注意
・自分用に好き勝手書いてる
・私が読みたい話を書いてます
・キャラ崩壊
・なにもわからん
・原作読んだのはるか昔
・中身に整合性を求めるなを合言葉にしてる
・捏造設定過多
以上で大丈夫な方はどうぞ
まず整理するべきことは昨日までの二日で判明した事実だろう。
そう前置かれ、食べ終わっていた朝食が片付けられる。テーブルに残ったのはティーセットだけだ。
そうして片付いたテーブルに大きな羊皮紙が広げられた。
そこにジュニアが杖を一振りすれば、簡易的なイギリス魔法界の地図が浮かび上がる。
「伯父上、呪いの発見場所をマーキングしてくれ」
「……まず、ダイアゴン横丁に3つ……そしてエドワード少年が手に入れたのが、マルフォイの荘園のここ……昨日続報があったのが……」
地図の上になるべく正確な位置情報を思い出したながらマーキングしていく。
「……ふむ」
「うん。私たちが見つけたのはこれだけかな」
疎らに配置された点は、人口の多いところに分布している。だが、イギリス全土にバラけているのも間違いがなかった。
何処かに集中しているだとかあれば良かったのに、間違いなく北アイルランド以外の本島が広くカバーされている。
これでは分布から犯人の生活圏も割り出せそうにない。分かっていたことだが、面倒臭い相手だ。
「昔辺りをつけた時は弱い魔法族を排斥したいのかと思っていた。被害者の多くがスラム街から出ているからだ。だが、セイアの末……エドワードだったか?あの子どもは意図して狙われている。確かな魔法力の素養があるのに、だ」
「そうだね。でも、新しい考えが浮かんでいそうだね?」
ジュニアは一つ指先を立てる。
そうしてその指先で自分の頭をノックした。
「ああ。この事件で本質となるのは無知であることだ。何せ正しい知識があればあの呪いがおまじないでない事を理解出来る。そして、正しい知識が手にはいらない環境に身を置いていること。少なくともエドワードと言う子どもの側に魔法族としての知識がある大人がいれば指輪に掛けられていた偏執も機能しなかっただろう」
それはその通りだ。
だが、そうすると何方が先なのだろう。
ターゲットが弱く力も知識もない貧困層だったから簡単な呪いで十分だったのか、広めやすさと見つかり辛さを考慮した結果の最低ラインがあの単純な呪いだったのか。
……無知を利用する狡猾さは本当に好きじゃない。客観視が出来なくなりそうだ。
「だが、実際のところ犯人の意図はそこではない筈だ。貴方の直感は馬鹿にできないからな……」
「え?」
「ナベルスの奴から貴方が無作為攻撃であることを懸念していると聞いている」
「ああ、うん、そうだ。その方がしっくり来たね」
個人的な感覚に任せすぎだとは思うけれど。確かに第一印象は無差別なものだと感じていた。
「犯人の目的が読めない以上、ある程度仮定で進めるしかない。その仮定として貴方の考えは有用であると思う」
「なるほど。高く買ってくれてありがとう。と言うことは、弱い魔法族が被害に遭っているのは結果論と言うことになるね」
まったく嫌なことだ。
「ああ。この仮定上であれば、対象は魔法界に属するものであれば誰でもよかったし魔法界そのもの、となる。実際、呪いの効果も土地に影響を与えるものだ。魔法族を怨んでいても魔法界を大切にするのであれば、土地への効果の呪いは選ばない」
確かにヴォルデモート卿は血を裏切る者、マグル生まれを排斥したが土地を枯らすと言う魔法界の根幹を揺らがすような真似はしなかった。
児童書にしては陰湿すぎる、と言うメタな理由ではないらしい。
まあ、自らが君臨する土地を死の大地にしてどうする、と言う話もあるか。
となると、この犯人は魔法界の支配は考えていない。やはり破れかぶれが濃厚なのだろうか。
「君が言うと説得力があるね。……ただ、そうなると犯人像が読みづらい」
「そうだな。ただ、少なくとも自分の正体を発覚させないだけの知性と常識、そして臆病さがある。そこがこの犯人を探る糸口にもなり得るだろう」
