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猫猫と壬氏の中身が入れ替わって互いに大変だと感じつつ一日過ごす話

まかさまなわまかさまなわ

※普段はプロセカ二次創作書いてます!そちらもよろしくお願いします ※初めてで出来が不安なのでコメください とある日の早朝に身体が入れ替わってしまった猫猫と壬氏 「まあ、混ざって勝手に完成してしまった薬でしょうし、一日待てば戻るでしょう」 仮説を立て、仕方なくお互いを演じて一日を乗り越えることとなった 「そ、そうか?今日だけ偶然だ。あはは……」 「猫猫、今日はどうしたの?具合でも悪い?」 普段との違いを何となく指摘されつつ、不器用な壬氏を助けつつ、猫猫はその姿を楽しんだ 高順、玉葉、下女たちの目を掻い潜り、ついに夜が訪れた 「なんのためにこんなもの……ぁ」 安心したのも束の間、猫猫は新事実に気づいてしまった 一方、壬氏はとある事情で鼻血を出して倒れてしまい……? こんにちは 初めて薬屋の二次創作を書きます! 何かミスなどがあるかもしれませんが、お手柔らかにお願いします。アニメと漫画を見た程度ですので…。 当初考えていた文字数の二倍になってしまったのは、熱が入り過ぎたからです。 少しテンション高めなふたりのはちゃめちゃ具合をどうかお楽しみください。

