Novel4 months ago · 7.5k chars · 1 pages

逃した魚は大きい、とは思いたくないから人は意地を張るのです

こんぎつねこんぎつね

前回までのブクマ、コメント、スタンプ、ウォッチリスト登録にタグ付けなどの反応、ありがとうございます!超絶嬉しいです!今回も短め。 以下読了後推奨です。 コメントで嬉しい事に要望あったので、書いててちょっと解釈違い起こしたやつ置いていきます。あくまでもあったかもしれない一幕なので、本編の燈矢くんの挙動と食い違う可能性もあります。 ※燈矢くん低SAN値 ・ ・ ・ ・ ・ ・ それは己が何度も夢に見た、罪の形だった。 「……本当に燈矢、なのか」 信じなかったわけではない。ここへ自分を連れてきた男はそのような質の悪い嘘を吐く男ではない。ただ、俄かに信じ難い出来事が、本当に起こっているだなんて心の底からは思えなかっただけ。 「他の誰かに見えんの?なに?老眼?老けたとはいえ酷くねえか?ホラ、ちゃんと見てくれよ、お父さん」 狭い歩幅で歩く少年の姿は、俺がよく知る……昔から唯一知っていたはずだった、過去の記憶そのままに。 まだ、未来への希望に満ち溢れていたあの時の、柔らかな赤い髪。妻によく似た、可愛らしいつくりの顔。 焼け爛れていない、継ぎ接いでもいない。 あの時失ったはずの、愛すべき我が子。 最悪の後悔が蘇ってくるようだった。 走馬灯のように浮かぶ過去。焼け残った小さな骨の欠片と、亡霊のようになって生きていた我が子。 それなのに皮肉げに笑う顔は、自分が目を逸らし続けていたあの後悔の日々の景色とちっとも変わっていない気がして。 「ッ……燈矢っ……!」 「おわっ」 あの頃のように満足に動かせない己の身体が憎い。 両の腕で抱きしめてやればよかった。何度だって必死に、俺に、見てくれと叫んでいたこの子を。 ……それが自分自身の負うべき責だと、死に瀕した我が子を、ただ見ていた。触れることすらできなかった。ほんの少しの時間、ただか細い残り火が絶えるまでの僅かな時間だけ、話をすることしかできなかった。 「すまない……!すまなかった……!!本当に……!!」 抱きしめた小さな体は忘れ去ろうとしていたずっと昔のそのまま、ただ懸命に響く鼓動の一打ちですら愛おしい。 かつて俺が裏切った、振り払ってしまったちいさな手が、そっと俺の体に添えられる。 ああ、本当に……俺と冷の間に一番最初に産まれてきてくれたこの子は、俺に似ないで繊細で可愛い子だった。 こんな小さな体で、俺に憧れてくれた。懸命に足掻いて、泣き喚いて。この子がどんなに言い募っても、俺は見てやれなかった。いや、見てやらなかったんだ。焼け焦げていく心も、執着も、崩れていく幸福も、何もかも。執念で曇った俺の眼には、映らなかった。 燈矢は、その身が燃え尽きるまで、ずっとずっと……こんな小さな体のころから、ずっと……俺を見続けて、見て欲しいと願って、そうして生きてきたのに。 「…………ねえ、聞いてよお父さん。みんなさ、俺が生き返ってからさ、顔を見るなり、今のお父さんみたいにずぅっと俺に謝ってばっかだったんだよ……おかしー、よなぁ。焦凍も、昔よりお父さんにそっくりな顔でさ、申し訳なさそうに、謝って」 ねえ聞いて、と遠い昔、毎日のようにこの子が嬉しそうに駆け寄ってくるのが嬉しかった。その日あった楽しいこと、嫌なこと。個性が出てからは頻繁に見てよこれ!と駆け寄ってきた、こんな無愛想な父親なんぞに懐いてくれた愛する我が子。 どうして目を逸らしていられたんだろう。 家に帰れば胸に飛び込んできた我が子の、子供らしい高い声に元気づけられ励まされたこともあった。若き日の己はこの子が俺の後を継いで、大きく成長していくのだと輝かしい未来を夢見た。自分勝手にも、そう思っていた。 か細く震える声は助けを求める、小さな子供の叫びだったのに。 「……ッ、……!燈矢……!!」 小さな体に目一杯の感情を溜め込んで、よく泣く子だった。よく笑って、怒って、泣いて。激情家で、はっきりとした物言いをする子。泣き笑いのような表情で縋ってきたこの子を見てやれなかった過去の自分が、散々な思いをさせた。 わなわなと震える体を、温もりの欠けた腕で掻き抱く。 「冬美ちゃん、も……泣きながらごめんって言うんだァ。夏くんも、お母さんもなんだよっ、おかしいって。あの後だってずっと俺のせいで、辛い思いしてきたんだろッ?散々酷いことしたし!なんでだよっ謝るのは、本当にあ、やまるべきなのは、俺の……ッおれの、方なの、にぃッ……!!」 「ちが、」 「違わないよッ!!みんながおかしいんだ!!一回死んだからなんだってんだよ!!考えりゃわかる!!家族みんなにひどい傷だってつけた俺がッ、あんだけやった俺がさァ!!その程度でっゆるされる、わけっ……許されていいわけ、ないだろ!!??」 爆発する感情。癇癪を起こしたように泣くこの子は、本当に昔のままだった。叫ぶ声も、泣き顔も。何一つ変わってはいなかった。 後悔に満ちた声で、涙を溢しながら訴えている。 「わかんないんだよっ!!こわい、怖いんだよぉ……ッ!なんでこんな、悪いことばっかやった俺が!!みんなに迷惑かけてっ、人だって何人も殺した!!家族に、ひどいことした!!お父さんにだって!!ヴィランなんだよっ、おれ!!そのくせ、仲間だって自分の目的のために見捨てた!!わるいやつなんだ!!殺されたって当然だろ!!??」 全てを薪にして、憎悪を焚べたこの子は。 最期まで、この捨てきれない後悔を抱え続けていたのか。 燈矢が『荼毘』として罪を重ねた事ですら、元はと言えば……! 「……違う、違うんだ燈矢!!そ、れは、全部俺が、俺のせいで」 「そうだよッ!お前のっ……お父さんのせいだ!!ッでも、俺が……!!俺がやったんだよ!全部ッ!!!お父さんなんて大ッ嫌いだ!!嫌いだよ……!でも、違うんだよッ……!!本当は、……本当は……!!」 燈矢は咳き込むように叫んで、泣いていた。 「今だって、みんな俺が生きてるのが嬉しいって、そう笑ってッ……!?なんで、こんな普通に扱うんだよ!!??おかしいだろ、なんで……!!こわいんだ、散々考えたけど、こんな……夢ならもう、醒めてくれよ……!不安なんだッ!!!こんなはずないんだよっ!!!でもっ怖いんだ!醒めたくない……二度と起きたくない、いやだ、こわいよぉっ、おとうさんっ……!もう、いやだッ……!みんなと話したいこと、いっぱい、いっぱいあったはずなのに、おれ……っ!!」 かたかたと体を震わせながら怖いと泣く息子を、強く、強く抱き締めずにはいられなかった。 そして、かける言葉も見つからなかった。 今己が言葉を尽くし宥めたところで、怯える我が子を安心させることができるとは、到底思えなかったのだ。 口下手な自分が言葉をかけるだけでは、こんなことがあるはずない、と怯えているこの子を、余計に怖がらせてしまうかもしれないと、そう躊躇した。 だから、残った腕で、ただ抱き締めた。 昔よりずっと弱い力だ。怪我をさせることもそうないだろうと、強く、強く。 「ごめんなさい……!!ごめん、みんな……おとうさんっ……!!!ごめんなさい……!!」 かつりと落ちる涙。 何度も懺悔するように後悔に震える冷たい体を、きつく抱きしめた。