私とは真逆だな、とジュニアは皮肉げに笑う。
確かに彼の場合は出自は隠したが、表舞台には堂々と立っていた。純血を旗印に多くの魔法族を扇動したやり方は、英国魔法界全土に関係する事件として見た時にこの件とは真逆をいく。
表舞台に立ちたくない、表舞台に立つのは差し障りがある、理由は色々と考えられる。
「……ふむ。君の思う糸口は?」
何から探し出せるのか。砂漠で砂粒を探すような心地だ。
「この犯人はこの呪いを子どもたちへと流布する手を取っている。それはすなわち、一定以上の大人であれば呪いについての見識を持っていると考えているわけだ」
「……そう言えば、この呪いについて聞いた子曰く、この呪いについては大人たちには秘密だとか。私たちは同じものを持っていたから話しても問題ないと思った、と」
「つまり、これを考えた者は歳を重ねれば自然と知識を手にすると思うことの出来る環境で育った存在の可能性が高い」
常識、とは個々で違うものだけれど一人ではその常識を疑うことは難しい。
だからこそ、それが滲む思考にジュニアは犯人像を見つけ出そうとしている様だ。
「ホグワーツもしくは他の魔法学校の卒業生か、縁者がそうであるかな。ただ、設置すれば明らかに異常な魔法力の乱れを生むものがバレずにあると思っている以上、私たちほどの感知能力はないね」
「この時点で力のある純血一族ではない。そして、スラム街の大人の状態も知らないように思えるから、そこまでドン底に落ちたこともないだろう。…………見えてくるのは逸脱しない一般魔法使いだな」
ナベルスに近い生まれだろうか。彼もホームスケーリングでホグワーツの2年生程度の学習は出来たと言っていた。
その程度の知識があれば呪いの正体が正確には分からなくとも、ある程度良くないものであることは分かる。
その前提を持っているなら子どもたちだけに流布するのも理解が出来る。
ただ、この仮定にするとあまりにも数が膨大だ。
「……うーん。推理を間違えたかな?……ああ、でも君になれるほどの実力がないマグル生まれかつ、マグルの世界側に重きを置いていない存在もここには入るね」
魔法界の常識がないから、皆が皆ホグワーツで学ぶと考えたり、ほかの学校で学んだりするのだと思えてしまうかも知れない。
ホグワーツの卒業生の肩書きがあれば、前のジュニアの様なことがなければ大抵はそこまで落ちぶれないだろうし。
「……ああ、私の下位互換か?あり得なくもない。憧れが怨みへと転じるのは期待値が高いほど深くなる」
「……しかし、それを勘定に入れると英国魔法界を怨みそうな相手かつ、そこまで特殊な生まれでも育ちでもないマグル生まれ、もしくは魔法界生まれの中流程度の魔法使い。まったく範囲が広いね」
ホグワーツの生徒であったものが有力ではあるが、確定ではないし、ホグワーツの一学年ごとの数はそこまで多くなくとも今直ぐにパッと調べられるものでもない。
「魔法界を怨んでいる、と言う前提条件がそもそも個人の主観だ。それを表に出していなければ他者が見つけることができない。そう言ったコミュニティがあればまた別だろうが……」
「一回限りの捕物なら態とそう言うコミュニティを作っても良いのだけれど……下手を打つと余計に雲隠れされそうな相手でもあるのが難しい」
どうするべきか。結局のところ範囲は絞れていない。私の友人たちの家系の多くが犯人リストから外れたくらいだ。
尤も、単独犯であると確定するまでは全くの白と言えるのは、此処ではない過去で実害を被ったマルフォイ本家とすでにほぼ魔法界に君臨していると言えるブラック本家くらいだろう。
顎に手を当てて考え込んでいると、ジュニアが声を上げる。
「此処にこの五十年分のホグワーツの卒業生名簿がある」
顔を上げれば、ひらり、と手を挙げたジュニアの手の内にはいつの間にか丸められたスクロールが何本も握られていた。
「おや。何処から?」
