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ギャグ補正で生き残る攘夷戦争 2

山崎山崎

続きました。見切り発車です。 人によっては苦手な描写があるので無理だと思った方はブラウザバックをお願いいたします。

今日の戦が終わった。

終わった、という言い方が正しいのかは分からない。
少なくとも、その場で刀を振るう必要はなくなった。
叫び声も、刃の音も、砲撃も、今は遠い。
遠いだけだ。
消えたわけじゃない。

耳の奥にはまだ残っている。
誰かが誰かの名前を呼ぶ声。
地面を踏む足音。
倒れる音。
自分の息の音。

全部、まだうるさい。

でも俺は、そういう顔をしたらいけない。

いや、別に誰かに言われたわけじゃない。
「戦が終わったら明るい顔で帰りましょう」なんて戦場マナー講師がいるわけでもない。
いたら真っ先に死ぬ。
戦場でマナー講師、絶対長生きできない。
「敵の斬りかかりには一礼してから対応しましょう」とか言ってる間に首が飛ぶ。
やっぱりマナーより回避だ。
社会人としては終わっているが、生命体としては正しい。

だから俺は、いつも通りに口を開いた。

「今日の敵、やたら元気だったなぁ!絶対朝礼でラジオ体操してから来ただろ!」

誰も笑わなかった。

まあ、戦の帰りである。
笑えと言う方が無茶だ。
こっちだって別に爆笑を狙ったわけじゃない。
いや、嘘だ。少しくらいは狙った。
場の空気を軽くするためという名目で、自分の呼吸を軽くするために。

それでも、いつもなら一人くらいは鼻で笑う。
「何言ってんだこいつ」くらいの顔をする。
銀時あたりが「敵も健康第一なんだろ」とか、やる気のないツッコミをくれることもある。

でも今日は、なかった。

前を歩いていた仲間が、ちらりと俺を見て、すぐ視線を逸らした。
別の奴は、俺の隣にいたはずなのに、気づけば少し離れていた。
あからさまではない。
露骨に逃げたわけじゃない。
でも、半歩。
本当に半歩だけ、距離ができている。
半歩って怖い。
人間関係、半歩でだいたい分かる。
一歩だと「離れました」って感じだけど、半歩は言い訳できる。
たまたま。
足場が悪かった。
荷物が当たりそうだった。
そういう顔で、ちゃんと離れられる。

俺は自分の身体を見た。

血がついていた。
自分の血か、誰かの血かは分からない。
分からない方がいいやつだ。
分かったところで、洗濯の手間は変わらない。
血液ってもっと落ちやすく進化してほしい。
人類も刀とか作る前に、血がついても水洗いで落ちる布を開発すべきだった。
文明の順番を間違えている。

「そんな見る?これ新作の柄じゃないんだけど」

軽く言う。
笑い声は出なかった。
火の音だけが、やけに大きく聞こえた。
おかしいな。
いや、おかしくはないのか。
人が死んだ後に血まみれの奴が服の柄の話をしていたら、普通に嫌だ。俺でも嫌だ。
でも俺が嫌だと思うことを俺自身がやっている場合、誰にクレームを入れればいいんだ。
自分か。自分の中の責任者、出てこい。
対応が悪い。ついでに頭も悪い。

視線が少しだけ集まって、すぐ散った。

俺は笑った。
笑ったつもりだった。

「いや、今日の敵ほんと健康優良児だったって!あれ絶対朝飯ガッツリ食ってる。米に米かけて箸休めにも米食ってる。俺には分かる」

「……」

「米食ってる奴は強いからなぁ!銀時なんか糖分で動いてるけど、あれは例外。あいつは人間じゃなくて糖分でできた毛玉だから」

俺は横を見た。

銀時は少し離れたところを歩いていた。
いつもなら、もうちょっと近い。
別に肩を並べて歩くとか、そういう仲良し演出をしていたわけじゃない。
俺たちにそんな爽やかな青春はない。
あったとしても泥水に落ちている。

でも、今の距離は遠い。

呼べば届く。
でも、触れようとすると遠い。
そういう距離だった。

「銀時」

声をかける。

銀時は振り返らなかった。
聞こえていないわけがない。
こいつは、聞きたくないことほど聞こえるタイプだ。
寝たふりしてる時に自分の名前が出た瞬間とか、誰かが「ちょっといい?」って言った時の声色とか、そういうのは絶対逃さない。
無駄に耳がいい。
前世で犬だった可能性がある。
いや、犬に失礼か。

「今日の俺どう?さすがに評価上がった?」

銀時の足が、少しだけ止まった。
それから、低い声で言った。

「……別に」

短い。
冷たい。

別に、か。

別にって便利な言葉だ。
肯定でも否定でもない顔をして、だいたい否定の時に使われる。
「怒ってる?」と聞かれて「別に」と返す奴は、九割怒っている。
残り一割はもっと怒っている。

