片付けなんてしないもん!
ひな祭りと言えば女の子のお祭りだ。可愛いひな壇を飾り皆でお祝い、そんな楽しいお祭り……しかし、ひな壇には『とあるジンクス』と言うものが存在していたりする。それは……『片付けるのが遅れたら嫁に行き遅れる』と言うものだ。なので世の妙齢独身女性はひな壇をさっさと片付ける……のだと思う、多分。つまり何が言いたいかと言えばだ。
「ねぇ二人とも?そろそろ方付けなきゃ駄目だよ?」
「「絶対嫌!」」
何でだよ。早く方付けなきゃ駄目だろ。何時までも出しっぱなしにしておけないだろうが。
……
私たちが現在住まう住居でも、ひな祭りにはやはりひな壇を飾った。ひな壇なんて高校生の頃やかぐやの義体研究の時は忙しくて飾れなかったし、実家では……いやよそう。実家でのことは思い出したくないしあんまり考えたくない。とにかくそんなわけで、こういう催しはほんとに久しぶりだったりしたものだから、私の方も結構盛り上がったりした。
「ふわぁー。可愛いね彩葉ー」
「うんうん、やっぱひな壇って飾ると華やかさを感じるよねー」
私の気分高揚を察してくれたのか、はたまた自分たちも自分たちで盛り上がったりしたのか、それは定かではないのだが、かぐやもヤチヨも私と同じようにウキウキ気分で飾られたひな壇を眺めていた。どれだけ歳を喰おうとも女の子は女の子だ。可愛く煌びやかなひな壇を見ればこうなるのは仕方が無いのだ、うん。
「とは言え、ちょっと出すのが遅すぎた感あるよね。今日はもう3/4だし……片付けないとねー」
「「えー?なんでー?」」
何でって……かぐやはともかく、ヤチヨは知らんわけないだろう?
「だって、何時までも出しっぱなしだと婚期を逃すって言うし。嫁に行けなくなっちゃったら困るでしょ?」
「「……え?」」
え?とは何だ。何かおかしいこと言ったか私?
「いろ、は?こんきって……婚期?」
「いや、どのこんきを言ってんのか声だけじゃあ分からんし。結婚の方の婚期だよ」
「よめって……お嫁さん?」
「ああ、まぁ、そうだけど……?」
どうにも様子が変だ。なんか二人ともハイライト消えてない?え?こわ。なんだって今の発言でそこまでの反応になっちゃうわけ?
「と言う訳だからさ。二人が気に入ったのに申し訳ないんだけれど、今日中に片付けちゃうね」
「「絶対駄目!」」
と言う訳なのだ。いや何がと言う訳なのか分からんが。
……
「なんでそんなに片付けるのが嫌なのさ?来年になればまた出すし問題ないでしょ?」
「「問題大有りだよ!なんで仕舞わなきゃいけないの!?」」
「えー……」
随分とまぁ頑なに拒むなぁ……そこまでの事か?理由がさっぱり分かんないんだけれど……
「だって、これ仕舞っちゃったら彩葉がお嫁に行っちゃうってことでしょ!?絶対に嫌!」
「彩葉はずっとかぐやとヤチヨと一緒!異論は認めないんだから!」
……は?
「えっと、つまり、その?これを仕舞うと私がどっかに嫁に行くから嫌だと、そう言う訳?」
「それ以外にある!?」
「どこぞの馬の骨に彩葉を嫁にやるなんて……!」
……えぇ……?
「あの、私、かぐやとヤチヨの嫁に行けるつもりだったんだけれど……違った……?」
「「ふぁ?」」
呆けたような二人の声に、ああ、そうかと言う想い。大好きとは言うけれどそれは別にそう言う感情ではなかったと、そういう事なのか……二人からは私はどっか別の所に嫁に行くものだと思われていたと、そう言う訳なのか……いかん、泣きそうだ……
「まぁ、それなら仕方がないよね……なんか仕舞う気無くなっちゃったし……もうしばらく出しておk」
「ヤチヨー。そっちの箱取ってくれるー?かぐやは新聞紙で人形包んでおくからー」
「りょーかいー」
うぉっ!?な、なんで急にやる気満々で仕舞いだしたんだよ!?
「早急に片付けちゃおうねー♡そんで、彩葉はやっぱりかぐやとヤチヨの嫁ー♡」
「いとカワユスー♡三人で十二単とか着ちゃおうかー♡」
「……そ、そうなの?私って二人の嫁で良いの?」
「「もっちろーん♡」」
……ならまぁ良いか。なんか良く分かんないけれど……二人が楽しそうなら良いよね。うん……ふ、二人の嫁認定されているらしいし……ね♡
因みにこの後、ツクヨミ内にて本当に十二単を着る羽目になったり、どっちがお内裏様の位置に立つかでかぐやとヤチヨのガチ決闘が繰り広げられたりしたのだが……まぁ割愛で良いや。
END
熱は暫く冷めなそう。
どうも、レントンです。
もうちょっとかぐやSSを描き続けたい。だって、ハッピーエンドの世界線が楽しすぎるから!
それはそうと、ちょっとアンケも実施。シリアスとほのぼの、どっちが良いのかちょっと調査します。よろしければご協力ください。
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ここまで閲覧ありがとうございました。























