Novel6 days ago · 5.7k chars · 1 pages

嘘恋から本物の。

ろぼろぼ

舞香side

「私衣織と手繋いで帰る道、好きだな。」

衣織「っ!」

そう言った瞬間、繋いでいる衣織の手に少し力が加わったような気がした。

私は本当に衣織と一緒に帰る道だったり、朝の登校する道だったり、衣織と付き合うまでは全然好きじゃなかったのに、衣織が一緒に居るってだけでこの景色たちも愛おしく感じるようになった。

衣織も同じ気持ちでいてくれたらいいのに。

衣織「そ、そういえば舞香!」

「ん?」

この空気が恥ずかしかったのかあからさまに話を変えようとする衣織。そんな衣織も可愛いな、なんて思ったり。

衣織「前に舞香が見たいって言ってた映画そろそろ公開されるらしいよ!」

「あ、ほんと? あれもう公開されるんだ」

前に私が普段の会話で何となく言ったこと。それを覚えててくれたのもすごく嬉しいし、胸がポカポカって暖かくなる。

どうせならその映画見るのは衣織と一緒がいいな。

……誘ってみようかな、、でも私たち学校以外で休みの日とか会ったことないけど、断られたりしないかな……?

衣織「この映画瞳も見たいって言ってたなぁ」

「っ!」

また、瞳ちゃん……

最近あまり衣織の口から聞いていなかったその名前。

そう口にする衣織に、さっきの迷いなんて一瞬で消えた。

「ねえ衣織。その映画私と一緒に見に行かない?」

衣織「え?」

瞳ちゃんとなんて行かないで、私と一緒に行ってほしい。

「ほら、私たち休みの日とか遊んだことないし。衣織の私服も見てみたいなーって」

ちゃんと素直に衣織と一緒に行きたいからって言えばいいのかもしれないけど、それはなんか言えない。 言ってしまったら何かが溢れ出しちゃう気がするから。

衣織「あ、それは私も舞香の私服見てみたいかも。 うんっ、じゃあ公開されたら一緒に見に行こうね?」

「ふふ、やった、」

よかった、瞳ちゃんより先に約束できた。

言い表せない喜びと幸福感で、私の心がすごく満たされていく。

衣織「楽しみだね、舞香」ニコッ

「っ、うん、」

どくんっ……。

衣織の笑顔はすごい。というか衣織がすごい。だってこんなにも簡単に私の心臓を煩くさせちゃうんだから。

衣織「あれ?舞香顔赤くない?照れてる?笑」

「っ、照れてないし」

衣織「舞香が照れてるなんて珍しいねぇ〜!」

「っ〜うるさいっ、、!こっち見るなっ、、!」

衣織「ふふっ今度はつんつん舞香ちゃん?」

いつもは私がからかってる事多いのに、、ちょっと悔しい。

……でもなんだろ。

衣織「猫みたいな舞香ちゃんも可愛いっ」

「っ…///」

衣織だから、全然嫌じゃないしこの感じも好きだなって思う。

…………もう、だめだね。

瞳ちゃんが私の前に現れてから感じた胸騒ぎ、嫉妬、私だけを見てほしいって気持ち。

ついさっきまで気の所為だって、勘違いだって、認めたくなかったけど。こんなの認めるしかないよ。

衣織「あ、舞香」

「ん?なあに」

…………私、衣織の事好きになっちゃったんだ。

衣織「あの人たちって……」

「あの人?」

衣織の指さす方に目を向ければ、そこには。

樹・莉「舞香?(ちゃん?!)」

「っ!! きあら、莉沙……」

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衣織side

舞香と楽しく、でも少し甘くて恥ずかしい帰り道の時間を過ごしていたら、前の方から見覚えのある2人が歩いてきた。

あれは確か、、てか絶対、舞香の幼馴染みの2人だ。

樹・莉「舞香?(ちゃん?!)」

舞香「っ!!きあら、莉沙……」

やっぱり、当たってた。

樹愛羅「ま、舞香ちゃん久しぶり!」

莉沙「ほんとに舞香だよね…! わぁ久しぶり〜!」

舞香「……」

あれなんだろ、私の勝手なイメージだけど舞香が結構クールなタイプだからこの2人もそっち系なのかと思ってたんだけど。

樹愛羅「舞香ちゃんっ舞香ちゃんっ、本当に久しぶりだね!」

舞香「……うん、久しぶり」

莉沙「離れてからもう3年ぐらい経つ? ちゃんと元気にしてた?」

舞香「……してたよ、」

樹愛羅ちゃんも莉沙ちゃんも全然クールじゃない気がする。明るい系のタイプの人だ。

…………なんかこの3人いい組み合わせだな。舞香から幼馴染って聞ていたからそう見えるのかな?