「私の正体を探るためにブラックで名簿化していたらしい。探った詫びにと貰ってきた」
「タイミングが良いね。この事件の開始時点が分からないけれど、そこまで遡らない筈だ。一先はその名簿から犯人の目星をつけてみよう」
一つ受け取り広げてみるとびっしりと文字の羅列が並んでいる。長く見つめ続けたらゲシュタルト崩壊を起こしそうだ。
「外すのは純血の名家だけでいいか?」
「今のところ完全に外せるのはそこかな。その名簿って生育環境にまで触れているかい?」
「いや、そこまで詳細じゃない。魔法界出身か、マグル生まれか、もしくは名家の分家筋くらいかだな」
「では一旦純血名家のみ外していこう。君は新しい順に、私は古い順に」
こういう時、表計算ソフトだったりそもそもPCだったりがあれば便利なのだけれど流石に1920年代に求め過ぎだろう。
インターネットの一般普及はおよそ1990年代からだ。暇な時にでもこういうものあったら便利だよねとジュニアに言ってみたらいい感じに魔法で再現してくれたりするだろうか。検討しよう。
「分かってはいたけれど、減らないね」
整理が終わってもおよそ八割は名簿に残ったままの状況だ。考えてみれば、名家なんて言うノーブルが大半を占める訳はないのだから当然の事ではあるのだけれど。
気持ち疲れた目元を解して言えば、ジュニアが空いたカップに新しい紅茶を注いでくれる。
「ここからどう絞るか。また、ここには該当していない可能性もある」
「それを言ってしまえば悪魔の証明になってしまう。まずはある可能性を潰さないとね」
ひゅん、と振られた杖によりスクロールの上に載ったインクたちが綺麗に整列していく。
器用にチェックをつけた名家出身者だけを拾い上げている様だ。
スクロールに残ったものも、隙間を埋めるように動いていくのがなんとも完璧主義の彼らしい几帳面さ。
「何か考えはあるか?私は、この中で子どもや孫が居る者は避けていいと思っている」
「……ああ、確かに優先度は下がりそうだね。でも子どもと死別や別居している相手についてはその限りでもないかな?」
「そうだな。後は詳細を探らないことには判断が出来ないだろう。だが、貴方のお陰でなんの問題もない。貴方は本当に先が読めていないのか、分からなくなるな」
「そうかな?まあ、カルカが暇だと声を上げてくれて良かったよ。お陰で人海戦術が出来る」
既に魔法省は仕事が捌けるギリギリのラインだ。本来であればこれ以上の調査は難しかった。人を雇える側の純血一族たちも信頼のおける人手と言うのはそう数が居ない。
だからホグワーツ卒業生の八割もの数の実態調査なんて本当は実現出来ないのだ。バレないように数日張り付いて行動監視、なんて考えただけでも大変だろう。
だが、我が家なら使える手がある。
「蛇は何時だって我らの最高の友だからね」
魔法生物でも何でもない、何処にでもいる蛇も情報を手に入れられる糸口だ。蛇なんて何処にでもいるし、隠密性にも優れる。何よりの密偵でもある。
本当にいい友だ。
「その言い方、以前にも?」
「幼い頃に自由に使えるお金が欲しくて情報屋みたいなことをしていた時期もあってね。だから蛇たちがどの程度の情報を拾ってこれるかは知っているつもりさ」
あまり詳細になると大部分の蛇たちには難しいし、元々個で動くものだから複雑なことを言うと戻ってこなかったりする。
今回はカルカと言う上位種が彼らを動かし扇動するから纏められているが、居なかったらこの人海戦術もなかなか大変だったはずだ。
「蛇たちを導入し少しずつ名簿から候補外を外していく。怪しいものがいれば追加調査、の流れで問題ないな?」
「うん。それとは別に街中で近寄りがたい雰囲気の場所も教えて貰えるように頼むから、それも判明したら調査だね」
流石にこの規模の仕掛けを短期間でなんてことは私も考えない。探し漏れがないように数カ月くらいは費やすことになるだろう。