俺は息を吸った。

……やっぱりダメか。

胸の奥で、言葉が落ちた。

やっぱり。
そう思った時点で、俺は最初から分かっていたのかもしれない。
銀時が、もう前みたいには返してくれないこと。
俺が何か言っても、面倒くさそうに拾って投げ返してくれないこと。

少し前。
この間の戦の後。
銀時は、俺に言った。

──次の戦から外れろ。

──死ぬ前に、どっか行け。

それだけだった。
怒鳴られたわけじゃない。
殴られたわけでもない。
ただ、そう言われた。

なのに変だった。
胸のあたりが、変に冷たくなった。
刀で斬られた時とは違う。
血が出るわけでもない。
手当てのしようもない。
でも確かに、何かが切れた感じがした。

──ふざけんな。

そうも言われた。

俺に。
ふざけなきゃ立っていられない俺に。

あの時、一瞬だけ何も出なかった。
おふざけが。
軽口が。
いつもみたいに、適当な言葉が。
それが一番怖かった。

言葉が出ないと、俺はただの俺になる。
ただの俺は、戦場に立てない。
誰の隣にも立てない。何も守れない。

「なぁなぁ、さすがに再雇用はまだ検討中?待って待って面接から始めようぜ?俺面接得意よ?」

俺は現在に戻って、明るく言った。

「長所は伸びしろがあるところです!むしろ伸びしろしかない!いやホント伸びしろって便利だよな。今できてないこと全部未来の俺に押しつけられる」

返事がない。
代わりに、周りの会話が一拍遅れて再開した。
いや、これは俺のネタの質が悪い可能性もある。反省しよう。
次はもっと季節感を入れるべきだろうか。
戦場に季節感。
春なら桜と死体。
夏なら汗と死体。
秋なら落ち葉と死体。
冬なら雪と死体。
季語が全部死体に負ける。
俳句界から追放されるな、これは。

「……お前」

桂の声がした。

振り向くと、桂がこちらを見ていた。
真面目な顔だった。
いつも真面目な顔ではある。
こいつは変なことを言う時ほど真面目だ。
だから顔だけでは判断できない。
「米粒には武士の魂が宿る」とか言い出しても、たぶんこの顔だ。

「何だよ桂。俺の戦力外通告に異議申し立てしてくれるのか」

桂は何か言いかけた。
でも、言わなかった。

その口が閉じるのを見て、少しだけ胸が変になった。

心配されている。
たぶん。
桂は分かりやすいようで、分かりにくい。
言葉にする前に考えすぎるところがある。
その結果、出てくる言葉がだいたい変な方向へ行く。

今は、その変な方向すら出てこなかった。

やめろ。
言いかけてやめるな。
言ってくれ。
「お前はうるさい」とかでいい。
「戦場で意味不明な言葉の羅列は士気に関わる」とかでいい。
そういうのなら返せる。
返し方が分かる。

沈黙は困る。
沈黙は、こっちの言葉を全部吸い込む。

「待って待って、なんか真面目なシーンみたいになる」

「……」

「俺にシリアスシーンを背負わせるな。腰やるぞ、ブーメランみたいに曲がるぞ」

桂は眉を寄せた。
高杉が舌打ちした。

「うるせぇ」

低い声だった。

高杉の「うるせぇ」は、いつだって分かりやすい。
本当にうるさい時に出る。
もしくは、聞きたくない時に出る。
その区別が最近ちょっと難しい。

「ごめん高杉。俺の声量、今日も絶好調で」

「黙れ」

「二段階目来た。今日は厳しめだな」

高杉はこっちを見なかった。
でも、横顔が苛立っているのは分かった。
機嫌が悪い。
いつものことだ。
高杉の機嫌が良い日なんて、ほとんど見たことがない。
生まれた時から眉間にしわを装備していた可能性がある。

でも今日の苛立ちは、少し違う気がした。

俺に腹を立てている。
それはたぶん合っている。
でも、何に腹を立てているのかが分からない。
俺がうるさいからか。
俺が戦場でふざけるからか。
俺が生き残ったからか。
それとも。

考えかけて、やめた。

深掘り禁止。
心の地面を掘るな。
掘ったら何か出る。
たぶん遺跡とかじゃない。
もっと嫌なものだ。

「はいはい、わかりましたよ黙りまーす」

俺は口を閉じた。

一秒。

二秒。

三秒。

四秒。

五秒。

「ごめん無理だったわ喋らせて!!」

銀時が何も言わない。
桂も何も言わない。
高杉も、もう舌打ちすらしなかった。

困る。
ツッコミがないと、ボケはただの異常行動になる。
俺はそれを戦場で何度も学んでいる。
ツッコミは文化だ。
人類の偉大な発明である。
火、車輪、ツッコミ。
この三つがなければ文明は成り立たない。