草花が大量に入った籠が無造作に置かれている。
その上に更に草を追加したのは、そばかすが目立つひとりの少女だった。
早朝から部屋を抜け出し、せっせと草花を収穫していたのは、決して命じられたからではない。
彼女は自ら進んで採集を行っていた。
(朝っぱらからいい気分だ)
彼女は誰に見られても構わないというふうに小躍りをした。その口からは奇妙な笑い声が漏れている。
彼女───猫猫は薬になる植物に目がなかった。
それは日が昇るのを待って居られないほどだった。
「ふう」
額の汗を拭い、草花が溢れんばかりの籠に、今手に取った草を乗せる。
「んん……むぅ、もう入らない」
ぎゅうぎゅうと押し込みすぎては使い物にならなくなってしまうため、無理はできない。
(勿体ない。もっと採集できるのに)
猫猫はため息を着きながら、また来ることを心に誓い、その場を後にした。
「よいしょっと」
線が細い見た目とは裏腹に、それなりに体力がある猫猫は、その籠を難なく運ぶ。
少し大きい籠のせいで視界が塞がっていたが、差して気にせず歩いた。
「ん?」
視界の端に人影がある。
(こんな時間に誰だ?)
その人影が放つ軽い足音がだんだんとこちらに向かって近づいてきている。
(げ……この足音は…)
「……まさか」
「早いな、薬屋」
(やっぱり)
「じ、壬氏さま…おはようございます」
「何をしているんだ?」
「採集です。薬になるものを探していました」
(くそ。長くなるから会いたくなかったのに)
猫猫は籠で顔を隠し、歪んだ表情を見られないようにする。
一方壬氏はそれを覗き込もうとする。
ちらりと見えた壬氏の目は三日月型になっており、それは猫猫に鳥肌を立たせるのに十分だった。
「では私は失礼します」
「ん?用でもあるのか?」
「用というほどではありませんが……ただ一刻も早く薬草を使いたいと…」
「そうか。なら運ぶのを手伝おう」
「け、けっこうです!手を煩わせることはしません。一人で運べますから」
「なに、遠慮するな。お前のような貧相な女性より男の方が力があるだろう?」
(貧相だと!?馬鹿にするな。しかもお前は宦官だろうが)
「私だって力はあります」
「まあまあ」
「は、離してください!」
お互いに貼り付けていた笑顔が崩れていく。
眉を引きつらせた二人によって両側から引っ張らる籠はギチギチと音を立て、中に入った草花がゆさゆさと揺れ動く。
「……んんっ」
「……くっ」
無言で互いに引っ張り合うこと数秒、ついにその時は訪れた。
「っ!しつこいです!壬氏さま!」
猫猫がえいやっと引っ張った時、籠にかかっていた均衡した負荷が崩れた。
「あっ!」
「わっ!?」
籠は二人の手から離れ、ゆっくりと宙を舞う。
道中でひっくり返った籠から中身が勢いよく飛び出した。
猫猫が先程詰め込んだ草花が頭から降り注がれる。
「……」
「……」
沈黙が重い空気を包み込む。
(最悪だ。だからこいつに会いたくなかったんだ。会うといつも面倒事に巻き込まれる)
「す、すみません」
「わ、悪かった」
全身緑に塗れた二人は、謝る声が重なったことにすら気づかなかった。
顔を上げることなく散らばった草花を拾い集める。もちろん無言で。
(さっさと片付けて帰ろう。今日は始まったばかりだ。こんなことは忘れて薬を作るんだ。そうそう、医局で松茸を食べる約束もしていたんだっけ)
「では私はこれで───」
猫猫は言いかけてパッと喉に手をやる。
(は?声が……変───ま、まさか……)
嫌な予感を吹っ切るようにバッと顔を上げた猫猫は、同じように血相を変えた壬氏と目が合った。
目の高さが合わず、一瞬戸惑い、ようやく捉えた相手の姿は、決して想像したくはないものだった。
まるで鏡を見ているようだと猫猫は思ったし、壬氏も思った。
あんぐりと口を空けた自分が目の前に立っている。
「…薬屋、これはどういうことだ?」
「そんなの、私が聞きたいです」
相手は自分の声、自分の姿となっている。
「つまり、入れ替わったということか」
「ですね。おそらく草花が混在したことでの反応かと」
(私の知らない薬が勝手に出来上がってしまった?そんなことあるか?ああ、だから嫌だったんだ。こいつと関わるとろくな事がない)
「そんな嫌そうな顔、しないでくれ」
「当たり前ですよ。壬氏さまになるだなんて最悪です」
(普通の女はこいつになれたら大はしゃぎするだろう。が、私は面倒この上ない!)
「まあ、混ざって勝手に完成してしまった薬でしょうし、一日待てば戻るでしょう」
「そうか。それは何より」
気まずい空気が流れる。
壬氏の身体のまま、猫猫は籠を手に取った。
「仕方がないのでこのまま今日を過ごしますね。では」
(よし。帰って薬を───)
「ま、待て!薬屋!お前……いろいろ不安にならないのか?」
「何がですか?」
「そ、その……知られたくないこととか、あるだろう。それに、俺の身体になったお前は今日は俺として過ごさないといけないし、俺はお前として過ごすというか……」
「分かっていますよ、それくらい。というか、人に合わなければバレようがありません。熱とでも言っておけば問題ないかと」
「あのなぁ……」
壬氏はため息混じりにキョトンとした顔の猫猫を見る。
「何か問題でも?」
「俺には常に高順が着いている。バレないはずはないんだ。しかも俺は宦官で、外せない件がいくつもある。仕事だって山盛りだ。お前はそれをどうするつもりだ?」
(面倒な)
「だったら私が今日だけ壬氏さまを演じれば良いのでは?」
「簡単に言ってくれるな。俺はお前に演じられるほど容易い生活はしていない」
「それを言うなら私だって」
(いや、そうでもないか)
「待ってください……それってつまり、今日はこの草花を愛でることができないってことで、しかも壬氏さまになったらあのキラキラオーラを振り撒かないといけないということですか!?」
「そうだ。いや自分で認めるのは何か嫌だが…」
「じゃあ……」
猫猫は壬氏に草花の入った籠を手渡した。
「なんだ?」
「仕方ないので今日は猫猫を演じてください。私は頑張って高順さま含め、周りの目を誤魔化しますので」
(適当に紙に判を押しておけばいいだろう。しらんけど)
「ちょっと待て!だからそんな簡単には───おい!」
猫猫は聞こえないふりをして後宮へ急いだ。

(壬氏は朝っぱらから高順の目を盗んで部屋を抜け出してきているに違いない。ならばさっさと寝具に戻って寝ていなければ不審に思われる)
猫猫はそそくさと重い扉を開け、壬氏の自室へ侵入した。
(そうだ!今は絶好の機会なんじゃ……?)
猫猫は自分の下腹部に目をやる。
いつも壬氏が着ているあの服の布をじっと見る。
「今なら確認……」
「壬氏さま。おはようございます」
「…っ!?」
「おや、今日は偉いですね」
「な、なにが」
「小さい子供のようにあと五分と繰り返さず、素早く起床している所がです。しかも起こす前に着替えまですませて……今日は隕石に注意ですね」
(あいつ……良いのは外面だけかよ)
「そ、そうか?今日だけ偶然だ。あはは……」
(くそ、機会を逃したな。まあいいか。知らない方が良い事はこの世にごまんとある)
「では着替えをしましょう。朝食もとって、直ぐに仕事に取り掛かります」
「分かった」
「……今日は一段とやる気ですね」
「え?」
「いつもならやる気のない甘ったれた返事が返ってきますよ」
(いったいいくつ顔を使い分けているのか…高順も大変だな)

