・ご都合主義
・逆ハー要素
・勘違い要素
・キャラ崩壊要素
・夢主がゲスい・性格が悪い・ひねている
・偽造・捏造が沢山
・時系列が急に飛ぶ
・夢主の名前は朧月ヨル
・コナンコミックス最新刊ネタバレ注意
が、多大に含まれます。ご注意ください。
私は社会人だった。だった……筈だ。
しかし、気づいたらどこのラノベなんだろうか? 寝て起きたら女子高校生になっていたというから驚きだ。
(今、流行している転生じゃないの? いや、異世界トリップとかだと戸籍ないからマシかもしれなけど)
「いや、だけどこれはないわー」
たぶん、これは憑依だと思う。私は確信がある。その理由が全身を鏡に映している私の姿にあるのだ。
ド金髪のくるくるパーマのロングヘアー。マツエクでパッチリお目目。どぎついってかケバい化粧崩れて化物みたくなっている。改造しまくりな制服。そして、トドメと言わんばかりの長さだしまでしているジェルネイル、パーツ増し増しの盛った爪。
「…………………」
そりゃ無言にもなる。別名、現実逃避。
更に広い部屋をぐるっと見渡してみる。────残念ながら足の踏み場もない見事な汚部屋である、残念でした。また来世にご期待ください。
「…………………………………………………………いや、これはない。まじでない」
私は残念ながら都合よくこの世界の自分の記憶はなかった。だから、何をどうしてこの有様になったのか理解できないし、理解しようもないのだが、さっきまで社会人としての自分が全力で拒否っている。
そして秒で決意した。この世界がなんの世界だったとしてもやるべきことは先にやるべきだ、と。
①このきったねー部屋を何とかして綺麗にすること。
②この顔含めた全身をデフォルトの状態に戻すこと。
③今は高校何年生?で。どこまで勉強が進んでいるのかチェックすること。
※ついでに、どの世界なのか確認するのはついででいい。
私は二階の自室から飛び出すと、一階のリビングへと駆け込んだ。そこには多分、ママらしき人物がいる。パパはいないけど、既に仕事に行ったのかもしれない。
「ねー! ママごめん聞いてー! 今日とか明日とか学校休んで、この部屋なんとかしたいの。それからちょっと他にも相談があって……——」
「え? ヨルちゃん、もう大丈夫なの? 昨日あんなにショックを受けて泣いてたのに?」
「(そのショックから自我がどうにかなって憑依したんかな? 何をそんなにショックだったんだか……)うん。それはもういいの! それよりも、聞いて! 私やりたいことがあるの!」
「私? 一人称変えたの? いつも名前だったのに?」
「(げろげろげーまじかよ)そう! 変えたの! だから他にも変えたくって!」
「?」
「あの部屋を片付けたいから協力して(日記帳とかでてくるかもしれないし)! それから、髪も黒髪に戻したいし、ネイルとマツエクオフしたい。制服もちゃんとしたやつにする!」
「……………………」
「ま、ママ?」
「~~~~~~~あれだけ言っても諭しても怒っても泣いても聞かなかった子が!!!!ついに!!!!まともになってくれるだなんて!!!!恋って偉大だわ!!!!ママ全力で応援するからね!!!!」
「(????恋?)ありがとう、ママ」
こうして、私は学校を数日サボると同時に全てをリセットするべく動いた。————これが終わりの始まりと知らずに。
◇◆◆◇
「ねえ、園子。ヨルってば大丈夫かな?」
「あー確かに、安室さんに好き好きアピールは欠かさなかったけど、あれだけハッキリ言われちゃうとねー」
帝丹高校2年B組では、毛利蘭と鈴木園子が話し合っていた。話題は、朧月ヨルのことだ。彼女はこの真面目な高校では珍しいくらいにバリバリのギャルだ。平気で校則違反をしまくる常習犯。
入学当初から幾ら先生方が生活指導しても反省させようとしても全くの無意味だった。しかし、母方の祖父母が大地主。父方の祖父が大物議員らしく、有り体に言えば圧力をかけられたのか忖度してか、二年生になってからはスルーされていた。授業中も寝てるかスマホをいじるかで赤点ばかり。
しかしながら誰にでも取り柄はある。物凄くコミュ強だったのだ。明るくて誰にでも声を掛ける。例えるならオタクに優しいギャルなのだ。そのため、蘭も園子もヨルを嫌ってはいなかった。注意されているのを見てもまたやってるなー位にしか思わず、意外と連むことが多かった。クラスでは人気者なのである。
そして、ヨルにとっての運命の日が訪れたのも二人が影響していた。
ある日。イケメン名物店員がいるよと、ヨルを喫茶ポアロに連れて行ったのだ。そこで、ヨルは安室透に一目惚れしてしまったのである。人が恋に落ちる瞬間を見たとは二人の談だ。
そこからのヨルののめり込み具合は凄かった。どこにそんなお小遣いがあるのか、ポアロに通いつめ、安室を見つめてはうっとりとため息をつく日々。そして、あっけらかんと、あむぴスキー!とアピールしては、安室の苦笑を貰う。それですら、ファンサだー!と喜び、同担拒否とばかりに、他の安室目当ての女性客OLや女子高校生と牽制や口喧嘩で火花を散らす。そんな日々だった。
どころが、この間は違った。
三人でポアロに行った際、恐らく安室透が体調が悪かったのか顔色が悪いにも関わらず、ヨルがうるさく、しつこく付き纏ったのがいけなかったのだと思う。