そんな事考えてる私を他所に、舞香はというと。

舞香「…………」

すっごい気まづそうに2人からのマシンガントークに相槌を打っていた。

…………本当は舞香も話したいこと沢山あるんじゃない?

あの日感じたことだけど、舞香はまた2人と仲良くしたいんじゃないかって思う。 2人の事話してた時の舞香、すごく大切な宝物について話す子供みたいに愛おしそうな表情をしていたから。

よし、ここは私が一肌脱ごう。

「舞香、2人と話してきたら?」

舞香「え?」

「ほら、久しぶりに会ったみたいだし、2人も舞香に会えて嬉しそうだし! 私ここで待ってるから話しておいでよ」

舞香「…………」

私がそう言うと考えるように口を閉ざす舞香。

多分怖いんだよね。
舞香の事だから、自分から離れて行っちゃったからもしかしたら嫌われてるんじゃないかとかそういうこと考えてるんでしょ?

でも、そんなこと気にしなくて大丈夫だよ。

3人の関係性とか私には全然分からないけど、これだけは確信を持って言える。

樹愛羅「舞香ちゃんちょっとだけでもいいから一緒にお話しよ?」

莉沙「莉沙、舞香に話したいことたくさんあるんだよ!」

2人は舞香のこと嫌ったりしてない。絶対大好きだよ。気まづさなんてすぐなくなる。

だから、大丈夫。安心して行っておいで?