そのツッコミが、今ない。
俺は仕方なく、自分で自分に軽く頷いておいた。

夕暮れが近かった。

陣に戻る頃には、空は重い色になっていた。
火が焚かれ、飯の匂いがする。
飯の匂いはすごい。
どんなに地獄みたいな一日でも、米の匂いだけはちゃんと腹に届く。
人間の尊厳は胃袋にあるのかもしれない。
だとしたら、俺はだいぶ尊厳がある。よく食うから。

俺はいつもの調子で近くの仲間に声をかけた。

「飯行こうぜ。今日こそ俺、味噌汁の具を当てるわ。昨日は何か分からん草だったけど、今日はたぶん何か分からん根だと思う」

そいつは振り向いた。

そして、ほんの少しだけ肩を揺らした。

驚いた、というほど大きくはない。
怖がった、というほど露骨でもない。
でも確かに、反射みたいに一歩引いた。

俺はその足元を見た。

一歩。

半歩じゃない。

さっきより大きい。

「……え?」

声が漏れた。

相手の顔が強張る。
「あ」と言いかけたような口。
でも言葉は出ない。
目が俺の服を見る。
血。
袖。
刀。
それから、俺の顔を見る。

いや、顔というより、顔の代わりに被っていた紙袋を見る。

そういえば、まだ被っていた。

今日の紙袋。
目の部分だけくり抜いて、いかつくなる様に顔を描いておいたやつ。もちろん昨日の晩に仕込んだ。
戦場帰りにこれを被った血まみれの男が飯に誘ってくる。

なるほど。

怖い。

俺でも怖い。

「なんだよ、俺そんな人のもんまで食うように見える?おかずしか取らねえって」

俺はすぐ笑った。

「いや、たまに米も行くけど。でも腹が減ってる時だから。つまり自然現象。台風みたいなもん。俺の食欲は気象庁案件」

相手は曖昧に笑おうとした。
でも笑えなかった。
口の端だけが少し動いた。

それがまた痛かった。

やめろ。
無理して笑うな。
俺が言うのも何だけど。

「……すみません、ちょっと」

そいつはそう言って、別の方へ行った。

ちょっと、の先はなかった。
ちょっと何だ。
「ちょっと用がある」。
「ちょっと腹が痛い」。
「ちょっとお前とは飯を食いたくない」。
三択なら、三つ目が一番正解に近い気がした。

俺はその背中を見送った。

それから、周りを見た。

皆が俺を見ていない。
見ないようにしている。
でも、視線がある。
遠巻きに。
火の向こうから。
飯をよそう列の途中から。
誰かの肩越しから。

化け物を見る目、というのは大げさかもしれない。
そこまで露骨ではない。
でも、珍しいものを見る目ではあった。
扱いに困るもの。
近づくと危ないかもしれないもの。
理解できないもの。

俺は少し考えた。

俺、何かしたっけ。

いや、したな。
いっぱいしたな。
戦場で急に誕生日を作った。
鍋の蓋を相棒にした。
敵に向かって苦情を入れた。
死体の横でボケた。
被り物をして敵の中に突っ込んだ。
木箱を被って崖に向かって走った。

……多いな。
羅列するとだいぶ駄目だ。
履歴書に書いたら大抵の会社に落ちる。
趣味・特技欄に「戦場で奇行」と書く奴、普通に嫌だ。

でも、全部必要だった。
必要だったんだよ。

そう思った瞬間、少しだけ息が重くなった。

俺は紙袋を少し下げた。

「まあいいか」

声に出した。

便利な言葉だ。
まあいいか。
何もよくない時に一番使える。
よくないものに蓋をする言葉。
鍋の蓋がない時用の蓋。
俺の相棒二号。

「一人飯って自由度高くていいよな。“それ一口ちょうだい”が存在しないし」

俺は一人で飯をもらった。

椀に米。
汁。
よく分からない煮物。
戦場飯の三種の神器。
米は少し硬い。
汁は薄い。
煮物は、何を煮たのか分からない。
分からないが、食える。
食えるものはだいたい正義だ。
正義のハードルが低い。

少し離れたところに座る。

人の輪の外。
でも完全に離れているわけじゃない。
声は聞こえる。
笑い声も、たまにある。
俺の方には来ない。

俺は箸を動かした。

食べるペースが少し速い。
自分でも分かる。
早食いはよくない。
胃に悪い。
でも、ゆっくり食べると、いろいろ考える時間ができる。

味。
匂い。
今日死んだ奴の顔。
銀時の目。
仲間が一歩引いた足。
桂の言いかけてやめた口。
高杉の舌打ち。

そういうものが順番に出てくる。

だから食う。
噛む。
飲み込む。
次を入れる。

胃袋に詰める。
考える隙間を減らす。

「一人飯最高。誰にも取られない。俺の飯が俺の飯として存在している。これは革命だな」

小さく言う。
誰も返さない。
当然だ。
俺しかいないのだから。
でも、遠巻きの視線はある。
俺が食うところを見ている。
血まみれの紙袋男が飯を食う様子。
見世物としては最悪だ。
金を取れないタイプの出し物。
いや、怖いもの見たさならワンチャンあるか。

