臨時領主会議の混乱
ーフェルディナンドー
子どもたちがエーレンフェストに来て18日目。
昨夜は遅くまで城で引き止められ、臨時領主会議での動きや、情報収集方法などを教えて、終わったのは、鐘7つはとうに過ぎた時間だった。
神殿に戻って来れば、執務の最終確認書類と今日の報告のために待っていたエックハルトとカルステッド。
ローゼマインと子どもたちは、既に寝たと言われ、ボニファティウス様と私の機嫌は悪い。
旧ベルケシュトックでのターニスベファレンの確保、それにブローチの確保は無事に終了したとの事。
神殿に戻って来てからのローゼマインの策を聞き、何故か凄く良い案な気分になってきた。
何故私たちがユルゲンシュミットのためにこんなに大変なのであろう!
ボニファティウス様も今日のジルヴェスターに思うところがあるのか、ザンツェにローゼマインの魔力の籠った魔石をやり、大きくして領主会議の場に入れようかと真剣に悩んでいる。
エックハルトが、ボニファティウス様と私の機嫌が悪いからか、そっと私たちに大好きの形だそうですと、手紙を渡して来た。
《フェルディナンド様へ
今日はお城でお疲れ様でした!
ジルヴェスター様はきっと何も考えずに丸投げだったのでは?
今日はフェルディナンド様もお祖父様も神殿にいらっしゃらなかったので、子どもたちと一緒に寂しいねと何度も言ってました。
もうすぐ臨時領主会議。
領主会議でこのイライラをぶつけるためにザンツェをゴルツェに進化?させて、大混乱にしようかと思ってます。
その上、私は、神々と対峙する時、ダンゴムシに乗って行こうかな?と思ってます!
どう思いますか?
神々も虫なんて見た事ないだろうし、吃驚するのでは?
明日は、少しゆっくり出来るかな?
シュラートラウムの祝福と共に良い眠りがフェルディナンド様に訪れますように!おやすみなさい。
ローゼマイン》
手紙を読んで、呆気に取られ、呆然とした後に、腹の底から何かが湧いて、笑いが止まらなくなった。
「くくく、相変わらずローゼマインは突飛だなぁ。
一日中ジルヴェスターの相手でイライラしていたが、ローゼマインの策に笑ってしまった。
ボニファティウス様は如何ですか?」
「やはり儂の孫娘はユルゲンシュミットで一番だ!
あんなジルヴェスターの愚策に付き合ったのだ、疲労困憊だ。
だが、戻ってくれば労りの手紙に、子どもたちからも一言ずつ。
これがあるからまだ頑張れるな。
フェルディナンド、家族が、守る者がいる方が強くなれる気がすると思わないか?
ローゼマインの策のゴルツェもやろう。
大混乱になって、少しは自分たちを顧みさせる機会も良いのでは?
騎士団のトップたちが揃っているんだ、それにダンケルフェルガーがいるのだ、確かにターニスベファレンを直ぐに討伐じゃ、気化させた自白剤も部屋に回らないだろう?」
「そうですね、多少皆が動いた方が部屋の空気も動いて良いかと思います。
ローゼマインは、神々と対峙する時はダンゴムシに乗って行こうか?と書いてありました。
神々に虫?に乗ってなど、ローゼマインしか考えないですよね?
無理矢理転移させられたら無理ですが、神々に動揺を誘うには良い案かもしれませんね」
部屋で待っていたカルステッドとエックハルトの顔が引き攣っているが、神話を紐解けば紐解くほど、神々もおかしい。
介入者はいるのだし、それが分かれば楽になるのだがな・・・。
「エックハルト、念のためザンツェの捕獲を頼む」
昨夜はこんな感じであったのだ。
今日は、神殿業務をかなり熟さないとならない。
臨時領主会議で、また我々が抜けるからな。神殿は、季節毎の行事もある。
城では、臨時領主会議が終わらなくては、始まりの宴も出来ないため、アウブとアウブ配はその手配が大変だと泣きついて来たが、アウブなのだからアウブの仕事をするのは普通なのだ。
そうオルドナンツを返しておいた。
毎朝の祝福は続いているが、最近は皆以前より沸る魔力をぶつけるが如く祝福している。
領主会議の場には自白剤を撒くのだ。
ジルヴェスターだけが目立つ訳ではないから、良いのではないか?
だが、最近では、腹が出ていて、ローゼマイン曰くそのうち肩や首にも肉がついて中年太りのようになるのでは?と楽しそうに話していた。髪は伸びるのが止まり、細くなってきたようだ。
ローゼマインは本当に面白い事を思いつくな。
ずっとローゼマインは、ジルヴェスターを嫌だったのだなとやっと理解した。
臨時領主会議の作戦
ーカルステッドー
孫が沢山エーレンフェストに突然現れ、何がなんだか分からないうちに、これからのエーレンフェストの問題を教えてくれた。
私がもっとジルヴェスターに厳しく色々と言わねばいけなかったのだろうか?
