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松田家長女は幼馴染を独占したい

ちょこころねちょこころね

「千速!結婚しよう!」 「はは!断る」 松田家長女が幼馴染を弟にとられたくない話…になる予定だったもの。 お姉ちゃん最高すぎたので少しの間失礼します。

〇注意〇

※こちら二次創作になります。原作との関係は一切ありません。

※捏造、キャラ崩壊、地雷、n番煎じ注意でお願いします。

※誤字脱字あったらすみません。

※名前変更可能女主人公がいます。
(変更前:千陽)

※萩原家長男→松田家長女→萩原家長女←松田家長男なお話です。

※完読後のクレーム等受け付けてません。
なんでも許せる方のみお進み下さい。

───────────────────────

「千速!結婚しよう!」
「はは!断る」
「うがー!また振られた!!」
「相変わらずだな、千陽」
「千速を一目見た時から私の心が言ってるの!この人しかいないって!!」

そう、昔から千速は私の女神様。少しも揺るがない強い想いがある。
そんな私の懸念はただ一つ。血を分けた弟にして、最大の恋敵、松田陣平。事ある毎に千速に交際を迫り、フラれている愚か者(特大ブーメラン)である。千速と結婚することを信じて疑わない愚弟にそろそろ目に物見せてやりたいのだけれど、千速が首を縦にふらない。いい加減赤べこになってくれもいいと思うのだが。この女神様はいつまで私を焦らすつもりなのだろうか。

「まだ諦めてねぇのかよ」
「は?諦めるのは陣平の方でしょ」
「俺が諦める訳ないだろーが」
「私も諦める気なんてないわ!」

横槍を入れてきた弟に全力で対抗している大人気ない私を見て、はははと豪快に笑う千速に目を奪われたのは私だけではなく、隣で柔らかく笑う弟も同じらしい。弟のこんな表情を引き出せるのは後にも先にも千速だけなんだろうな。
ここまで私の恋路を邪魔してきたのだから、そうであってくれなくては困るまである。千速が弟を選んだその時にはきっぱり千速のことを諦めようと、女神に出会ったときに心に決めていた。まぁ、弟に千速をやるつもりなど更々ないんですけどね。

「またやってる。二人ともよく飽きないな」
「研二!どうしたら千速が私に振り向いてくれると思う!?」
「んな未来一生こねェ」
「陣平は黙ってて!私は研二に聞いてるの!」
「まぁがんばれ」
「それはアドバイスでもなんでもない…」
「そう落ち込むなって。美味いもんでも食べに行くか」
「……駅前にできたパンケーキのお店がいい」
「りょーかい」

近くを通りかかった研二を捕まえて訴えたが、アドバイスにすらならない応援の一言。眉を下げて困ったように笑う研二は私のあからさまな落ち込みように、いつもことだと満面の笑みで話題を変える。一瞬で思考を持ってかれる私は自分で言うのもなんだが、相当チョロいと思う。研二が私の扱いが上手いだけとも言えるが。
因みにこの会話全て千速本人の前で繰り広げられているんだけど、千速だけはきっと冗談だって思ってるんだろうな。度し難し。

「研二は千陽の扱いがうまいな」
「当たり前だろ?」
「あぁ、そうだったな」
「何?千速と2人だけの秘密なんて研二狡い」
「あ、そっち?」
「それ以外に何があるの」
「ハギ、姉貴は千速以外眼中にねぇわけ」
「悲しいこと言うなよ陣平ちゃん。これでも健気にアピールしてるんだぜ?」
「全く伝わってないがな」
「それ姉ちゃんが言う?」
「私も健気にアピールしてるのに…研二、お互い大変だね」
「ブフッ」

研二だけ褒められて、秘密の共有があって、羨ましいことこの上ない。千速以外眼中にないのだって今に始まったことではないし、私だって健気にアピールを続けている。私のソレはドストレートに求婚だけれども。どうやら研二にもそういう相手がいるらしい。これは初耳。人の恋バナは大好物だ。研二は昔から要領がよくて人当たりもいいし、空気が読める。私の気持ちを表情だけで察してくる恐ろしい男であり、私の女神様こと萩原千速の弟なので面もいい。そんな研二が健気にアピールを続ける相手には正直興味をそそられるが、お互い苦労している事実をまずは労いたいと思った故の言葉だった。吹き出した陣平の頭は脊髄反射で叩いておいた。

◇◇◇

「んまぁ」
「本当に美味しいな」

千速とホイップクリームと苺の乗ったパンケーキ。なんて眼福なの。目と脳と舌が幸せすぎてアドレナリンドバドバで目がバキバキよ。いつものかっこよくて綺麗な千速とのギャップよ。どれだけ沼らせたら気が済むのだ、この女神様は。待ち受けにしたいから一枚撮ってもいでしょうか!?勿論連写ですが、なにか?

