Novel12 days ago · 4.4k chars · 1 pages

使令VS使令VSアライグマ

すてれおすてれお

追記 : 改めてガイドラインを確認しました。軽度な性的描写かつ小説の場合はr-18指定が必要ないらしいので全年齢向けでr-15タグに変更いたします。 ここ数日毎日のように投稿していますが、まあ初めのうちだけです。 書きたかったものもそれなりに吐き出したのでそろそろ落ち着きます(とはいえ日々ネタは探します)。 ヘルタと銀狼の対戦ダイヤグラムは9:1ぐらいかと思っていたのですが、銀狼が使令となれば変わってきますよね。 5:5かもしれない。ということで使い古されたバチバチネタでヘルタと銀狼です。 テーマは"ヘルタと銀狼は意外と互角"です。 ブローニャ顔のスタイルは千差万別、80歳になってもぺったんこかと思えば、爆乳ゲームクリエイターもいる。 銀狼の未来はどっちかわかりませんが、意外と大きめに描く絵師さんが多い気がするので私も便乗しました。 しかしヘルタと銀狼は一人称同じで口調も似ているから書き分け難しいですね。 コツが知りたい。

星穹列車には数多くの訪問者がいる。
開拓した星で出会った一般人(というには個性的だが)にとどまらず、銀河の歌姫、十の石心、仙舟の将軍、天才クラブのメンバーなど、銀河に名だたる実力者も多く訪れるのである。

今日俺の部屋を訪ねたのも、そんな大物たちに勝るとも劣らぬ傑物だった。

「これで50勝50敗、なかなかやるね」

そう言って闘志を燃やす銀髪の女の子、一見するとただのゲーム好きの少女だが、その正体は61億信用ポイントの賞金首である。
星核ハンター銀狼。
なぜ指名手配犯である星核ハンターが列車に乗っているのかについては、もはや誰も気にしていない。
唯一なぜか彼女を懐かしむような眼で見つめることがあるヴェルトも何も言ってはこない。

「銀狼、さすがに半日近く続けてるし、ちょっと休憩しないか?」
「なに?もう疲れた?」
「そりゃな」
「仕方がないね」

同意を得たのでお菓子と飲み物を取りに行く。
体を動かすためにパムのところまで行こうかと立ち上がった矢先、銀狼から声がかかる。

「あなたの端末にメッセージが届いてる」
「ほんとだ」
『お子ちゃま、宇宙ステーションに来て』
「お、ヘルタだ」
「……」

ヘルタは不定期に俺にメッセージを送ってくる。
大半は模擬宇宙への実験参加要請だが、今日もそうだろうか?
返事を送ろうとメッセージアプリを開いたその瞬間、ヘルタの名を聞いてなぜか急に不機嫌そうな雰囲気を纏いだした銀狼が俺の端末を奪う。

「えっ?なにしてるんだ?返し――」
「だまってて」

銀狼は目にもとまらぬ速さでメッセージを打ち込んでいく。
指が速すぎて残像が見えるほどの超高速入力。
こんなところで使令パワーを見せつけないでほしい。

『行くわけないでしょ。あなたは一人で寂しく実験でもしてて』
「ちょっ!?」

銀狼がやばいメッセージを送る。

『は?』
『ちょっと?』
『お子ちゃま?』
『ふざけてるの?』
『ねえ?』
『言い訳なら聞いてあげるけど?』
『返事は?』
「ひぇ……」

鬼の連投。
普段最低限のメッセージしか送ってこないヘルタにやられると恐怖しかない。

「早く取り消さないとまずい!」
「ふん。言い訳を送れるなら送ってみて」

そういって銀狼が端末を投げ返す。
慌てて画面をタップしてメッセージアプリを開こうとするが反応しない。
いくら触れても画面は真っ黒のままだ。

「おい!つかないぞ!」
「ロックしたからね」
「ロックじゃなくてハックだろこれ!!」
「うまいこと言うね」
「笑ってる場合か!!」

さすがはスーパーハッカー。
何をしたのかは全くわからないが、先ほどのほんの短い間に俺の端末に特殊なロックをかけたらしい。
全く画面が映らないが、悲しいかな、その間にもポンポンとメッセージが届く音がする。

