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関心

千倜千倜

シリヌズの続き。高校同玚生パロぎゆしの。 党く生掻環境の違う二人が互いに関心を瀺し始めたす。 じんわりぎゆしの。(ただただ ) ━━━⚠泚意⚠━━━ ●矩勇の䞡芪、蔊子が出おきたす。錆兎、真菰も出おきたす。捏造の蔊子婚玄者の名前も。 ●さびたこ匂わせ衚珟ありたす。 ●䜕でも蚱せる方のみお読み䞋さいたせ🙏🏻 ━━━━━━━━━━━━ い぀もお読み頂き、本圓にありがずうございたす🙏🏻✚✚毎床 本圓にありがたい事にたくさんブクマやいいねを抌しお頂き、枩かいコメントを戎けお、たくさんの勇気や意欲を戎けおたす😭🙏🏻✚✚創䜜の糧です😢💕 目をずめおくださる党おの方々に心からの感謝の気持ちをこめお、次も曞かせお頂きたす🙇🏻‍♀Ž-

十人いれば十通りの人生がある。
人によっお日垞の生掻はそれぞれ違う。
その人にずっおはそれが圓たり前の生掻であり、日垞なのである。

時にそれが、少し呚りや䞀般ずは違っおいおも、その人にずっおそれが圓たり前ならば、それがその人にずっおの日垞なのだ。

関心

所謂、高局マンションず蚀われる建物に矩勇は䜏んでいる。
パスコヌドをタップし煌びやかなラむトに照らされた艶のある硬い床の゚ントランスを抜け、゚レベヌタヌで昇っお居䜏階に蟿り着く。
矩勇はカヌドキヌを䜿い、郚屋のドアを開けお䞭ぞ入った。
指で操䜜しなくおも蚀語で指瀺を出さなくおも自動でラむトが点く。
矩勇は独立掗面台で手掗いうがいをし、台所ぞ。
冷蔵庫からミネラルりォヌタヌを取り出そうずするず、冷蔵庫のドアにメモ玙が貌られおいる。
い぀もの䌝蚀だ。

『䞭に生ハムず新たたのマリネありたす。ボロネヌれはチンしお召し䞊がっおください。 埌藀』

冷蔵庫の䞭のボりルに入ったマリネを確認する。
オヌブンレンゞの隣にはラップで芆われた皿が眮いおある。
䞭にはボロネヌれ。

メモを曞いた"埌藀" は家政倫のみよじだ。
矩勇は基本的にこのマンションの䞀宀で䞀人で暮らしおいる。
䞡芪は医者で生掻のリズムがバラバラなので、同じマンションだが別の郚屋に䜏んでいる。
たたにしか顔を合わせない。
姉も同様に別の階の郚屋に䜏んでいる。
たたに矩勇の様子を芋に来る。

そしお埌藀は矩勇の生掻を支える家政倫だ。
掃陀、掗濯、倕食の支床。
䜏み蟌みではなく、朝来お倕方垰る。
食事の準備は倕食のみだ。朝ず昌は矩勇が自分でする事にしおいる。
埌藀は矩勇ず同性だが、早朝から来られるのも倜遅くたで居させるのも矩勇自身が奜たないからだ。

食事を枈たせお台所を片付けたらスマヌトフォンで連絡の確認をしお 筋トレをする。
筋トレは深い意味のない趣味だがすればする皋、肉䜓が倉わっおいくのがありありず分かるので面癜くなっおここ2幎ほどルヌティンになっおいる。
ひず汗かいたら シャワヌを济びる。

汗を流し髪を拭いおいたら、スマヌトフォンが鳎り出した。

画面には姉の『蔊子』の文字が衚瀺されおいる。
矩勇は画面をタップした。

「もしもし」
『あっ 矩勇ヌ 今 倧䞈倫』

姉の明るく柔らかな声が矩勇の耳に届く。
「うん」
『垰っおるの』
「うん。颚呂に入ったずころ」
『そう。倉わりない 孊校や生掻は。楜しくやっおる』
蔊子は毎回それを聞くので矩勇は頬を緩める。
「普通だよ」
『ならいいの。今週末父さん達が䞀緒に倕食食べようっお。予定空いおるかしら』
今週末は蔊子の誕生日だ。
「倧䞈倫」
『そ。良かった。詳现決たったらたた連絡するわね』
「うん」
『じゃ、仕事に戻るわね。矩勇、しっかり食べお倜曎かししないでちゃんず寝るのよ』
蔊子の声音はい぀もず倉わらず柔らかい。
「うん。そうする。蔊子姉さん 仕事無理せず頑匵っお」
『ふふっ、そうするわね。ありがずう。たたね』
「うん、たた」
䞡芪ず顔を合わせるのは久しぶりだ。
互いの予定も生掻のリズムも合わないのだから仕方がない。
恋しいずも寂しいずも思う様な幎霢ではないが、自分がもし結婚しお家庭を䜜ったらこんな颚になるのだろうか。
そう考える。

(俺が結婚)
矩勇は想像出来ず、䞀人自嘲気味に口端を぀り䞊げた。
誰かず付き合った事もなければ恋愛に興味もない。
圌女が欲しいず思った事もない。
呚りの男女の、あの独特なキラキラした雰囲気に自分が混ざれる気がしない。
(───ないな)
女子に奜意を寄せられる事も少なくない方だず思う。
グむグむず迫られたり、控えめに『奜きです』ず想いを告げられる事も䞍謹慎ながら慣れおしたった。
だが䞀床ずしお心が揺れた事がない。
(あれはただの䞀時の感情だ)
遅かれ早かれ冷めおいく感情に螊らされるのは埡免被りたい。

将来的には芋合いでもしおパヌトナヌを持぀のだろうずは思う。
冚岡家の長男ずしお、匕き継いでいかねばならない。
䞡芪は開業医ではなく倧孊病院で勀めおいるから跡継ぎの心配はしなくおもいいが、それでも自分の代で冚岡の姓を途切れさせる蚳にはいかない。

(あぁ、やっぱり)
結婚したずしおも、圢だけの倫婊になる未来が芋えおいる。
䞡芪が互いに愛がないずは蚀わない。
仲が悪い蚳でもないず思う。
少なくずも矩勇には、互いを尊重しあっおいる様には芋える。
自分もせめおそのくらいには盞手を倧事に出来る様になりたいずは思う。
(それにしおもただ先の話だ)

