■注意書き。
こちらはふわふわした原作知識のひとが、ふんわりした設定で書いています。
そのため書いているひとの知識や認識が間違っている可能性があるので、気づかれたら優しく教えてくださると助かります。誤字脱字やミスなども見つけましたら、こっそり教えてください。※よくこっそりいろいろ修正しています。
また書いているひとは豆腐メンタルです……。
誹謗中傷はやめてくださいお願いします。
■こちらは二次創作です。
ご都合主義、捏造設定、原作改変、キャラ崩壊があります。
ここまででダメそうな方。
ブラウザバッグで見なかったことにして許してください。
以上をご理解いただける方。
それでも大丈夫という方はお進みください。
俺は死んだのかもしれない。
3歳くらいの時、いきなり記憶が戻った。
大人になって仕事もしていて……独身だったから気楽に生きていて、そんな時、たぶん事故にあって……死んだ、のだと思う。誰かの「危ない!」という悲鳴のような声を聞いたのが最後で、視界が真っ暗になった……それが俺の最後の記憶。
そして気が付けば……。
「ちぐさ、どうかしたのか」
「……何でもない」
この年でも割とはっきりとした口調で話す妹が、俺の方へ来た。
「ん、ちぐさの」
「ありがとう」
俺のおやつを持ってきてくれたようだ。
俺が来ないでぼんやりしていたからだろう。記憶が戻ったから当然なんだが。
「お母さんは?」
「あっち。けんじといっしょ」
椅子に座る母は弟を撫でながらも俺たちの様子を見ていた。俺がおやつを受け取ると「座って食べなさい」と言ったので俺たちは母のいるリビングのテーブルではなく、遊び場となっているリビングの隣の低いテーブルの前に並んで座った。ここは椅子がなくてそのまま座るところだ。テレビもこっちにある。
妹の持ってきたのは袋に入ったクッキーだった。
それを開けて妹のクッキーと種類が違うことに気づく。
「食べるか?」
「たべる! はんぶんこしよう!」
二枚入りのクッキーの一枚をにこにこして取り出して俺に差し出す妹は可愛い。俺も自分のクッキーの一枚を差し出す。そうしていると母が牛乳を淹れてくれたコップを持ってきて俺たちの前に置いた。
「仲良くね」
そう言って笑う。
幸せな家族そのものだ。父も夕食までには帰ってくるだろう。
けして死ぬ前の俺も不幸ではなかったけれど、運よく二回目もいい家に生まれたようだ。そう、だけど、ここ――コナンの世界なんだよなぁ。
名探偵コナン。
この世界では現実だが、死ぬ前の俺の世界では漫画、アニメとして有名な作品。その世界に俺はいるらしい。
俺、アニメ顔だし……てか……。
映画の広告で惚れこんで漫画全巻買った推しである萩原千速は何と俺の妹で、その過程でその萩原千速の弟ということで気にしていた萩原研二も俺の弟で……。
マジか……マジかぁ。
「ちぐさ、どうした」
「何でもない」
俺は双子の妹――千速を撫でてみた。千速が嬉しそうに笑う。可愛い。この年からもう顔がいい。芸能人になれそう。
俺の唯一の心残り、それは――。
映画、見たかったなぁ。
仕事の関係で休みが取れずにやっと来週に見られそうだと思った千速メインらしい映画を見られなかったことだ。予告しか見れなかった……。
「はあ」
「どうした?」
「何でもない」
俺がふるふると首を振ると、千速が手を伸ばして「いいこいいこ」と撫でてきた。母の真似だろう。うっ、可愛い。
映画は見れなかったけれど代わりに推しの身内になるとか……どこのアイドルの漫画だよ……。
そうして俺、萩原千草は、原作になかった存在でありながら、萩原家の一員となったのだった。
「どうだ、研二。勉強は分かるか?」
「兄ちゃん! 分かるよー! 入る前に兄ちゃんと姉ちゃんが教えてくれたから!」
小学生になる前の研二に、先輩ぶった俺と千速は学校ごっこをして勉強を教えていた。研二も楽しそうだったし千速も楽しそうだった。千速の口調はこの頃にはすでに男勝りのもので、元の原作での原因は知らないが、この世界では――。
「千草」
「どうした、千速」
「宿題を見てくれ」
「分かった。どこだ」
俺の口調の真似らしいと知った。俺は中身こそこんなだが、表では萩原家の長男であり、萩原千速の双子の兄、それなりに振舞わねば、と考えて原作の萩原千速風の口調にしていたのだ。そうしたら千速もこうなった。そこを原作改変する気はないから別にいいが、千速の口調を女っぽくすることもできたのだろうか……いやそこで「なのよね」とか言っている千速とかイメージできないけど……。
「兄ちゃんと姉ちゃん、勉強するの……?」
「研二も宿題するか? 終わったらおやつを食べて、そうしたら遊ぼう」
「俺もする!」
元は別に推しではなかった研二も今では立派な俺の推しである。可愛すぎる……俺の妹と弟が可愛すぎる……。
「どっちが早く終わるか競争だぞ、研二」
「負けないよー」
可愛いー!
