神話 ーフェルローズー
おとぅしゃまとおかぁしゃまが隠し部屋で話し合っていると聞いたのは、私たちがフェシュピールの練習が終わった時だ。
大体、おとぅしゃまは、おかぁしゃまと2人で話す事が多いのよねー。
そして、隠し部屋に2人で入ると何かしら策や新しい話が出てくるのよ?
自分たちの両親が仲良しなのは、良いのだけど、おとぅしゃまは本当におかぁしゃまが大好きですわね。
まだ自覚が薄いみたいですけど、それでこれだけおかぁしゃま大好きなのですから、自覚したらアレキサンドリアのおとぅしゃまになるのですねー。
はぁ。
それにしてもおかぁしゃま、ユレーヴェ治療終わったばかりなのに、凄いですわよね?
神殿の側仕えにダームエルとアンゲリカおばしゃまは、アレキサンドリアの頃と変わらない忠誠ですわ。
一番長い付き合いだからって私には言ってましたが、ダームエルは洗礼式前から、アンゲリカおばしゃまは洗礼式からと聞いてますわ。
でも、今10歳で2年間ユレーヴェだったのに?
ローズも出来るかしら?
人たらしと言われていたおかぁしゃまだけど、本当に凄いですわよねー。
でもね、アウブじゃないおかぁしゃまは、沢山一緒にいてくださるの。
おとぅしゃまは、アレキサンドリアより抱っこぉしてくださらないけれど、こちらではおじぃしゃまとひぃおじぃしゃまが直ぐに抱っこぉしてくださるのです。
おかぁしゃまと歩く練習してるので、楽しいから以前より頑張ってますけどねー。
エックおじしゃまとコルおじしゃまも抱っこぉお願いすればしてくれるけど、ランプおじしゃまは、ではエスコートしましょうと言うのです。
立派な淑女になれるように慣れましょうって!
擽ったくて、嬉しくて、クフフって笑ってしまうけど、澄ましてランプおじしゃまと歩くの!
私がまだ小さいから、不恰好なエスコートなんだけど、アレキサンドリアにはいなかったランプおじしゃまは、私をちゃんとレティーねぇしゃまみたいに扱ってくれるの!
あ、ランプおじしゃま繋がりで思いだした!おじぃしゃまの第二夫人、捕まるのはいつだったかしら?
「フェリにいしゃまー、フェデにいしゃまー、どこですかぁ?」
これは、近くにいないですわね?
「ギル?おにいしゃまたちは何処へ?」
「今は、庭で鍛錬を行っていると思います。先程、カルステッド様がお声かけしてましたから。
お呼びしますか?」
そこにフランが来た。
「ギル、ローゼマイン様と神官長が、お子様方をお呼びだ。庭にいるフェリックス様とフェデリーコ様を呼んで来てくれないか?
私は先にフェルローズ様をお連れするから」
え?また何かあったのかしら?
私はフランに抱かれて、お隣の神殿長室の隠し部屋に向かったの。
フランからおとぅしゃまに私は渡され、隠し部屋に。
おかぁしゃまのお隣に座らせてくれました。
「おかぁしゃまは、フェシュピールの練習されないのですか?
私は今日、ユルゲンシュミットに昔からある曲をロジーナに教えて頂きました!
ロジーナに褒めて貰ったのですよ」
「凄い!ロジーナに褒めて貰ったの?フェルローズは、フェルディナンド様に似たのね?
お母様は、ロジーナになかなか褒めて貰った事ないのにー!
凄いわ、いっぱい練習したのね?
こんなに小さいのに、頑張ってるのね!
お母様もフェルローズに負けないようにもう少ししたら頑張ります」
「大きなおかぁしゃまは、フェシュピールお上手でしたよ?
おとぅしゃまと2人で弾いてました。
小さなおかぁしゃまは、フェシュピールお嫌いなのですか?」
「嫌い?んー。やらなくて済むならしたくない感じかしらね。
フェルディナンド様みたいに好きではないわ」
「君は、フェシュピールの練習時間がないから、嫌がっていたのではないのか?
次々と課題を合格するから、好んでいると思っていたが・・・」
「・・・。フェルディナンド様とロジーナがドンドンと課題を上げていくので、ついていくのでいっぱいいっぱいですよ?
音楽は聴いたりするのは好きですけど。
自分が演奏したいか?と言われると違うと答えますわね。
でも、フェシュピールは貴族に大事な教養なのですわよね?
でしたら、やるべき事はやりますわ。
洗礼式でヴィルフリート様も大変だったですもの。あれから大変だったでしょうね?