「どうやったら解除できるんだ!?」
「100勝できたら解除してあげる」
「半日後じゃないか!!」
「あなたがさっきまでのペースで私に勝てるならね。ほら、どうしようもないことを気にしても仕方がない。ゲームの続きをしよう」
「くっ」

そう言って再び銀狼がコントローラーを握る。
かくなるうえは、この傍若無人の星核ハンターをわからせるしかない。
再戦のためにコントローラーを握りしめたその瞬間、誰もいないはずの背後から声が聞こえる。

「へぇ」
「ヒュ……」

やばい。
冷気が肌を刺す。
振り向きたくないが振り向かなければ命はない。
俺が意を決する前に、隣に座っていた銀狼が振り向いて件の客に声をかける。

「わざわざ来たんだ。"私の時間は貴重なの"じゃなかったっけ?」
「……小娘」

恐る恐る俺も振り返る。
案の定そこには知恵の指令、最近見慣れた本体の姿で左手には鍵のような形の杖を持っている。
(ひぃ……超不機嫌だ……)

怖すぎる。
目が笑っていないうえ、額に青筋が浮かんでいる。

うかつに動けば何をされるかわからない。
すっかり縮み上がる俺のことなどお構いなしに銀狼がヘルタを煽る。

「天才なのにメッセージも読めないんだね。実験なら人形と一緒にすれば?知恵二人で相性いいんでしょ?穹は私とゲームをしてるの」
「あなたに用はないの小娘。そっちこそ一人でゲームしていればいいじゃない。愉悦の使令なんでしょ?一人遊びもお手のものだよね」
「おばあちゃんにはわからないかもしれないけど、このゲームは1人じゃできないの」
「なら一人でできるゲームで遊べば?ああ、そっか小娘のアカウントは消えちゃったんだっけ?」
「……」
「……」

どうしてこうなった。
さっきまで楽しくゲームしていたはずだ。
とにかくここにいるのはヤバイ。
二人が争っているうちに部屋から抜け出そうとする。

「「どこへ行くの?」」
「ひん」

俺のスニーキングスキルは低かった。

「ねえお子ちゃま。私との実験より小娘とのゲームを選ぶなんて言わないよね?」
「実験なんてつまらない。ほら穹、早く続きをやろう」

恐れていた事態、なぜかこちらにボールが回ってくる。
気付けば銀狼もすっかり不機嫌だ。

(超不機嫌な使令二人に挟まれるなんて、一体俺が何をしたっていうんだ……)

「「どっちを選ぶの!?」」

だれかたすけて。

「ほら、今引くなら許してあげるよ小娘」
「はぁ?そっちこそ後から来たんだから早く帰れば?穹だって私といるほうが楽しいに決まってる」
「あなたみたいな小娘より銀河一の美人と一緒にいるほうがいいに決まってるでしょ」
「見た目の良さなら私だって変わらない。目が見えてないの?」
「ちびが何を言っているの?」
「ちっ、ちびって言うな!」
「事実でしょ。成熟した大人の私と違ってあなたはちび」
「っ……ふん。成熟した大人?その割には胸が小さいんじゃない?」
「このッ……」

口論の方向性が変わってないか?
内容が内容だけにさらに居心地が悪くなる。

「確かに私はちび。認める。でもどこかの誰かと違って成長の余地がある。なにより並行世界の私はバインバインだってアッハが言ってた。もう可能性がないあなたとは違う」
「言わせておけば!!」
「ふん。反論はないの?もうゲームオーバー?天才も大したことないね」
「はっ、あくまでそうなる可能性があるってだけで、今ぺったんこなことに違いはないでしょ。それにそのままぺったんこの可能性もあるよ」
「何勘違いしているの?」
「?」

