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かつて詐欺に手を染めてまで救った少女は、今では、、、

なななななな

(SE:夜の雨。小さな足音)

(少女、明るく可愛く)
あっ、いた♪
もー……
そんなとこで座り込んで……またご飯食べてないでしょ、おじさん。
……ううん、違うよ。怒ってないもん。
ただ、バカだなぁって思ってるだけ。

(近づいて、傘を差しかける)
あのね、知ってるよ。
おじさん、自首するつもりなんでしょ?
詐欺で集めたお金、全部返して、
ちゃんと償うって。

(一拍置いて、声のトーンが変わる。甘いまま、でも濡れたように静かに)

……ふぅん。
それって、今さら“いい人”になれると思ってるんだ?
へぇ……かっこいいね? おじさん。

(くすくすと笑いながら)

でもね、おじさん。
それ、“綺麗事”って言うの。
通用しないの。
あたしの世界では。

(間。静かに、息を落とす)

おじさんさ、
あたしの命を助けるために、
詐欺やったんだよね。
数千万、集めて、
病院、入れてくれて、
薬も、治療も……全部、してくれた。

ほんと、感謝してるよ。
あのときのあたし、もう死ぬだけだったもん。
助けてくれたの、おじさんだけだった。

(声がさらに甘くなる)
だから、あたし――
“おじさんのものになろう”って思ったの。

でもね?

(間。声色が変わらず可愛いまま、内容が残酷に)

おじさん……そのあと、自分が“いいことした”って思っちゃったよね?
あたしが元気になって、笑えるようになって、
「俺のやったこと、意味があった」って、
“都合よく”思い込んだんだ。

ふふ……でもね、
おじさんが“助けたつもり”のあたし、
もう今じゃ――
おじさんより、何倍も、
何百倍も、
稼いじゃってるんだよ?

(間。小さく微笑む)
すごいでしょ?
おじさんに教えてもらった“話術”、
“心理の突き方”、
“数字の見せ方”――
ぜんぶ、活かしてるよ。

あたし、おじさんが作った“商品”みたいなものだもん。
育ててもらった命で、
おじさんを――追い越した。

(声が低く、ねっとりと)
……それが、怖くなったんでしょ?
だから、おじさん――逃げた。
で、あたしの口座から、
数百万だけ抜いて、
元カノの店に逃げ込んで。

(間)

でもさ。
元カノ、あっさり裏切ったよね。
「店が苦しい」って泣いて、
おじさんの金、ぜ〜んぶ使って、
豪遊して、あとはポイ。
ボロ雑巾のように、ただ働きさせてる。
ご飯もまともに食べられない。

(笑いながら)
ざまぁだよね。
おじさんが信じた“まともな世界”、
そんなもんだったってこと。

(近づく足音、囁くように)

で、“償いたい”って言い出すの?
今さら、真面目に働いて、詐欺の金を返すって?
ねぇ……
それで、誰が救われるの?

(トーンを落とし、濡れたように静かに)

――あたしは、
“おじさんの罪”で生き延びた命だよ?
じゃあ、その命も返すの?

(一瞬、黙る)

……ねぇ、返せるの?
あの時の数千万と、
今のあたしの命と、
その全部に乗っかってる、“おじさんの責任”。

(少し怒りを含んだ甘さ)

ねぇ、おじさん。
あたし、
おじさんのせいで、生き残っちゃったんだよ?
“生きててよかった”なんて、
一度も言ってないのに。

(一拍置いて、声を和らげて)

でも、愛してるよ?
おじさんのこと、ほんとに。

だって、おじさんのおかげで、
あたしは今、
息をして、考えて、
――おじさんを壊せるくらいに、強くなったんだから。

(耳元で囁くように)

あたしの命は、
おじさんの“嘘”から生まれたんだよ?
だったら、その嘘に――
最後まで責任とって?

(息を絡ませて、囁く)

逃げないで。
あたしから、逃げるのは、
あたしを殺しているのと、同じなんだからね。

(SE:雨音が静まり、少女の足音がゆっくりと消えていく)

— End —

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