注意
・自分用に好き勝手書いてる
・私が読みたい話を書いてます
・キャラ崩壊
・なにもわからん
・原作読んだのはるか昔
・中身に整合性を求めるなを合言葉にしてる
・捏造設定過多
以上で大丈夫な方はどうぞ
「おかえりネビロス。私の悪魔君」
夜の帷が降りた頃、ひっそりと部屋へと戻ってきた夜の似合う青年にそう声をかける。
抱き上げていた赤子を模した人形を座っているソファーの端へと追いやって笑えば、何処か拗ねた様な声色でただいま、と告げられた。
「貴方の差し金か?」
「いいや?私は、多分バレてるだろうなぁと思っていて、バレたなら君を取り込もうと動くかもなと考えただけだよ」
何方の家が動いたのかも分からない。ブラックかマルフォイか、もしくはまた別か。
ただ、彼らに私のやることの大部分は漏れていて、私の連れる悪魔に興味を惹かれているのだろうなとは思っていた。それだけなのだ。
くすくすと笑って、ローテーブルに置いていたティーカップを一つ、長ソファーの隣へと座った彼へと差し出す。
「シチュードティーだ。温かいよ」
「……貰う」
長い脚を組んで、カップに口をつけてもまだ顔が逸らされる。
「嫌だったかい?君自身が集められる情報も増えるかなと思ったのだけれど」
「この繋がりは有用だろう。ただ、すべてが貴方の思い通りなのは気に食わない」
「思い通り、ではないさ。ただ、何通りも想定だけしているから予想外が少ないだけだよ」
別に全て分かっていることなんてない。ただ、最近の魔法界は良く知ったものが動かしがちだから予想が立てやすいと言うだけ。
もっとずっとそう言うことが得意な者と言うのは居るわけで、私の思考なんてそう大したものでもない。
「……そうか。呼び出し先はブラックだ。マルフォイも同時に呼ばれていたがな」
「ポラクスはなんて?」
「貴方の為なら好きなように動け、と言われた。およその黙認と協力を取り付けるためだけに呼んだと」
少し派手に動いてもその二つの家が揉み消しに動くなら、自由度が上がりそうだ。
私の悪魔──ネビロスとナベルスの二人を黙認すると約束したなら、私個人の動きも同様に動くと言うことになる。
マルフォイ家は前当主の段階で協力的だったけれど、ブラック家の方は大丈夫かな。少し心配だ。
「そうかい。君の正体については?」
「これがあるからかなり親しいのだろう、とは言われたが、流石に真実にはたどり着いていない」
トントン、と白い指先が眼鏡の弦を弾く。
華奢な銀縁は相変わらず彼に良く似合っていた。
「流石に、頭のいい二人だけれど、今の君とまだ一歳になったばかりの君を結びつけはしないだろうからね」
出来るとすれば点と点を結びつけなければ気の済まない陰謀論者か、理解出来ない程の頭のよい天才の何方かだろう。
もしくは、私たち同様に原作もしくは前世を知っているか。不思議とこちら側の想定はあまり出来ないのだけれど。
「だろうな。……そう言えば、生き物が増えているようだが?」
「コカトリスと魔法使いの子どもが一体と一人ずつ増えているね」
「……魔法使いの子どもの方は大方、昨日連絡があった件だろうが……コカトリスはなんだ?」
漸くこちらを直視した赤い瞳が、探るような視線を向けた。
「なるほど。君の手までは渡らなかったらしい」
物語の中ではメローピーは確か勘当されていたし、彼が学生時代にはまだ当時のモーフィン・ゴーントが生きていたから相続する相手に当たらず見つけることができなかったのだろう。
訝しそうな彼に一枚の旧い羊皮紙を喚び出して見せる。
「昔、我が家の所有する土地をコカトリスの住処として提供し庇護を与える代わりに彼らの素材や力を借り受ける契約だ」
「……そんなものが」
「幾つかあるよ。今のところ、私の次は君に引き継がれるから、覚えておくといい」
