず死を選ぶも意識を落とされ、天人に伝わる記憶を書き換える薬を飲まされ、記憶も何もかも無くしてしまう。

要するに、今ここで(記憶も立場も)死ぬか、(記憶も立場も覚えてる上で)傀儡となるかのある意味選択の余地がない最悪な状態だった。

ただ、本質は変わっておらず、人を傷付けることや殺めることはどうしても出来なくて、錫杖(刀と居合い刀が仕込まれたもの)に仮死状態になる薬を塗って殺したように見せかけている。

拷問官でありながら拷問じゃない拷問(大量の猫をけしかける、めっちゃしみるけどよく効く消毒液、目の前でカップ麺にチーズ入れて食べる等)をしてるけど最終的に自白してるのでその腕は確か。

なお、大変に惨い()光景なので、楔とその拷問を受ける者以外は決して立ち入ることを許されてないので、天導衆の他の構成員達は(ごく一部を除いて)何やってるのか全然知らない。

朧のことは朧さん呼び。
骸(信女)(妹弟子)のことは骸呼び。

天導衆に捕らわれた銀時、桂、高杉を見た時点で前世とこれまでの半生の記憶が蘇る。(いやだぁぁぁぁあ!!これアレじゃん!!銀さんが松陽先生の「みんなを守ってあげて下さいね」の約束を守るために師を斬って激昂した高杉が片目を朧に貫かれて最後に映った光景が銀さんの泣き顔で、三人が決裂する要因の悲劇が起きるやつじゃんんん!!)と内心発狂したし泣いた。

是が非でも銀さんは泣かせないし高杉の目は潰させねぇと意気込んでる。

◆坂田銀時
手を震わせながら必死に演技をする様子を見た時点で「あ、コイツ大丈夫そうだな」と早々に無害判定。
俺の知ってる拷問じゃなくて困惑。膝に三匹子猫乗ってきて遊び始めるし猫(成猫)が擦り寄ってくるし、拷問部屋じゃなくて猫カフェじゃねーかと半目になってた。
撫でるの上手そう(偏見)

◆桂小太郎
割と真面目にそういう類の拷問かと思ってた。手も足も出ない拷問とはなんと恐ろしい…!抗えん…!!(猫吸いしながら)とか戦慄してた。通常運転。デカ猫が頭に乗っててかつ左右の肩ににハチワレ猫とサビ猫で挟まれて顔が埋まってた。
楔が小刀を取り出して自傷した時点で楔が自分たちと同じ眼をしている事に気付いた。消毒液の時特に抵抗せずに両手差し出してたのはそのせい。
撫でるの上手そう(偏見)

◆高杉晋助
小刀で自傷、からの猫放出に理解が追い付かず目が点になりまくっていた。ふみふみされても擦り寄られてもされるがままだし消毒液染みるし何が何だか分からなくて感情ぐちゃぐちゃになった上での「お前、何なんだよ…」だった。
何だかんだで理解が追い付いたら肩の力抜けて猫は撫でてくれる。
撫でるの上手そう(偏見)

— End —

Comments 10

柊 休止中2 个月前

拷問()されてる弟子の声が聞こえたら松陽先生にとって拷問(ガチ)になりそう

津凪2 个月前
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妃璽李2 个月前
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紫炎2 个月前
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L
lol2 个月前

めちゃくちゃ面白い‼好きです よ、よければ続きを⋯

Sakuria
Where every work blooms
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