キャプションは読まれましたか?
gnsnの夢小説です。
○読んだ後の苦情は受け付けません。
○自衛大切、絶対。
○作品内で使用した言葉や誤字脱字、その他諸々への指摘は不要です。
○気に入らない、合わない、不快と思ったなら、何も言わずに去って下さい。
○「何でも」許せる方向けですので、「何でも」許せない方は何も言わずに去って下さい。
○妄想・捏造100%です。
○夢小説が苦手な方は引き返す事を推奨致します。
「OK、大丈夫!」
「なんでも許せるぜ!」
という人はどうぞ。
パチリと目を覚ます。
半身を起こして、辺りを見渡すと、私は風立ちの地の原っぱに寝転んでいた。
立ち上がって、私は風神様の神像のそばへ行った。
それから大きなオークの木を見上げて、今度は鷹飛びの浜へ向かった。
少しだけ、潮風にあたる。遠目に、水スライムがぽよぽよ跳ねているのが見えた。
それから、千風の神殿に向かった。
遺跡守衛がどしんどしんと動き回っていた。見つからない内に神殿を離れて、星拾いの崖の頂上を目指した。
セシリアの花が咲いている。
真っ白な、可憐な花。
しゃがみ込んで、花を見つめていたら、後ろから、足音が聞こえてきた。
「今日はここにいやがったか」
灰がかった青緑色の髪の、紫のような赤のような目の色の青年が、私を見て、そう言った。
…今日は?会ったこと、あったかな。誰、だったかな…。
……あ。
「ろぉ、えん…?」
私が名前を言うと、彼は目を見開いて、「お前、喋れたのか…?」と言った。…そういえば今まで、彼の言葉に反応したこと、ほとんど無かった気がする。
目を覚ましてからしばらくは、頭に靄がかかったようだったから、彼をすぐに思い出すことが出来なかったし、最初に会ったときは、彼が話す言語がさっぱりわからなくて、無反応でいた。それから徐々に、なぜか言葉を理解できるようになっていった。今日は、前よりもずっと、鮮明に言葉を理解できた。…勉強したわけでもないのに、なんでだろう?
…あれ。今思えば、彼はいっつも、名前を名乗ってくれていたと思う。だから、ぼぅっとした頭でも、彼の名前を言えたのかな。
「初めて聞く言葉が俺の名前ってのは、悪い気はしねぇな」
何やら嬉しそうに笑って、ローエンはそう言った。名前を呼ばれるの、好きなのかな。
「…なんだ。今日はもう行っちまうのか」
行っちまう…?どこへ…?
「またな。今度はお前の名前、教えてくれよ?」
そう、彼が言った、次の瞬間。
私は、意識を失った。
◆◇◆
あの女を初めて見たのは、もうかなり前のこと。
夜、モンド城内を夢遊病の奴みたいに、ふらふらと歩く女に声をかけたのが始まりだった。
おい、と、声をかけると、立ち止まりはしたものの、以降はぼーっとしまま何の反応も示さず、一瞬目を離した隙にいなくなった。
帰ったのか、と思ったが、ただの女が、俺に気づかれずにいなくなるなんてありえない。何だあの女、と、俺はあいつに興味が湧いた。
次に女を見つけたのは、星拾いの崖の下の浜辺。
女はただじっと、海を見つめていた。…あんなぼーっとしてんのが、俺に気づかれずに姿を消す、なんて、正直ありえねぇと思った。
だから、観察してみることにした。
白い髪に、赤い目。色だけならクレーやアリスさんに似ているが、顔は全く似てねぇし、何よりあれくらいの女が身内にいるなんて話も聞いたことねぇから、血縁では無いだろう。
着てるもんは、上等そうな白いワンピース。どっかのお嬢さんが逃げ出してきたとかか…?…いや、それはねぇか。
女をじっと観察していたら、背後に気配を感じてすぐに後ろを向いた。水スライ厶だった。現れた奴らを全部凍らせて、再び女がいる方を見たら、女はいなくなっていた。
その次に見つけたのは、ドラゴンスパインの麓だった。
山中よりはマシとはいえ、麓だってそこそこ寒い。だってのに、あいつは薄着で、ふらふらと歩いていた。
「このバカ!死ぬ気か!?」と、そう、俺が怒鳴っても、きょとん、と、女は少しだけ首を傾げて、ただじっと俺を見ているだけだった。
そして、一際強く風が吹き、一瞬、目を閉じたら。女はいなくなっていた。
次は望風海角にいた。
やっぱりふらふら歩いている女は、声をかければ立ち止まるものの、俺の言葉には無反応だった。
女の表情は、ほとんど変わらない。けれど、俺が話し始めると、なんとなく、困惑しているような、そんな感じがした。
(…まさか、言葉がわかんねぇのか?)