(後宮の見回り。これは仕事に入るのか?ただの散歩だろう。しかしいつもいつもうろちょろとしているしなぁ)
机に山積みになった資料を見て絶句し、高順に仕事を押し付けた猫猫は、後宮内の見回りをしていた。
「壬氏さま!」「壬氏さまだわ!」「今日もお美しい」
ひそひそと四方八方から声がする。
(普段ならニコッと微笑んで手を振るのだろうが…私はただの薬屋。あいつのようには振る舞えん)
猫猫はうんざりした顔をしたままスタスタとその場を駆け抜けた。
「ああ、今日はどうしたのかしら?」「いつもと様子が違うわ」「でもこれはこれで…」「萌えですわ」
(こいつ、歩くだけでオーラが出るのか!?)
猫猫は舌打ちをして、密かに壬氏───もとい猫猫を探した。

「猫猫、今日はどうしたの?具合でも悪い?」
「いや……あ、いえ!なんでもない……あ、ありません!」
翡翠宮から聞こえてきたのはそんな慌てた声だった。
見ると、困ったように笑う猫猫───もとい壬氏の姿がある。
壬氏は猫猫の像を掴みかねているのか、非常に残念なものになっていた。
(壬氏さま、また面倒なことに……)
「はあ」
猫猫はため息を着くと、仕方なく壬氏の元へ駆けた。
「じん……猫猫」
「俺はお前のことは名前で呼ばん」
(第一声がそれかよ)
「あー、薬屋、だっけ……まあいいや、調子はどうですか?」
「……疲れた。翡翠宮の侍女達が何かと世話を焼こうとしてきて大変だ。このままではバレてしまう」
「世話を焼いてくれるなら任せておけば良いのでは?」
「そうなのだが……はあ」
「なにか?」
「知らない草や花のことを医局関連の者から延々と訊かれ、やっと帰ってくれば侍女達に取り囲まれ、休む暇がない」
「私の大変さが分かってくれたようで何よりです」
「お前の方はどうなんだ?」
「私は高順さまの使い方を知っていますので」
「任せてきたのか」
「今日は早起きだったので特別だそうです」
「高順のやつ……今度俺も試してみるか」
「壬氏さまは早起きなんてできないでしょう」
そんなふうにひそひそと耳打ちをし合っていると、そこにすっと影が落ちた。花の香りが漂う。
「あらあら、うちの侍女にようかしら?」
「玉葉妃…」
猫猫の見た目をした壬氏を守るように立ちはだかる玉葉に、壬氏の見た目をした猫猫は目を逸らす。
(壬氏さまは普段、こんな圧で話しかけられているのか。私に対しては陽だまりのようなのに…)
「玉葉さま。今日は私が呼んだので…壬氏さまは悪くありません」
そこに壬氏から助け舟が入った。
「そ、そうです!やましいことはないですよ」
「ふぅん。そう」
玉葉は訝しげにしつつも、その場を後にした。
(助けられた。……貸し借りなしで居たかったが仕方ないか)
「借りはきっちり返します」
「別に良い。元はと言えば俺が悪かったんだ」
「何の話ですか?」
「今朝、俺が話しかけなければこんなことにはならなかった」
壬氏は悔しそうに眉根を寄せて拳を握る。
(なんだ。分かってたのか)
「すまない」
「ですが───」
猫猫はこれ見よがしに壬氏の頬を掴んだ。
「私、結構楽しいですよ」
「……もにゅ」
「こんなことも普段はできませんし…。壬氏さま、私の顔で落ち込まないでください。気味が悪いです」
「お前、酷いな」
壬氏は口ではそう言っているが表情は綻んでいた。
「分かった。自由気ままに過ごすとしよう」
「それがいいです。私はそろそろ高順さまの所に戻ります。何かあったら後宮内を探してください」
「分かった。そうしよう」
猫猫は立ち上がると、咳払いをしてニヤリと笑った。
「では、猫猫、また会おう」
「俺はいつもそんな顔をしているのか…」

「どこに行っていたのですか!仕事を放り出して!」
(母親みたいだな)
「……今日は早起きしたから多目に見てくれるんじゃなかったのか?」
部屋に戻ると、ムッとした高順に出迎えられた。
「にしても限度というものがあります。さあ、全ての資料に目を通し、判を押してください」
「はあ……面倒だな」
「仕事です」
(くそっ、甘々時間は終わってしまったようだ。面倒だが判を押すだけだし、元に戻れば責任は全て壬氏さまに行く。私はただそれっぽく仕事をしていればいい)
「はぁい」
猫猫は普段の壬氏を思い出しながら頬杖をつき、目で文字を追うふりをして適当にポンポンと判を押した。