俺は煮物を口に入れた。

しょっぱい。
いや、薄い。
どっちだ。
俺の味覚が壊れているのか、煮物の方が壊れているのか。
たぶん両方。

「よう食うのう」

声がした。
俺は顔を上げた。
坂本辰馬が、にこにこしながら立っていた。

最近仲間になったこの男は、いつも空気が軽い。
そして声がデカい。異様にデカい。
戦場でも、飯場でも、変なところで笑っている。
銀時とはまた違う。
銀時の軽さは、面倒くささが混ざっている。
坂本の軽さは、もっと外に開いている。
風通しがいいというか、窓が多いというか。
雨の日は大変そうだ。

「燃費悪いんだよ、旧車みてぇなもんだから」

俺はそう返した。

坂本は遠慮なく隣に座った。
その動作が普通すぎて、少し驚いた。

いや、隣に座られるだけで驚くって何だ。
俺は野良猫か。
近づくと逃げるタイプか。
いや、逃げない。
むしろ飯を奪う。

「そりゃあ、あんだけ戦場で動いちょったら腹も減るきに」

「今日の俺、そんな動いてた?」

「目立っとったぞ」

「営業努力ってやつだな」

「戦場で営業する奴は初めて見たぜよ」

「新規顧客開拓だよ。敵兵の皆様に俺という存在を知っていただくところから始めてる」

「知った途端に逃げそうじゃがのう」

「それなら成功だな。顧客満足度は知らん」

坂本は笑った。
ちゃんと笑った。
その声に、少しだけ肩の力が抜けた。

ああ。
笑う奴いた。
よかった。
俺のギャグが全部死んだわけではない。
いや、ギャグの生死を確認するために人の笑いを利用するなという話だが、今は許してほしい。
こっちは必死だ。
必死な時ほど、くだらない確認が必要になる。

「さっきの戦い方、目立っちょったぞ」

坂本が飯を食べながら言う。

「マジ?どの辺が?」

「全部じゃ」

「雑」

「なんじゃ、細かく言うた方がええか?」

「いや、やっぱいい。自分の奇行を他人の口から詳細に聞くのって拷問に近いから」

坂本はまた笑った。

周りの視線が少しこちらを見る。
坂本が普通に話していることで、場の空気が少しだけ戻った気がした。
少なくとも、俺の周りだけは。

すごいな坂本。
空気清浄機みたいだ。
いや、戦場の空気まで清浄したら逆に怖い。
でもこういう時、何でもない顔で隣に座れる奴は強い。

俺は飯をかき込みながら言った。

「てかさ、銀時のやつ最近ずっとああなんだよ」

坂本の目が少しだけ動いた。

「ほう」

「いや、ほうじゃなくて。何か冷たいというか、距離あるというか、俺のボケに対する反応が労基違反というか」

「労基?」

「働くツッコミの環境を守る組織」

「おまんの頭の中は忙しそうじゃのう」

「常時営業中だよ。閉店したら死ぬ」

言ってから、一瞬だけ黙りそうになった。

閉店したら死ぬ。

比喩のつもりだった。
でも、比喩だけではなかった。

俺はすぐ汁を飲んだ。
熱い。
味は薄い。
助かる。
熱いものは思考を一回殴ってくれる。

「この前なんか“どっか行け”とか言われてさ」

軽く言ったつもりだった。
でも、声の端が少し引っかかった気がした。

坂本は椀を持ったまま、俺を見る。

「ほう」

「またほう」

「おまん、それでどうしたがじゃ」

「どうしたって?」

「どっか行ったがか?」

「行くわけないだろ。俺が素直にどっか行くタイプに見える?」

「見えんのう」

「だろ。俺は行けと言われたら逆に居座るタイプだ。迷惑な客ランキング上位」

「自覚があるならまだええ」

「よくねぇよ。改善しろよ」

「自分で言うがか」

俺は少し笑った。

笑えた。
たぶん。

「……俺そんなやらかした?」

少しトーンが低くなってしまった。
ダメだ、持ち堪えろ、俺。

俺の言葉に、坂本はしばらく黙った。
黙らないでほしい。
今日はみんなよく黙る。
沈黙ブームでも来ているのか。
流行に乗るな。
もっと楽しいものを流行らせろ。
スポーツチャンバラとか。