あれでも従兄弟なのだ。なんとかしっかりして欲しいとずっと思ってきたのだがな。
父上ではないが、私がアウブになりたかった訳ではないため、領主候補生から降りた事はそこまで気にしていなかった。
今までアーデルベルト様の施政に領地経営とは、大変なのだなと漠然と感じていたのもある。
だが、今思えば全ての元凶は、ヴェローニカの性格だなと思う。
ジルヴェスターの筆頭護衛騎士だったため、ヴェローニカがアーデルベルト様とジルヴェスターに向ける顔は、本当に家族想いの優しい妻と母親なのを何度も見た。
だが、2人が居なくなった瞬間に、ガラッと雰囲気が変わり剣呑な様子になり、口を開けば悪態ばかり。
フェリックスとフェデリーコにフェルローズが、おにぃしゃまたちは女の二枚舌に騙されてはなりません!
あざとい女くらい、直ぐに見分けろと、プンプンと怒っていたのだ。
なんでも神話で神々の事を理解しようと話し合った場で、フェリックスとフェデリーコが理解しなかったのが、頭来たのだと。
あー、なるほど。
ヴェローニカは二枚舌で、アーデルベルト様とジルヴェスターにあざとかったのだなと妙にしっくりと来た。
その場その場を乗り切るためには、嘘も誤魔化しも当然なヴェローニカだったが、ジルヴェスターは素でそれをやるからな。
私もそうだが、ジルヴェスターもアウブに向かない者だったのだろう。
ゲオルギーネもアウブに拘っていたが、領政が自己中心的になりそうだし、コンスタンツェも面倒事を嫌い、事なかれ主義なところが目立つ性格だった。これもアウブに向かぬ。
かと言ってフェルディナンドは能力はあるが、これも権力思考はない。
唯一まともな領政は出来ると安心出来るがな・・・。
こう見れば、エーレンフェストがダメだったのは、仕方がないのだろう。
ヴェローニカが領主候補生コースを受講したならば、もう少し違ったのだろうか?
過去は変わらない。
臨時領主会議を混乱に陥れて、未来へ繋ごう。本来ならあり得ない5人の孫と共に生活も出来たのだ。
我が子の子育てもしなくてはならない。
コルネリウスの甘ったれている性根と、傍系領主一族であり、貴族院で代表を務めていた事からくる傲慢さ。
第一、代表を務めながら大した成績ではなかった事に思い至らない愚かさをどうにかしなくてはなと思う。
そんな事をツラツラと考えながら、会議を行う神殿長室の隠し部屋に向かった。
大人数で行うため、子どもたちは膝に乗せている。パトリツィオはエックハルトが離さないし、オルフェーロもコルネリウスが当然のように膝に乗せていた。
その上、いつの会議でも当然を当たり前として、←こんな言葉はないが、そんな感じなのだ!
何も言わずにローゼマインを抱いているフェルディナンド。
フェルディナンドはローゼマインに執着しているのか?と見ているが、そう言った風でもない。
だが、ローゼマインを抱き上げて膝に乗せている。
父上は、今日はフェルローズを抱き上げているな。
フェデリーコとフェリックスが、私とエルヴィーラの元に来た。
よし!今日も孫を抱いて会議だ!
「それでは臨時領主会議の作戦手順を話します」
ローゼマインの宣言で始まった会議。
「当日ですが、カルステッドお父様とユストクスは、臨時でアウブの側近として室内に入ります。
カルステッドお父様とユストクスは、暗躍出来ないので、ラザファムとダームエル、パトリツィオとオルフェーロが部屋の四隅から部屋に自白剤を撒く係になります。
ランプレヒト、コルネリウスは、それぞれが眠らせたターニスベファレンをフェリックスとフェデリーコの騎獣から部屋に投げ入れる係。
その際、ダームエルの魔石を投げつけてくださいね!
領主会議が行われる部屋は、天井が高いそうなので、騎獣で飛んで、上から落とせば良いと思います。
そして、混乱の最中にザンツェを会場に投げ入れるのがエックハルト。
そのザンツェに向かい魔石を投げるのが、アンゲリカです。
部屋で総指揮を取るのがお祖父様。
フェルディナンド様も会場にいて、それぞれの何かアクシンデントに対応。
自分の役割が終わった者から、フェルディナンド様の元に行ってください。
フェルディナンド様の指示の元、エーレンフェストの神殿に戻るために、転移陣で帰還。
最後にお祖父様が戻ったら、フェルディナンド様は、ユルゲンシュミットの礎の間にある転移陣を使用し、エーレンフェストに戻ってくる事になります。
今回の作戦では、エルヴィーラお母様、フェルローズ、私は、エーレンフェストの神殿で待機です。
それぞれの役割で分かれ、それぞれで作戦内容を皆で話し合って頂いて良いですか?