(やっと解放された。さて、どこにいるかな)
「薬屋……じゃなかった、壬氏、さま!」
「うわっ!?」
「助けてくれ!」
猫猫に縋り付いてきたのは情けない顔をした壬氏だった。
「ど、どうしたのですか?」
(だから私の顔で変な顔はやめろって!私はもっと凛々しい!)
「また訳の分からん事件に巻き込まれかけた。逃げた先では松茸を食べないかと提案されたり、何やら毒のような植物を手渡されたり、見たこともない虫を引っ付けられたり……なんなんだ!?もう耐えられない!」
「壬氏さま、もう少し根性があると思っていましたが……無謀だったようですね。なんとでも言えるでしょう?適当に嘘をついたり誤魔化したりすればよろしいのでは?」
「それはもうやった!」
(甘やかされて育ったのならそれも致し方なしかな)
猫猫は敢えて大袈裟にため息をつき、キョロキョロと辺りを見回す。
「今日はもう寝てください。今朝提案したように、熱が出たとでも言えば休ませてくれますから」
「ちょっと、そこの女!」「どこの侍女か知らないけど!」「壬氏さまに気安く引っ付くんじゃないわよ!」
そこへやってきた複数人の下女は、恋の炎を燃やしていた。
(いつも壬氏さまに向かってハートを飛ばしている連中か)
「壬氏さま、一旦離れてください。というか、もう部屋にこもっていてください。面倒なので」
「だ、だが……」
「身体が戻るのはおそらく早朝……私が迎えに行くので問題ないかと。何かあればこっそり会いに行きますから」
「ちょっと!」「いいから離れなさいよ!」「そこのそばかす女!耳付いてないの?」
(ああ、うるせえ!)
「諸君、少々静かにして頂けないだろうか」
猫猫は壬氏の言葉を真似ながら、にこやかに言う。しかし怒りを隠しきれてはいなかった。
「じ、壬氏さま!」「でも……」「距離が近いというか……」
「この娘は熱があるようだから、看病しようと思っていたところだ。心配しなくとも、恋仲などではない」
(ったくもう)
猫猫が背中を叩くと、壬氏は驚いたと同時に咳をして演じる。
「ゲホゲホ……あー、熱がありそうだなー」
(私はそんな間抜けじゃないぞ!)
「ああ、早く運ばなければ、熱が酷くなってしまう」
「申し訳ございません」
適当に小芝居を打った二人は、そそくさと広場を後にした。
「壬氏さま」「下女の看病だなんて」「どこまでも素敵なお方」「私もしてほしいわ!」「今から熱を出しましょう!」
その後しばらく、謎に氷水を浴びる苦行が流行ったのは言うまでもない。

(やっと夜になったか)
外はすっかり暗くなり、猫猫は壬氏の部屋へ戻った。
「壬氏さま、また小猫に会いに行っていたのですか」
「え?あ、ああ」
「さて、壬氏さま。今日も飲みますよ」
「ん?なんだこれは」
寝る準備が整った所に高順が何やら飲み物を差し出す。
(ゔ…変な臭いがする。しかも色も……ドロドロだし。これは……芋を潰したものか?)
「なんのためにこんなもの……ぁ」
「どうしましたか?壬氏さま」
「い、いや!……不味っ…いやなんでもない!おやすみ!」
猫猫は一思いに薬を飲み干すと布団を頭から被り頭を整理する。
(この薬は男のアレを抑える作用がある。あの医宦が作れるわけがないし、私もこんなもの知らない。特注品の特殊な薬だ)
「つまり……」
高順が部屋を出たのを確認すると、すうっと気になる部分に手を伸ばした。
(ある。アレがある)
猫猫は顔が熱くなっていくのを感じた。
その手を直ぐに離す。
(私は何も知らない!何も触ってない!)
布団から顔を出し、湯気が出そうなほど熱い顔を扇ぐ。
「はあ、はあ、はあ…!」
(面倒事に巻き込みやがって!)