日々の積み重ねですからね。
私は、そうなりたくないので頑張っているのです」
「そうなのか・・・。
フェルローズは?フェシュピール好きか?」
「んー、私も読書の方が好きです。でも、そこまで嫌いではないですわ。
ただ、ユルゲンシュミットの昔からの曲はあまり好きではないです。
おかぁしゃまの曲が好き。
この間、おばぁしゃまに教えて頂いた刺繍の方が、楽しかったですけど。
アレキサンドリアでは、毎日やる事がいっぱいでしたから。
ここでは、ゆったりしてるので、追いかけやれてない感じがしますから」
「そうか。ローゼマインの曲が好きなのだな?
何を弾いていたのだ?」
「おかぁしゃまが最初に作曲したお花が咲いたと、後は輪唱の曲とか・・・」
「輪唱とは?どう言うものか?」
「「父上、母上、お待たせしました!」」
おにぃしゃま、良い時にいらした!
おとぅしゃまの興味がフェシュピールに行ってましたもの。
「ごめんなさいね。呼び立てて。
少し教えて欲しい事があったのです。
フェルディナンド様、輪唱はまた今度にしましょう?」
おかぁしゃまが、上手い事話を戻してくださったわ!フェシュピールの話になるとおとぅしゃまはしつこいのですもの!
「あぁ、実は神々と対峙する時に備えて、神話を読み解いて考えていたのだ。
それと確かゲオルギーネは、影武者みたいのがいたのだよな?
その話も詳しく聞きたいと思ったのだ」
なるほど。
神々対峙に向けてなのか。
でも、議題上げて良いかしら?
「おとぅしゃま、話飛びますが、一つ。
カルステッドおとぅしゃまの第二夫人。
おかぁしゃまが、貴族院3年生の時に粛正されました。男の子が1人、その事で神殿に入ったのです。
カルステッドおじぃしゃまの子です。
この第二夫人は、エックおじしゃまたちに毒を使った犯人でした。
旧ヴェローニカ派は、肝心のヴェロのおばばは、もう白の塔なのですし、離婚した方が良いと思います」
「2年後に粛正するのか?」
「はい、おとぅしゃまが進めていたのですが、王命でアーレンスバッハに行く事になり、子どもたちが貴族院にいる間に粛正したようです。
ここでおじぃしゃまの第二夫人は捕まり、この第二夫人の子どもが神殿に入れられたと聞きました。
この時もコルおじしゃまとおかぁしゃまの間で色々やり取りがあったようです。
ですが、今、カルステッドおじぃしゃまが神殿にいるのも第二夫人がいると、そこから旧ヴェローニカ派に暴露てしまうかもしれません。
早く手を打った方が良いと思います」
「そうか。わかった、話してくれて良かった。ありがとう」
うふふ、おとぅしゃまにありがとうって言われました。自然と笑ってしまいます。嬉しい!
「父上、神話とは?どう言うことですか?
神と対峙するって。父上と母上が危険じゃないですか?」
そこから、おかぁしゃまと話し合った介入者の話を聞いた。
誰かが、ユルゲンシュミットを滅ぼそうと動いている?
そして、神々がおかぁしゃまばかり呼び出す理由も・・・。
「待ってください。神話ですが、おかぁしゃまが作った大神の神々の本がありますよね?
そこにエーヴィリーベ様がゲドゥルリーヒ様を冬に閉じ込めたとありました。
子ども用なので、かなり簡素に書かれていました。その分、余計なものが削ぎ落とされていました。
えっと、この部屋にもおかぁしゃまが作った大神の本ありますわよね?
貸してください。
読みますよ!