そうですね、お茶を2回飲むほどでまた声掛けします。
また皆で作戦を共有しましょう」
ローゼマインの声掛けで、それぞれが部屋の至るところで集まり、話が始まった。
父上とフェルディナンドも、それぞれの話し合いの様子を聞いて回ることにしたようだ。
待機は辛い
ーエルヴィーラー
今日も皆での作戦会議。
私は作戦実行自体に参加は出来ないため、いつも皆の無事を祈るしか出来ない。
歯痒い思いがしますが、仕方ありません。
私は騎士の様に機微に動く事は出来ないのですもの。
「お父様、お母様、ユストクス、ラザファム、フェルローズ、こちらに良いですか?
作戦参加はしないのです。
ですが、皆のために何が出来るか話し合いましょう?」
ローゼマインの声掛けで、私たちは6人で集まります。
明日の臨時領主会議では、カルステッド様もユストクスもアウブの臨時側近として会議に参加になるため、私と同じように歯痒い思いをしていたのかしら?
「お父様とユストクスは、当日どんな事が起こるか分からないフリをしながら、その場に居なくてはなりません。
自白剤が効かないように中和剤は、必ず飲んでから会議に行ってくださいね?
そして、お母様とユストクスに質問です。
お父様とユストクスは、会議の場にいるじゃないですか?
どんな声掛けしたら、あのゲオルギーネ様とか中央騎士団長の本音を聞き出せると思いますか?
出来たら、騒動の途中にイライラさせる言葉が良いと思うのです。
会議の席についてしまったら、側近がアウブを飛び越えて発言出来ないでしょう?
お父様とユストクスが直接話せないまでも姿を隠してる皆が、側近の後ろから呟くでも良いと思いますし、姿を隠してるのですから多少大きな声で、例えば《ゲオルギーネ様、太ったな》とか、《中央騎士団長、あの体型で鍛錬しているのか?》とか、煽っても良いなぁと思っているのです。
フェリックスやフェデリーコは、子ども声、若い男性やアンゲリカの女性の声にお祖父様の落ち着いた年齢の声などで、色々煽ったら、化けの皮が剥がれるのでは?と思ったのです。
どう思いますか?」
カルステッド様はニヤつく顔を顔に手を置き誤魔化し、ユストクスは笑って床に崩れ落ちています。
全く。ですが、私も貴族の顔を作るのがかなり大変ですわ。
ローゼマインは、どうしてこうも悪辣な案を思いつくのでしょう!
「おかぁしゃま、素敵!
ゲオルギーネ様、老けたなぁ、
あの方、何食ったらあんな腹になるのだ?
あの方の娘、貴族院で最悪らしいぞ、母親に似たのか?
この3つは絶対言ってください!」
フェルローズの発言で、もうカルステッド様もユストクスも私も誤魔化せないほど笑ってしまいました。
「フェルローズ、それは良いですね!
それなら騎士団長には、
最近騎士団長の威厳ないよなぁ、腹出てるし!
そうだな、鍛錬より暗躍ばかりしてるそうだぞ?
などは如何です?もっと強烈なのが良いかしら?
矜持を傷つけるようなのが効果的です」
ローゼマインのも酷いですわね。
でも、もっと必要なのですね?
「それなら、騎士団長は所詮、騎士の腕でなく口で団長だから仕方ないとかどうですか?
騎士団長ですもの、騎士の腕を疑われたら怒りそうじゃありません?」
私も案を出していきます、こう言った嫌味の応酬は、ヴェローニカ様に鍛えられたのです。
あの頃ヴェローニカ様に言われた事を言うのが効果的です!
「そうですね。エルヴィーラ様のも良いですが、それなら追加で騎士団長は、コネで団長になったようだぞ?とかは?」
ユストクスの案も良いですわ!
実際にヴェローニカ様にカルステッド様は血筋や口だけと言われ、私は悔しい思いをしましたもの!
「いや、魔獣が出ている討伐中に言うなら討伐内容の方が良くないか?
中央騎士団のくせに、他領の力を借りなくては討伐出来ないとは?や、中央騎士団団長のくせに、直ぐに魔獣の討伐方法が分からないとはななどはどうだ?」
「あ、そうですね。魔獣がいる間に後ろから言うのですものね?
カルステッドお父様の案、良いですわ!
そしたらゲオルギーネ様への悪態ももう少し変更ですね?」
そこから5人で、どんな言葉が有効か?と色々とあげてみました。
今までの作戦は、聞いていると言う感じでしたが、これなら私も作戦を考えられます。
きっとローゼマインはそこまで考えて、この作戦会議中に提案してくれたのでしょう!
本当に優しい、良く気のつく娘ですわ!
作戦確認
ーローゼマインー
「そろそろ宜しいでしょうか?
私たちも何か良い案はないか?と練ってみました!
