あてんしょん!
文章が変です!
n番煎じかも
捏造祭り
デタラメ祭り
ネタバレあり
作者は豆腐メンタルなので攻撃的なコメントなどはお控えください!
それでも良いよって方は次のページにどうぞ!
「ううっ、ぐすっ…………、」
学園長……もといディア・クロウリーは泣いていた。決して悲しくて泣いている訳ではない。決して『ちょっとお出かけ行ってきま〜す!』と言っても誰も何も返してくれなかったから泣いている訳ではない。
「感動しましたああ〜〜!」
まぁ月並みだが、映画を見て感動して泣いていたのである。クロウリーが見たのは短編映画二つ。どちらも史実にあるグレートセブンをモデルにしたものだった。
「血の繋がらない子供を愛し、そして育てあげる……こんなに感動する事がありますか!いや、ない!」
モデルはそれぞれ美しき女王と茨の魔女であり、クロウリーにとってのいわゆる『推し』である。そんな推しが画面の中で慈愛に溢れた笑みを浮かべ、赤子を抱き上げているシーンを見たらそりゃもう感動して涙が止まらないってものである。
「はあ……帰ったらパンフレットを読みましょう。いや〜それにしても本当に良かった……。」
クロウリーは余韻に浸りながらぶらぶらと歩いた。なんか気付けば全然知らない所を歩いていたが、いざとなれば瞬間魔法で帰れるので無問題だ。それよりも今はまだこの幸福感に浸りながら歩いていたかった。
「うふふ……そうそう、茨の魔女が赤子を拾ったのも、こんな月夜が綺麗な夜でしたねえ…………。」
目を瞑れば繊細に思い出されるシーン。いつもは大人しく従順な使い魔のカラスが珍しくカアカア鳴くので、茨の魔女が月明かりに照らされながら森を歩くのだ。クロウリーもちょっぴり魔女になった気分で悠々と歩く。
「そして2人は運命的な出会いを…………、」
ぱち、とクロウリーは目を瞬いた。
「おや……?」
クロウリーはただ映画の世界に浸っていただけであって、別に茨の魔女ではないし歩いているこの場所が森な訳でもない。それでも、聞こえたのだ。
「赤子の声…………?」
「私、パパになります!」
「元の場所に返してこいッ!!!!!!!!!!」
クルーウェルは怒鳴った。なーに言ってんだコイツと思ってから二度見して、反射的に出た声だった。
「このっ……ついに……ついにやっ……犯罪者…………!」
「酷い言いようじゃないですか!?!?」
「落ち着きなさいクルーウェル先生。それで学園長、説明してもいただいても?」
トレインが響く声でそう言う。さすが年の功を積んだだけあって落ち着いているな、とクルーウェルは少し感嘆したが、足元のルチウスが見た事ないほどにおろおろ動いている為やはり動揺はしているのだろう。そんな事気にせず、クロウリーは胸を張った。
「拾いまして!」
「どこだどこからだまさか窓からとか言い出す訳じゃないですよね学園長?」
「クルーウェル先生、目が怖いですよ。」
そこまで非常識じゃありません、とクロウリーはぷりぷり怒る。
「玄関前に籠ごと置いてあったんです。」
「クソッ……判断が難しい…………!」
「もう寒いでしょう?そんな所に居たら風邪をひいてしまいますから。」
「ちょっとまともな事を言ってやがる…………!」
「さっきから当たり強くないですか?」
「ゴホン!……それで学園長、どこで拾ってきたのですか。」
その問いにクロウリーはなんて事ないように答えた。
「プリペッド通り4番地です。」
「…………どこですか、そこ。」
「どこって、そりゃあ…………、」
ここで初めてクロウリーの額に汗が出る。
「……どこです?」
「世界のどこにもプリペッド通り4番地がない〜〜〜〜!?!?」
「どこに行ってたんですか…………。」
「どこに行ってたんですか私〜〜〜!?怖い〜〜〜!」
「学園長、静かにしてください。この子が起きる。」
トレインは頭を抱えながらそう言った。もう頭を抱えるしかないのだ。
「認識阻害……ですか。」
「私こう見えても結構すごい魔法士なんですよ!?そんな私に認識阻害!?怖い〜〜〜!」
この騒動の中で意外にも落ち着いていたのはバルガスである。難しい事を全てトレインやクルーウェルにぶん投げたので、大人しく眠る子供を籠ごと揺らしていたのだ。
なので、いち早くそれに気づいたのもバルガスであった。
「……おや?何か手紙が入っているぞ。」
「手紙?貸してくださいバルガス先生。」
クルーウェルがその手紙を受け取り開く。読み進める内に、どんどんと眉間に皺が寄っていった。
「…………とんでもない子を拾ってきましたね?」
「えっなんですなんです。」
クロウリーも慌てて手紙を読み、それから目を見開く。
「両親が殺された?血の守り?」