「やらかしたかどうかは知らん」

坂本は言った。

「けんど、銀時がそう言うなら、何かあるんじゃろう」

「それ、銀時側の味方じゃん」

「そう聞こえたか?」

「聞こえましたァ。今、俺の心の法廷では坂本被告が銀時寄りの発言をしたとして審議に入っています」

「判決は?」

「黒」

「下着の話か?」

「存在が」

坂本は豪快に笑った。
それから、急に胸を張った。

「任せろ」

「何を」

「ワシに任せろ、何とかしちゃるぜよ!」

「え、何をどう?」

「おまんと銀時のことじゃ」

「任せるってお前に?」

「ワシにじゃ」

「不安だ」

「何でじゃ!」

「坂本が胸張ってる時ってだいたい根拠ないだろ」

「根拠ならあるぜよ」

「何」

「ワシは坂本辰馬じゃ」

「それ根拠っていうか自己紹介」

「十分じゃろ」

「不十分が服着て歩いてる」

坂本は笑って、俺の肩を軽く叩いた。
血のついた服に、普通に触れた。
触れた部分が変にあたたかかった。 

「まあ、任せちょけ。悪いようにはせん」

「そうか、頼むわモジャモジャ」

「誰がモジャモジャじゃあ!」

坂本はまた笑った。

俺も笑った。

飯は相変わらず薄かった。
でも、少しだけ食いやすくなった気がした。

翌朝。

目が覚めた瞬間、静かだった。

静か。
戦場近くの朝にしては、あまりにも静かだった。

鳥の声がする。
風の音もする。
遠くで誰かが物を運ぶ音も、あるにはある。
でも、いつもの気配がない。

銀時のだるそうな声。
桂の妙に真面目な確認。
高杉の舌打ち。
誰かが武器を確認する音。
誰かが飯の残りを探る音。

ない。

俺は布の上でしばらく固まっていた。
嫌な静けさだった。
こういう静けさには覚えがある。
人が死ぬ前。
何かが終わった後。
大事なものが、いつの間にか自分の手から抜け落ちた時。

いや、違う。
朝だ。
ただの朝だ。
寝起きで世界を重く見るな。
朝の自分は信用できない。
まだ脳が布団に魂を半分預けている。
布団税を払っている状態だ。

俺は起き上がった。

「……あれ」

誰もいなかった。

俺の周りだけじゃない。
いつもの連中がいない。
銀時も、桂も、高杉も、坂本もいない。
きれいにいない。

「え、何? 集団夜逃げ?」

俺は辺りを見回した。

「俺だけ家賃滞納してた? ここ戦場だぞ。家賃制度あったら怖いだろ」

返事はない。
代わりに、俺の寝ていた場所の近くに紙が置いてあった。
折り方が雑だった。
雑すぎて、紙がかわいそうになるレベルだった。
もうちょっと大事に扱え。
紙だって元は木だぞ。
木だった頃は風に揺れたり鳥を休ませたりしてたんだぞ。
それがこんな雑な折られ方をされて、最終的に俺に読まれる。
人生、いや紙生、何があるか分からない。

俺は紙を拾った。

開いた。

そこには、こう書いてあった。

『すまん失敗したwww』

俺は三秒黙った。

一秒。

二秒。

三秒。

「あンのクソヤロォォォ!!!!」

ここ一番の声が出た。
朝の静けさが一瞬で死んだ。

「何をどう失敗したんだよ!!説明責任果たせや!!」

紙を持ったまま叫ぶ。

「あの黒いモジャモジャ使えねェ!!信用ならねェェェ!!」

坂本。
お前。
何が「任せろ」だ。
何を任せたんだ俺は。
俺の信頼を返せ。
利子つけて返せ。

俺はもう一度紙を見た。
『www』の部分が異様に腹立つ。
笑うな。
紙面上で笑うな。
こっちは置いていかれてるんだぞ。
戦場版置き去り事件だぞ。
事件名が嫌すぎる。

「つーか白いモジャモジャの方も何なんだよ。いい子にお留守番しとけって? 俺、犬じゃないんだけど?」

俺は立ち上がった。

外に出る。
やっぱりいない。
主要な面子どころか誰も、みんながみんなごっそりいない。

ああ。

そういうことか。

銀時が、俺を連れていかなかった。
たぶん桂も高杉も知っている。
坂本は何とかすると言って、何とかできなかった。
そしてその結果がこれ。

置いてけぼり。

「……まあいいか」

声が出た。

思ったより軽く出た。

軽く出たことに、自分で少し驚いた。

まあいいか。
また出た。
便利な蓋。
鍋の蓋がなくても人生には蓋が必要である。
蓋がないと煮こぼれる。
俺の中身はだいぶ前から煮立っているので、蓋は多い方がいい。