そう考えた俺は、会う度に名乗ってやろうと、また一瞬目を離した隙にいなくなった後、そう思った。
明らかにモンド人ではない正体不明の女は、週に一度、モンドのどこかに現れた。俺が会えなかっただけで、本当はもっといたのかもしれない。
誓いの岬、奔狼領、清泉町、明冠峡谷、ミルハーヴェン、ドーンマンポート、アカツキワイナリーの近くだ。
何度も会う内に、女は身体が透け始めると、次の瞬間にいなくなる、ということがわかった。それから、会う度に、女がこっちの言葉を理解しているような、そんな素振りを見せるようになってきた。
いつも通りなら、今日、あいつは現れる。
そう思った俺は、俺が知る限りではあいつがまだ現れてない場所に向かうことにした。
星落ちの谷は、まだあんまり現れてなかったな。後は、療養所跡地、風龍廃墟…。…風立ちの地に行ってみるか。
しかし、風立ちの地にそれらしき姿は無く、浜辺の方にも人影はなかった。じゃあ、と、今度は千風の神殿に向かった。遺跡守衛が歩いてるだけだった。いつもならついでに倒してから次へ行くが、なんとなく、今すぐ星拾いの崖へ行った方が良い気がして、俺は直感を信じて、神殿を後にした。
「…いた」
まあまあ急な坂道を登り、海を見渡せる崖の先端の、少し手前。あの女は、しゃがみ込んで花─セシリアの花を見ていた。…そういやあの女、セシリアの花みたいな色してんな。
「今日はここにいやがったか」
ゆっくり俺の方を向いて、きょとん、と、俺を見上げる女。
「ろぉ、えん…?」
拙い口調。それでも確かに、女は俺の名前を言った。
「お前、喋れたのか…?」
驚きながら俺は女を見て、「初めて聞く言葉が俺の名前ってのは、悪い気はしねぇな」なんて、口にしていた。どうやら俺は、よっぽど嬉しかったらしい。
何を話そうか、なんて思ったら、女の身体が透けてきた。
「…なんだ。今日はもう行っちまうのか」
残念そうな声でそう言うと、女は不思議そうに、俺を見あげた。
「またな。今度はお前の名前、教えてくれよ?」
次の瞬間。
女は、俺の前から姿を消した。
また、風立ちの地で目を覚ました。
身体を起こして、辺りを見渡す。…今日もあの人、いるのかな。あれ?今日は最初から覚えてた。なんでかな。
立ち上がって、いつも通り、風神様の神像を目指した。したら、オークの木の下に、人がいることに気づいた。
「お、当たりだったみたいだな」
「ろーえん?」
木の下にいたのは、ローエンだった。
木に寄りかかっていた彼は、私に近づくと、私の手を取って、まるで物語の騎士のように手の甲に口付けて、それから「あなたのお名前を教えていただけますか」と、聞いてきた。
「名前…?……わかんない」
「は?」
名前。…名前?自分の名前…なんだったかな。
思い出そうとしてみると、頭に霧がかかったようになって、何も思い出せなかった。
「だから、好きなように呼んでいいよ」
私がそう言うと、ローエンは少し悩むような素振りをしてから、「じゃあ、セシル」と、言った。
「せしる?」
「おう」
「せしる、セシル…。私、セシル」
「…気に入ったか?」
「うん、とっても!」
そう言うと、ローエンはちょっとだけ嬉しそうに、「そうか」と呟いた。
それからも、何度も、ローエンと会って、おしゃべりをした。
私は気付いたら意識を失って、また風立ちの地の原っぱに寝転がっているけど、ローエンが見つけてくれるから、心配はいらなかった。