壊れ物を触るような手付きで羊皮紙に触れる青年は、本当にこの家の歴史を誇っていたらしい。
少し微笑ましく見守りながら、羊皮紙の下に描かれた黒ずんだサインが今ここにいるコカトリス──カルカのものであるとも告げる。
「……スリザリンの?」
「いいや、その後の誰かだね。ゴーントの名義での契約だから」
「そうか」
「恐らく、君が引き継ぐことの出来なかったものは多くある。ゴーントと言う家はスリザリン、ひいてはペペレルと長くある家だ。私が見つけられたものはすべて記録に残しているから今度時間のある時にでも教えよう」
今回の埋め合わせも兼ねて。
口には出さないが、その含みは問題なく伝わったらしく彼から重たいため息が一つ落とされた。
「……明日一日」
「勿論。君の知恵を貸してもらいたいと思っていたところだ」
あまり夜まで拘束しては君自身の成長に差し支えるだろう、とじわじわと薬の効果が抜けている様子を見つめて言葉を区切る。
少しずつ幼くなっていく顔の輪郭をなぞり、その身体を抱き上げた。
「お疲れ様、ジュニア」
ずっと眠気を感じていたのだろう幼子の額に労るように口付ける。
大人しく両手の中に収まった羊皮紙はそのままに落ちそうな瞼を開いている子どもをゆったりとベビーベッドへと連れて行く。
まだ一歳になったばかりの身体だ。本来であれば睡眠に当てる時間の多くを今日は思考と議論に費やしたのだろう。自分のために動いているだろうことには感謝しかないが、少しでも長く休んでも欲しい。
「それじゃあナベルス。情報収集は頼んだよ」
「あいよ。あんたは精々ボスに絞られとけ」
「はははは、酷いな」
ひらひらと手を振りながらロンドンへと戻るナベルスを見送る。
朝の白霧が濃い時間はまだ寒く、何となく入口まで送ったことを後悔してしまいそうだ。
屋敷の中に戻りながら、昨日を踏まえて今日のことを考える。
ジュニアが戻ってくるまでの夜のうちにある程度の方針についてナベルスには共有しているので、こちらは問題がない。
昨日から預かっているエドワード少年についてもメローピーが看病を張り切っていたので問題ないだろう。カルカについては今日から働いてもらうので、後で様子をみる必要はあるか。
やること自体は昨日帰った時点で説明しているし、本獣?も問題がないと言っていたので信用出来る。
「お兄さま、おはようございます」
「やあ、メローピー。おはよう」
「お客様はお帰りに?」
「ああ、彼は仕事があってね。……カルカのところかい?」
帰りがけに幾つかの藁束を浮かせて歩くメローピーと鉢合わせた。
ちょうど裏口へと向かう経路に被っているので、家の裏にある今はカルカが使っている馬小屋に出ようとしているところなのだろう。
「はい。生の植物が好きらしい、とは聞いたのですが今の時期はすぐに用意が出来なくて。一先は干し草で我慢してくださるみたい」
「突然のことなのに任せてしまって済まないね」
「いいえ、お兄さまが頼ってくれて嬉しいわ。何時も助けて貰ってばかりですもの」
微笑んだメローピーの顔は確かに晴れ晴れとしていた。情けなくないかな?と問えば、何時だって格好いいわと身内贔屓の答えが返ってくる。
それを喜んでしまうのだから私も単純だ。
「なら、暫くカルカとエドワード少年のことを頼むよ。特に、エドワード少年は衰弱しているから」
「はい。勿論。お兄さまも、……あの子と無理をしないでくださいね?」
「うん。気を付けるよ。お前も不調があったらすぐに言っておくれ」
母親の勘、なのだろうか。
あの子を産んでからと言うもの、なんだかメローピーは冴えている。バレないようにしているつもりだし、詳しいことは分かっていないのだろうけれど何だかんだで私とジュニアが秘密を共有していることは理解されていそうだ。
