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【壬猫】正夢に変えてみせる

まなみんまなみん

ワンドロお題「初夢/正夢」で書きました。 原作軸の少し未来、新年の祭祀でお疲れ気味な壬氏さまの初夢のお話です。 壬氏さまが多少情けないかもしれません。 壬猫ハピエンです。 よかったら、読んだよの絵文字や感想をください。 https://wavebox.me/wave/buq96hw15z09ab00/ 気づいたら壬猫作品が10作を超えていました。 2026年もよろしくお願いします。 今年はR展開をもっと精進したいです。 あと、巫山の夢の連載完結ともう一本連載完結させたいところです。 育休から復帰するから、できるか自信ないですけど💦

正夢に変えてみせる

夢だということはわかっていた。
あまりにも己の願望に忠実すぎる光景が展開していくのだ、いやでも悟る。

きな臭さを増していく、周辺国の情勢。
ある夜、猫猫と主上の私室へ呼び出され、婚儀を挙げろと言われる。
御前を辞してから、猫猫の固い表情に「お前を解き放つ」と伝えると、大きな瞳を揺らしながら「御意」と頷いた。
「最後に情けをかけていただけませんか?」
と、袖を引いて掛けられた言葉に、夢中で猫猫を抱き上げる。
「いいのか?手離してやれなくなるぞ。」
寝台へ向かう間に念を押すと、身体を強張らせる猫猫。
「解き放たれるならば、最後に思い出の一つでもいただければと思いましたが、壬氏さまを縛り付けたいわけではないのです。」
流れ落ちる涙を拭いもせずに言う猫猫に、違和感を覚えた。

「お前は皇弟妃になるつもりはないのだろう?『そのときは私は隣にいなくてもいいですか?』と言っていたではないか?」
東宮が生まれてもなお、現状では玉座に一番近いのは己だ。
表向きは言えないが、主上の健康問題も再燃しつつある。
主上がこの時機(タイミング)で猫猫との婚儀を命じたのは、即位して後宮を持つ前に最愛との蜜月を味わっておけという親心に似た優しさからだ。
「そうですね、そのつもりでした。でも、壬氏さまと離れがたくなってしまったのです。」
己の言葉を恥じるかのように頬を染め、視線を逸らした最愛の娘に、歓喜が湧き上がる。
「どのような形でもお側に置いてくださるならと思っておりましたが、壬氏さまにそのご意向がないなら仕方ありません。想い全てはこの部屋に置いていきますから、想い出を……」
皆まで言わせずに、唇を奪った。

「どのような形でも側にいてくれるなら、お前を皇后にしても良いか?窮屈だぞ?調薬さえさせてやれるか分からん。」
皇后は皇帝毒殺を謀っている、などと言われかねないことは予想がつく。
「そのような身に余るお役目ではなく、側女でも妾でも構いません。」
「お前が俺の唯一なんだから、その時が来たらお前は皇后になるしかないんだ。俺とお前の間に他の女はいらん。いていいのは、俺たちの子供たちだけだ。……いいのか?本気にするぞ?」
「隣にいさせていただけるなら、構いません。」
俺の顔を見上げてキッパリ言い切る最愛の娘に、無我夢中で口付けた。

悲しいかな、その辺りでもう、夢だと気づいていたのだ。

『俺』は猫猫の肌を暴き、湯浴みをしていないのにと悲鳴をあげる猫猫の秘花を舐め回した。
女性のそこを見たことなどないくせに、いやに生々しい形と味に、身体が熱くなる。
夢だと知りながら、猫猫の秘所に己の楔を打ち込み、初花を手折る。
きつく締め付ける隘路に歓喜と罪悪感を覚えて猫猫の顔を見ると、涙を浮かべつつもニヤリと笑いかけてくるのだ。
「こんな醜女に謀られて、壬氏さまもお可哀想な方ですね。」
痛みに顔を歪めているくせに、不敵な表情で宣う猫猫が愛おしい。
「自由な猫だったくせに、俺のような凡人に足枷をつけられたお前も可哀想だな。一生俺の隣に縛りつけられるんだぞ。」
そう言って顎の下をくすぐってやると、猫猫は首をすくめて笑った。
「こんな変わり者の娘を一生囲わなければならないどこぞの変態とどちらが可哀想ですかね?」
「なんだその変態とやら、羨ましいぞ。一生お前の隣にいられるとは。」
鼻で笑ってやると、猫猫も破顔する。
「私も、あなたの隣に縛りつけられるどこぞの猫が羨ましいですよ。」