ミルハーヴェンの花畑を見に行ったり、また星拾いの崖を登ったりもした。ローエンといるのは、楽しかった。
「遠征部隊に選ばれた」
ある時、ローエンが私に、そう言った。
「しばらく、会えない?」
「ああ。そうなるな」
「そっか。寂しくなっちゃうね」
遠征、と言うくらいだから、遠くへ行ってしまうのだろう。どこまで行くのかな。無事に帰ってきてくれたらいいな。
「ローエンが無事でいられるように、風神様にお祈りしておくね」
「じゃあ俺は、お前が変なのに絡まれないように祈っといてやるよ」
「なにそれ」
風立ちの地の、オークの木の下。
二人並んで座りながら、そんな話をした。
その後も、ローエンとは何回か会えた。
ローエンは私の目の前で片方のピアスを外すと、「これをモンドのどこかに隠すから、俺が遠征行ったら探してみろよ」と、そう言った。
期限は、ローエンが帰ってくるまで。隠す場所は、私とローエンが今まで行った場所。
見つけたら私の勝ち、見つけられなかったらローエンの勝ち。負けた方が、勝った方のお願いを一つ叶える。
そんな約束をした。
「ローエンのお願いって、何?」
「んー、内緒。お前は?」
「ふふ、内緒!」
二人で「なんだそれ」って笑いながら、私は見つけられるかな、と、ちょっとだけ、不安だった。
ローエンが遠征に行って、私は宝探しを始めた。
今まで二人で行ったことのある場所を、探して回った。私は気付いたら意識を失って、なぜか風立ちの地にいるから、一回で行って探し回れるのは一か所だけだった。
探して、探して、最後に向かったのは、星拾いの崖。あるかな、と、不安に思いながら探し回っていたら、前見た時は花が咲いてなかった位置に、セシリアの花が咲いていた。
近づいてみると、花のそばの地面から、白い何かが飛び出していた。……リボン?
花のそばに生えていたのは、白いリボン。何かが埋まってると思った私は、リボンが生えている地面の周りを掘ってみることにした。
出てきたのは、小さな箱。開けてみると、中にはローエンのピアスと、手紙が入っていた。
『なんだ、見つけちまったのか。残念、お前の勝ちだな。帰ったらお前のお願いを聞いてやるから、俺に何してほしいのか、ちゃんと考えとけよ』
ローエンの手紙に、くすりと笑う。
何をお願いしようかな、と、思った時。
自分の手が、透けていることに気付いた。
「なに…?これ…」
どんどん薄くなる私の身体。いやだ、と、思っても、透化は止まらない。
「いや、やだ……ローエン!」
名前を呼んでも、遠征でいない彼が、来るわけもなく。
私はローエンのピアスを握り締めたまま、意識を失った。
私がいなくなったその場所には、ピアスが入っていた箱と、ローエンの手紙が残され、手紙は、風に攫われた。
「あ!?目が覚めたのか!?」
「…?」
女の子の声がした。誰だっけ。…あ。
「ぱい、もん、ちゃん…?」
「おう!そうだぞ!旅人ー!!シロが目を覚ましたぞー!」
ゆっくり、上半身を起こす。
私が寝ていたのは、旅人さんが用意してくれた、ふかふかしたベッド。
ここは、旅人さんの塵歌壺の一室。旅人さんがレイアウトした、私の部屋。
記憶を無くしてモンドの浜辺にいた私を見つけてくれたのが、旅人さんとパイモンちゃんだった。なんの取り柄もない私を、「一緒に旅をすれば、何か思い出すかもね」と、旅人さんは私を旅の一員に加えてくれた。