きちんと刺された釘については覚えておくとしよう。
「ええ。それじゃあ、ご飯を渡してきます」
「ありがとう。カルカからリクエストなりあったら伝えておくれ」
「はい」
裏口の方へ向かうメローピーを見送って、また部屋への帰路を進む。
すると今度もまた鉢合わせになった。
人ではなく、守護霊だが。
「おやおや」
美しい銀光を帯びた蛇。少し前まで私自身の守護霊も良く似た姿をしていたが、最近変わってしまったので久しぶりに見た。
さて、ここまで見事な守護霊を使えるのはこの屋敷には彼くらいしか居ないだろう。
さっさと来いと言われている様だし、部屋に戻るのは止めて子ども部屋へと向かう事にした。
「おはようジュニア……そっちの姿なのかい?」
「おはよう伯父上。なんだ、赤子の方が良かったか?」
子ども部屋の扉を開ければ、ソファーに足を組んで座る青年の姿がある。
屋敷しもべ妖精に用意させたのかソファーセットのテーブルには朝食まで載っていた。
一日の約束には朝食から含まれていたらしい。まだ食べずにいて良かった。
「いいや、どちらでも君なことには変わりないからどちらでも構わなかったよ。ただ、頻繁に薬を使うと心配になってしまう。君なら問題ないのだろうけれどね」
魔法の世界はファンタジーであるとわかっているし、マグルより魔法族はずっと丈夫で法則が違うことも知ってはいる。ただ、何となく心配はしてしまう。
そう告げれば、ジュニアは問題ない、とはっきりと断言した。
「伯父上に貰ったものから幾らか改良を加えている。身体にかかる負担を極力抑えた」
「変化の解け方が緩やかになっていたとは思ったけれど、流石だね」
流石公式の天才と言えばいいのだろうか。彼に時間があることも、彼自身が必要としていることも大きいのだろうけれど、こんなに短期間で求める効果を生み出せる才能は怖いくらいだ。
味方で良かった。そして、この才能を負の方向にしか使われることのなかった原作の魔法界が残念に思う。
二周目の下駄がなくとも彼は必ず大成しただろうに。
「ふん…………食べないのか?」
「ああ、貰うよ。それにしても、フィンに君のことは伝えて良かったのかい?」
「ん?魔法生物には、私が子どもではないことがバレているらしいのでな」
「うん?」
爽やかな香りの紅茶に口付ければ、思わず零すかと思う爆弾が投げられる。
長年の経験が無かったら恐らく零していた。危ない。
「……ああ、知らないのか。とは言え、私も今朝、コカトリスに聞いたのだが、あれらは魔法力で中身を判断するらしい」
「…………ええ?えーと、ちょっと2点確認してもいいかい?」
「ああ。と言っても予想出来る。コカトリスは早朝に私の事を見に窓から覗き込んでいたので会話をした。その時に私が子どもではないと一目で判断してきたので、その理由を聞けば魔法力だと。屋敷しもべ妖精も同じ様に分かっていると言っていたのでコカトリスが去ったあとに二人分の朝食を用意させた。十分か?」
なるほど。
いやあ、知らない事実だ。私の魔法生物との出会いはホグワーツに入学してからになる。ホグワーツ入学以降であればある程度は育っていたし、ジュニアほどの不自然さはない。だから指摘されなかったのだろう。
どう見えているのは分からないが、ジュニアは赤ん坊の肉体にと成人超えの中身となっているし、それが分かるのなら不思議に思うのも無理はない。フィンは多分私が知っていて容認してるから何も言わなかったのだろうな。
屋敷しもべ妖精と言うか、仕える者としての性質がある者たちは主人の意に反さないもの事についてはあまり声を上げないから。こればっかりは確認しなかった私が迂闊だ。
魔法力で個体識別出来ることまでは理解していたのに、それで年齢を観るとはね。想像力が足りなかったかもしれない。