「舞香。」

そんな想いを込めて舞香の目を見つめる。

舞香「…………うん。ありがとう、衣織。少しだけ行ってくるから待っててくれる?」

「ふふ、うん。待ってるよ。」

舞香「ありがとう、じゃあ行ってくるね」

樹愛羅ちゃんと莉沙ちゃんの間に入って緊張しながらも笑顔で話す舞香を少し離れたところで見守る。

これを機にまた2人と仲良くなってくれたらいいな。

舞香には幸せでいてほしいから。心の底からそう思ってる。

衣織「……ふふっ舞香いい笑顔してる」

私は舞香が戻ってくるまでそこのベンチにでも座って待ってよ

莉沙「舞香なんかめっちゃ可愛さ増してない?!」

樹愛羅「それ思った!!舞香ちゃん絶対高校でモテるでしょ! 」

舞香「ふふ、全然そんな事ないよ。まあモテるってところは否定しないけど?」

樹愛羅「わ、自覚済みなんだっ」

莉沙「舞香、、さぞ楽しい高校生活を送ってるんだね、、、」

舞香「いや真面目に受け止めるのやめて?冗談だから!」

樹・莉「うん、知ってる笑笑」

「ふふっ。」

ほんとに仲良いんだな。見てるこっちまで微笑ましくて笑えてきちゃう。

そんな3人を眺めていると見覚えのあるフォルムの女の子がこっちに向かって歩いてくるのが見えた。

向こうは私に気づいていないみたいだけど、私は見つけた。

「……瞳!!」

見つけた瞬間、咄嗟に瞳の名前を呼んでいた。

瞳「っ!!いお、り、、」

私を見つけると、こんなところにいると思わなかったのか目を大きく見開く瞳。

私だって驚いてる。こんなに瞳とばったり会うなんて。きっとこれも何かの運命。神様が会わせてくれたんだ。

「瞳、なんか久しぶりだね?」

瞳「……うん、」

私の目を見ることもせず、顔を俯いて地面に向かって返事をしている瞳。

せっかく会ったんだから、こんなチャンス滅多にない。瞳に何で避けられているのか理由を聞きたい。

「あのさ、ちょっと話せない?」

瞳「……ごめん、これから用事が、」

そう言い瞳はまた私から逃げようとする。

だけど、そうはさせないよ。私もう十分瞳の事そっとしといた、たくさん待ったよ。

「少しでいいの! 5分だけでもいいから、」

瞳「…………」

「ねえ、だめ……?」

瞳「っ………はぁ、」

少し強引に話したいって意思を表現すると、逃げることを諦めたのか私の隣に腰を下ろしてくれる瞳。

よかった、私と話してくれるってことだよね。なら回りくどい言い方しないでもう直接聞いちゃう。

「……ねえ瞳。どうして私の事避けるの?」

瞳「……別に避けてなんか、」

「ううん、避けてるよ。全然話してくれなくなったじゃん。」

瞳「っ、それは……」

私が言ったことに思い当たりがあるのか口籠もる瞳。

「私何か瞳の気に触るようなことしちゃった?」

瞳「っ………」

「もしそうなら言ってほしい。避けるとかするんじゃなくてちゃんと教えて? 私に悪いところがあったなら謝るから、」

また瞳と仲良くしたい。その一心で言葉を紡いでいく。

瞳「……」

だけど、私がどれだけ語りかけても瞳は何も答えてくれない。

そのことがすごく悲しくて、私の胸を苦しめる。

何も答えてくれないってことは、瞳はもう私のこと、

「………嫌いになっちゃったの……?」

瞳「っ!」

自分の心の中で考えていたことがポロッと口から零れ落ちた。

その証拠に瞳はまた目を大きく見開いて私のことを見てくる。

1回漏れ出た本音はもう飲み込めない、次々と口から言葉が表に出てくる。

「瞳は私の事嫌いになったから避けるの? 私が嫌いだから話してくれなくなったの? 」

瞳「っ、!嫌いじゃ、ないよ、」

「嘘だ、私が強引に瞳と仲良くなろうとしただけで、最初から嫌いだった? そうならそうって言ってよ、私が嫌いなら嫌いってはっきり言っーーー」

瞳「っ、だから!!嫌いじゃないって!!!」

「!!」

“嫌いなら嫌いってはっきり言ってほしい”

そう言おうとしたのに、それを大声で遮ってきた瞳。

瞳「あたしが衣織のこと嫌いとか、そんなことあるわけないじゃん、、嫌いになんて、、なれないよ、、、」

「っ、じゃあなんで、」

瞳「……っ、それは、」

そこまで言うとまた口篭る。

やっぱり瞳は私の事、、

舞香「……何話してんの?」

「あっ、舞香……」

瞳と話していれば、樹愛羅ちゃんと莉沙ちゃんと話し終えたのか舞香が私のところに戻ってきた。なんだかその表情は少し怒っているように見える。

瞳「っ……あたし帰るね、それじゃ、」

「あ、ちょっ、待って瞳!!」ガシッ

舞香が来たからか帰ろうとする瞳。

だけどまた肝心なことが聞けてない。

「瞳、明日話せる? 時間あったら明日ーー」

瞳「っ、もうあたしに関わらないで!!!」

バッ!

「きゃっ!」

舞香「っ!衣織っ!!」

掴んでいた手を尻もちついちゃいそうな程の力で思っきり振りほどかれた。

そんな私を咄嗟に支えてくれた舞香。

「ひと、み……?」

驚きすぎて呆然としちゃう。

あの優しい瞳が、こんなに怒ってるなんて、

瞳「あたしは衣織の事が好きなの!!」

舞香「っ!!!」

「っ、え……?」

瞳「好きだから、佐々木さん付き合ったって聞いてすごい傷ついたし悲しかったっ、でも、大好きな衣織だから幸せになって欲しくて諦めようって思ったのに…………全部、衣織が悪いんだよ!!」

「あっ、瞳!!」

泣きながらそう叫び走って去っていく瞳。

まさか瞳が私の事好きだったなんて、、そんなこと1ミリも思わなかった。

……追いかけなくちゃ、

私は走り去っていく瞳を追いかけようとしたんだけど、出来なかった。

ガシッ

舞香「待って、衣織!」

舞香がさっき私が瞳にしたように、私の手を掴んできたから。

「っ、舞香、」

早く行かないと瞳がどっか行っちゃう、見失っちゃう、、

舞香「………」

だけど私の手を掴んだまま何も話さない舞香。

「舞香、?」

舞香「っ、……」

声をかけても何も答えない。

どうしたんだろ、何かあったの? きあらちゃんと莉沙ちゃんと何かあった?

色々思い浮かぶことはあるけど、今はそれどころじゃない。

……舞香にこんなことするのすごく心苦しいけど。

「ごめん、舞香、、瞳の所に行ってくるね、」

舞香「っ、衣織!」

ごめん、舞香。

後でちゃんと話聞くから、今は瞳の事追いかけさせて? 私にとって大切な瞳が私の事を好きだって言ってくれたの。気持ちには応えられないけど、ちゃんと話がしたいんだ。

そう伝えることは出来なかったけど、舞香の手を離して瞳の向かったほうへと駆け出す。

だけどこの後。
私は後で話聞けばいいやって軽い気持ちで舞香の元を離れたことを、それがとても後悔することになるなんてこの時の私は微塵も思いもしなかった。

舞香「……衣織は…瞳ちゃんを選んだんだ……」

— End —

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ポン酢6 天前

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