ぐぐっと目頭を押さえてクロウリーは『これってフィクションでしたっけ?』と言ったが、全員が首を振ったのを見てがっくりと肩を落とした。しかしすぐに背筋を伸ばす。
「……とはいえ、この手紙の内容が本物だという事実もありません。何かもっと確実な証拠が欲しいですね。」
「ううむ……この赤ん坊の記憶、は頼りにはならんだろうな。」
「むしろ覚えていてほしくない記憶だがな。」
「後は物の記憶…………あ!」
クロウリーがひらめいた顔をした。
「と、言う訳でヴァンルージュくんです。」
「何がよう分からんが連れてこられたリリア・ヴァンルージュじゃぞ〜〜〜。ピッカピカの一年生じゃ!」
「ヴァンルージュくんはモノに刻まれた記憶を再生する事ができまして。」
「なんか知らんがわしのユニーク魔法バレとる……怖……。」
「今年の一年、キャラが濃くないか?」
クルーウェルが呻く。彼は今年度、茨の谷の王子と夕焼けの草原の王子と嘆きの島の御曹司の担任をやっているのである。
閑話休題。
教師陣から大体の説明を受けたリリアは、その愛らしい顔に満面の笑みを浮かべた。
「バッチグーじゃ!」
「お前何歳だ。」
「ピチピチの16歳じゃよ♡」
「俺の知ってる16歳はピチピチとか言わないんだが。」
「ゴホン!話はそこまで。ではヴァンルージュ、頼めるか。」
「うむ、任せておけ!」
その言葉と共にふざけていたような雰囲気が消え、リリアが慈しむように目を伏せる。
「『全ては過ぎ去る日のように。どこへ向かうも瞬きの間よ。』」
「『遠くの揺りかごまで』」
そうしてリリアが触れた毛布が全てを映し出し、その場にいた全員が崩れ落ちたのである。
クロウリーは泣いていた。それはもう、ものすごく泣いていた。
「リリーさん…………!」
なんという想い。なんという意思。それは全て、母の愛が成し遂げた技である。
「……父親も、母親も、この子を命がけで守った。健やかに生きねばならぬ命だな。」
トレインは慈愛に満ち溢れた顔ですやすや眠る赤子を見下ろす。その横でようやく顔を上げたクルーウェルが、いまだ突っ伏したままのリリアに声を掛けた。
「おい、ヴァンルージュ。大丈夫かお前。」
「………………クソが、地雷過ぎる……。」
「お前キャラ変わったか???」
バルガスもまた涙ぐんでいる。なんとしてでもこの子を守り、そしてこの子自身に守る術を教えねばと思った。
「筋トレのメニューを考えなくては…………!」
「待ちなさいバルガス先生。」
「素晴らしい筋肉は時に魔法を圧倒する!」
「待ちなさいアシュトン・バルガス。」
そんな中……一言でいえばカオスと表せるその場で最初にまともな話を始めたのは、いつのまにかそこにいたサムである。
「で、どうするんだい?」
「どうする、とは?」
「その小鬼チャンは母親の血の守りがかけられているんだろう?親族の元に返した方がいいんじゃないかい?」
「そう、ですね…………。」
さすがのクロウリーも神妙そうに頷いた。そして優しく籠を持ち上げたその瞬間、
「……あう?」
「あっ、」
赤子が目を覚ましたのである。
「えーと、おはようございます、おチビさん?」
「…………あー、う、きゃあっ!」
そしてクロウリーを見て笑ったのである。
もう一度言おう。クロウリーを見て、笑ったのである。
「ウチの子にします。」
「ステイステイステイ。」
「はい養子縁組出しました。」
「無駄に行動が早い。」
「よくよく考えたら血の守りとかいう魔法より異世界にいた方が安心では?」
「うむ、一理ありますな!」
「ほーらハリー私がパパですよ〜!」
「小鬼チャン、なんてタイミングよく目覚めてしまったんだい……。」
ーーーそうして、後にスリザリン寮に組み分けられる事となるハリー・クロウリーの人生は幕を開けたのである。
人物紹介
ディア・クロウリー
養い子がいるので監督生にもちょっぴり優しい。
モーゼス・トレイン
赤子を無事に育て上げたMVP。
デイヴィス・クルーウェル
懐いてきた子供が可愛かったので魔法薬学を叩き込んだ。
アシュトン・バルガス
ハリーが偶に人を担いで走り回るのは彼のせい。
サム
ハリーが心配なので秘密の友達をつけてる。
リリア・ヴァンルージュ
クソデカ地雷:命を賭けて我が子を守る母親。
ハリー・クロウリー
齢2歳にしてナイトレイブンカレッジのアイドルに輝く。
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9と3/4番線。そこは喜びに溢れ、期待に満ち、ほんの少しの寂しさを纏う場所。そんな中、ある2人の親子が人目を集めていた。
1人は背の高い男。英国風のスーツを纏い、何故かカラスの面をしている。それは別にいい。そういった魔法道具だとか、そんな理由で顔を隠している者などたくさんいる。問題は子供の方だ。