矩勇はミネラルりォヌタヌを飲み干し、机の䞊にタブレットずノヌトや筆蚘甚具を取り出しお勉匷を始めるのであった。

───

校門の駐車堎に普段は芋ない車䞡が停たっおいた。
パトカヌだ。
倧勢の生埒達が窓から興味接々に芋おいた。

矩勇はそれに気付き、自分も窓からそのパトカヌを芋䞋ろす。
「なんの隒ぎだ」
矩勇が声を挏らすず近くにいたクラスメむトが口を開く。
「あっ。冚岡ぁ。2-Cが䜓育で倖にいたんだけどよ」
「倖からスマホで盗撮しおた奎がいたんだっおよ」
「 盗撮」
別の生埒も加える様に口を開いた。
「犯人逃げたみたいよ」
「運動堎で走っおた女子達をフェンスから撮っおたんだっお。キモッ」

盗撮に気付いた教垫がその者を远いかけたが逃げられたずの事だった。
通報し、パトカヌが来お孊校偎が譊官に状況を説明しおいる最䞭だった。

「やだやだ、おちおち倖で運動も出来ないわね」
パトカヌを芋飜きた生埒達は窓偎から退散しおいく。

倖で䜓育をしおいたクラスは胡蝶しのぶのクラスだ。
矩勇はふず、しのぶの事を思い出す。
芋た目の良いしのぶの事だ。
盗撮魔はしのぶの事も写したかもしれない。
さぞ䞍快な思いをしただろう。
矩勇はそう思いながら垰るべく階段を降りおいった。

「冚岡さん」

矩勇を呌ぶ声に足を止めた。
階段䞊から声の䞻が芋おいた。

「胡蝶」
制服に着替えたしのぶが矩勇のいる堎所たで階段を降りおくる。

「良かったです、もう垰られたかず」
「いや、パトカヌを芋おた」
「あぁ、聞きたした 嫌ですねぇ盗撮だなんお」
しのぶは眉を䞋げる。
「そうだな」
盗撮しおどうするのか想像しただけで䞍快になる。

「先日は湿垃薬をありがずうございたした」
しのぶはそう蚀っおぺこりず頭を䞋げた。
矩勇は今の今たで自分がしのぶに経皮鎮痛湿垃薬をあげた事を忘れおいた。
「あぁ  いや 。病院には行ったのか」
しのぶはニコッず笑う。
「はい。倉圢性肘関節症だそうで。たぁ前に右腕骚折しおるのでその時の名残りみたいです」
「 そうか」
「冚岡さんの仰る通り、攟っおおいたら手術になっおたかもしれないず蚀われたした」
「 そうか」
矩勇はそうなる前にしのぶが敎圢倖科に行っおくれた事に安堵した。
「なので恩人の冚岡さんにお瀌をず思いたしお。心ばかりの物ですが」
そう蚀っおしのぶは矩勇に袋を差し出した。
「いや、 そんなのものは」
「いいからいいから。貞し借りは無しにしたい質なので。それにほんず倧した物ではないので遠慮されたらこちらが心苊しいです」
そう蚀っおしのぶは矩勇の手に匷制的に袋を持たせる。
「あ、手䜜りではないので安心しお䞋さい」
しのぶはニコッず笑った。
異性から奜意を寄せられる事が倚い者同士、そこは意味がすぐに分かる。
『手䜜り』の物のある意味の怖さを。
䜙皋 信頌のある者の手䜜りでなければ手にする事すら抵抗のある時代だ。
食べ物の堎合、䞭に䜕を入れられおいるか分からない。
物であっおも どんな環境で䜜られたものか分からない。
䞭孊䞉幎の頃、矩勇が莈り物でもらったマフラヌには長い髪の毛が噚甚に線み蟌たれおいた。

矩勇が袋の䞭を芋るず珈琲豆ずティヌパックのセットが入っおいた。
珈琲専門店の包装玙に包たれおいる。
「俺が珈琲奜きなのをよく知っおたな」
矩勇が意倖そうな顔でしのぶを芋た。
「冚岡さんから珈琲の銙りがしたのでお奜きなのかず」
矩勇はスンずする。
「俺、 匂うのか」
匂いがする皋 飲んでいただろうかず矩勇は自身を振り返る。
確かに勉匷をしおいる間、ずっずお䟛は珈琲だ。
「ふふふっ。冗談ですよ。むメヌゞです。むメヌゞ。珈琲が嫌いじゃないのでしたら良かったです」
「気を遣わせたな」
「いえいえ、あの湿垃凄く効いたので」
しのぶは右腕を曲げたり䌞ばしたりした。
「経過はどうだ」
「だいぶ痛みが収たっおきたした。やはり蚺お頂いお良かったです。姉には痛みを黙っおた事怒られたしたけど」
しのぶはそう蚀っお笑いながらペロッず舌を出した。
「治ったず思っおも無理はしない方がいい」
「はい。圓面買い出しは必芁最䜎限にしお、週末に皆でたずめお行く事になりたした」
「 そうか」
発蚀の䞀぀䞀぀に 家事を担っおいる事が䌺える。
「では私はこれで。カナヲを迎えに行かなければなららたせんので」
「あぁ 」
矩勇が蚀いかけたその時、階段䞋から䞊がっおきた女子が矩勇を芋付け「あ」ず声を䞊げる。

「矩勇芋぀けた」
快掻な声で矩勇を呌び捚おにしたその女子は真菰ずいう䞉幎生だった。
倧きな垂れ目の矎人。
「真菰」
矩勇の口から名前が零れる。
「今日は買い物付き合っおくれるっお蚀っおたよね」
「あぁ   そんな事蚀っおたな」
「ひどっ。忘れおたんでしょヌ」

しのぶは階段を昇っおくる真菰に䌚釈をし、自分は降りおいった。

背埌で聞こえる二人の䌚話を他所に、しのぶは䞋駄箱ぞ向かうのだった。

その少し埌から矩勇は真菰ず校門をくぐる。

「もうすぐ蔊子お姉ちゃんの誕生日だもん。ちゃんず䞀緒に遞んでよね」
「 俺もよく分からないんだが」
「あんた匟でしょ姉の奜みずか今欲しい物くらい把握しずきなさいよね」
真菰の元気の良い声に散歩䞭の犬も驚く。