『闇の神は、この世界に沢山の子どもが産まれる事を願って、土の女神と命の神の結婚を許しました。
闇の神が大好きな混沌の女神が、いたずら心で、命の神に嘘を教えました。
そのため、大事な大事な土の女神を命の神は氷と雪の中に閉じ込めました。
とても仲の良い夫婦だったので、命の神はまだ生まれていない子供達にまで羨んでしまい、力を奪い取って生まれないようにしました。
こうして冬が出来たのです』
ここでは、子どもの読み物として、こう書かれています。
きっと原文はもっと過激な表現なのだと思います。
ですが、ここからです。
『土の女神やその眷属の扱いに憤ったエアヴェルミーンは、命の神と喧嘩別れをし、土の女神の眷属を連れて水の女神のところへ行き、土の女神を助けるための手助けをしたのです。
自分が縁を結んだせいで土の女神が大変な目に遭った、とエアヴェルミーンは縁結びの神としての力をリーベスクヒルフェに譲り、神としての力を失いました。
結婚してから全く姿を見せない土の女神を心配していた光の女神が氷を溶かし、水の女神が力の弱まった命の神もろとも氷と雪を押し流し、友人の女神達と一緒に子供達という名の種に力を加えて芽吹かせ、春が出来ました』
ここではっきりエアヴェルミーンは、権能を譲っています。
そして、エーヴィリーベの氷を光の女神が溶かしています。
まだ、これはユルゲンシュミットが出来る以前のお話です。
私は、先程のおとぅしゃまのお話で、力を隠している大神の神は、光の女神だと思います。
よそから来たエーヴィリーベ様は、一部の力をユルゲンシュミットにこれから、封じるのです。
それ以前にゲドゥルリーヒを閉じ込めたはずの氷を光の女神が溶かし、エーヴィリーベを弱らせるほどと書いてあります。
おとぅしゃま、おかぁしゃま、原文はどうなっていますか?」
おとぅしゃまとおかぁしゃまは、聖典の最古語を読んでいます。
読んで聞かせてくれないのですから、子どもに聞かせたくない大人の内容なのでしょう。
「えっと、閉じ込める事を古い言い方で監禁とか書いてあるんだよね?
神殿で、聖典の現代語訳見つけて読もうとしたら、フランに勝手に見てはいけませんって叱られたんだ。
その時に監禁って何?って聞いたら、教えてくれたよ?
その次の言葉の単語が分からなくて、フランに聞こうとしたら、父上によく似た冷気が出てたから、もう聞けなかったんだ」
フェデにぃしゃまが言った途端、余程子どもに聞かせたくない内容なのでしょう。おとぅしゃまは、処理落ちしてるし、あ、やばい。
おかぁしゃまの顔が!エルヴィーラおばぁしゃま並みに冷ややかな笑顔になってる!
「そう、フェデリーコは、勝手に聖典の現代語訳を読んだのね?
それでフランに怒られたと!
なんで神殿の物を勝手に読んだのですか?」
「えっと、母上について神殿に行ったの。レティー姉上は神殿で神殿長してたから。
それで、最古語も勉強してて、現代語訳にしたからって母上が確認してて。
始めの数ページだけだから、今見るって見出して。それで、暇だからつい・・・」
「はぁ、もう。これ冒頭の創世記だから仕方ないのね。
とりあえず、お父様と相談してからね。
神殿の聖典は、本来神殿長しか読めないのよ。神殿長が許可した者しか読めない魔術具なの。
お父様は神官長だし、お母様の教育係だったし、今こんな状況だから許可したのよ?
本来は神殿関係者で、神殿長しか読まない読み物なんだって覚えておいてね?」
「はい、ごめんなさい」
おかぁしゃま怒ると怖いのよね。
とりあえず、おとぅしゃまが顳顬トントンしてるから、良い事にしちゃいましょう!
「それにね。私、貴族院図書館の地下書庫の写本が、おかぁしゃまの図書館にあって。
その中の神々の神話に、混沌の女神は、元々のユルゲンシュミットの神の系統でなく、別系統の神だと読んだのです。
でも混沌の神と言うくらいだから、大神の眷属神だと思って、探したのです。
神話では、大神の神々にそれぞれ12の眷属神がいるとあるじゃないですか?
でも命の神と土の女神が婚姻し、大事大事過ぎて、嫉妬して土の女神の眷属神を追い出しちゃいましたよね?
例えば、機織りの女神のヴェントゥヒーテは、元は土の女神の眷属だったけど、風の女神の眷属に変わったとありました。
元々84人の眷属神が72の眷属神に減った訳ですね?
眷属と数えられないけど、ユルゲンシュミットの神となっている方もいるって事ですよね?」
「そんな資料がアレキサンドリアにはあったのだな?」
おとぅしゃまから確認が入りました。
だけど、地下書庫は領主候補生しか入れないから、あそこの写本はおかぁしゃまか、レティーおねぇちゃましか出来なかったと思うのです。
おとぅしゃまは、読んだら忘れないから、写本を持ち出そうとはしなかったと思う。
「はい、そして、闇の神に横恋慕しているとありました。
横恋慕とは、すでに結婚相手や恋人がいる人に対して、横合いから恋愛感情を抱き、割り込もうとすることですよね?