呼び名がないと困るから、と、パイモンちゃんは私に「シロ」とあだ名をつけた。「そんな犬猫じゃないんだから」と、旅人さんは最初は戸惑っていたけど、私は特に気にしていなかったから旅人さんもシロと呼ぶようになった。
そして、旅人さんが仙人様から塵歌壺を頂いた後は、私は塵歌壺の中にいることが多くなった。畑の植物を管理したり、精霊のマルちゃんとお話したり、旅人さんが連れてきた猫ちゃんと遊んだり。
最初はそれなりに壺の外にも出ていたのだけど、なぜか、段々と眠る時間が長くなり、人を認識するのにも時間がかかるようになった私は、壺の外に出ることが無くなった。
そんな私を、旅人さんはそこそこの頻度で、様子を見に来てくれた。私が起きていたら、旅人さんとパイモンは、外であったことをいろいろ教えてくれた。
原因不明のこの眠気は、どうにも治らなくて。
けれど、ナド・クライからモンドへ向かっている途中、目を覚ました私の手に、見知らぬピアスが握られていることがあった。なんだろうと思いつつも、なんだか捨ててはいけない気がして、捨てずに持っていたら、なんとなく、眠気が少しずつ、落ち着いていった。
なんだろう?と、パイモンちゃんと二人、首を傾げるも、答えは分からず。
モンドに到着した頃には、だいぶ調子が良くなっていた私は、久しぶりに塵歌壺の外へ出た。
久しぶりに旅人さん、パイモンちゃん、ウェンティさんと四人で話していた時、少し離れたところから、誰かが戦闘しているような、そんな音が聞こえてきた。
四人で様子を見に行くと、千風の神殿に、遺跡守衛と戦う人影があった。
「あ…」
「おや?どうかしたのかい?」
戦っている人物の姿には、見覚えがあった。
遺跡守衛が倒れたのを見てすぐ、私はその人物に駆け寄った。
「ローエン!!」
思いだした。彼のこと。
夢の中で何度も会った人。
久しぶりに会えた嬉しさで、つい、彼に抱きついてしまった。けれども彼は、私を受け止めてくれた。
「私の勝ち!」
耳につけた彼のピアス。
それを見たローエンは、満足そうに私の耳を見て、「あーあ、負けちまった」と言った。
「それでは、望みをどうぞ?」
名前を聞いてきた時みたいに、恭しくそう言ったローエンに、私は「あのね」と、私のお願いを伝えた。
◆◇◆◇◆
夢主
自分のことをよくわかっていない。夢の中でモンドを歩き回っている。
名前がわからないと話し、ローエンに「セシル」という名前を貰った。
世界の記憶から消されたナニカ。かもしれない。
騎士兎
「セシリアの花みたいな色の女だな」って思ったから、セシリアから取って「セシル」にした。
◆◇◆◇◆
後書き的なもの
存在が消えかけて、霊体みたいな状態になっていたところにローエンと出会い、ローエンに認識されたことで、少しだけ留まれた。それによって本体が目を覚まし、モンドの浜辺に打ち上げられた。ここで旅人とパイモンに助けられ、パイモンにあだ名をつけられたことで、存在が仮固定されることに。
旅人と出会った後は、夢の中で夢主にとっては過去の時空のローエンと何度も会うことに。そして、ローエンに名前をつけられたことで、一応は存在が確立。しかし、夢主にとっては夢の中の出来事なので、「一応」の応急処置のようなものでしかなかった。
ローエンが遠征に行き、離れたことで、夢主の存在がやや不安定に。それによって、眠る頻度が増えていった。
各曜日に各国に現れていても面白いかなって思った。