「ありがとう。理解出来たよ。まだ我が家の中で判明して良かった。君の特異性は隠せるなら隠しておきたいし……魔法力だけを誤魔化すような道具を探してみようかな」
「ああ。頼む」
彼に渡した眼鏡では認識阻害もセットになっているから彼個人として認識させたい時には不便だ。いい感じのものが何処かに有ればいいけれど。
うちの倉庫に何か良さそうなものはあったかと、白パンをちぎりながら考える。
フィンが焼いたのだろう外はカリッとして中がふわふわとしたパンはこの時代のこの国らしからない、私好みのパンだ。いわゆる日本のパンに近い柔らかく甘いもの。
ハードで風味の残るブレッド系も嫌いではないのだけれど、前世の名残かソフト系のパンが好きなのだ。
「ナベルスの家庭料理も悪くなかったけれど、やはりフィンが作る料理も美味しいね」
「アイツ、料理が出来たのか?」
「独り身が長くなれば料理の一つ二つ出来るものじゃないかい?」
エッグスタンドの中身を掬いながら、ジュニアが不思議そうに首を傾げる。
そう言えば生活力は幼少期の経験によって育まれるとかなんとか聞いたこともあるような気がした。
テーブルマナーはホグワーツで覚えられても、あの学校には家庭科なんて科目なかったし。あの学校は、魔法界唯一の子どもの教育の場だと言うのに生活に関する教えはほぼない。
これもまた問題か。折角ならそのうちジュニアには最低限の事は教えよう。
「まあ料理のことは、一先ず置いておこうか。それよりも話すべき話題は多いからね」
「そうだな。……まずは、あなたが一番気にしているだろうことは言っておこう。──────これは私の知る限り、前にも起こっている」
深い知性を湛えた赤が私を見据える。
静かに過去の出来事のように──彼にとっては過去であるのだけれど──真実を語る姿は与えた名前に似合っていた。
「犯人は?」
「残念ながら不明だ。本来であれば、この事件は数人の衰弱死を引き起こし、一定の世代の虚弱と言う結果を齎したが、世間的には偶発的な事象で故意のものとはされていない」
「発見が遅れてしまったのだね。……何故君は故意であると知っている?」
世間的には、と告げられた言葉には意味がある。そうして問いかければジュニアは肩を竦めた。
「貴方が魔法大臣になるために動き出した頃に言ったことがあると思うが、マルフォイの当主は病死だったと。この早逝した原因にこの事件があるとアブラクサスが調べていた」
そう言えば、彼にポラクスやジョシュアのことを話した時にそんな話を聞いた覚えがある。あの時は深掘りする時間がなくて詳しいことは聞けずじまいだった。
「知っていたから私用で動き出したのだと初めは思っていたんだが……昨日の手紙からそれはないらしい。逆に何故、この事件に気が付いた?」
「君がナベルスと初めて会った日があっただろう?あの日にメローピーに気晴らしも兼ねてダイアゴン横丁の市場調査の名目で女子会をしてもらって居たのだけれど」
「……ああ、聞いている。まさかそこで?」
「そう。メローピーたちが空気がおかしいと報告をくれてね。数日休むことになったのだし、折角なら現地調査をと思っていたらこうなった、と言うのが経緯だよ」
ジュニアが天を仰いで額を抑える。
残念ながら私には深謀遠慮が出来るほどの頭脳はなく、そしてこの国の歴史を隅から隅まで知っているような知識もない。
すべてがそうと断言するほど無責任ではないけれど、およそ偶然が私をここまで連れてきていた。
「……はあ。まあいい、貴方はそう言うヒトだったな。話を続けよう」

























スリザリンの遺産とかゴーントが貴族やってた頃の遺産に触れる転生トムくんネタ大好きなんですよね…。何も持たない孤児だったときに見た夢のというか…そういうものが満たされてる感じがして…。