要するにヒルデの馬鹿みたいな奴の事なんです。
だから、私は復讐してユルゲンシュミットを崩壊させようとしているのは、光の女神だと思います。
ヒルデの馬鹿も、ずっとおかぁしゃまに横恋慕していました。
しかもかなり碌なことを言わないのです。
おとぅしゃまは、ずっと不機嫌でした。
しかもそれはおかぁしゃまのせいじゃないし、だけど、気分の良いものじゃありません。
光の女神が嫌気をさしても仕方ないと思います」
「あー、なるほどねー。
私は、もっと以前の事かと思っていたのです。光の女神様が、復讐するつもりなら、このユルゲンシュミットより前からの怨みかな?と。
でも、ローズの説も捨てがたいなぁ」
おかぁしゃまはすぐに私の説が有り得ると賛成してくれました。
「でも、夫に横恋慕されただけで、世界の崩壊狙うかな?」
「そうだよね?だって、父上に横恋慕する者がいて、母上がそれに怒って、アレキサンドリアを潰すって事でしょ?
やっぱり想像出来ないなぁ」
もう!にぃしゃまたちには、分からないのですね?!
「私もそう思う。
横恋慕されただけで、夫婦間は仲悪い訳じゃないだろう?
光の女神が一番怪しいが、横恋慕を原因とするのは、無理がないか?」
おとぅしゃまにまで言われてしまいましたよ?これでおかぁしゃまのご機嫌悪くなってもローズ知らないよ!
「えー?男性陣皆理解出来ないですか?
私、横恋慕の時の闇の神様の対応が悪かったのだと思います。
夫婦だって?いや、夫婦だからこそ、言葉は尽くさないとダメだと思うのですよ。
以前、夫婦喧嘩の後、アレキサンドリアの私がそんな事を言ってたって話あったけど。
闇の神様って、日頃から言葉が足りないのかもしれませんが、分かってくれるだろう、理解してくれるだろうが積み重なったかなって。
誰だって自分を認めて欲しいじゃない?
夫婦って一番の理解者だと思うの。
だって成長して、人生これからって時から高みに上がるまでずっと一緒にいるのよ?
神々は分からないけど、人はそうよね?
家族になって、2人で子ども育てて、2人で寄り添って生きていくのよ?
これだけ沢山の人がいて、それでもその中で魔力も合わなきゃどんなに好きでも一緒になれないユルゲンシュミットで、私は奇跡的にフェルディナンド様と一緒になったって事でしょ?
そのフェルディナンド様を勝手に好きになるのは、まだ許せる?・・・気分は良くないわね?
その時に、気分悪いのに、もしよ、もしフェルディナンド様が私はモテるので仕方ないとか、もっと悪かったら相手にはしないまでも混沌の女神の事を若い者だから仕方ないなとか、可愛い戯言だくらいな言葉吐いたら、許せないわね!
まぁ、この辺りは1巡りほどで、機嫌直るかも?しれないわ。
だけど、ローゼマインの事は妻だからとか言って、後回しにしときながら、混沌の女神を少しでも優遇したら、信頼関係は壊れるわね!
だって、夫婦仲良しって事は愛し合ってたのよね?
浮気じゃない分余計に愛してる人に後回しにされたら、悲しいじゃない?
それに混沌の女神は、余計な事して娘夫婦の事も拗らせたわね?
大事な娘と娘婿が家族の輪に上手く入れない原因よ?
それなのに、夫の対応が悪かったら、悲しくなってしまうのも無理はないわ。
確かにこれだけ?って思うかもしれないけど、ユルゲンシュミットで考えたら分かるのではないかしら?
政略結婚が当たり前で、魔力量が合って、魔力の色が合って、婚姻して、仲良く信頼も重ねて、子どもも4人いて、愛し合っていたとするなら、横恋慕で夫婦の仲と家族の仲を壊された。
それなのに、夫はその事を大して気にしていないような態度や言動があったとしたら?
もちろん、混沌の女神の事も許せないけど、夫を許せる?
フェルディナンド様、もし私に横恋慕している第三王子のせいで、夫婦間が壊れて、子どもたちの仲も壊れたとします。
それなのに、私がその事を大した事じゃない、これぐらいなんでもない様な態度や言動をしたら、今までの私との歴史はなんだったのだ?ってなりませんか?
2人の関係が、そんな軽いものだったのか?と空しい気分になりませんか?
例えば、そんなところに私から、フェルディナンド様なら強い方だから[[emphasismark:わかってくれるはず > ﹅]]や、フェルディナンド様とは[[emphasismark:ずっとこの先居るんだから > ﹅]]や、もっと無神経に第三王子も[[emphasismark:悪気はないのだから > ﹅]]など、フェルディナンド様を後回しにする言動をされたとしたら?