姿を隠してる皆が、各領地の側近の後ろから呟く事で、ゲオルギーネ様と中央騎士団長を貶め、本音を話させたいと思ったのです。
姿を隠してるのですから多少大きな声で、例えば《ゲオルギーネ様、太ったな》とか、《中央騎士団長、あの体型で鍛錬しているのか?》とか、煽っても良いなぁと思って、皆で考えました!
どうですか?」
あれ?皆無言になっちゃったよ?ダメ?
フェルディナンド様は顳顬叩きながら、ため息吐いている。
「・・・。ローゼマイン、良い案だと思う」
なんで良い案なのに、ため息吐いてるの?もっと褒めてくれて良いんじゃないかな?
「儂はまだまだローゼマインを見てなかった。そんな貴族らしい言葉の応酬も出来たのだな?」
え?これただの嫌味だけど?貴族は神々を使用した貴族言葉が必要なんだよね?
「ひいお祖父様、これはただの剥き出しの嫌味ですよ!
でも、この間のアーレンスバッハの混乱の時に思いましたが、ゲオのババアは嫌味に弱そうだったし、祝福効いてるみたいだし良い手だと思います。
ただ、母上が次々に悪辣な案を出してくるので吃驚しただけです。
フェリックスどうしたの?」
「私は母上の案に賛成です!
どうせ姿見えないのです。あの場に子どもの声なんて本来絶対聞こえないはずじゃないですか?
なら、もっと子どもの私たちの声が、皆に聞こえても良いのではないですか?
例えば・・・。
以前、母上から聞いたのですが、神々の神域にいる見習いみたいな子どもの事を天使って言うのですよね?
「そうね、神々の見習いの子どもを天使と言います」
だったら神々の見習い子どものふりして、私たち子どもが、色々言うのもありじゃないですか?」
「へ?」
「んー、例えば、大人の誰かが、先程みたいな言葉で煽ったりしたら、怒鳴ったり、誰だ?となりますよね?
その時に《くすくす、騎士団長追い詰められてるー》とか、《ランツェナーヴェと繋がってることバレそうだからじゃない?》とか、《愚か者は愚かって神々に教わったけど、本当にそうだねー》などを、領主会議の皆に聞こえるように子どもの私たちが話すのです。
そこで、子どもの話し声で、ゲオのババアとラオブの繋がりをバラすのもありじゃないですか?」
「流石です!素晴らしい案です!天才かもしれません!流石はフェルディナンド様と私の子ども!
フェルディナンド様もそう思いませんか?」
私は嬉しくなってフェルディナンド様に同意を求めて顔を見る。
あれ?なんでそんな嫌そうな顔?
「どう考えてもフェリックスのは、君に似たのだろう。はぁ、親子揃って悪辣だ」
私とフェリックスは顔を見合わせて、首を傾げてる。どう考えてもフェルディナンド様の影響だよね?
「まぁ良いのではないか?
パトリツィオもオルフェーロもいる。
4人で色々とバラしてしまえば良い。
領主会議で、ゲオルギーネとラオブルートをここで排除しときたいからな。
だが、そうなると子どもたちがエーレンフェストに戻るのが遅くなる。
子どもたちの護衛になる者と騎獣に乗るようにしなくてはならないな・・・。
もう一度配置を考え直そう。
現場には、ボニファティウス様と私がいるが、子どもたちの安全が優先だ。
少し弄ろう」
あぁ、そうか。
そうだね、オルフェーロとパトリツィオは騎獣にも乗ってないものね。
と言う事で、会場の四隅から自白剤をばら撒くのは、大人にした方が良いのでは?となった。
だが、騎獣からターニスベファレンを投げ入れるのに、魔獣の生態を知らぬ者だと危険だとなった。
それなら、そこはラザファムとダームエルにし、ダームエルはこれからターニスベファレンの生態を学べば良いだろうとなり、パトリツィオとオルフェーロの護衛には、エックハルト兄様とお祖父様。
ザンツェを投げ入れるのは、コルネリウス兄様、ザンツェに魔石を投げるのはアンゲリカ。この2人は即撤退。まだ未成年だからね、役目が済んだらエーレンフェストに戻って来て欲しい。
ランプレヒト兄様、パトリツィオ、オルフェーロに護衛としてお祖父様とエックハルト兄様がついて、フェルディナンド様も四隅から自白剤を撒くことになった。
総指揮は、お祖父様。
アクシデント対応はフェルディナンド様。エーレンフェストに戻る転移陣は、余り当日近寄らない場所として、貴族院図書館の裏手の場所に布地も隠蔽して置いておくので、それでエーレンフェストに戻る事になった。
フェルディナンド様がメスティオノーラの書で貴族院に入り込み、貴族院図書館裏手に転移陣を設置し、エーレンフェストの神殿から皆を呼ぶことになった。
先程と配置が変わったため、もう一度皆で確認し合い、私たちが考えた煽る言葉を皆で考え、子どもたちはその場その場で言いたい事を空気を読みながら言う事になった。
うん、子どもたちの煽り凄そう!