私の機嫌を直す為に訪れた話題のパンケーキ屋さんはカップルでごった返していること以外はパーフェクト。生憎男二人、女二人なので違和感なく溶け込んだが、私と千速がカップルに見えてる人一人もいない説で勝手に心が折れかけた。一番解せないのは陣平と千速がカップルに見えることです。弟の恋路の応援ができない姉でごめんね。でも諦めて、私には期待しないでください。そもそもしてねェってフルスイングで返ってきそうだから口には出さない。お口ミッフィーちゃんなんで。
そんな事より、とにかく千速が可愛い。それに尽きる。行き着く先は毎回そこしかない。

「全てを見越して予約入れてるハギがこえーわ」
「ありがとう」
「いや、褒めてねぇよ」
「陣平も見習ったら?」
「は?」
「研二がモテるの分かるわぁ」
「本命には振り向いてもらえないんだけどね」
「へぇ。その人見る目ないね」
「ブフッ」

私の言葉に毎度吹き出す陣平の頭目掛けて右手が動く。スパンという小気味いい音と陣平の口から漏れた声はほぼ同時に聞こえた。睨みを効かせてくる弟の視線に無視を決め込み、パンケーキを頬張る千速を目に焼き付ける。不意に混じり合った視線にドキリと胸が高鳴る。

「見る目はあるだろ?」
「……相手が悪い」
「私に勝とうなんて100年早い」
「ねぇさっきから私だけ除け者じゃない?」
「安心しろ、寧ろ主役だよ」
「この世界中どこを探しても千速以外に主役なんていないし有り得ない」
「ここまでくると最早千速オタクだろ、これ。つまり、姉貴のソレは恋じゃねェ」
「そりゃそうだろう?千陽は昔から私にお熱だが、色恋のソレとは種類が違う」
「……………………え」

私の女神様の口からでた言の葉は見事に私の心臓を貫いた。小学生の頃から大事に大事に育ててきたこの気持ちが間違っていたと、千速が言った。松田千陽を全否定された、そんな気持ちの私は白目を向いて放心した。さよなら私の魂よ。

「お、おい千陽!?」
「あ〜、無慈悲すぎる姉ちゃんの右ストレートが決まってKO」
「はははっ!生きてっか?…ハギこんなののどこがいいんだよ」
「こんな所も含めてかわいいじゃないか」
「そうだぞ陣平!千陽はかわいい奴なんだよ」
「………本人が生きてたら喜んだだろうな」

勝手に殺すな、我が愚弟。陣平の悪口を感じ取って生還した松田千陽です。
食べかけのパンケーキのキラキラエフェクトが無くなっている。千速の言葉一つでこうも世界は反転して見えるのか…なんて浸っていれば店内に甲高い悲鳴が響き渡った。私以外警察官な優秀すぎるメンバーで構成された一行なので、私を見て笑っていた表情が一瞬にして仕事モードへと切り替わる様子は宛ら刑事ドラマの様であった。

「千陽はここで大人しく待っているんだぞ」

千速に言われてしまっては、ここを一歩も動かぬことを誓う他あるまい。私だけ警察事務なんだよね…。みんなと一緒に事件解決したい。もっと欲を言うなら千速の横で千速の活躍を目に焼き付けたい。本命はこっち。

「慌てず順番に外へ避難してくれ!」
「はぁ、避難誘導してる千速も輝いてる」
「千陽!お前も避難してくれ」
「ん?なぜ?」

私は動かずじっとここで大人しくしていることが今のミッションではないの?
惚けている私を少し焦ったように外へと促す千速に嫌な予感がする。

「ま、まって!私も残る!!」
「何を言っているんだ!危ないだろ!」
「千速達も危ないでしょ!?私だけ安全地帯にいるなんて絶対に嫌だ」
「今は我儘を言っている時ではないぞ!」
「いーやーだー!!」

20歳を超えた女の最大級の駄々こねを見ろ。千速の視界に映る私は成る可くかわいいを心掛けて(あれでも)いた偽りの私であって、こんな醜態を晒す私を見たのは初めての筈。きっとドン引いてる。これでドン引いてなかったら益々すきになっちゃう。
反論しなくなった千速に緊張感は増す一方で、そんなドキドキに我慢の限界を迎えた私はギュッと固く閉じた瞼を少しずつ開ける選択肢をとった。

「っ!」

そこには輝かんばかりの笑顔の千速がいた。もちろん私は面食らった。笑って、いる、だと?想定外にも程がある!女神様にも程がある!