俺はさすがに大人の記憶があるので小学校で躓くことはない。でも中学高校となってきたらさすがに、と思ったので今からひっそりテキストを買って勉強している。子供の欲しいものなんてあんまり興味ないし、かといってこの年で大人の持ち物に入るようなものを買うわけにもいかないので余裕はあるのだ。千速や研二に今後も頭のいい兄のふりをするため、そして両親にも喜んで欲しい、そんな思いで俺はせっせと裏で勉強をしているのであった。
それでも悩みはある。
まず俺は原作キャラじゃない……と思う。とりあえず映画までの原作には登場していなかったし、映画に萩原兄は出ていなかったと思う。
それと研二だ。
研二は原作では死ぬことになる。それは避けたい。
原作改変がどうとか言っていられない。研二だけは死なせない。たとえそれで何かが狂って降谷零とかが死んだとしても……! ……死んだらやだなぁ……。
そんなことを思っている間に、研二は松田陣平と出会った。
千速に告白してはフラれている陣平だが俺は原作キャラには寛容なので見る目があるな、と応援しているそぶりを見せておいた。
「千速に惚れるなんて、見る目があるな、陣平は」
「……千草兄」
「頑張れよ、未来の弟候補」
「お、弟になるからな、絶対に!」
「おう、頑張れ」
「ああ!」
俺の応援に陣平は嬉しそうにしていた。千速は別にどうでもいいらしい。……と思っていたのだが。
「私が陣平と結婚してもいいのか」
「ん?」
「……わ、私が、松田千速になってもいいのか!?」
「んん?」
「千草と……研二と違う名字になるんだぞ……」
「……」
え、なにこれ、可愛い。
夜になったらなんか涙目で俺の服の裾を引っ張ってこんなことを言ってきた。俺の妹可愛くない?
「千速も誰かと結婚したりもするだろう、それなら陣平もいいと思ったんだ。弟にするならな」
「わ、たしは……千草がいい……」
「んんんっ」
お兄ちゃんと結婚したいということか!? 可愛すぎる!
「兄妹は結婚できない……分かってる……だが……」
「……結婚しないでも、ずっと一緒にいればいい。そうだろう?」
「千草っ」
「大丈夫だ、千速。何があっても俺たちは一緒だ」
抱き着いてきた千速を撫でた。
かっこいい兄ぶっている表の俺とは裏腹に、あー、可愛い、俺の妹マジ可愛い……と内心では残念な感想を漏らしていた。
思春期になって兄離れ……するかと思いきや俺の可愛い妹と弟は別にそんなことはなかった。友達付き合いもあるがそれでも兄弟で過ごす時間もちゃんと取っている、そんな感じだった。
「兄ちゃん、これ買ってこうよ」
「これもいいな!」
「買いすぎるなよ」
兄弟で仲良く自宅で映画鑑賞の予定で、スーパーにお菓子の調達に来ていた。俺の可愛い妹と弟はすぐナンパされるから俺が見てないとな! と思っていたら……。
「あの、突然すみません、この後お時間ありますか?」
「え?」
「さっきからかっこいいなぁって」
俺がナンパされた……。
「ダメだ! 千草は私のだぞ!」
「千速」
千速が俺の腕に張り付いた。
「ごめんね、兄ちゃんはこれから俺たちと用事があるからさ」
「研二」
反対側から来た研二が俺の残った方の手に抱き着いて言う。あー、可愛い……兄冥利に尽きる。それに二人組のそれなりに可愛い女の子たちは去っていった。こんなに顔がいい二人が出てくるんだもんなぁ。
「兄ちゃん、かっこいいんだから気を付けないと!」
「そうだぞ、千草。千草は少しぼんやりしているところがあるからな」
「そうか?」
「そうそう!」
「そうだ!」
可愛い……。
ご察しかもしれないがこの可愛い千速の双子の兄であり、可愛い研二の兄である俺の顔も、萩原家のもので、当然イケメンなのだった。
そうして時は流れ、千速は警察官になることになり、俺は――。
「萩原……ああ、兄の方だ」
「はい」
「班長として、よくやってるようだな」
「ありがとうございます」
同じく警察官になっていた。
同時期に警察学校に入り、俺と千速は名物兄妹となっていた。
そんな時……。
「え、公安?」
そこにとんでもない奴らが来た。
公安からのスカウトだ。なんで俺に来るんだ? 原作の背景に俺いたっけ? え、もしかして原作始まる前に死んでた?