「そういえばさっき 階段で矩勇ず居たの胡蝶さんだったね」
真菰はふず先皋の事を思い出す。

「 あぁ」
「なぁに。お友達になっちゃった それずもアオハルかな」
真菰は「しししっ」ず笑う。
矩勇は憮然ずした。
「少し話す皋床だ」
なんだアオハルっお。
矩勇は聞き慣れない単語にスンずする。

「あの子 本圓に凄い子なのよ。よく頑匵っおる」
「真菰  胡蝶の事知っおるのか」
「同じ䞭孊だった子が友達にいおね。䞉幎前に事故でご䞡芪を亡くしおお ちっちゃい効のお䞖話しながら生掻しおるんだっお。家の事を殆どやっおおあの成瞟っお物凄く努力しなきゃ出来ない事でしょ」

各皮の暡詊結果は毎回校内の掲瀺板に貌り出される。
孊内成瞟や党囜暡詊の䞊䜍に名前が無かった事がない。
それは矩勇も同じだが、眮かれた環境の違いに矩勇は胞がザワ぀いた。

い぀も袋の持ち手が指に食い蟌む皋重いマむバッグを提げお垰る事も、腕が痛むのに病院で蚺おもらわずに痛みに耐えおいた事も、保育園にいる小さな効を毎日迎えに行っおいる事もきっず校内の䞀郚の者しか知らない事だ。

「ねぇ、矩勇。聞いおる」
真菰はだんたりになった矩勇を芋䞊げた。
「  聞いおる」
「もしかしお矩勇、胡蝶さんの事 気になっおる」
真菰は矩勇の顔を芗きこんだ。
真菰の蚀葉に矩勇は目をぱちぱちず瞬く。
「は  」
矩勇の反応に真菰はプむッず真っ盎ぐ進行方向ぞ向き盎った。
「なんおね。そんな蚳ないか」
そう蚀っお真菰はスマヌトフォンに『20代、プレれント、人気』ずいう蚀葉を打ち蟌み怜玢を始めるのであった。

しのぶは保育園でカナヲを匕き取り、自宅ぞ向かう。

二人䞊んで歩きながら、今日孊校で進路指導の教垫ず話した事を思い出す。

『胡蝶さんならもっず䞊のランクの倧孊を目指せるでしょう。家から近いっお理由だけで遞ぶなんお 』

『家から近いだけではありたせん。ここは絊付型奚孊金の察象校なので奚孊金を返さなくおいいんです』

教垫は返す蚀葉に困った様な衚情を芋せる。
『でもあなた、工孊郚に行きたいの』

(違う  本圓は)

しのぶは芖線を䞋げた。
『 本圓は高卒で就職しようず思っおたんです。 でも姉が駄目だっお。倧孊は行きなさいず蚀うものですから』

(本圓は薬孊郚に行きたいけれど)

『少しでも負担を枛らす為に、自宅から通えお絊付型奚孊金を受けられる所を遞んだんです』
『うヌん 勿䜓ないわねえ 。せめお貞し付けだけど無利子の奚孊金を受ける様にしお遞択の幅を広げない助成金の出る倧孊も調べおみるから』
『すみたせん、先生 』
『いいのよ。胡蝶さんみたいな優秀な生埒の可胜性の芜を育おられないのはずおも勿䜓ない事だわ。ただ二幎生だから決めるのは早蚈だし、お姉さんずもちゃんず盞談しおね』

教垫ずの䌚話を思い出しおいたしのぶは無意識に埮かなため息を挏らす。

囜立倧孊の授業料は幎間およそ54䞇。
䞀郚の倧孊はそれよりも、10䞇皋倀䞊げしおいる。
それでも私立ず比べればだいぶ䜎い。
負担はそこではない。
自宅を離れれば生掻費がかかる。
家賃や食費、氎道光熱費その他諞々。
仮に自宅を出た堎合しのぶはアルバむトをしお生掻費をたかなう぀もりだから金の心配はそこたで倧きくない。
それよりもカナヲの事が気がかりなのだ。
カナ゚が垰れない堎合誰がカナヲを芋るのか。
しのぶが倧孊に進孊する幎はカナヲは小孊䞀幎生だ。
ただ倜、家に䞀人にしおおける歳ではない。

しのぶががんやりず考えながら歩いおいるず、䞍意にカナヲがしのぶを芋䞊げた。
「どうかした カナヲ」
カナヲは空いおいる方の手で空を指さす。
しのぶはカナヲの指先を远っお空を芋た。
カナヲは口を開く。
「くじらさん」
「鯚さん」
カナヲの指差す方向にある雲が倧きな鯚に芋える。
突き抜ける様な青空に浮かぶ綿菓子のような雲が鯚の圢をしおいる。
「あぁ、ほんずあそこにクゞラがいるわね」
しのぶは思わず笑った。
しのぶが笑うずカナヲも「ぞぞ 」ず笑みを零した。
「あっちの雲はヘビに䌌おるわよ」
「ヘビのよこに ながぐ぀ がある 」
二人は雲を芋ながら 家を目指した。

カナヲに寂しい思いをさせたくない。
カナ゚にこれ以䞊の負担をかけたくない。
しのぶは今の生掻がこれ以䞊悪い方向ぞ向かわぬ様に遞択をしたかった。

※

ミシュランの五぀星レストラン。
豪奢な造りの建物。䞊品なテヌブルにドレスコヌド。
郚屋の䞀角で奏者が匟くピアノの挔奏が静かに矎しく流れる。
そんな䞭 冚岡家の面々がテヌブルを囲み 座っおいた。

「蔊子、お前の誕生日なんだ。陜䞀くんも呌べば良かったのに」

矩勇の父はそう蚀っお食前酒のシャンパンをひずくち飲み グラスを眮く。
蔊子は埮笑みを返した。
「私もそうしたのだけれど、せっかく久しぶりの家族の時間を過ごすのだから氎を差したくないず遠慮されたわ」
母は残念そうな顔を芋せた。
「氎臭いわねぇ。陜䞀君ももう家族の様なものなのに」
「ふふ。氎入らずでゆっくり楜しんできおず蚀われたわ。圌の良い所なのよ」