整えてはいるがクシャッとした柔らかい黒髪。優しいグリーンのアーモンドアイ。すっきりしたフレームの丸メガネ。その額にはーーー稲妻型の傷。
「まさか…………、」
ある者は信じられないと目を見開き、ある者は奇跡が起きたと目を潤ませ……そんな周りを気にせずカラス面の男が子供の前に跪く。
「忘れ物は?お守りのブローチは持ちました?」
「大丈夫、僕の胸でピッカピカに輝いてるよ。」
「よろしい。それから……出かける前に言った事、ちゃんと覚えていますか?」
「うんパパ、バッチリ!」
「ああ寂しい、可愛い貴方を見送らなければいけないなんて。」
「僕だって寂しいよ……でも夏休みにはちゃんと帰ってくるから。」
「ええ、ええ。沢山思い出話を聞かせてくださいね。」
少し涙声の男が静かに笑う。
「それでは……学校生活の心得復唱!ナイトレイブンカレッジ、略してナイカレのな!」
「なんとしてでもやり返せ!」
「ナイカレのい!」
「虐められたら倍返し!」
「ナイカレのか!」
「監督生には気をつけろ!」
「ナイカレのれ!」
「礼儀正しく楽しい学園生活!」
「よろしい!ハリー、私の可愛い子鴉。楽しんでいっておいでなさい。」
そして一瞬で空気をぶち壊し、意気揚々と列車に乗っていった子供を周りは見守るしかなかったのである。
ゆら、とハリーの瞳が揺れる。そのまま目の前に立つ、名も知らぬ上級生を見上げた。
「……今、なんて言ったの?」
ロンが慌ててハリーに手を伸ばそうとするが、ぐいっと肩を引かれる。ロンは眉をひそめてその相手……ドラコ・マルフォイを睨んだ。
「なんだよマルフォイ、邪魔するな!」
「それはこっちのセリフだ。」
「ハァ!?相手は3人、ハリーは1人なんだぞ!」
「友達思いなのは結構だなウィーズリー。」
ただし、とドラコが続ける。
「お前、ハリーが怒った姿を見た事あるのか?」
「ないね。僕がハリーを怒らせるような事をするもんか。」
「僕は見た事がある。」
「仲良し自慢でもするつもりか?」
「見ない方が良い。今アイツを止めればあっち側だと思われて怒りの対象になる。忠告したからな。」
その顔はどこか強ばっており、ロンは渋々足を止めた。
「……大層な忠告をどうも。それを聞く前に、どうして君が僕に優しくしてくれるか知りたいね。」
「…………事もあろうに、ハリーは僕達が仲良しだと思い込んでいる。巻き込まれるのはごめんだ…………!」
「マーリンの髭!正気か!?ハリー、やっぱり君って素敵な英雄様だよ!」
「おいやめろ聞こえるだろハリーは『英雄』って言葉が嫌いなんだぞ!!!」
「そこ2人、聞こえてるよ。僕の事をよく知っててくれてありがとう。後で素敵なキッスを贈ってあげるから覚悟しててね。」
ゲェ、とロンとドラコが同じ顔をしたのを見てからハリーはもう一度上級生を見上げる。
「……確かに僕の父さんと母さんは凄い人だ。赤子の僕を命を賭けて護った。僕は父さんと母さんの愛によって生き延びた。」
「それはパパも同じだ。血の繋がりもない、両親と顔見知りでもない、それでも僕をここまで育ててくれた。僕はパパの愛によって大きくなった。」
「それをなんでしたっけ?胡散臭い?信用ならない?クロウリーなんて苗字捨てた方が良い?」
「そんな事言われて、僕が喜ぶとでも?」
冷たい瞳に、冷や汗を浮かべた上級生が叫んだ。
「だが実際にそうだろう!?クロウリーなんて家、聞いた事がない!そんな名より『ハリー・ポッター』であるべき……、」
「“シレンシオ”」
ひゅ、と息を呑んだのは誰だったのか。ハリーはまだ一年生だ。魔力だって少ない。なのに杖も使わず、ハリーより大きい歳上の生徒に難なく魔法をかけたのだ。にこりと笑ったハリーの胸元で、美しい石がはめ込まれたブローチが輝く。
「魔法はイマジネーションだって、僕のパパはよく言ってたよ。先輩、歳下の子供に負けた気分はどうです?」
「っ、〜〜、〜〜〜〜!」
「あはは!聞こえないや。ね?僕のパパは凄いでしょ?」
こてりと首を傾げたハリーが、更に口を開いた。
「本当は、僕のパパを侮辱した奴なんてギッタギタにしてやりたいんだけど、僕はそうしないよ。決闘だってしないさ、だってパパに鍛えられた僕が勝つからね。負けると分かっていて戦うなんて可哀想でしょ?」
首まで顔を真っ赤にさせた生徒は、それでも口を開く事はできなかった。決闘などしなくたってこの場での強者が誰か一目瞭然であり、プライドは既にズタズタにされていた。当然それに気づいているであろうハリーは、またしてもにっこり笑う。
「僕はパパに似たから、弱い者イジメなんてしないよ。」
「だって僕、優しいからね!」

