それも一回でなく毎回。
そんな事されたら、悲しいを通り越して、好きな気持ちがどんどん減ってしまいませんか?
アレキサンドリアに辿り着くまでも、2人で本当に大変で、他領を抑えて、神々ともやり合って、子どもも産まれて、信頼し合って、築き上げた物が、全て無になるような?気分になりませんか?」
おとぅしゃまは眉間に渓谷を作り、黙って考えています。
おとぅしゃまもご機嫌悪くなりました。
「・・・・・・なるな。確かにアレキサンドリアは無くなる」
「ね?そんなもんです。
一緒に頑張るはずの人に、心無い言葉を吐かれたら、怨みたくなりますよー。
もちろん混沌の女神も嫌ですが、信頼していた分、夫や妻に幻滅しちゃうと思うのです。
自分が好きな人が、相手も自分を好きになってくれるって凄い確率なんだから!
そう言う人が現れたら、大事にしなきゃダメよ?
理解してくれてるはずと相手に甘えないで、真摯にやっていかなかったら、ボタンがかけ違うように、上手くいかなくなると思う。
確かにこれ[[emphasismark:だけ > ﹅]]ではないかもしれないけど、この事が大きな[[emphasismark:きっかけ > ﹅]]になった可能性は大いにあると思うわ。
それに、フェルローズが見つけた、光の女神様の方が、エーヴィリーベ様より力があった事実が、判明したわね?
かなり怪しい存在よね?」
おかぁしゃまが上手く纏めてくれました!
そこにフェデにぃしゃまが、手を上げました。
「でも、私ももう1人怪しい人見つけました。
この母上が作成した本、先程の続きです。
読みますよ?
『火の神が自分の友人達と力を与えて、芽生えた命はみるみるうちに成長していき、夏が出来た。
土の女神と命の神の子どもであるメスティオノーラは、命の神から隠れるため、闇の神からいただいた夜空の髪、光の女神からいただいた金の瞳に姿を変え、最も守りの強い風の眷属に入り、神々から神具を使うことを許された。
しかし、命の神の力が戻り、雪と氷で土の女神を捕らえる為に再びやってきた。育ち実った命の収穫を終わらせるまではと、風の女神は命の神を風の盾で防ぎ続け、秋が出来た』
これで大神の本は終わりですが、風の女神の本をとってください。
ありがとう、フェリックス。
必要なところだけ読みます。
『ゲドゥルリーヒから生まれた子供の中で唯一、神の力を持って生まれたのが、英知の女神メスティオノーラである。
メスティオノーラは、隠蔽の神フェアベルッケンによって隠され、導きの神エアヴァクレーレンや育成の神アーンヴァックスに育てられ、度々命を狙ってくるエーヴィリーベから身を守るために神々の神具を自由に使うことが許された』
あれ?実力者が2人?2柱?いる。
封じられる前に兄妹の中で守りの実力が一番ある風の女神シュツェーリアと、神々の神具を自由に使える風の眷属神のメスティオノーラです。
私はこの神具云々で、メスティオノーラが怪しいと思った。
だって、ユルゲンシュミットを建国したのに、崩壊するのを一番止められるのに、何もせず、せっかくメスティオノーラの書を取得した父上の事を毛嫌いし、虚弱な母上に過酷な運命を背負わせたじゃない?
一番、やってる事がおかしいよね?
これが英知の女神なんだよ?
何処に英知のカケラがあるの?
母上、英知ってどんな意味?知識が沢山あるってことですよね?」
「この英知の女神の英知とは、深く物事の道理に通じた「すぐれた知恵」のことだと思います。
単に物事をたくさん知っているだけでなく、物事の本質を見抜き、正しく判断する高い能力を指す言葉の方。
これに対して叡智と言う言葉もあるの。
神話の中で、メスティオノーラ様の事を英知の単語で書かれているけれど、同じような意味合いで叡智と言う単語もあります。
こちらは、哲学的な意味で「物事の本質を見通す、より高度で神聖な知恵」として使われることが多いです。
私は今まで本が大好きで読書が大好きですから、メスティオノーラ様の事も無条件で親しい神だと思っていたのよね。
でも、アレキサンドリアのローゼマインにやった事を考えると、疑問だわ。
最初はね、アレキサンドリア物語や、貴方たちの話を聞いて、言い方が悪いけど英知の女神と言いながら、かなり愚か者だなと認識を改めたのよ。
でも英知の女神と呼ばれているのよ?