夢の中の『俺』がとてつもなく羨ましい。
猫猫からこんな甘い言葉をかけてもらえて、身体を許されて、一生隣にいてくれるという確約までもらっている。

翻って己はといえば。
猫猫の俺への気持ちは日々強くなってきているように感じられているが、その裏付けはない。
近隣国に不穏があるわけではないが、いつ夢のような状況になってもおかしくはない。
臣籍降下を求めたところで了解されるわけもなく、焼印を盾に入内を拒むのみ。
羅漢に了承を得る……のは時期尚早だろう。
猫猫が納得する状況を作ってからだ。

猫猫に無体を働かないよう接触を控えて毛布越しに触れ合う己と裏腹に、夢の中の『俺』は猫猫の細い脚を腰に絡められて絶頂を味わっている。
達した後も情けない声をあげてへこへこと腰を振っているくせに、猫猫に『可愛い声を出すんですね』などと言って頭を撫でてもらっているのだ。
羨ましいやら、身体の中心が痛いくらいに漲るやらで、目を覆いたくなってきたが、夢は無常にも続いている。

猫猫と婚儀を挙げ、即位と同時に立后の儀式を終えて、皇帝宮で猫猫との同居を始めた『俺』。
後宮を休止したことで反発もあったが、すぐに第一子が生まれ、産後一年を空けて懐妊、出産を繰り返す猫猫に文句を言える者は次第に減っていった。
男児4人、女児3人に恵まれて、末子が生まれたばかりで退位し、玉葉后の産んだ男児に譲位。
譲位後は、荒れた子北州の領主になり隠居するつもりが、若い帝から遺留されて院政を敷いた。
譲位後に猫猫は医局への出仕を再開。
その後は子供を宰相につけ、隠居して猫猫と諸国を旅して回り、70過ぎに猫猫を見送ったところで夢が終わった。

「はあ。」
起き上がると、身体の中心が痛いほど張っている。
下帯の不快な滑りは、先走りだけではあるまい。
下着を汚すなど、元服前以来だろうか。
今夜までは潔斎をしなければならないのだが、漲ったこれをどうしたものかとしばし悩む。
時間をおけばおさまると思いたいが、煩わしさに下帯の中に手を伸ばした。
潔斎で慎むべきは女色であり、自慰ではないという屁理屈である。
目を閉じると脳内に描き出されるのは、先ほどまで見ていた夢の猫猫だ。
細い脚を広げ、股座に顔を埋めたときの香り。
下生えがほとんどなく、てらてらと光る桃色の秘花。
隘路を分け入ったときの苦痛に歪む顔。
手を動かせば、すぐに達してしまう。
手のひらを汚す白濁には、夢で猫猫の秘花が吐き出した白濁のように、赤いものは混ざっていない。

「はああ。」

手ぬぐいで乱暴に白濁を拭い、濡れた下帯と夜着を変えて、下帯の処遇を考えて頭を抱えた。
今水場で洗い流そうとしても、おそらく物音で起きた水蓮に止められるだろう。
しかし、このまま洗濯物に紛れさせるのは気が引ける。
二十歳を過ぎた歳でこのような粗相を水蓮に悟られるのは、さすがに気が重い。

もう何も考えるまいと、朝の自分に期待して布団に潜り込んだ。

窓の外はまだ暗い。
普段より早めに床に就いたとはいえ、己のこの先を描いた夢が数刻で終わるとは。
今宵見る夢は初夢と呼ばれ、その内容で一年の吉兆を占う。
あの内容であれば、個人的には瑞夢と言える。