でも、蓋の下で何かが焦げる匂いがした。

銀時に置いていかれた。

それは、別に初めてではない。
戦場で離れることはある。
別行動もある。
作戦上、俺が別の場所に回されることもある。

でも今回は違う。
外された。
銀時が俺を外した。

──次の戦から外れろ
──死ぬ前に、どっか行け

昨日よりはっきり、その言葉が戻ってきた。

死ぬ前に。
どっか行け。

俺はその場でしばらく黙っていた。

行けるなら、とっくに行ってる。
松陽先生を救えなかった。
まだ、終わっていない。
いや、本当はもう何度も終わっているのかもしれない。
松陽先生が連れて行かれた時点で。
攘夷戦争が始まった時点で。
俺が前世の知識を思い出した時点で。

でも、まだある。
そうだ、まだ止めたいことがある。

銀時が松陽先生を斬る未来。

それを知っている。
断片だけ。
最悪の断片だけ。

桂と高杉が捕まる。
銀時が選ばされる。
二人を救うために。
松陽先生に頼まれていた銀時が。
松陽先生を斬る。

最悪だ。
誰が考えたんだ、その展開。
作者出てこい。なんつーシナリオだよホント。
当事者になって分かった。エグすぎる。
いや、作者を詰めても原稿は変わらない。
過去の単行本は変わらない。
こっちの現実も変わらない。
でもせめて膝に小指をぶつける呪いくらいかけたい。毎朝タンスの角に負けてもらいたい。

「……止まれるタイプなら、そもそも戦場でボケてねぇしな」

俺は小さく言った。

そうだ。
止まれない。
止まれたら、こんなところまで来ていない。

普通の人間なら、戦場で人が死んだ時点で止まる。
泣く。
怒る。
逃げる。
壊れる。

俺はボケた。ふざけ倒した。

最悪だ。
でも、それで動けた。

なら今も同じだ。

置いていかれた。
外された。
銀時に拒まれた。

だから何だ。

俺は行く。

止まったら、何も変わらない。
止まらなくても変わらないかもしれない。
でも、止まったまま終わるのだけは嫌だった。

「よし」

俺は顔を上げた。

「とりあえず坂本は後でシバく。笑顔でシバく。もじゃもじゃをさらにモジャモジャにしてやる」

そう決めると、少し元気が出た。

人間、復讐対象があると朝から動ける。
よくない。
教育に悪い。
でも俺はもう教育が手遅れなので問題ない。

ただ、どう追いかけるかが問題だった。

銀時たちはもう出ている。
どこへ向かったかも正確には分からない。
聞き込みしようにも人が見当たらない。

「……情報が足りないな」

俺は腕を組んだ。

情報。
情報が必要だ。

俺の前世の記憶は役に立たない。
肝心なところが抜けている。
単行本を途中で積んだ。
本当に前世の俺は何をしていたんだ。
積むな。
命がかかっている。
いや、かかっていなかったんだけど。
こっちはかかってるんだよ。

でも。

ふと思った。

「……そういや銀魂って」

銀魂。
そうだ、この世界は銀魂だ。

「人気投票で殴り合ったり」

たしか、順位で揉めていた。
キャラたちが自分の順位を気にしていた。
自分たちが漫画の登場人物であることを理解しているような顔で暴れていた。

「作者に文句言ったり」

作者。
ゴリラ。
そうだ、ゴリラだった。
作者がゴリラ扱いされていた。
意味が分からない。
でも銀魂では意味が分からないことの方が多い。

「メタ持ってるじゃん」

俺はゆっくり息を吸った。

ギャグ補正。

それがこの世界で通るなら。
俺がふざけることで、少しだけ生き延びられるなら。

“メタ視点だって、通るかもしれない。”

銀魂キャラがメタを持っているなら。
俺だって、この世界の一部になっているなら。

見えるんじゃないか。

読者。
反応。
感想。
先の情報。
ヒント。

いや、そもそも俺は何なんだ。

漫画か。
小説か。
二次創作か。
誰かの脳内か。
ネットの海に浮いている文章か。

分からない。

分からないけど、読まれている可能性はある。
俺が見世物になっている可能性はある。
いや、戦場で紙袋かぶって走っている時点で見世物みたいなものだが、そういう意味じゃない。

「……ってことは俺もいけるか?」

根拠はない。

でも、根拠がなくても月牙天衝は出た。
鍋の蓋は刀を弾いた。
誕生日を捏造したら銀時が来た。

この世界は、そういう雑な理屈を通すことがある。

なら。

「出ろォォォ!!」

俺は両手を広げて叫んだ。

「メタ視点よ来いィィィィ!! 作者でも読者でも編集でもいい!! 何か出ろ!! できれば攻略情報!!できれば具体的に!! 『このルートを通れ』とか『この日に赤い靴を履け』とかそういう親切なやつ!!」