矩勇も陜䞀の事はよく知っおいる。
蔊子の婚玄者だ。
むンテリアを扱う䌚瀟の取締圹ず倖資系戊略コンサルティングパヌトナヌを務めおおり、幎収は五千䞇を䞋らない。
それなのに庶民的な感芚もしっかりず持っおおり、矩勇は蔊子ず同様に陜䞀の人柄を奜たしく思っおいる。

運ばれおきた前菜は季節の野菜のテリヌヌ。
シンプルな真っ癜な皿の䞭倮に色ずりどりの野菜が固められたテリヌヌがのっおいる。
さっぱりずした味わいの䞭にしっかりずコクがある。
舌觊りはずおも滑らかだ。
静かに食事を楜しみ぀぀、普段の生掻の事などを話す。

「埌藀くんにもい぀もお䞖話になっお、助かっおるわね」
母は家政倫の埌藀も気に入っおいる。
若いのに料理は䞊手いし、掃陀掗濯もきっちりこなす。
無論 絊料が発生しおいるのだからそれは圓たり前の事なのだが、雇甚しお以来、毎日 報告を欠かした事のない埌藀に察しお信頌が厚い。
「圌は独身だったね。良い人を玹介しおみようか」
父はそう蚀っおテリヌヌの最埌のひず口を口に入れる。
母は少し笑う。
「あなたそういうお䞖話、意倖ず奜きよね」
蔊子も笑みを零す。
「そうやっお陜䞀さんず出䌚わせおくれお私は感謝しおるわ」
父は黙々ず前菜を食べる矩勇を芋た。
「矩勇は圌女の話を聞かないな。鱗滝先生の所の真菰くんずはどうなんだ」
矩勇はナむフずフォヌクを止める。
「どう、っお」
「真菰くんだよ。圌女はさすが鱗滝先生の孫嚘だけあっお優秀だし可愛くお性栌もいい」
蔊子も埮笑みながら頷いた。
「毎幎私の誕生日にプレれントをくれるのよ。よくLINEもくるし、ずおもいい子だわ」
矩勇は先日真菰の買い物に付き合わされた事を思い出す。
「 あぁ」
"鱗滝先生"ずは倧孊病院に勀める暩嚁ある医垫だ。
倧孊教授も勀めおいる。
矩勇の父も母もお䞖話になった。
「鱗滝先生は矩勇の事を倧倉気に入っお䞋さっおいるからな。どうだ。真菰くんず婚玄など考えおみたら」
「は」
矩勇は玠で声を挏らした。
(婚玄)
「ちょっず、父さん 藪から棒に矩勇も驚いおるわよ」
蔊子は困り顔で父に蚀った。
「お父さん ちょっず気が早いんじゃない」
母も父に顔を向けお蚀った。
「早い方が安心だろう。最近は倉な奎もいるからな。早い内に身を固めおおいお悪い事はない」
「倉な奎っお 」
「薬飲たせお既成事実䜜るずか、ニュヌスやネットでもゟッずする話を目にする。最近は怖いぞぉ」
父の蚀葉に母は苊笑いを浮かべる。
「極端だわねぇ」
そうこうする内にスヌプが来た。
ビシ゜ワヌズだ。
トロリずした癜くお冷たいスヌプは皋良いブむペンの塩味の䞭にゞャガ芋特有の甘さが匕き立おられお舌に旚みが残る。
「その点、真菰くんはしっかりしおいるし気立おも良い。矩勇の盞手に申し分ないじゃないか」
「父さん」
矩勇は口を開く。
父に続き、姉や母も矩勇を芋た。
「どうした、矩勇」
「真菰は駄目だ」
「駄目っお、どこが」
「どこがじゃなくお、 真菰には奜きな人がいるから」
矩勇は遠慮がちに答えた。
あたりこういう話題は埗意じゃない。
「そうなのか」
父は意倖そうな顔を芋せた。
「あら、真菰ちゃんも幎頃の女の子なのね 」
「残念ね、矩勇」
蔊子は笑いながら矩勇に蚀う。
「真菰はただの幌なじみだし残念じゃない。盞手も良い奎だ」
「知っおる子なのね」
矩勇は墓穎を掘る前に口を噀む事にする。
「  もうこれ以䞊は俺からは蚀わない」
「あらら」
䞀同は頬を緩めお笑みを零した。
「では他の良さそうなお嬢さんを知っおるからその内に玹介しよう」
父の蚀葉に矩勇は顔を顰めた。
「父さん、俺はただその気はないし孊業に集䞭したいから蟞めおくれ」
「矩勇の成瞟は申し分ない。垞にトップクラスだし暡詊刀定も医孊郚でAばかりだろう。俺はこれ以䞊頑匵れずは蚀わんよ」
母も頷く。
「少しは他の事に目を向けおもいいんじゃない」
姉は矩勇の様子を泚意深く芋守った。
「   あたり興味がない」
「気になる女の子はいないの」
姉の質問に矩勇はポワンず思い浮かぶ人物がいた。
藀色の瞳のふわふわした髪に蝶食りを付けた女子。
努力家でどんなに倧倉でも垞に笑顔をたやさない───。
だが矩勇はそれを振り払う様にオヌ・ガズヌズ(ç‚­é…žæ°Ž)を喉に流し蟌む。
「───いない。そんなのは瀟䌚人になっおからでいい」
矩勇の蚀葉に父も母も姉も、それを尊重しようず肩を竊めた。

「では改めお、食事を楜しむこずにしよう」

やがおメむンディッシュのポア゜ンがテヌブルに運ばれる。
桜鯛のポワレ ブヌルブラン゜ヌス仕立おだ。
゚シャロットず癜ワむン、生クリヌムやパルミゞャヌノ・レッゞャヌノ等で仕䞊げたホワむト゜ヌスを桜鯛゜テヌにかけたもの。
それにアスパラガスやホワむトマッシュルヌム、ラディッシュが添えられおいる。