3歳のフェルローズが、弁えられる我慢も出来ない我儘者は、ないわよね?」
神々
ーローゼマインー
「だが、メスティオノーラの書として人に与える書が全く編纂もされていない。
ただ、読書が好きなのを大袈裟に英知と言っているのではないか?」
「確かに、私もそう思っていたのですが。
神話が事実とするなら、メスティオノーラ様はかなり過酷な暮らしをしていました。
だからとも思ったんだけど、それともメスティオノーラ様は、介入者に操られたかな?
それでは、現在の容疑者は、光の女神様、エーヴィリーベ様、メスティオノーラ様に風の女神のシュツェーリア様で良い?
この4神から絞り込むことで間違いないかしら?」
フェリックスが手を上げて発言する。
「はい、私はメスティオノーラが一番怪しいと聞いていて思いました。
メスティオノーラの書か、魔術具のグルトリスハイトがなければ、新領地を建領出来ないのですよね?
父上、今の知識で建領出来ますか?」
「私の方に礎の設置の記載はあるから出来るが、残りの部分で身分を示す棚作りなどがあるから、建領は出来るが、その領地の貴族やアウブに任命する事が出来ないな。
何処かの領地の棚の魔術具を使い回せば建領出来なくもないかな?と言った知識だ」
「そうなると、やっぱりメスティオノーラが怪しくないですか?
全ての神具を使えるのです。時の女神の神具が使えるのですから、その時だけ教えて、時間を戻す事が出来るって事ですよね?」
フェルローズが手を上げる。
「でも、時間戻したら、建領前に戻りますよ?全部なかった事になりませんか?」
フェデリーコが意見を言いたそう。
「もういちいち許可取らなくて良いから話しましょう?フェデリーコどうしたの?」
「母上が父上の糸を繋ぎに過去に飛んだ時に、母上と会った人は皆記憶を失くしたのです。
だから、どの神かは分からないけど、建領する時に誰かを過去に飛ばす事も可能だし、周りの者の記憶を消す事も出来ると思う。
誰より疑り深い父上も失くした記憶がありながら、そのまま暮らしていたのですよね?
と言う事は、他のユルゲンシュミットの者たちなら、更に記憶なくても暮らしそうじゃない?」
「確かに、記憶がないのが不思議だし、不気味ではあったが、私の周りにいた者も皆同じ状況だったからな・・・。
ただ、私と違い、そのような状況でアウブをやるのは困るのではないか?
いつの間にか作成出来なかった礎や階級の棚があるなど、普通ではない」
フェリックスとフェデリーコ、フェルローズも呆れた顔してるけど、多分私も呆れた顔してる。
「でも、これがジルヴェスター様なら気にしないと思いますよ?
逆に私は天才だったか!とか言い出しそう。
アウブがフェルディナンド様なら、疑うかもしれませんが、ジルヴェスター様なら何も疑わないと思います。
または、そう言った精神作用も付与したのかも?」
「・・・。確かにジルヴェスターなら気にしないかもな。
では一番怪しいのはメスティオノーラか?」
「介入者は、メスティオノーラ様が一番怪しいけど、ユルゲンシュミットの滅亡?崩壊を願っているかは、別じゃないですか?
それとも、女神様方が結託してるか。
光の女神様は、メスティオノーラ様の祖母だし、生き残れるように容姿にも自分の目の色を継がせてます。
唯一の孫娘なので、可愛がっていたのかも?それに、シュツェーリア様は、ゲドゥルリーヒ様へのエーヴィリーベ様のなさりように怒っています。
ゲドゥルリーヒ様とフリュートレーネ様は分かりませんけど。
それにエーヴィリーベ様のなさりようにゲドゥルリーヒ様は納得してたのかしら?
フェルディナンド様、私がフェルディナンド様が子どもに構うのを私が嫌い、子どもたちを殺そうとしたらどうします?
いくら私がフェルディナンド様を好きだ、愛してるとひっついても、フェルディナンド様と私の子どもを殺そうとする私、許せないのではないですか?
私がゲドゥルリーヒ様なら、最初はそのうち落ち着くかしら?と、待つけど、殺そうとしたらトコトン話し合いますね。
大好き過ぎて、私を閉じ込めようとされたなら、素直に閉じ込められます。
よっぽど精神不安定でなかったら、そのうちフェルディナンド様ならきちんと話し合ってくれると信じて。
けれど、子どもを殺させないように、私も閉じこもるけど、フェルディナンド様も閉じ込めます」
フェルディナンド様もじっと状況を考えてくれてるようだ。顳顬に置いた手が動かない。
「そうだな。私も産まれた子どもは、カルステッドやエルヴィーラに預けて、ローゼマインと2人で閉じこもるな。
そして、落ち着くのを待つか・・・」
「でも、そうやって落ち着かせようとしてる時によってたかって、こじ開けようとしてこられたら拗れるかも?