だが、あの夢が叶うことはないだろう。
どれほど俺に気持ちを傾けてくれたとしても、猫猫が皇族の身分を持った俺についてきてくれるはずはない。

身体の奥に燻る劣情の炎と、未来への悲観で、くさくさする胸の内を鎮めるため、目を閉じた。

やっと新年にまつわる一連の祭祀が終わった。
主上の手術から皇弟である俺の分担を増やしてもらっているため、まだ慣れぬ負担の大きさに疲弊している。
今夜は何を食べても良いし、何を飲んでも良いのだ。
滋養のあるものを食べて、早く寝よう。
昨夜の夢など考えず、深く眠りたい。

そんなことを考えながら宮の門を潜った。

「おかえりなさいませ。祭祀お疲れ様でした。」

目の錯覚かと思った。
猫猫が出迎えてくれたのだ。

「坊ちゃま、お疲れ様でございました。今朝のお顔色が悪かったので、ばあやのお節介ですが、小猫を呼んだのですよ。」
「壬氏さま、新年快楽。主上の分も祭祀をお引き受けされていると聞きました。お疲れでしょう。滋養強壮に効く薬湯を準備してあります。」
猫猫の声に、胸中に蟠る様々な重荷が解けていく。

「猫猫、よく来てくれた。この宮では今日から料理が豪華になるからな。食べていくだろう?」
「もちろんです。」

水蓮心尽くしの料理に舌鼓を打ち、点心が出たころだった。
「小猫、今夜は泊まっていくのよね?壬氏さまの後に湯殿を使ってね。」
水蓮の質問に身体を硬くする。
さすがに、昨夜、猫猫であんなことをした部屋に泊めるのは問題がありすぎる。
「お言葉に甘えてよろしいですか?」
猫猫に問われて、一呼吸する。
「ああ、久しぶりの猫猫を補充させてくれ。」

なんとか普段どおりの声を出せただろうか。

「何かありましたか?」
湯上がりほかほかの身体で二人、俺の寝台に並んで座っている。
秋の終わりに始めた毛布で包む補充は、冬の今も続いている。
最初の夜に猫猫と二人で寝落ちし、起きたのが丑三つ時だったことから、猫猫に泊まってもらったのだ。
それ以降、水蓮は、猫猫が宮を訪れると泊まらせようとするし、猫猫に湯浴みをさせて夜着を身につけさせて俺の部屋に送り込んでくるようになった。
いつ俺がその気になっても良いように、とでも言いたげな手回しの良さに、居心地の悪さを感じている。
その気になってしまっては困るのだ。
ましてや、昨夜のように過激な夢を見た後では、夢のようなことをしてしまうかもしれない。
だから、猫猫とは半人分ほど幅を空けて座っている。

「夢を見たんだ。」
猫猫に隠し事はしたくない。
政務のことは隠さざるを得ないのだから、それ以外では隠したくない。
だが、「お前を抱く夢を見た」と言っては、いくら恋人だったとしても、さすがに性的迷惑行為(セクハラ)になるだろう。
慎重に言葉を選ぶ。

「主上からお前と婚儀を挙げるように言われて、お前を解き放とうとするもできず、お前を強引に俺のものにしてしまう夢でな。」
猫猫の顔色を伺うが、特に変化はない。
「その後、お前と婚儀を挙げて子は7人ほど生まれて、隠居してからはお前と諸国を旅して回り、お前を見送るところで終わった。」
夢で皇帝になったことを伝えたら、猫猫は身構えるだろう。
玉座の話を省いて伝えたら、本当に短く終わってしまった。
「邯鄲の夢とはよく言ったものだな。」
話をまとめて、再び猫猫を見遣る。
無表情で、感情が読めない。