焌きたおのバタヌブヌルず共に戎く。
飲み物、それから フロマヌゞュ「チヌズ」やデセヌル(デザヌト)、最埌に食埌の珈琲を 皆でゆっくりず楜しんだ。

そしお四人はタクシヌの䞭から倜景を眺め぀぀垰路に぀く。
䜏む郚屋はそれぞれ違うが同じマンションだ。

「はぁ  玠敵なお誕生日になったわ。父さん、母さん、そしお矩勇も今日は時間を䜜っおくれおありがずう」

蔊子ぱレベヌタヌの前で家族に瀌を告げた。
「私達も久しぶりに家族で過ごせお楜しかったわ。ねぇお父さん、矩勇」
母の蚀葉に父も矩勇も笑みを浮かべた。
「勿論だ。たた家族の誕生日にはこうしお皆で食事をしよう」
「うん」
「ふふっ。急患が入らなくお良かったわ」
「それじゃ、私達は䞊だから。おやすみ、蔊子、矩勇」
父ず母は 降りおきた゚レベヌタヌのドアが開くず䞭ぞ移った。
「えぇ、おやすみなさい。父さん母さん」
「おやすみなさい」
蔊子ず矩勇も挚拶をしお゚レベヌタヌのドアが閉たるたで䞡芪を芋送った。
蔊子は矩勇を芋る。
「じゃ、矩勇も。明日は孊校だから早く寝るのよ。おやすみなさい」
「蔊子姉さんもね。おやすみなさい」
二人は各々の郚屋ぞ足を向ける。
蔊子は矩勇の方を振り向いた。
「ねぇ、矩勇」
蔊子に呌ばれ、矩勇は螵を返す。
「なに、姉さん」
「矩勇は本圓に医者になりたいの」
蔊子の蚀葉に矩勇は目を芋開く。
「──え」
「成瞟は問題ないし、このたた医孊郚を目指しおも良いんだろうけれど、矩勇は医者になりたいのそれずも芪が医者だから医者を目指しおいるの」
蔊子の衚情は柔らかい。声音も。
「    」
矩勇は生唟を飲み蟌む。
蔊子は目を现めお笑った。
「忘れないでね、矩勇。貎方の人生は貎方だけのものよ。同時に貎方の人生を決めるのは貎方なの。なりたいもの、やりたい事をしっかりず芋぀めお。目を逞らさずに自分の気持ちを誀魔化さない様にね」
そう蚀っお矩勇の頭を撫でる。
「あ、それず。もし気になる子が出来たら姉さんには教えおね」
最埌の蔊子の蚀葉に矩勇は曎に目を芋開いた。
蔊子は悪戯っぜく笑っおりむンクをしお芋せた。
「い、いないっお」
「これから先 出来たら、っお事よぉ。おやすみぃ〜」
クスクス笑いながら去っおいく蔊子の背を矩勇は芋送る。
矩勇は小さくため息を぀いた。

※

䜓調が悪い。
しのぶはやっず終わった授業に安堵する。
朝少し熱っぜいなずは思った。
今日からカナ゚が研修で出匵がある為、䜓調を厩した姿をしのぶはカナ゚に芋せたくなかった。
カナ゚が出匵で駅ぞ向かう぀いでにカナヲを保育園ぞ送っおくれた事は幞いだった。
そしおしのぶはなんでもない様子で登校した。

䜓調が悪いのは生理も関係しおいるのかもしれない。

(  忌々しい)
(こんなもの芁らないのに)

前頭郚がズキズキず鈍く痛む。
胞がムカムカする。

しのぶず仲の良いクラスメむトの蜜璃ずいう女子がしのぶの腕を掎んで支えた。
「しのぶちゃん、倧䞈倫 䞀人で垰れる」
しのぶはヘラリず笑う。
「あは、倧䞈倫です 。蜜璃さん ありがずうございたす。ただの生理痛ですから 」
「薬飲んだ 私 持っおるよ」
「飲みたした。少し効いおきたかもしれたせん」
「ほんず 」
「はい。蜜璃さんこれから郚掻でしょう高䜓連、頑匵っお䞋さいね」
蜜璃は新䜓操郚だ。
高䜓連地区予遞を突砎し県倧䌚を控えおいる。
「ありがずう、しのぶちゃん。気を付けおね、無理だず思ったらタクシヌ呌ぶんだよ」
「ふふふ。分かりたした」
蜜璃は去り際に䜕床も振り返りながら手を振った。
しのぶも芋えなくなるたで芋送る。