「お恥ずかしながら、僕の好みは大和撫子なんです。黒くて長い髪に、頭脳明晰、優等生で、料理が上手な女の子がいいなと思いますね」
「え……」
「ちょっと安室さん!」
「言い方ってものが……!」
明確な拒絶だった。好みが自分と全てが正反対な女性像を提示され、ヨルは大きなショックを受けたのだ。
流石に事実だとしても、それを直接突きつけるのは酷い、言い方というものがあると蘭と園子から安室は批判を受けていたが、ヨルの耳にはもう入らなかった。紙幣をテーブルに叩きつけ、大泣きして自宅に逃げ帰ったのだ。心配した二人はヨルの自宅に様子を尋ねる電話をし、母は経緯を知っていたのだ。
——————それから結局、一週間。朧月ヨルは学校へ姿を現さなかった。
「う~~~ん。幾ら失恋がショックでも、赤点常習犯でも今日の中間テストには来るんじゃないかしら?」
「園子。やっぱり心配だよ……」
「あーね。あの子、二・三日とか平気でサボる時あるし。休みはともかくとして、もしもテストすら来ないなら、流石に家に様子くらい見に行った方がいいかも」
「うん」
そんな会話をしていると、教室のドアがスライドし、誰かが入ってきた。周囲の人間がおもむろに目を向け、停止した。そして、その不自然な処理落ち具合に他の人間が釣られて目をやり、更に停止。無言の連鎖は続き、気づけばその人間はクラス中の注目を集めていた。
そして、そんな中、その人物はピンとした背筋を伸ばして、ゆったりとした足取りで目的地まで歩く。
「……は?」
「誰?」
「うっそ」
「すげー」
「美人すぎ」
「あんな人いた?」
無言からざわめいた空間に転じた中、足取りが止まった先——————それは朧月ヨルの席だった。
途端に、絶叫と悲鳴が飛び交う。
「「嘘だ!?!?!?!」」
それも仕方のないことだろう。彼女は劇的ビフォーアフターを遂げていたのだから。座席がなければ、誰かわからない程の大変身。ギャルではなくなっただけではなく、圧倒的なまでの黒髪ロングの美少女がそこに登場していたのだから。ちなみに、廊下ですれ違った学年主任の生活指導の鬼塚には男泣きされていた。閑話休題。
——————そして、中間テストで朧月ヨルは全教科満点で1位を奪取し、燦然と輝いてみせた。
鈴木園子と毛利蘭は思った。恋って凄い、と。
しかし、不思議なのが、ヨルは安室透のために、全てを捨て去り、そして得たのだが、何故だかポアロにはあれから足を運んでいないようだった。やはりあの拒絶が効いているのだろう。
二人は思う。ここまで頑張ったのだ。両想いになれるかは当人達次第だが、少しくらいは報われてしかるべきだと。
だから、話しかけたのだ。
「ね! ヨル、よかったらなんだけど、勇気でないなら私達と一緒にポアロに行かない?」
「アンタが、ここまで努力したんだから、文句くらい言いに行かない? もちろん、二度と行きたくないってんなら、園子様はそれを支持する!」
「……………………!?!?!?!」
「ん?」
「へ?」
「…………………………~~~」
「どうしちゃった訳?」
「さ、さあ?」
何故か、話しかけたことでヨルは混乱をしていたみたいであったが、暫くして落ち着く。困惑したものの、再度確認をとってみると、暫く考えたいから放課後に返事をしてもいいか尋ねられたため、了承。結局、ポアロには三人で向かうことになった。
が、
「(ねえ、蘭。どうしちゃったのかしら。やっぱり、文句を言いに行くパターンよね、これ)」
「(ヨルってば、凄いピリピリして緊張している。告白するつもりじゃないのかも?)」
「(顔が険しいし、思いつめてるって感じ)」
「(やっぱり、あの時のことがショックだったから、気にしてるんじゃないかな?)」
「(連れてくるのは早まったかも?)」
◇◆◆◇
そんな蘭と園子のやり取りを尻目にヨルは決意をしていた。
(この世界って名探偵コナンの世界じゃない? 学校名で気づけよって思うかもしれないけど、ヒロインズに話しかけられて直ぐ分かった。え?物騒世界じゃね?と言うか、ザザ/えさん時空よろしくループするのかな? いや? 待てよ?)
————これ、黒の組織のボスとラムの正体バラしたら、正義(コナン)サイドがなんとかして直ぐに片付けてくれるのでは? さっさとカミングアウトと言う名のネタバレしよ。
こればっかりは、普通に110番して警察に訴えても意味がない。直通で訴えるにはやはり、ポアロに行くのが一番の近道なのだ。
ポアロに行くと、ちゃんと安室透が実在していた。残念ながらコナン君は不在だった。
何やら安室さんは物凄く驚いていたし、蘭と園子がなにか説明をしているみたいだが、気にせず自身を落ち着かせる。
息を大きく吸って吐いた。よし!
「あ、あのっ。安室透さん。お願いがあります。とても……そうとても大事なお話があるんです。シフトが終わるまで待っていますから、二人きりになれる場所へ一緒に来て頂けませんか? 多忙なのは存じ上げております。少し、ほんの少しの間のお時間でいいんです。私に頂けませんか? お願いいたします」
緊張から声は情けなくも震えていたし、必死すぎて目は潤み、顔は赤かったかもしれない。だけど、頑張って主張出来た。両手を胸の前で組み、返事を祈るような気持ちで待つ。
「申し訳ありません」
逃げられた。
——————————あるぇ?



