風が吹いた。
何も起きない。

「……」

俺は両手を下ろした。

「まあ、そうだよな」

恥ずかしい。
朝っぱらから何をやっているんだ俺は。
一人で空に向かって「メタ視点出ろ」と叫ぶ男。
遠くから見たら完全に終わっている。
近くから見ても終わっている。
どの距離から見ても終わっている。
距離の問題ではない。

その時だった。

視界の端に、何かが浮かんだ。

文字。

いや、文字というより、反応。
形になりきらない声。
誰かがどこかで、何かを読んで、何かを言ったような気配。

空中に、半透明の板みたいなものが出ていた。
俺は固まった。

「……出た」

出た。

本当に出た。

俺の人生、出ちゃいけないものが出すぎている。
月牙天衝。
鍋の蓋補正。
そして今度は、謎の文字たち。

俺は恐る恐る、その板を見た。

はっきりとは読めない。

文字はある。
絵みたいなものもある。
でも、それが何に書かれているのか分からない。
本なのか。
紙なのか。
画面なのか。
誰かの帳面なのか。
そもそも俺が何に載っているのかも分からない。
ただ、分かることがあった。

誰かが、泣いている。

誰かが、刺さったと言っている。

誰かが、続きを待っている。

誰かが、軽い気持ちで読めないと言っている。

あと、やたら動物がいる。

「……いや動物多いな」

象。
狐。
猫っぽい骸骨の化け物。
ハートを出している象。
キラキラしている狐。
鼻血を出している象。

情報量が多い。
多いのに、必要な情報がない。

「何? 動物園からの通信?」

俺は目を細める。

象が何回もハート出している。
象、俺のこと好きなのか?
いや待て、象が味方なら強いぞ。
戦場に象。だいぶ強い。
問題は俺が象の呼び出し方を知らないことだ。

俺はさらに目を凝らした。

泣いている狐。
泣いている象。
何かを拝んでいるような反応。
土下座している猫の骸骨。 

「……謝罪会見?」

違う気がする。

いや、分からない。
メタ視点初心者である。
チュートリアルもない。
説明書もない。
しかも表示されるのが動物と涙とハート。
攻略情報というより、感情の洪水だ。

俺は文字の方を拾う。

どうやら誰かが、ギャグなのに苦しい、と言っている。
ギャグ自体は面白いのに、他の温度差がひどい、と言っている。
グッピーが死んだ、みたいなことを言っている。

「グッピー?」

魚か。

死んだのか。

「……戦場にいたっけ、グッピー」

いない。
少なくとも俺は見ていない。
いや、見落としていただけかもしれない。
戦場、情報量が多いし。
敵、味方、血、泥、叫び声、槍、砲撃、たまに鍋の蓋。
その中にグッピーがいたら気づける自信がない。

「悪いな、グッピー。成仏してくれ」 

俺は軽く手を合わせた。
何をやっているんだろう。

でも、反応欄は止まらない。

ありがたい。
刺さった。
泣いた。
続きは。
続き待ってる。
軽い気持ちでは読めない。
馬鹿をやっているはずなのに泣ける。
自分も壊れたのかもしれない。
この先の予定はあるのか。

そんな感じのものが、途切れ途切れに流れてくる。

俺は全部を読んで、ゆっくり空を見上げた。

「感想じゃねぇか」

思わず言った。

「いや、嬉しいけど。嬉しいけど今ほしいの攻略法なんだよな」

反応欄は何も答えない。

ただ、像がハートを出している。
象が。
めちゃくちゃ象が。

「いやマジで象の圧がすごい」

俺は眉を寄せた。

「何?象ってこの先の重要人物?いや人物じゃないな。重要動物?」

答えはない。

読者。

たぶんこれは読者だ。

俺を読んだ誰か。
俺のことを見て、笑って、泣いて、続きを待っている誰か。

でも、何も知らない。

いや、知っているのかもしれない。
知っていても、ここには書いていない。
俺がほしいものはない。
松陽先生を救う方法も。
みんなに追いつく方法も。
何もない。

あるのは、泣いたとか、刺さったとか、つらいとか、続きが気になるとか、動物とか、ハートとか、鼻血とか、土下座とか。

「いや、文字に頼ろうとしてる俺がおかしいんだけどな」

小さく言った。
言ってから、喉の奥が少し詰まった。
俺はすぐに咳払いした。

「まあいい。泣けてるなら成功だろ。何の成功か知らんけど。俺の人生、エンタメ判定されてんのか? こっちは命がけなんですけどね。命がけのコンテンツって何?炎上するぞ」

俺は少し目を細める。

どうやら、誰かが俺のことを見ているのは確からしい。
そんな雰囲気が感じ取れる。
妙な感じだった。
戦場で、誰かに見られている感覚とは違う。
敵でもない。
味方でもない。
遠くから、ただ見てるだけの誰か。
でも、その“ただ見てるだけ”が、やけに近い。