とにかく、王族とゲオルギーネとラオブルートを片付けなくちゃね!
臨時領主会議
ーフェルディナンドー
子どもたちがエーレンフェストに来て21日目。
エーレンフェストの神殿でいつものように祝福を送り、ボニファティウス様は城へ向かった。
私も動きやすい騎獣服に着替え、貴族院に転移する準備をする。
ユストクスとカルステッドは、アウブ一行と移動のため、こちらに寄らずに城に直行。
エックハルトとランプレヒト、コルネリウスは、旧ベルケシュトックの山小屋から、ターニスベファレンを旧ベルケシュトックの城から転移させる事になっている。
3人のエーレンフェストのブローチは、貴族院で渡す事になっているため、転送陣から中身空の時を止める魔術具が送られて来た。
臨時領主会議は開始が鐘3つ。
それに合わせるため、皆が早々に動き出した。
私も皆を転送させるために、貴族院に向かう。貴族院に向かう魔法陣(礎)は、神殿長室の隠し部屋に設置。
ローゼマインと子どもたちが、見送ってくれる。
「フェルディナンド様、くれぐれも気をつけてくださいね。
早いお帰りを待ってますから」
「あぁ、心配しなくて大丈夫だ。
皆が戻ってくる転移陣は、子どもたちの部屋の隠し部屋に広げておいてくれ。
では、いってくる」
「おとぅしゃまー」
転移陣に乗ろうとしたら、フェルローズが駆け寄って来て、両手を広げる。
しゃがみ込み、フェルローズを抱きしめる。
「フェルローズ、ローゼマインを頼んだぞ?」
「はい、お任せくださいませ!おとぅしゃまもご武運を」
そう言って頬に接吻してくれた!
な、これは破廉恥なのか?娘からの接吻は良いのだろうか?
悩んでいたら、フェルローズが離れ、フェリックスが抱きついて来た。
「父上、後から行きます。今日で王族や皆を懲らしめましょう」
そう言って、フェリックスも頬に接吻してくれた。
男児から接吻。これは絶対破廉恥ではない!
フェリックスが離れるとフェデリーコが私に抱きついてきた。
「父上、絶対上手くいきますよね?無理はしないでください!」
そう言って、フェデリーコも頬に接吻してくれた。
「フェルディナンド様、ぎゅー!
絶対に家族で勝利を掴みましょう?
でも無理はしないでくださいね、いってらっしゃい!」
ローゼマインがそう言って、子どもたちとは反対の頬に接吻してくれた。
これは、破廉恥?破廉恥なのでは?
だが、家族の行ってらっしゃいの挨拶ならありなのか?
私は臨時領主会議よりも家族からの行ってらっしゃいの挨拶に戸惑いながら、転移陣に乗る。
「では、いってくる」
「はーい、行ってらっしゃい」
「父上、お早いお戻りをお待ちしてます」
「父上、気をつけてー」
「おとぅしゃま、行ってらっしゃいませー」
家族の行ってらっしゃいを受けながら、私は転移した。
転移先はユルゲンシュミットの礎の間。
相変わらず、礎の魔力は少なく、丸い球体だが、下から三分ほどの魔力しか籠っていなかった。
『クインタ、始まりの庭にマインと・・・
頭に響くように声が聞こえる。
エアヴェルミーンの声がする。
昔、メスティオノーラの書を取得した時に聞いた声だ。
忌々しい声を聞き流し、今日の臨時領主会議の計画を考える。
まだローゼマインと始まりの庭には行けない。
やる事が終わってないのだ。
頭の中でただそう思う。
伝わったのか、伝わっていないのかは分からない。
だが、まだ神々と対峙するには材料が揃っていない。
未来の憂いを無くすため。
今日もまた家族で、頑張るのだ。
家族に見送られ、出発した嬉しさを思い出し、エアヴェルミーンの事は頭の端に追いやる。
急いで姿を消して、貴族院図書館の二階に出る。
礎への間に向かう鍵は隠しに入っている事を確認し、そっと図書館から外に出る。
図書館の裏手の木立が立ち並ぶ一角に転移陣を設置し、魔力をそっと流す。
最初にボニファティウス様が現れた。
城を留守中守ると言って、ジルヴェスターたちを転移の間から見送り、そのままボニファティウス様の執務室から、側近たちに言い含めて、神殿に戻ってきたのだそうだ。
「ボニファティウス様、先程始まりの庭にいる元神エアヴェルミーンに呼ばれました。
ローゼマインと一緒に始まりの庭に来いと」
「貴族院に入り込めば、見えるのかもな・・・。
なんにせよ、今日は、やる事をやってしまおう。
もうすぐ鐘3つで会議が始まる。
昼食はエーレンフェストで皆で食べよう」
「はい、そうですね。そうしましょう」
昼食の話をしている間に、ダームエル、ラザファム、パトリツィオ、オルフェーロ、アンゲリカと転移し、最後にフェリックスとフェデリーコが転移してきた。
総指揮はボニファティウス様だ。
皆がボニファティウス様を見る。
さあ、臨時領主会議を大混乱にしよう!