「全く、こんな状況で笑っている自分に驚いた。千陽はどんな状況でも私を笑わせてくれる」
「え?それってもう結婚?」
「断る」

どんな状況でもしょっぱい返事をくれるのが私の千速なので。解釈一致ですけど泣いてもいいですか?

「いいか?絶対に私から離れるなよ?」
「はい♡」

男前すぎる千速に目が♡になるのは仕方ない。
言われずとも離れなどしないし、なんなら一生一緒にいたっていい。

千速に張り付いて移動した先に見知った顔がふたつ。研二と陣平である。二人して難しそうな顔をしている。視線の先を追えば黒い箱。何やらタイマーらしき数字が少しずつ減っていっているのが見えた。よく耳を済ませればカチカチなんて音が聞こえる気もする。
これはあれだ。………爆弾だね!そりゃキャーって聞こえた割に罵声とかは聞こえなかったし、スムーズに避難してるなとは思っていたけれども。まさか爆弾が仕掛けられているなんて思うわけない。因みにうちの弟とその幼馴染は爆弾処理のエキスパートなので何一つ問題はない……はず。難しい顔してるけどね。無問題だよね??

「は?」
「どうした陣平ちゃ………なんで千陽がここにいるんだ」
「駄々を捏ねられてな」
「駄々ァ!?お前自分のこといくつだと思ってんだよ!?」
「わ、私だけ除け者なんて許せない!」
「んな事言ってる場合じゃ「千陽」
「な、なに」
「早く避難してくれ」

私の存在に気付いた陣平の声に続いて研二の口からも疑問の声があがる。
みんなして私だけ安全地帯に逃がそうだなんて、思い通りなんてしてあげないんだから!
私は二人を信じてる。だからここに残ったんだから。

今日の研二は圧が強いし、眼光も鋭い。心配してくれていることは分かっているが、同じくらい私も心配していることを知って欲しい。

「研二」
「姉ちゃんがついていながら「それはすまないと思っている。だが、千陽の気持ちも考えてやってほしい」
「ごめん!何もできないけど、みんなが頑張ってるのに一人だけ祈ってるだけなんて、嫌なの。それに私、研二のことも陣平のことも信じてるから。だから私がここにいたってなんの問題もないでしょ?」

寧ろ私がいた方が頑張れるんじゃない?なんてドヤ顔で言い放てば、陣平には呆れた顔をされ、研二は眉を下げて笑った。

「千陽傷付ける訳にもいかないし、やりますかぁ」
「まぁ千速が側に居てくれるしな」
「千陽のことは私に任せろ」
「きゃー!千速かっこいい!」
「全部持ってかれるんだよなぁ」

スイッチが切り替わり、表情が真剣なものへと変わった二人は手際よく爆弾を処理していく。物の数分で爆弾はただの玩具へと変貌を遂げた。

「え!?もう終わったの!?」
「当たり前だろ」
「気負う必要もなかったな」
「二人ともよくやった」

……はずだった。
解除した筈の箱の中から聞こえる音は先程と違うピ、ピ、ピと秒数を削る電子音。その場にいた全員に再び緊張が走る。

「チッ!」
「解除した瞬間にタイマーが動き出す仕組みか」
「4桁の暗証番号が必要みてェだ」
「間違えたらドカーンだろうね」
「千速」
「わかった。…千陽行くぞ」
「え?行くってどこに!?」
「安全な場所へだ。ここは二人に任せよう」
「待ってよ千速!ねぇ、暗証番号…分かるんだよね?」
「当たり前だろ」
「こんなもんどうって事ない」
「二人もあぁ言っている。行こう、千陽」

先程と一変して重い空気に息がつまりそう。でも、そんなことなんかより、二人の顔見たらわかっちゃったんだよ。
………暗証番号の当てなんて、ないって。
そんな顔してる陣平達を見ちゃったら、私だけ逃げるだなんて、できる訳ない。

「お願い。最後まで、一緒にいさせて」
「千陽がいると集中できねぇんだよ」
「確かに。なんか笑っちゃうんだよな〜」
「は?普通に失礼だが?」
「私と二人は不満か?」
「ピャッ」

千速の急なデレの耐性が足りない私は、急に耳元でいい声で囁かれ、再び白目を向いて放心した。耳が幸せ。

「後は任せたぞ」
「おう!」
「姉ちゃんは千陽を頼む」
「任せておけ。ほら行くぞ千陽。足元に気をつけるんたぞ」
「はい♡陣平、研二気をつけてね!」

なんとも松田千陽らしい返事ができたと思う。本当は不安で心配で堪らない。その気持ちを押し殺すように思考を千速へ集中させるしかなかった。

「安心しろ千陽。もしもの時は私がバイクで救い出す」
「…千速なら本当にできそうだから、気持ちが落ち着いてきたよ」

私の女神様ならやってのける気がするから。私は気負い過ぎず、二人を信じて待つ事に集中できそうだ。

「しかし何故ここなんだろうな」
「……何故…」
「千陽はどうしてここにしたんだ?」
「あ〜。なんでか思い浮かんだんだよ」

果たしてなんでだったか。
顎に手を添えて宙を見つめる。形から入るタイプなので、考えるポーズから。
少しずつ記憶を掘り起こしていき、行き着いた先は最近このお店が話題にあがったから、であった。でもどんな話題だったかしら?