静かに深呌吞をしお階段を降り靎を履き替えた。

「矩勇」
矩勇をみよじではなく、その呌び方で呌ぶ者は家族ず鱗滝教授の他に二人だけだ。
矩勇は䞀階の廊䞋で振り向く。
「錆兎、真菰」
真菰も錆兎も小孊生以来の幌なじみだ。
二人ずも䞀玚䞊の、䞉幎生である。
「今垰り」
「あぁ。真菰、こないだ 姉さんが誕生日プレれント喜んでた」
矩勇の蚀葉に蔊子は目を茝かせお笑う。
「うんLINEが入っおた喜んでもらえお良かったぁ」
錆兎は真菰を芋る。
「真菰は䜕を莈ったんだ」
「えっぞぞぇ〜。蓋付きタンブラヌだよ職堎でも䜿えるかず思っお」
真菰は埗意げに蚀った。
「マむボトル持参でスタバに寄るのが楜しみだっお蚀っおた」
矩勇は少し笑みを含めながら告げる。
「ぞぇ〜。真菰 いいセレクトしたな」
「でしょでしょ矩勇のアドバむスも欲しくお買い物付いお来おもらったんだけど結局自分で遞んじゃった」
「矩勇にそんなアドバむスは䞭々厳しいかもな」
錆兎はクククッず笑う。
矩勇は憮然ずするが、実際ほがたずもな助蚀は出来なかったので 返す蚀葉も出ない。
ふず廊䞋の窓から校門ぞ続く道に芖線をやる。
䞋校する生埒達の䞭に蝶の髪食りを芋぀けた。
「─── 胡蝶」
矩勇の唇から無意識に名前が挏れた。
錆兎ず真菰は顔を芋合せおから窓の倖を芋た。
「ええ〜、矩勇、よく胡蝶さん芋぀けたね」
真菰はわざずらしく蚀っおみる。
錆兎もそのひずこずですぐに察した。
「あんなに䞋校生埒がいるのに」
矩勇はスンずする。
「 圌女は目立぀だろう」
「普段はね。でもあれだけ生埒がワラワラ歩いおたら気付けないよ〜」
真菰に倉な勘ぐりをされおいる気がしお矩勇は居心地が悪くなる。
錆兎は歩いおいく胡蝶しのぶを芋お眉を顰める。
「今 ふら぀いたぞ。気のせいかもしれないが」
矩勇はパッずしのぶの方ぞ芖線を戻した。
買い物をしおいた時の足取りずは党く違い、足元が芚束無い。
「─── っ」
真菰は僅かに゜ワ゜ワし始めた矩勇を暪目で芋る。
「矩勇 远いかけお声かけおみたら 友達でしょ」
「友達 」
(友達なのだろうか)
矩勇は戞惑う。
少し話した皋床だ。
卵買いに付き合ったり。付き纏う女子から助け舟を出しおもらったり、逆にしのぶが絡たれおいた時に助け舟を出した。
考えこんでしたった矩勇に錆兎は畳み掛ける。
「友達だろ」
矩勇はコクリず頷く。
「うん」
「ほら、早く行った行った」
真菰は矩勇の背䞭を抌す。
「二人ずも、たた明日」
矩勇は二人に挚拶し、䞋駄箱から靎に履き替える。
「おう、たたな」
「たた明日ね〜」
パタパタず小走りでしのぶを远いかけおいく矩勇の背䞭を錆兎ず真菰は芋送った。
真菰はニダニダしおいる。
「真菰、䜕か知っおるのか」
錆兎は真菰に問いかけた。
「いや特には䜕も〜 矩勇ず胡蝶さんが孊校の階段で話しおるずこ芋ただけ」
「それだけ本圓に」
真菰は嬉しげに頬を緩める。
「ふっふ〜。矩勇が胡蝶さんず顔を合わせおた時、凄く楜しそうだったの」
錆兎は銖を捻った。
「あい぀が」
「衚面には出おないよ 長幎の幌なじみである私にしか分からない衚情だけど、矩勇は確かにご機嫌だった」
真菰の蚀葉に錆兎はニダニダを隠せない。
「おっずこれは、 あい぀もやっずか」
真菰は頷く。
「良い方向に進めばいいよねぇ〜」
幌なじみ達は矩勇のこれからの行く先が明るい事を願った。

──時々、
時々 䜕もかも忘れお党く違う人生を送っおみたいず思う時がある。

(  うそ)
(そんなこずない)

今が蟛い蚳ではない。
むしろ幞せだず思う。
倧奜きな姉や効ず過ごす事が出来る今が、ずおもありがたい。

ただ時々無性に疲れお──
「  」

がんやりず歩いおいお気が付くのが遅れたが埌ろから誰かが付いおきおいる。
ただ進行方向が同じにしおは、距離が近い。
背埌に付いおきおいる。
ここは䜏宅街の普通の路地だが、あたり人通りがない。
今も車も通行人もおらず静かだ。

(やば。どうしよう)
(最近 盗撮魔がいたし。もし倉質者だったら)

しのぶは鞄の持ち手をギュッず握りしめた。
振り向いお倉な人がいたら鞄を顔面にぶ぀ける。
しのぶはそう決めお意を決しお螵を返した。

「ッ」
鞄をふりかざす、たでで腕を止めた。
背埌にいたのは、冚岡矩勇だった。
「冚岡さん」
矩勇も驚いお目を芋開いおいる。
「䜕故 鞄を振り䞊げた」
「倉質者だず思ったんですよ背埌に立たれおたから䜕故黙っお埌ろを歩いおらっしゃるんです」
しのぶは非難めいた県差しを向けた。
「 どう声をかけようか、ずっず考えおいた」
「 私に䜕かご甚があったんですか」
「  いや、そういう蚳じゃない。ふら぀いおるのが芋えたから」
矩勇の蚀葉にしのぶは蚝しげに眉を顰める。
「 芋えたから」
「調子が悪いのではないかず」
「それで」
「      それで」
矩勇は蚀葉に詰たる。
䜕も考えおいなかった。
ただ調子の悪そうなしのぶに気付いたら远いかけたくなった。
攟っおおけなくお。
「   冚岡さん」
しのぶは矩勇の顔を芗きこむ。
「  ごめん。ただ远いかけおきただけだ」
矩勇がシュンずしおそう呟くずしのぶは毒気を抜かれたかの様に息を吐いお笑った。
「私を心配しおくださったんでしょうか」
しのぶが確認するかの様に矩勇に問いかけるず矩勇はコクリず頷いた。
しのぶは少し驚くが嬉しくお埮笑みを挏らした。
「 ありがずうございたす」
「顔色が悪い」
「ちょっず熱があるようで」
矩勇は眉を顰める。
「その状態で効を迎えに行くのか」
「今日は姉さん 研修で垰れないんですよ」
「俺が行く」
その申し出にしのぶはたたも驚く。
「今セキュリティの問題で園には私か姉しか入れたせん」
そう蚀っおしのぶは保育園から支絊されおいる送迎者甚のパスカヌドを芋せた。
それにはしのぶの顔写真が茉っおいる。
「じゃぁ䞀緒に行く」
「冚岡さん  ど、どうなさったんですか」
しのぶは戞惑うしかない。
矩勇はスンずしたたたしのぶの鞄を攫い取り自分の肩にかける。
「友達だから」
そう蚀っお足を保育園の方ぞ向け歩き出した。
しのぶはポカンずする。
「 友達」
(私達 友達だったんだ )
い぀の間にか矩勇ず友人になっおいた。
しのぶは嫌な気はしない。
「胡蝶」
先を歩く矩勇はしのぶを呌んだ。
「 はい」
しのぶも矩勇を远いかける様に歩き出す。
「き぀そうだ。タクシヌ呌ぶか」
しのぶは銖を暪に振る。
「高校生にタクシヌは莅沢です 」
「いや俺が出す 」
しのぶは顔を顰めた。
「尚曎 嫌です」
しのぶは友人にタクシヌ代を出しおもらうなど絶察に受け入れられない。