臨時領主会議
ーユストクスー
アウブと共に臨時領主会議に出席するため、私とカルステッド様は今日臨時にアウブたち側近の補助に回る。
私とカルステッド様も一応、隠蔽の魔術具とアンハルトゥングのお守りを持って来ている。
どうしようもなくなったら、私たちも領主会議混乱に手を貸すためだ。
だが、私たちは、アンハルトゥングのお守りがあるため、皆の動きも見れるので、今日は特等席で混乱を見る事が出来るのも楽しみなのだ。
カルステッド様は孫が4人、会場で色々と任務を熟せるのか心配している。
私はあの4人は立派に果たすだろうと思っているので、心配は見習い騎士のコルネリウスとアンゲリカの方だ。
ボニファティウス様が総指揮を取るのだし、大丈夫であろう。
私もカルステッド様も通信の魔術具をしっかりと装着して、貴族院に転移した。
あとは、会場入りの際に自白剤の解毒薬を口に入れるだけだ。
今日は楽しみだなぁとウキウキしていたのだが、
「ユストクスは他領に情報収集を頼みたい。
今後国境門を開閉するしないはともかくとして、ツェントに魔力供給はどうやって頼むのか、エーレンフェストの国境門に魔力を籠めに来たツェントには、どう言う対応が必要かを探って欲しい」
出た!丸投げアウブ!自分の側近にさせろ。私は今日他の事で忙しいのだ。
「アウブ、それは私では無理な情報収集です。私はフェルディナンド様の側近ですから。施政に関わる情報収集など、他領の者と出来ません」
「だが、フェルディナンドは貴族院に来ないのだ。この先だって、エーレンフェストで留守を守る事が多いのだし、この場だけ私の側近のフリをすれば、良いのではないか?
それに私の側近は皆忙しいのだ。
今後、国境門の事などが分からなければ困るではないか?」
「アウブの側近は、それでは今日何をされるのですか?
何処の領地もアウブの側近がそう言ったことも熟してますが?
他領も見ているのです。
ご自分の側近をお使いください。
私は主の助けになるような事ならやりますが、主をこの場だけ偽るのも嫌ですね」
私がはっきりと断りを入れると、アウブの側近で旧ヴェローニカ派の者たちが剣呑な雰囲気になった。
「それは大丈夫だ。フェルディナンドは私の異母弟だ。私の言う事には、何事も沿って考えてくれる。
だから、今だけ私の側近として動いて貰ったと後から言えば、納得するに決まってる。
私の側近は忙しいと言うのだ。
ユストクスに任せる」
「アウブ、私では無理ですよ?
私がフェルディナンド様の側近で名捧げしているのは有名です。
私が伝手のあるところは、フェルディナンド様も伝手があるのです。
当然、その事は皆知っていますから。
それとも今後フェルディナンド様にアウブ位を譲るのですか?
それなら聞けますね」
「ユストクス、アウブに何と言うことを言うのだ!そんなわけなかろう。
何故庶子にアウブ位を譲らねばならん!」
アウブの側近で、最近カルステッド様の代わりに筆頭護衛騎士になった旧ヴェローニカ派の者が食ってかかってきた。
「とにかくユストクス、情報収集してくれ。
国境門の事だ。これから大切であろう?
フェルディナンドにも言われているのだ、今後の国境門の事を他領から情報収集するようにと」
子どもたちではないですが、本当にこの馬鹿アウブどうしてくれようか!
この方のせいでずっと主は辛い生活をしていたのだ。
自身の側近が領主候補生である主を貶しているのも分からないのか?
まぁ、良い。どうせグルトリスハイトはないのだ。
ツェントがどう誤魔化すのか知らないし、そこまでアウブたちに話す暇があるかも分からないからな。
「では、私の出来る限りでの情報収集と言うことで。
国境門の事など、アウブ間の事なので、一介の領主候補生の側近では、情報収集にも限界がある事をご承知ください」
「あぁ、それで良い。無理は出来ないからな。私も一応アウブたちに聞いてみるが、話してくれるか分からないからな」
それは貴方が貴族院時代に他領との繋がりを作らなかったからでしょう?