ゲドゥルリーヒ様は分からないけど、エーヴィリーベ様は完全に拗れますね」
「これって結局、大神の神々とメスティオノーラが皆怪しくないですか?
だって、アレキサンドリアでも思ったけど、ユルゲンシュミットって本当に滅亡に向かってるよね?
確かに元第一王子のジギス馬鹿とかを野放しにしたのは、まずかった?いや、元王族全部か。
でも、元王族全部を白の塔に幽閉して、父上と母上が、ツェントになってユルゲンシュミットの責任を取るのも違うと思うんだよね?
それに父上は、本当に偶然母上と出会う事出来たけどさ、私たちの伴侶は多分いないよ?
父上と母上がツェントになってもさ、次代は相手がいない。んー、メルヒオール叔父上がローズの相手になれるかもだけど、どうだろうね?」
「それはフェルローズの相手にメルヒオールと言うのか?
それで、フェルローズがツェントを継ぐと?
それはダメだ。
ジルヴェスターがついてくるぞ?」
おー!フェルディナンド様が本当にジルヴェスター様切ったよー。
あんなにお兄様大好きだったのにね。
子どもって凄いねー!
「では、私の勘では、崩壊を望んでいるのは、光の女神様で、介入者はメスティオノーラ様かなって感じに思ってますが、如何でしょう?
最初から本丸を攻めないと、やり取りに時間かかるし、色んな人?神が入り込むと、余計交渉が拗れそうでしょ?」
フェデリーコが纏めようとすると、フェリックスから待ったがかかった。
「んー、でも母上、気になる一文がこの先にありますよ?
建国神話の部分です。
エアヴェルミーンがメスティオノーラをエーヴィリーベから救った後の部分です。
『メスティオノーラを救い出した後、エアヴェルミーンは、エーヴィリーベとゲドゥルリーヒの縁を結んでしまった自らの権能を疎い、神の力をリーベスクヒルフェに譲って、神の世界を去った。
神としての権能を譲っても、魔力が無くなったわけではなく、エーヴィリーベの力によって白で覆われた世界に降り立ち、あふれる魔力で大地を満たした。
そしてエーヴィリーベに疎まれて白の大地に追いやられる人間達を保護することを贖罪とし、ゲドゥルリーヒとメスティオノーラが幸せに過ごせるようにと、日々神々に祈りを捧げ続けた』
何処にも説明がなく、急にエーヴィリーベにより白の大地に魔力を満たすのですが、ゲドゥルリーヒとメスティオノーラの幸せを願って、白で覆われた世界に魔力を籠めています。
そして、この先です。
『成長したメスティオノーラは自分と母であるゲドゥルリーヒを救ったエアヴェルミーンの行く末を大変気にかけていた。
神界からメスティオノーラがエアヴェルミーンに呼びかけると、エアヴェルミーンは、魔力が少なくもっと苦労している人間達へその祝福を分けてほしいと懇願した。
エーヴィリーベに迫害されて苦しむ魔力を持った人間達は、エアヴェルミーンによって受け入れられ、エーヴィリーベの目を欺くために白の建物が並ぶ場所で暮らしていた。
エアヴェルミーンに懇願されたメスティオノーラはその地の神殿に赴いて神殿長の姿を見るが、祈りの声も言葉も聞くことが出来なかった。エアヴェルミーンと共に神々に祈る人間達の祈りは、過剰な魔力に悩まされていた神殿長のものですら、神々に届いていなかった』
まぁ、この後シュタープを授けられるのですが。
いくらなんでも他所から来たエーヴィリーベ、やりたい放題過ぎませんか?
人を迫害してますよ?
エーヴィリーベは何がしたいのでしょう?
闇の神光の女神は、エーヴィリーベに弱味でも掴まれている感じしませんか?
先程の母上の言っていたよそで悪事を働いて追いかけてきたのが、エーヴィリーベ説ですね?
しかも、メスティオノーラが成長すると、自分と母であるゲドゥルリーヒを救ってくれたエアヴェルミーンに感謝してますよね?これ。
本気で大神とメスティオノーラがエーヴィリーベを抑えようと思ったら、出来そうなのに何故かしない。
そして、私がメスティオノーラの立場で父上に殺されそうになってたとします。
う、想像だけで結構悲しい。
この時の母上は?って思うのです。
母上も父上を止めてくれたなら、この文章になるけど、ただ父上に母上が閉じ込められてるだけなら、母上と接点がなく育ったら、この文章にならないような?