隣でうーんうーん唸っている私を、急かすでもなく静かに待ってくれている千速には感謝しかない。制限時間も30分しかなかった。もう20分を切っている頃だろう。焦る気持ちを落ち着かせ、思考を巡らせる。

「あ!」
「思い出したか?」
「職場の同僚に聞いたんだ!」

同僚SNSパトロール隊なんだけど、
なんでも、ここのパンケーキ屋の店主はDV気質のモラ男だったらしい。それが原因で離婚。バツイチになったらしいんだけど、店主自身はお店も繁盛した上に若い彼女までできていた。それをよく思わないのが長い年月夫からの暴力に耐え続けてきた前妻ってわけ。前妻は離婚後、息子との関係の修復もできず全てを失ったのに、なんで何もかも手に入れて幸せそうに笑ってるんだ。許さない。ってなっちゃって、今も恨み妬みを吐き出してるらしいよ。

「最近じゃあ犯罪を仄めかすような事呟いてたりしてるみたい」
「ほぅ。この事件と無関係ではなさそうだな」
「うん。関係あるか分からないけど、最新で聞いた話だと『どうせアナタは息子の誕生日すら覚えていないんでしょうね』って。」
「誕生日?」
「ちょっと待ってね。…ほらこれ」
「………ありがとう千陽、よくやった!
聞こえたか!パスワードは息子の誕生日だ」
「え?え!?」

現状についていけていないのは私だけらしい。同僚の話が役に立ったのは喜ばしい限りではあるが、本当に関係があったとは驚き桃の木である。
暫く千速に撫でられてニマニマしていれば、弟の呆れた声が耳に届く。

「つーかそんな話聞いてよくこんなとこ選べるよな」
「だって一度は食べてみたかったんだもん!パンケーキに罪は無いもん!」
「いい歳こいて『もん』はキツイ」
「いやいや、かわいいだろ?」
「ハギ………」
「そうだ、二人とも怪我は「ないよ。千陽のお陰で無傷だ。助かったよ」
「あ、うん。よかった」

陣平の憎まれ口がまた聞けてよかったけど、研二の私を見つめる目が甘い気がするのは気のせいなのか。千速から一度も感じたことのない熱にドギマギしてしまったが、爆弾は無事解除され一件落着。私たちは揃って無傷で生還を果たしたのだ。

「なぁ、千陽」
「ん?なに、千速」
「うちの研二はいい男だろう」
「?
そうだね?」
「どうだ?」
「なにが?」
「うちの研二の嫁にこないか?」
「………………………はい?」

駆けつけた警察へ報告へ向かった二人を道の隅で呆けっと見つめていた。そっと隣に立った女神様の一言に言葉を失う。

そ、そそそそれはつまり……………別の男を宛てがって諦めさせようとしているってことぉ!?

「よく考えてもみてくれ。千陽が研二と結婚したら私は千陽のお姉ちゃんになるんだぞ?」
「千速がお、お姉ちゃん」
「あぁ」

ぐっ。千速が私のお姉ちゃん。なんと甘美な響きなの。合法的に千速と一緒にいられるってことだよね。

でも一旦冷静になって私。それは研二が私のことを好きでないと話は始まらないよね?
つまり……………

「詰んでんじゃん。なしなし!やっぱり私と結婚しよ!千速!!」
「ははは!断る!」
「なぁんでぇー!」
「お前は研二がもらってくれるんだからいいだろーが」

愚弟よ、お前まで何言ってんだ。その話はさっき完結したばかりだぞ。
ね、研二もそう思うでしょ。なんて私の表情を見ただけで伝えたい気持ちを汲み取る研二に視線を送れば、案の定直ぐに視線はぶつかった。
にこにこと綺麗な笑顔で頷きながら放たれた研二の一言に、先程千速に感じた宇宙よりもさらに大きな宇宙を背負うこととなった。

「そうだな〜陣平ちゃんの言葉を少しばかり借りるとするなら、ウェディングドレスを着た千陽をお姫様抱っこする準備、俺はできてる、かな」
「……………………………………はい?」

.

— End —

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リュウ21 天前
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Sakuria
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