もうエーレンフェストは、潰れても仕方ないのではないかと思う。
臨時領主会議
ーボニファティウスー
ジルヴェスターたちをエーレンフェストの転移の間から送り出したので、儂は急いで神殿に戻った。
どうせ、今日は他領のアウブやアウブ配は全て貴族院にいるのだ。
危険なのは、ゲオルギーネの名捧げした者たちがエーレンフェストにいる事か・・・。
儂の側近たちに、旧ヴェローニカ派の動きを調べるように、そして暗躍を許すなと釘を刺して神殿に向かった。
フェルディナンドが先程、貴族院に転移したと聞いた。
それなら我々の転移ももうすぐだ。
それぞれの持ち物の確認と、子どもたちの様子を確かめているうちに、転移陣が少し光り、準備ができた合図が来た。
だが、転移先に何があるか分からない。
まずは儂が転移する。
転移先ではフェルディナンドが待っていた。貴族院図書館の裏側、そして木立の中だ。
簡単には転移陣が見つからない場所。
これなら、他の者たちに転移陣が見つかる事はないだろうとホッとした。
今日の午前中は、神殿にエルヴィーラとローゼマインとフェルローズしかいないのだ。
何か入り込んだら、遠慮なくやってしまえとローゼマインには言ってあるが・・・。
ローゼマインは魔力豊富だが、あの子は優しい子だから侵入者に攻撃するのは難しいかもしれん。
フェルローズの方が、まだその辺りは出来そうだが、まだ3歳。
これはさっさと片付けてエーレンフェストの神殿に戻らなくてはな!
そんな事を心の中で考えていた時だ。
「ボニファティウス様、先程始まりの庭にいる元神エアヴェルミーンに呼ばれました。
ローゼマインと一緒に始まりの庭に来いと」
なんだと!神々め。
直ぐにフェルディナンドとローゼマインを好きに使おうとしやがって!
「貴族院に入り込めば、見えるのかもな・・・。
なんにせよ、今日は、やる事をやってしまおう。
もうすぐ鐘3つで会議が始まる。
昼食はエーレンフェストで皆で食べよう」
神殿の留守時間も気になるが、貴族院では神々の動きも気になるな!
えーぃ!さっさと片付けてエーレンフェストに戻ろう。
「はい、そうですね。そうしましょう」
フェルディナンドも気になるのだろうが、意識を臨時領主会議に向けているのが分かりホッとする。
昼食の話をしている間に、ダームエル、ラザファム、パトリツィオ、オルフェーロ、アンゲリカと転移し、最後にフェリックスとフェデリーコが転移してきた。
「神殿には、旧ベルケシュトックから空の時を止める魔術具が転送されていた。
エックハルト、ランプレヒト、コルネリウスもそろそろ、旧ベルケシュトックの城から転移してくるはずだ。
通信の魔術具を使い、ここで集合し、皆で臨時領主会議の会議室に入り込むぞ。
『エックハルト、転移したか?』」
『お祖父様、転移しました。何処に向かいますか?』
『図書館の裏手の木立の中にいる。裏手に来てくれ。ダームエルが迎えに行く』
ダームエルに視線を送ると直ぐに木立を出て、エックハルトたちの到着に向かった。
直ぐにエックハルトたちも合流。
「昨日の打ち合わせのまま、会場の扉を開けたら、コルネリウスとアンゲリカの出番だ。
出来るな?
「「はい」」
2人は直ぐ様、ここに戻ってエーレンフェストに戻ってくれ。
3人のブローチはこれだ。
エーレンフェストが無防備だ。神殿にはエルヴィーラとローゼマイン、フェルローズがいる。2人は神殿で護衛を頼む」
コルネリウスとアンゲリカの表情が引き締まる。
「「はい、直ぐにエーレンフェストに戻ります」」
「他は昨夜の打ち合わせ通りだ。子どもたちの安全第一でやるぞ。
昼食はエーレンフェストで摂ろう。
フェリックスとフェデリーコは、騎獣にラザファムとダームエルをそれぞれ乗せて、エックハルトとランプレヒトからターニスベファレンを受け取れ。
騎獣に隠蔽の魔術具を装着。魔力を流せ。
パトリツィオ、オルフェーロ、ランプレヒトは、フェルディナンドから自白剤を受け取れ、パトリツィオはエックハルト、オルフェーロは儂から離れるなよ?
皆自白剤の中和剤をここで口に入れろ。
通信の魔術具は常に魔力を流しておけ。
行くぞ!」
皆で臨時領主会議をしている会議室に向かった。
扉をエックハルトとフェルディナンドで開けることになる。
外開きの扉をいっぱいに開ける。
『やれ、コルネリウス』
扉が開くと同時に会場にザンツェを投げ入れる。
『アンゲリカ』
アンゲリカがザンツェにローゼマインの魔力の籠った魔石を投げる。
ザンツェが少し飛び上がり、パクッと魔石を口にした瞬間に爆音と共にゴルツェになる。
天井につく勢いで大きくなった魔獣に会場は、大混乱になった。
その隙に四隅に散った儂たち。
『自白剤を撒け!
フェリックス、フェデリーコ行け』
中央の机の空いた場所にいるゴルツェを中央騎士団の者たちが討伐している。
各アウブやアウブ配たちは部屋の壁まで下がっている。
「中央騎士団、ダンケルフェルガーの助力はいるか?」
アウブダンケルフェルガーが大声で呼びかけながら、シュタープを剣に変化させて身構えている。
「中央騎士団で討伐は問題ない」
「では、我々は侵入経路を塞いでおく」
入り口をダンケルフェルガーの騎士で固めた。まぁ、固めていられるのも短い間だ。
今、フェデリーコがゴルツェと中央騎士団の闘いの線上にターニスベファレンを投げた!