だが、これでも十分過ぎるくらいに相手の意表を突くスピード足り得る。それほどに魔法界は人手が足りない。
「一先、打てる手はこれだけだろう。呪いの影響を受けないようにする装備は貴方の友人に頼んだ様だし、最低限の準備は始まっている」
ジュニアがきちんと整列したリストを片手に頷く。
「有難いことだ」
ホグワーツは本当に代え難いものを与えてくれた。私にとってホグワーツという学校が、昔読んだ児童書の舞台ではなく、大切な母校となったのは友人たちの出会いが大きいだろう。
あの日々は本当に毎日楽しかった。魔法族として生きていくのだと言う事実が自分のなかで明確になったのもあの頃だったはずだ。
だからこそ、護りたいと思う。
一つ瞼を閉じる。
決意を新たにしたところで、心を切り替えよう。今は焦っても意味がないことだ。
「……うん。この件について今日できることは終わったかな?ジュニア、前回のことを教えてくれるかい」
一旦整理したのは表沙汰に出来るもの。今から確認するのはジュニアの前世の記憶を元に今との齟齬を探し、そこから犯人像を探っていく作業だ。
「そうだな。……とは言え、私が詳しく踏み込んだことではない。あまり詳細ではないぞ」
「問題ないよ。少しでも情報があるだけ僥倖と言うものだろう」
談話室には相応しくない話題の時、決まって俺たちは必要の部屋を訪れていた。
機密性も快適性にも優れた部屋は内緒話にはぴったりだったのだ。
そこに俺とオリオンは集まった。
「この間聞いた話があっただろう?あれ、父上に頼んで調べて貰ったんだ」
「この間?」
「マルフォイの話だよ」
「ああ。マルフォイの当主が病に倒れたのには作為が絡んでいると言うやつか。アブラクサスのやつ、結局詳しくは話さなかったが……態々調べたのか?」
マルフォイの当主──俺たちの友であるアブラクサスの父親が患った病は癒者に見せても、薬を飲んでも施しようのない状態となっている。
最早不治の病なのではないかと結論付けるしかない症状をどうにか出来ないかと奔走するアブラクサスがついこの間告げた仮説がそれだった。
「それだ。父上とマルフォイの当主も学友だから動いてくれてね」
「何か見つかったのか?」
「ちょっとこれを見てほしい」
テーブルの上にオリオンが大きな羊皮紙を広げる。魔法界の地図が描かれたたところの何箇所かに赤く丸が着いたエリアがあった。
「この辺りは主に薬草園や畑がある。そしてこの赤丸の中は十数年でずっと豊作になったことがない。むしろ、記録的には僅かずつ減作している」
「数年、ではなく十数年か。それは何かしら有りそうだが……農地の話がどう関わってくる?」
ホグワーツで学んだ魔法の中には組み合わせ次第で土地の力を奪うようなものもあった。畑に塩を撒くよりもバレにくい方法で不作を作ることも出来るだろう。
だが、畑と人では違い過ぎる。
そもそもマルフォイは貴族のような生活をしている筈だし農作業とは結びつかない。
「そう焦らないでくれ。マルフォイの当主が積極的に表に出なくなったのは八年ほど前。で、うちの父に調子が悪いことを漏らし始めたのが十年ほど前なんだ」
「なるほど、長期的な負の傾向を見せている魔法界の物事に着目したと言うことか」
「そういう事だよ、トム。で、ここからが本命だ」
ばっ、と先程広げた地図に被せるようにオリオンはもう一枚の羊皮紙を広げた。
「…………これは?」
俺の前に広がるのは先程同様に地図だった。しかし、先程とは違い青いインクで数が記されている。
ただ、全くの無関係ではないようで数字があるのはどれも先程赤い丸が付いていた辺りだ。
「この辺り、純血一族がヒトを働かせている農園だから記録が確りあるんだが、病も流行っている。そしてこれが病を患ったものの数と確認された年」
「…………土地の不作と近いな。ヒトの方が少し遅いが……」
土地へ発揮される魔法がヒトに影響を及ぼしたのであれば、ヒトへの影響が遅れて出てくることも想定出来る。