なんて混乱しつつ話を聞くと、俺の成績が良かったのでスカウトしに来たらしい。マジか。降谷零もいない今、もしかしたら公安も人手不足だったりするのだろうか。
そんなことを思いつつ俺の答えは決まっていた。
「お断りします」
絶対受けると思っただろ。
原作知ってたら入ると思っただろ。俺は入らないけどな。
「……そうですか、理由をお聞きしても」
「公安に入る際には、家族に秘密にすることになるんですよね。ですが私は……妹と弟に嘘を吐きたくありません」
「え」
「二人はいずれ警察官になります。察してくれるかもしれません。ですが隠すなんて私には無……」
「警察官になる妹さんには話してもいいとしたら?」
「え」
「弟さんも警察官になったら話してもいい、としたら?」
「え」
「……特例として認める、としたら、頷いてくれますか?」
「……」
マジで人手足りないんだな……。
俺にこんなに言ってくるなんて……と思って、入ったら降谷零とか風見裕也とかの助けになれるし、まあ、いいかぁ……と思って……思って……頷いてしまったのだ。
そしてそれから数年。
俺たちに続いて研二とその同期たちも警察官になった頃。
いや、うん。
頷いたよ。頷いた。だけどさあ、なんで……? なんで?
「ほら、行くぞ」
「待て。ジン」
「なん……っ」
「ほら、ゴミが付いてたぞ」
「……ふん」
何で組織の潜入捜査が回ってくるんだよ!
ジンにゴミが付いてたよ、なんて言って出かける前につけた盗聴器を回収しつつ、俺はイケメンウインクした。ジンが若干赤くなった気がする。やっぱり顔がいいってすごい。
「そうだ、言い忘れていたんだが、ジン。11月6日から7日は休むぞ」
「なんかあったか?」
「私用だ」
「……デートか?」
「ああ、とっても可愛い相手とな」
「……ふーん」
ジンの声が少し低くなった気がする。気のせいだろうか。原作を知っているとはいえジンのことなんてほぼほぼ分からないので俺は適度な距離感を持って接しようとしていた、のだが……。妙にジンが一緒に組んでくるんだよなぁ。
「分かっちゃいるだろうが、お前も組織の人間だ。下手な相手に騙されるなよ」
「心配するな。相手の身元は分かっている」
「……ふん」
ほら、不機嫌オーラ出してるー! こっわ。
「ジン」
「なんっ」
「あんまり怖い顔をするな。綺麗な顔が台無しだぞ」
「っ」
それでも一つだけ分かっていることは、ジンは実は俺の顔を気に入っているらしいことだ。それを活かしてイケメンウインクを決めてやると、ジンがやっぱり少し赤くなって顔をそらした。効いてる効いてる。
そうして無理やり11月6日から7日の休みをもぎ取った俺は……。
「久しぶりに会えて嬉しいぞ、千速、研二」
「集まれてよかったね! ね? 姉ちゃん!」
「ああ、そうだな」
可愛い妹の千速と可愛い弟の研二といちゃいちゃデートをしていたのだった。
ん? 今日は11月7日だから爆弾がって?
うん、そうだよ、でも研二が行ったら死ぬかもしれないだろ? だから陣平にぶん投げ。
あいつ原作でも人気キャラだし大丈夫大丈夫……と目をそらしておいた。
結局、研二がいなかったので当然爆弾の解体は間に合わず、だからと言って解体できる人間は陣平くらいで、陣平が解体する前の準備をしている間に爆破、そうして犠牲者は出なかった……という平和(?)な結末を迎えたのだった。
そうして逃げた爆弾犯は俺の組織の人間としての伝手により見事捕まえて警察に直送。もう危険はなくなった、と思う。
そうして心置きなく妹と弟といちゃいちゃライフを送れるはずの俺だったが……公安に入ってしまったためそうもいかず、いちゃいちゃライフはもう少しお預けのようだった。
ジンも妙に構ってくるし、いずれ来る新人たちは研二の友達だし、お兄ちゃんも楽じゃないなぁ……。
なんて思いつつも可愛い妹と弟を糧に今日も兄は頑張るのだった。
・萩原千草(はぎわら・ちぐさ)
萩原千速の双子の兄。萩原家なので顔がいい。なんとなく流されて公安に入ってしまったら組織潜入組に突っ込まれてしまう。コードネームは不明。ジンに顔が気に入られているらしい。なんだかんだ言いながら弟の友達は助けていくと思われる。
