[b:ボフン]
「なんだ?新たな魔獣か?」
「何処から魔獣が入り込んだのだ?」
[b:ボフン]
[b:ボフン]
「おい、魔力弾が当たった所にまた魔獣が現れたぞ?」
「なんだ?中央騎士団が何かしたのか?」
[b:ぎゃあああ]
「なんだと!ターニスベファレンだ!」
「ゴルツェに魔力弾を上手く当てろ!黒の呪文も必要だ!
[b:ボフン] [b:ボフン]
「更にターニスベファレンが増えたぞ?」
「ダンケルフェルガー他、黒の武器の使用許可を受けている領地は討伐に協力を!」
中央騎士団団長のラオブルートが直ぐ様助力を願う。
思った以上に助力が早いな。
「ダンケルフェルガー!皆ターニスベファレンだ!ゴルツェは中央に任せる」
アウブダンケルフェルガーが叫んでいるな!
フェルディナンドがターニスベファレンに魔力弾を当てて大きくしている。
ゴルツェとの線上になった時にワザと外してターニスベファレンを大きくしているのか!
よし、儂もやろう。エックハルトも気づいたようだ。
カルステッドが黒の呪文で黒の武器に変えながら、一応討伐のフリをしているな!
ダームエルがそっと魔石を投げて食べさせている。
子どもたちが声が大きくなる魔術具を持って話出した。
《みてみて、下界は面白いことになってるよ!》
《うわー、本当だ》
「なんだ、この声は!ゴルツェはもうすぐ討伐出来る。ターニスベファレンに首輪がついてる!犯人の手掛かりなので、ダンケルフェルガーは、その確保も」
「了解だ」
《なんかあの人偉そうだけど、お腹出てない?》
《本当だぁ。ずっとツェントもいないから、ユルゲンシュミット惰性の塊だねー?》
《でも、偽物ツェントがいるんでしょ?》
《そうそう、グルトリスハイトの偽物作ったくせに無くした馬鹿たちでしょ?》
《闇の門の者たち、裏切り者だし、ユルゲンシュミット終わりじゃない?》
《あそこのアウブ配、ランツェナーヴェを引き入れようとして。なんだっけ、変なことしてるんだよね?》
《うん、僕も聞いたよー、神々が怒ってたねー》
子どもたちの会話は、この臨時領主会議の会場に響き渡っている。
皆耳を傾けながら、魔獣討伐している。
《あれ?
闇の門のお腹の出てる女の人?に化けてる奴でしょ?》
《え?あれ人じゃないの?》
《人だったら最悪じゃない?娘の子育ても碌に出来てないよ?》
《あ、あの愚かな娘かぁ。神々も呆れてたよね?》
《そうそう、なんかラオブなんとかって騎士も繋がってるんだよね?
この間、神々が見て呆れてたよ》
《人の皮を被った魔獣と一緒って》
《そうなんだ!新種の人型魔獣かもね?》
《しかもさ、あの新種の魔獣、夫のアウブ殺そうと毒盛ってるんだって!》
《え?魔獣なのに、毒も使えるの?》
《そしたら、さっき威張ってた男の人もそうじゃない?新種の魔獣同士なんでしょ?》
《もうユルゲンシュミットも終わりだね。人型魔獣が、出てるもん》
《あんな馬鹿に入り込まれてて、終わりだねー。馬鹿ばっか!》
《ねー、あんなお腹の出てる人いないのに、分からないんだねー?》
《グルトリスハイトないから、仕方ないよ。
だから神々が闇の国境門閉めたんだよ?
他の門開ける事にするって》
《くすくす、神々に見放されたんだね》
《終わりだね》
「中央騎士団長とアーレンスバッハの領主一族を捕まえろ!」
アウブダンケルフェルガーが、ダンケルフェルガーに指揮を出す。
扉が無防備だ。今だ!
『撤退だ!』
皆ジリジリと扉に近づいていたので、儂はオルフェーロを抱き上げる。
まず、騎獣組が先に部屋から出て、一番奥で自白剤を撒いていたフェルディナンドとランプレヒトももう扉近くだ。
全員が扉から出たのを確認したところで、扉を思いっきり閉めて、フェルディナンドが魔術の鍵をかけた!
『到着した順にドンドン帰還しろ。中の事は、カルステッドとユストクスに後で聞こう。
フェルディナンド、転移陣を頼む』
『畏まりました』
走りながら、皆に指示を出し、転移陣の回収を頼む。
ドンドン転移し、儂がオルフェーロと最後に転移陣に乗り、後をフェルディナンドに任せた!