壬氏は猫猫から言われた通り熱があるふりを続けていた。
猫猫の部屋に一人きりになるのは初めてで、妙な新鮮さを感じる。
戸棚に隠されている薬の作りかけを見つけ、猫猫らしいと思った。
「熱いな」
今日は最近の中でも気温が高い。
(この部屋は俺の部屋より窓が少ないのか)
空気の入れ替えなど誰もしてくれない。着替えの手伝いも誰もしてくれない。
(こんな状態だと、俺は生きていけない。ああ、惨めだな)
憂いの表情をして、直ぐにパンっと両頬を叩く。
(こんな顔をしたらまたあの娘に怒られてしまうな)
「着替えるか」
壬氏は暑さを凌ぐために服を脱ぎ始めた。
それは自信の身体が入れ替わってしまっていることを忘れての行為だった。
「……!?」
服を脱ぐ途中、ふと胸に手が当たる。
小さくとも微かにふくよかなその部分が、いけないことだと分かっているのに目を引く。
「…ああ、あああ…!?」
下着姿になった状態で、壬氏は体中から湯気を出しながらぶっ倒れた。

「壬氏さま!壬氏さま!」
猫猫は早朝に壬氏が寝ているであろう自室を訪れた。
開け慣れた扉を開けると、壬氏が下着姿で鼻血を流しながら気絶していたのだ。
「壬氏さま!そんな格好で倒れないでください!」
「んん……ん」
(私の身体でやめてくれよ!せめて下着はきちんと着てくれ!)
壬氏は呼び声に反応し、目を覚ます。
「ああ、薬屋か……俺は一体……」
「しっかりしてください。鼻血が出ていましたよ。…早く服を着てください」
「す、すまないな、暑くて…」
「熱くて、の間違いじゃありませんか?」
(ったくもう。本気で熱を出すやつがどこにいる)
「壬氏さま、熱がありますよ」
猫猫は壬氏に濡れた布を押し当てて看病をする。
「は?そんなはずは……確かに頭がクラクラするな」
「何か卑しい事でも考えていたんじゃありませんか?これじゃあ看病じゃなくて介護ですね」
(まあ、私も人のことは言えんが)
「とにかくもうすぐ24時間が経ちます。これでこの面倒くさい身体ともおさらばです」
「そんな言い方はないだろう」
その時、頭から草花を被った時と同じように白い煙が当たりを包んだ。
「わっ!」
「あ」
そうして煙が去ったあと、二人は顔を見合わせる。
「戻った!」
「ええ、戻りましたね」
猫猫は直ぐに鼻をかんだ。もう鼻血は止まっている。
「壬氏さまが変なことを考えていたせいで身体がだるいです」
「そ、そんなことはしていない!」
「まあいいですけど。では、もうこんなことは二度とごめんなのでさっさと帰ってください」
「……本当に迷惑をかけたな。すまなかった」
「そういうのはいいですから。あなたがへこむとそれはそれで面倒なので」
そうして慌ただしく物珍しい一日は幕を閉じた。

昨日猫猫が適当に押した判の数々によって、巻き起こった事件はまた別の話である。

— End —

Comments 19

徳さん1 个月前

私の小説の内容は、ある程度、日本語に精通してないと、理解出来ないのですが、日本人の日本語のレベルが、私の小説を称賛出来ないレベルだとは、思いたくないのです。

徳さん1 个月前

凄いですね。私も、壬猫の二次創作描いてたのですが、全然、いいね👍が貰えませんでした。私のは、大衆受けする内容でないので、二十歳になる前に、小説家になるのは、諦めましたが、それでも、私の作家としての能力が低いとは、思いたくないのが、本音です。

るねここ9 个月前

今さらなのですが、とっても楽しかったです!中身が猫猫の壬氏は適当ですね😂本来の壬氏もこれくらい開き直っていたら楽なんじゃないかと思いました。それにしても適当に押したハンコが怖すぎる〜😂

徳さん1 年前

ありありのお話ですが、壬氏と猫猫だと、面白さも格別ですね。

毛野1 年前

てきとうにはんをおすなー! (壬氏様の心の声)

���
🍒チェリ家の まーちゃん🍒2 年前

壬氏様と猫猫では 普通の同級生が入れ替わったのとは 訳が違いますよね 体格も 性格も 生活も真逆😰 でも 直ぐに戻って良かったです 猫猫が適当に押した判 嫌な予感が

?
2 年前

凄いアイデアはいいんですけど…猫猫は見ず知らずの薬を一日で治るって決めつけないと思うんですけど…ちょっと解釈違いしてましたごめんなさい

ダーツ2 年前

薬屋見てるんですね!!!(羨望の眼差し) アニメ13話からOP・ED曲変わりましたね良きです ちなみに自分は小説勢です

Sakuria
Where every work blooms
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