フェデリーコとフェルローズはどう思う?」
「んー。想像が難しい。父上も母上も私たちをずっと構いたいってくらいだったじゃない?
執務に行くのも後ろ髪引かれるように。
そして、時間が出来たら真っ先に私たちのところに来てくれたよね。
フェルローズが産まれる時、赤ちゃん返りした私とフェリックスを抱っことおんぶしながら、父上は執務してたって今でも城中で話題になるじゃないか・・・。
そうか、そう言う愛情を父上から貰えなかったのか、その上殺されそうになったメスティオノーラ。
それでも、自分と母であるゲドゥルリーヒを心配するって事は、ゲドゥルリーヒはメスティオノーラに分かる形で庇っていたのだろうね?
だから、憎んでいるのは父親だけ?のような神話になるんじゃないかな?
だってこれ、勝手な誰かの想像だったら、メスティオノーラが聖典から抜くでしょ?」
「そうか、初代王とメスティオノーラ、エアヴェルミーンで建国したんだから、そうなるか・・・」
「まして、英知の女神ですもの、読み物は読んでいると思いますわ。
フェリにぃしゃまとフェデにぃしゃまの勉強の間、私にはひぃおじぃしゃまが一緒でした。
おかぁしゃまの具合が良くない時は、ひぃおじぃしゃまが私たちについていてくださったし、寂しくなかったですね。
ひぃおじぃしゃまの雄叫びには、毎度大変でしたが。
メスティオノーラはどんな子ども時代だったのでしょうね。
兄弟もいない、それなのに自分のおとぅしゃまからは命を狙われて。
結局守りの一番強いシュツェーリアの眷属になってますけど、ユルゲンシュミット直系の孫娘なのに」
「そうだな。私もこのエーレンフェストの城に連れて来られて、戸惑った。
ヴェローニカには疎まれていたし、実際食事には毒を盛られていた。
私にとってのヴェローニカが、メスティオノーラの父親か・・・。
私は、父上が一緒の時は、そんな事がなかったが。
メスティオノーラは違ったのだな。
それならメスティオノーラにとって、エーヴィリーベ以外が家族同然の大事な神々なのでは?
もしかしたら、ユルゲンシュミットにエーヴィリーベの神力を封印している事が嫌なのかもな。
アレキサンドリア物語やユルゲンシュミットの礎の事を考えると愚かな先が読めぬ神と思っていたが・・・。
メスティオノーラにしたら、エアヴェルミーンは大事な家族同然な神だったのだろう。
いつも神域で一緒に居られなくなり、離れていなければならないのは辛い。
そして、メスティオノーラがゲドゥルリーヒに対してか。
これは分からないが、
「フェルディナンド様、ぎゅーしてください」
は?
「ぎゅーしてください。椅子からもう立ち上がれないから、ぎゅーしてください」
ローゼマイン、今は
「良いからぎゅーしてください。椅子から降りれないから、早く」
はぁ」
フェルディナンド様が抱き上げてくれた。
「長椅子に座ってください。そう、そこ。
ふふ、皆良いかしら?」
「「「はい、ぎゅー」」」
フェリックスとフェデリーコ、フェルローズもフェルディナンド様に抱きつく。
「フェルディナンド様、家族のぎゅーです。
神々の心境を想像して、容疑者探さなきゃならないけど、引き摺られないようにしましょう。
私たちは、私たち家族が幸せになる未来のために!
だから家族でのぎゅーです。
フェルディナンド様にとって、私たちは頼りないかもしれないですが、それぞれ出来る事を頑張ります。ね?」
「・・・あぁ、そうだな。家族の未来のために、頑張ろう」
フェルディナンド様は、私の肩に顔を伏せたまま答えてくれた。
神々の敵が誰なのか、分からないし、まだまだやる事沢山だけど、今は家族で温もりをフェルディナンド様に届けたいと思った。
それにしても神々。
一体どうなってるのかな?
この状態のまま一万年だとすると、そろそろ本当に末期。
いや、末期どころか破綻してるのか・・。
その時、隠し部屋の向こうから呼び出しがかかった。フランが用件を述べる。
「ローゼマイン様、神官長。ボニファティウス様がお呼びです。
お城から呼び出しがかかったそうです」
























ジルからの呼び出し…何だろうね?臨時領主会議が有るって話かな? 又、くだらない事じゃないと良いんだけどねぇ…(;-_-)=3