俺は頭をかいた。

「いや、感想は分かった。めちゃくちゃ分かった。全部分かったけどどうすればいいのかはさっぱりだ」

誰も答えを持っていない。
いや、正確には、答えを持っている人間がここにいない。
ここにいるのは、読んで泣いている誰かたちだ。
手を伸ばしても掴めない。
声をかけても返事はない。
返事は返ってくるのかもしれないが、おそらく泣き声とハートと象である。

「……つまり」

俺は空中に向かって言った。

「今この場にいるの、攻略班じゃなくて応援上映の客か?」 

自分で言って、自分で少し笑った。

「泣いたり祈ったり象を放ったり……やってることが映画館出禁ギリギリなんだよな。……いや象は完全に出禁だわ。入館時点で止めろ」

誰もツッコまない。
やっぱり、ツッコミがないと寂しい。

「……まあいいか」

何度目かになるそれを言った。

便利だな、この言葉。
何もよくない時にしか使ってないのに、やたら口に馴染む。

「考えても分からんことは考えない主義なんで」

軽く言って、肩をすくめる。

分からないものは分からない。
何回見ても象はハートを出しているし、狐は汗をかいているし、攻略情報はどこにもない。

だったら。
やることは、一つだ。

俺は紙袋を被り直した。

少しだけ位置がズレる。
視界が狭くなる。
でも、それでいい。

「とりあえず──」

口を開く。

「置いてかれたんで、ストーカー行為しまァす!!」

誰もいない空間に向かって言った。

「銀時のやつ、逃げ切れると思うなよ。こっちは粘着質だからな。饅頭の恨みと同じくらいしつこいぞ」

軽く笑う。
笑ったつもりだった。

「次会ったらなんで置いてったんですか会見開くからな」

少しだけ足を動かす。
地面の感触が、やけに重い気がした。

気のせいだろ。
戦の後だし。
疲れてるだけだし。
朝だし。
いろいろあるし。

「記者俺な」

一歩。

「質問も俺な」

もう一歩。

「回答も俺で完結するから、だいぶ平和な会見になるな」

笑う。

ちゃんと笑えた気がした。

たぶん。

たぶん大丈夫だ。

俺は刀を握り直した。

指に力を込める。
少しだけ、震えていた気がした。

気のせいだろ。

寒いし。
朝だし。
風もあるし。
いろいろあるし。

問題ない。

問題ない問題ない。

俺は刀を握り直した。
指に力を込める。
少しだけ、震えていた。

気のせいだ。
寒いし。
朝だし。
風もあるし。
……いろいろあるし。

「待ってろよ、銀時」

声は軽かった。
軽く出せた。

「勝手に話進めてんじゃねぇぞ」

俺は走った。
止まらなければ、それでいい。

「続きを乞うご期待!」

そう言って、俺は前に進んだ。

でも、動く。
動けばいい。
止まらなければ、それでいい。

— End —

Comments 56

うん子10 天前

すいませんけどアナタ最高のエンタメです。我々が加害者ですごめんね。攻略法なんて欠片も知らない応援要因です 続きたのしみ!!今後もよろしくおねがいします!!

南平10 天前

像って誰やと思ってコメントしようとして理解した

風呂敷10 天前
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ありんこ三郎19 天前
Sticker
さくま22 天前

(cry)

はか23 天前
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すてら27 天前
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犬丸 雪智29 天前
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W
WW1 个月前

誰かありったけの温もり持ってきて!! このままだとどっかの崖の上で高杉桂人質ゆえ銀時によって松陽首跳ねられる!!銀髪奈落の朧さん松陽の1番弟子!一緒にいたいだけなんですこの人!!諸悪の根源徳川定々!この人は笑って殺されても許されるはず! …待ってもう首飛んだ後だったりする???

W
WW1 个月前

シリアスの原因ギャグ100%なことある??誰かありったけの温もり持ってきて!!…このままだとどっかの崖で高杉桂人質により銀時が松陽の首ぶった斬るよ!!銀髪奈落の先生大好き朧くん松陽の1番弟子、諸悪の根源徳川定々!……あれ、これもう首飛んだ後だったりする?

W
WW1 个月前

シリアスの原因がギャグ100%なんてことある??誰かありったけの温もりを主人公に!! 吉田松陽このままだとどっかの崖の上で銀時に首跳ねられて死(人格)にます!!朧っていう銀髪の奈落は松陽の1番弟子です!この人ただまた先生と過ごしたいだけ!銀魂の巨悪の根源徳川定々!!

しぴ1 个月前

メタ要素原作の方かと思ったらこっちなんですね⁉発想が神!!!マジで主人公の性格好きです!

Sakuria
Where every work blooms
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