そういうと銀狼はヘルタから視線を切り、こちらに近づいて腕をつかむ。

「ファ!?」

次の瞬間、彼女は自分の胸に俺の手を押し当てる。

「なっ!?」
「どう?意外と"ある"でしょ?」

デカい。
嘘だろ。服の上からはぺったんこだったはず。
でも確かにつかめるくらいにはある。
今これなら将来すさまじいことに……

「ぁ……んっ……穹も私の胸が気に入ったって」
「……お子ちゃま?」
「ひぇ」

このまま揉んでいたいがヘルタがやばい。
後ろ髪惹かれつつも銀狼の胸から手を放す。

「さて、決着はついた。続きをするから恋愛に縁がない天才は出て行って」
「小娘……っ」

さっきまでと"続き"の意味が変わっている気がする。
このままでは大事なものを失う気がするが、ヘルタが出ていく様子はない。
それどころかこっちに向かってくる。

「お子ちゃま。こっち来て」
「ちょっちょ、今度は何を――」
「早く!」

そう言ってソファーに連れていかれる。

「……何のつもり?」
「胸の大きさだけが女の良さじゃないってことだよ。どうお子ちゃま?いつも私の足を見てたでしょ?膝枕してあげる」
「み、見てないし!」
「……」

嘘である。
タイツに包まれた美脚にたびたび目を奪われる。

「どう?私の太ももは?」

抵抗もできず強制的に彼女に膝枕される。
後頭部に柔らかい感覚がする。
めちゃくちゃいい匂いがしてドキドキする。

「ほら。胸より足だよ。あなたの短いのと違ってお子ちゃまは私のが好きみたいだね。そうでしょ?ほらお子ちゃま、私を選べばいろいろ挟んだりもできるよ?」
「ゴクッ」
「ぐぬぬぬぬ」

女の争いが激しさを増す。
ピュアボーイの俺には刺激が強すぎる。
何とかしてここから逃げ出し、2つの感覚を忘れないうちにすっきりしなければ……!!

「さあ、どっちがいいか言えるよね?お子ちゃま?」
「えっ?あっ……」

ムラムラしているうちに再びボールが回ってくる。
どちらを選んでもまずいことになる。

「穹/お子ちゃま?」
「えっと……」
「「はっきりして」」

もはやここまでかと絶望しかけたその時、起死回生のアイデアが下りてくる。
そうだ、何もどちらかを選ぶ必要はない。
いい感じに間を取って場を納めればいいのだ!
そうすればこの場から逃れ、すっきりすることができる!

"その先は地獄だぞ"

赤い人の良い声が聞こえた気がしたが無視する。
やはり俺は天才、これが答えだ!

「二人とも最高だったぞ!」
「「……は?」」

あれ?
思ったのと違う?
もしかしてどちらかを選ばないと死ぬ?
いや、どっちかを選ぶと間違いなく死ぬはずだ。
ならこれが正解のはずでは……?

「はあ……小娘。一時休戦でいいよね」
「気に入らないけど仕方がない。まずはこのクソボケを何とかしよう。決着はそのあとつければいい」
「えっ?えっ??」

手足をつかまれベッドに放り投げられる。
いつか読んだ薄い本の展開が想起され、この先の展開を悟る。

「ちょっと待ってくれ!こういうことはもっと順を追って――」
俺はロマン派純愛厨。
初体験というものはもっとロマンチックで何というか素敵な感じが良いのだ。
しかしそんな理想で目の前の二人の行動をどうこうできるわけがない。

「あきらめて。ちゃんと選べなかったお子ちゃまが悪いんだよ?だからどっちが良いかわからせてあげる」
「ふん。人の胸をあれだけ揉んでおいて今さら何を言っているの?もう遅いから」
「丹恒、たすけ――」

こうして開拓者の大切なものは奪われてしまった。
もっとも愉悦の使令と知恵の使令も大切なものを失ったので、この場合は交換したというのが正しいか。

ちなみに開拓者の開拓者はそれはもうすごいもので、主導権は途中から入れ替わった。
使令二人は
"ゆるして"、"もうむり"、"たすけて"、"しんじゃう"、“すきぃ”
などの言葉を今まで使ったことがない頻度で繰り返し口にすることになった。

到底ひとりで太刀打ちできる相手ではなかったため、この件以来、愉悦の使令と知恵の使令は昼はともかく、夜は協力する関係に落ち着いた。

— End —

Comments 10

ひとりのリク8 天前

最中に逆転するの最高

ダッチキャット10 天前
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D
dEEp the RoaT11 天前
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ポーランド先生11 天前
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深蓝色黒猫11 天前
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Sakuria
Where every work blooms
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