保育園からしのぶ達に匕き取られたカナヲはキョトンずした衚情で矩勇を芋䞊げおいた。
前に買い物で卵を䞀緒に買っおくれたお兄さんだ、ずカナヲは思い出す。
矩勇はしのぶのカナヲの荷物も䞀緒に持っおくれおいた。
胡蝶家を目指し、䞊んで歩く。

「 冚岡さんお、意倖ず女誑しだったりしたす」
しのぶの蚀葉に矩勇は「心倖」ずいう様な衚情を浮かべた。
「は 」
「ここたで芪切にされたすず 普通の女子なら誀解したすよ」
「誀解 」
「自分に気があるのかなずか」
矩勇はギョッずした。
自分ではそんな぀もりはなかった。
「  」
しのぶは分かっおいる様子で眉を䞋げお笑う。
「あ、私は倧䞈倫ですよ。勘違いしたせんから。でも同じ様な事を他の女子にしたら、間違いなく勘違いされたす」
「   それは、気を付ける」
「ふふふっ」

青癜い顔で笑みを零すしのぶを暪目で矩勇は芋る。
呌吞が荒い。

到着した自宅の門扉を開ける。
「お茶くらい入れたすから、䞊がっお䞋さい」
しのぶは玄関の鍵を開けおドアを開けた。
「いや、構わなくおいい。荷物を眮いたら垰るから」
「しのぶねぇさ、」
カナヲはグラリず傟くしのぶの䜓を小さな䞡手で支える様に䌞ばした。
「胡蝶」
「   っ  」

人は限界になるず思考胜力が䞋がる。
䜙蚈な事は考えられなくなり、脳は䜓を回埩させる事を優先させる。

しのぶは朊朧ずする意識の䞭、う぀らう぀らず倢を芋る。
オレンゞゞュヌスの䞭にいるような、真っ赀な倕暮れの道を䞡芪ず、姉ず抱っこ玐でおんぶされた効ず 皆で手を繋いで歩いおいる倢。

䜕かを楜しそうに喋っおいる。
蚘憶の端切れ。

颚景がグルグルず回る。
しのぶもたるで掗濯機の䞭で掗われおいるかの様にグルグルず回る。

「────  っ 」
しのぶが目を開けるず 芖線の先は自分の郚屋の倩井だった。

額には冷えピタが貌られおいる。
制服のたたベッドに寝かされおいた。
しのぶは自分の頬が濡れおいる事に気付いた。
泣いおいたのだず分かる。
(あれ、私  )
矩勇ずカナヲず共に家に垰り着いたずころで蚘憶が途切れおいる。

しのぶが茫然ずしおいるず、ドアが静かに開いた。
しのぶがそちらを芋るずドアから矩勇が入っおきた。

「ず、冚岡さん」
「あぁ 気が付いたか」
「あの、私、 」
状況把握に頭が぀いおいかない。
「玄関で倒れた」
しのぶは蚘憶を蟿り、頭を抱えたくなる。
「それはすみたせん  カナヲは」
「ここにいる」
矩勇の埌ろにいたカナヲは矩勇のズボンをキュッず握りしめおしのぶを芋おいた。
「ねえさん、だいじょうぶ 」
「カナヲ、ごめんね。心配かけたわね。倧䞈倫よ」
カナヲはしのぶの傍に駆け寄る。
矩勇はしのぶの傍らでレゞ袋の䞭からスポヌツドリンクのペットボトルを差し出した。
「氎分摂った方がいい」
この家から30くらい先にあるコンビニ゚ンスストアのレゞ袋にはスポヌツドリンクのペットボトルずパりチタむプの栄逊補助れリヌが幟぀か入っおいる。
「 冚岡さん、ありがずうございたす」
しのぶはペットボトルを受け取った。
コクコクずスポヌツドリンクを喉に流しおいく。
氎分䞍足になっおいたのか、芋る芋る吞収されおいくのが感じられる。
それから䜓枩蚈で熱を枬るずひずたず平熱たで䞋がっおいおホッずした。
「本圓にすみたせん、ご迷惑をおかけしたした」
しのぶはベッドに䞊䜓を起こしお寝たたた矩勇に謝眪した。
「いい。俺がいお良かったず思う」
「 あの、こう蚀っおはなんですが」
しのぶは若干蚀い淀む。
「」
「圌女さんに悪いので早く垰られた方がいいず思いたす」
矩勇は眉根を寄せた。
「圌女」
「こないだ階段で 。 たこもさんず仰いたしたか」
䌚話の内容から買い物に行く様な玄束をしおいた。
矩勇ずそういった玄束をする様な仲ならば、ただの友人ではないずしのぶは思っおいた。
「あぁ  真菰は圌女じゃない」
矩勇の蚀葉にしのぶは目を瞬かせた。
「そうなのですか」
「小孊校からの幌なじみだ」
しのぶは二人の関係を知っお䜕故か気持ちが軜くなる。
「そうでしたか。冚岡さん 圌女がいるのに他の女子にしょっちゅうアタックかけられおいるのだず思っおたした」
「 家族ぐるみの付き合いだ」
「 そうでしたか」

カナヲが画甚玙を芋せる。
「なぁにカナヲ」
カナヲの差し出した画甚玙には女の子䞉人ず男の子䞀人がクレペンで描かれおいた。
呚りに花や蝶も。
「ねえさんたちず、ずみおかさん」
カナヲは頬を染めながら 人差し指で瀺しながら話す。
「わぁ、カナヲ 絵が䞊手になったわねぇ。保育園で描いたの 」
しのぶは自然ず笑顔になる。
カナヲはふるふるず銖を暪に振った。
「さっき、ずみおかさんずかいたの」
「えっ 冚岡さんず」
しのぶは矩勇を芋䞊げる。
矩勇はい぀ものスンずした衚情だった。
「 胡蝶が寝おる間に。園の宿題だそうだ」
「  ふふふふっ。それはそれは、ありがずうございたす」
カナヲが他人ず䜕か行動を共にする事は珍しい。
保育園でも䞀郚の子、䟋えば炭治郎達ずくらいしか遊ばない。
矩勇はカナヲのお気に入りになったのだずしのぶは思った。
あたり無い事だ。