「壬氏さまにとって、その初夢は良い夢だったのですか?」
一拍置いて、猫猫が問いかけてきた。
「ああ、そうだな。」
即位したことはあまり良くないが、猫猫と夫婦になれた。
後宮を休止したことで、他の女のことを気にすることなく、猫猫と二人で愛を育めたのは理想に近い。
譲位後に猫猫が医局への出仕を再開できたことも安心した。
隠居後に猫猫と旅をしたのも、西都への旅を思い起こさせて良いものだった。
「だがお前を見送ったことだけはいただけないな。俺はお前に見送られたい。」

「それでは壬氏さま、その夢を正夢にするというのはいかがでしょうか?」

はて、聞き違いだろうか。

「猫猫、もう一度言ってくれないか?」
猫猫に向き合い、肩を掴んで頼み込む。
「……いえ、忘れてください。」
「いや、忘れられるわけないだろう!いいのか?俺の妃になるんだぞ?臣籍降下もできていない、子ができれば玉葉后の敵になりかねない、だが、子を堕ろすことは許されない。それでも良いんだな??」
「愚かな女と嘲笑われるでしょうが、壬氏さまの隣にいることが心地よくなってきてしまいました。」
猫猫が俯いて言葉を紡ぐ。
「壬氏さまの隣を誰にも渡したくないという欲が生まれるくらいには。壬氏さま相手では難しいことではありますが。」
猫猫の肩を掴む俺の手に、猫猫の小さな手のひらが乗る。

猫猫が、俺に独占欲を抱いているだと?

里樹を無難と俺の妃に勧めてきた猫猫が?
妻にすると告げたら青ざめていた猫猫が?

「変なことを申しました。忘れてくださいませ。」
こうしてこの娘はまた俺の手をすり抜けようとする。
猫が警戒を緩めたときに攻め入るしかない。
「無理だ。忘れられるわけがない。」
元々、猫猫の言葉は全て覚えている。
恋仲になれたと思ってもどこか線を引いていた娘が、初めてこの手に堕ちてきたのだ。
忘れられるわけがない。

「嘲笑などするわけがないだろう。俺がお前だけをどれほど求めてきたと思ってる?やっと、やっとだ……!やっとお前に求めてもらえたんだ。」
猫猫の肩を掴む手に力が入りすぎたのだろう。
猫猫の顔が歪む。
その表情に夢を思い出して、身体が熱くなる。
「どんな形であろうと、あなたのお側にいると決めました。妻でなくとも良いのです。」
「お前が側にいるのに妻にできないのは耐え難い。俺の妻になってくれ。」
膝の上に置かれた手を取り、懇願する。
「はい。」
小さな声だったが、確かに猫猫が頷いた。

衝動の赴くまま、猫猫を押し倒す。
「いいか?」
そう聞くだけの余裕はあった。
「だが、女性はいろいろ準備があるんだったか?」
腐っても元後宮管理官である。
妃たちが主上を迎えるために半日ほどかけて準備していたのは覚えている。
「壬氏さまの宮に泊まるようになってから、いつそうなっても良いように準備していたと言ったら、引きますか?」
息が止まった。
今夜の猫猫は、俺に都合が良すぎる。
「いや、嬉し過ぎて歯止めが効かなくなるな。」
「構いません。」
しおらしく言う猫猫に、ふと嫌な考えが頭をよぎった。
「まさか、これもまた夢なのか?」
猫猫にのしかかったまま頭を抱えた俺に、猫猫が微笑んだ。
「ならば、巫山の夢も正夢になさったら良いのでは?」

ああ、もう、猫猫が可愛すぎる。
「良いんだな?もう引き返せないぞ?」
猫猫の月の巡りがどうか、とか、いま子ができたらどうするのか、とか、玉葉后を敵にしないためにどう振る舞うか、とか。
考えなければならないことは山積みなのに、もう猫猫しか見えない。
猫猫の夜着をはだけさせる。
現れた白い肌にしゃぶりついた。

猫猫に提示された課題は何も解決していない。
でも、猫猫が隣にいてくれるなら、皇位を継ぐことだって何だってできる気がした。
あの邯鄲の夢だって、正夢に変えてみせる。
そう決意して、猫猫の肌に赤い痕を刻んだ。

— End —

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にこにこりんりん5 个月前
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Sakuria
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