こう言った効果はどの様な魔法を使えばいいか、闇の魔術を中心に思案しようとすれば、オリオンから待ったの声が掛かった。
「君は思考に沈むと長いから、まだ続きがあるんだ」
「集中力があると言え。で?」
「マルフォイの当主と同じ様な病についても調べた。こちらの調べはきっとアブラクサスもしていると思うんだけど、ちょっと方法を変えてみたんだ」
オリオンが広げたものより小さい──と言っても一般的なスクロール大の羊皮紙を取り出す。
するすると広げられた中には流麗な文字が詰まっていた。
読めとばかりに差し出されたそれに視線を落とせば、想像した中身とはまったく違うものが見えてくる。
「……?……なんだこの病気リストは。アブラクサスの父親の病を調べたんじゃなかったのか?」
「大なり小なり全てで症状が該当する。トム、どうにか理屈がつかないか?現実的な視点はアブラクサスが潰しているだろう。だから、僕らが考えられるとしたら突飛な、誰も考えないようなことだ」
「……不治の病じゃない可能性を見つけろと?」
「頼む。どうにかならないか?」
俺を何だと思っているんだ。思わず額を抑える。
高く買っているが故の無茶振りなのだろうが、あまりにもな言葉だ。
だが、それでも普段から卒のない友が頼ってきているのだと思えば頭は勝手に動き出していた。
「……もし、有り触れた病だとしたら何れかの薬が効いていた筈だ。……薬ではどうにもならなかったのか?経過観察は?」
「初めの頃は薬でどうにかなっていた筈だ。うちの父も薬を贈っていたことがあった」
「……次第に効かなくなっていった?……数を重ねれば効きは悪くなるのが常だがそんなもの癒者も薬師も分かっていることだ」
嫌な符号だ。
もしかするとオリオン自身も同じ考えに至っていて、それでも別の解を見いだしたくて俺に投げかけているのかもしれなかった。
「トム」
「オリオン。お前、アブラクサスを呼ばなかったのは結論が出ているからだろう」
「……君でも?」
「お前の用意した資料だ。自ずとお前と同じ結論に至っても仕方がないと思うが?……だが、あえて希望を見つけるならこの国の外……西洋魔術大系ではないところに活路は見いだせるかも知れない」
致命的な結論を言葉にする事はせずに、そう告げる。魔法の力は言葉にも乗るのだ。それが詠唱に通じるのだから。
そして希望を。それでは遅いかも知れないが、少しでも何かが変わればいい。
「外……か、うん。ありがとう」
「そもそも、件の父親をこの国から出したほうが話は早いかも知れないな。何故マルフォイの当主が関わっているかは分からないが、問題は土地起因だろう」
「……そう、だな」
オリオンの表情は何処か硬い。
俺に明かせない内情は聞いているよりも酷いのかも知れなかった。
「オリオン。あまり思い詰めるなよ」
「……ああ。僕より、アブラクサスの方が大変だろうし。それに、彼が気が付いてないとは思えない」
貴族のような振る舞いを崩さないアブラクサスは、きっと何があっても取り繕い続けるだろう。もしかしたら、もう俺たちと同じ結論に至っていても不思議ではなかった。
「…………原因がはっきり分かればな」
土地や人に影響を与えている何か、それの実像が掴めればあるいは。だが、あまりにも時期が悪い。
世界を揺るがすマグルの戦火は、魔法界にも暗雲を立ち込めさせていた。
これがもっと早く、それこそ土地やヒトに影響が出始めた初期であるならもう少し症状にも状況にも余裕があったのだろう。
だが今は、すぐにでも現地にヒトを派遣できない程に人手が足りない。オリオンが用意した資料も実地調査による結果ではなく、土地の所有者が受けた定期的な報告から数字を比較しているに過ぎなかった。
ブラック本家の次期当主ですら、当主の力を借りてもこれしか出来ないのだ。これ以上調べるとなれば自ら動くしかないだろう。
だが、一介のホグワーツ生徒である俺たちには難しい話でもあった。





