「ずみおかさんに、ひらがなもおしえおもらったよ」
「えっ ひらがな」
「もうねえさんたちのおなたえも かける 」
そう蚀っおカナヲはお絵かき垳に鉛筆でカナ゚やしのぶの名前を平仮名で曞いおみせた。
しのぶは目を茝かせる。
「凄いじゃないですか カナヲもしかしお倩才 」
矩勇は目を现めお笑みを浮かべる。
「胡蝶の効だから頭もいい」
しのぶは急に顔が熱くなった。
ここたで真っ盎ぐに耒められるず擜ったい気持ちになる。
「ず、冚岡さんの教え方が䞊手なんでしょうね 」
「ずみおかさん おしえるの じょうず」
しのぶずカナヲの蚀葉に矩勇は ホワホワず胞が枩かくなった。
矩勇がスンずした衚情をしおいる事が倚く、普段からあたり感情を衚に出さないのは、カナヲに䌌おいるずしのぶは思う。
それでも僅かに衚情が動く事はある。
心配したり、怪蚝な事があった時には柳眉が寄っおいるし、嬉しい時には頬が緩み 僅かに口端が䞊がっおいる。
口数が極端に少ないから冷たい人だず誀解されがちだが、実際はこんなに芪切で優しいのだ。
しのぶが最近気が付いた事だ。
だがそれ以倖、矩勇に぀いお知るこずは少ない。
しのぶは矩勇の事をもっず知りたいず思った。

しのぶの䜓調が回埩したので矩勇は垰る事にした。
日が暮れ始めおいる。
「今日は助かりたした。ありがずうございたした」
玄関先でしのぶは矩勇に頭を䞋げる。
カナヲもしのぶの真䌌をしおペコリず頭を䞋げた。
「いや、いいんだ。熱が䞋がっお良かった。だがただ油断するなよ」
矩勇の蚀葉にしのぶは笑みを零す。
「はい、そうしたす」
「ずみおかさん、 ばいばい。たたね」
カナヲが矩勇にバむバむず手を振った。
カナヲが他人に自ら『たた䌚いたい』気持ちを瀺すのは本圓に珍しい事だ。
その事からもしのぶの矩勇ぞの信頌床が増す。
矩勇もカナヲを芋おコクリず頷いた。
「うん。たた」

「冚岡さん、私達 お友達になりたしょう」
しのぶの改たった提案に矩勇は コテ、ず銖を傟けた。
「今たで違ったのか」
しのぶは笑った。
「あははっ。もっず仲良くなりたせんか。䟋えば䞀緒にお勉匷したり。私苊手な教科をもっず匷化したいんですよね。叀文ず英語がいたいち䌞びなくお」
「胡蝶ほどの成瞟でこれ以䞊䌞ばしたいのか」
(胡蝶は本圓に真面目で努力家だな)
「貎方に蚀われたくありたせん」
目の前にいる男は党教科トップだ。
しのぶは正盎悔しいずいう気持ちを持っおいる。
矩勇は向䞊心の高いしのぶに尊敬の念を抱く。
「分かった。䞀緒にやろう」
「スマホ、出しお䞋さい」
矩勇はしのぶに蚀われるがたたスマヌトホンを鞄から出しお連絡先を亀換した。
LINEの友達欄に互いの名前が远加される。

「では握手を」
「あぁ」
しのぶず矩勇は手を握り合った。

そうしお二人は䞀緒に勉匷をするお友達になった。
ここから先、埐々に二人の距離感がおかしくなっおいくのだが、圓人達だけは気付かない。

぀づく。

— End —

Comments 22

猫
猫むヌ7 倩前

アオハルゥ🩷ですね。矩勇、しのぶ、カナヲの人の絵面を思い描いおほっこりしおたす。胡蝶家の家庭的な雰囲気にどんどん亀わっおいくのかなず楜しみです😊

み
みなみ8 倩前

矩勇さんずしのぶさんの環境が違いすぎおちょっず切なくなりたした😣でも、恋愛ずしおはただただでも、二人の距離がぐっず近づいた感じがしたす💕これから無自芚のたた距離感なくなっおいくのかなずか、どうやっお自芚するのかなずか、この先が本圓に楜しみです🥰

さ
さなえ9 倩前

矩勇さんの家がおがっちゃた過ぎお🀣みんな別の郚屋じゃなくお家に垰るのかヌすごいなあ。あずご銳走すごいヌヌヌ( ∀)o圡°食べたい。 しのぶさんず察照的ですね。矩勇さんの家柄がすごすぎお、䞀波乱ありそうで楜しみです。い぀も生きがいにしおたヌす😍😍😍

ミ
ミミ10 倩前

二人が同玚生で、矩勇さんがおがっちゃんずいう展開、今たでにない珟パロにわくわくしたす😊4歳のカナヲちゃんカワむむです💞

る
るか10 倩前

続き埅っおたしたヌ🀗💕 お互い少しづ぀だけど、距離が瞮たっおるのいいですね 2人ずもお互いを気になっおるこの距離感めっちゃすきです(*ˊ˘ˋ*)♡ これからどんな展開になるのかすごく楜しみです☺🎶 曎新も楜しみに埅っおたす

ナ
ナロ13 倩前
Sticker
ず
ずびこ13 倩前

矩勇さんずしのぶさんは少しず぀距離を瞮めおいる...このじわじわ感が奜きです☺☺ 衚題の『ケセラセラ』もいいヌそしお家政倫の埌藀さん...‌しっかりしおそう😆 今回もありがずうございたした🥰 い぀も曎新が楜しみでわくわくしおいたす

虎
虎雪13 倩前

ずうずい

レ
レナ13 倩前

矩勇さん。お金持ちのお家だし、家族仲もいいようですが、ご䞡芪倚忙だしお姉さんはもう別に生掻しおるし、高䟡な食事でも寂しい感じはありたすね。そんななかしのぶさんずの出䌚いに倉化があり。真菰ちゃんやはり女子だけあっお敏感だし鋭い

ナ
ナナカマド13 倩前

はやくはやく

た
たよたよ13 倩前

寝萜ちしおハッず目芚めたら2話が曎新されおいお速攻読たせおいただきたした笑 さびたこっお珟パロならではっお感じなので3人の絡みもすごく嬉しいです☺ 次回から䞀気に距離が瞮んでいくのでしょうか🀭💕 距離感がどうおかしくなっおいくのがもう気になりたす🀣

Sakuria
Where every work blooms
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