……目が覚めたら、大体重要そうなところを全部すっ飛ばしていた件について。

個性診断の後、爆睡してしまった幼女です。どうも。
起きたらもうなんかひと段落してたところで、轟家のうち家庭がある夏雄氏と多分事件が発生したのか、現役プロヒーローの焦凍くんは離脱、ついでにいつのまにかエンデヴァーが合流していた(!!??)。
状況把握に手間取り宇宙猫状態の私を見て、エンデヴァーこと轟炎司氏の後ろから背後霊のようにしがみついた燈矢少年が「あ、ソラちゃん起きた?」と盛大に泣いた後のような(実際泣いてはいたが)充血した目で声をかけてくる。

……は?知らん間に轟燈矢氏に認知されてるんだが????

何事だよマジ。どういうことですか??夢小説の気配絶対見逃したよな私。オイオイオイオイ困りますよそんな勝手なことされちゃ……!!貪欲に供給を待つオタクたちの気持ちをご存知ない!!??

「はじめまして、ソラちゃん。俺、轟燈矢。とうや、って呼んでいーよ。ソラちゃんはよくわかってないかもしれないけど、ソラちゃんに助けてもらったんだよ、俺」

ヴォッ顔が良い!!??

とてとて寄ってきた赤髪燈矢くんの威力が半端ねえ。儚げな顔が蕩けるような笑顔を作る。泣き腫らした跡があるのにもかかわらず美しいと断言できる、その目元を嬉しそうに緩めて、お兄ちゃん感全開の優しい表情が目に突き刺さる。

核弾頭みてえな戦闘力してやがる、なんだこの約束されし勝利の顔面。

だぶだぶの白パーカーがあざとさを5000倍くらいにしてくれているおかげで無事瀕死。美幼女のはずの私すら怯む輝く顔面。
気づいちゃったけど多分氷叢顔に弱いんだ私は。起き抜けにこの顔を摂取するのはやっっっっべえですわ!!??

「んぇ……と、とうや、くん?」

「そう!!燈矢!!俺はソラちゃんのお母さんの友達だったんだぜ!ねえ、ソラちゃんは俺と仲良くしてくれる?」

顔の圧が強い。あまりにも強い。めちゃくちゃにグイグイ来るじゃん。最終決戦後とかのアレ経由したにしちゃ元気百倍で愛と勇気友達にしてきてるレベルでハキハキしてらあ。

なんだこいつ。ほんとうになんだこいつ。推定自らを生き返らせた張本人とはいえ、私の知っている荼毘はこんな……いや待って、目がダメだ。言葉遣いは少年期の彼を装っているがよく見ると瞳孔がガン開き……アッこれは荼毘です間違いない。恐怖のアハ体験やめてください。

これは轟燈矢(荼毘)で間違いございません。
仲良くしてくれる?(圧)だ。ジャパニーズヤンデレのエッセンスをそこはかとなく感じる闇深い笑顔。幼女に向けて良い熱量じゃねえ。

「お、ともだち?」

「そう、お友達!俺、ソラちゃんともお友達になりたいんだ!」

「……、」

ちら、とどうやら眠っていた私を抱えてくれていた(!?)らしいホークスにそっと目をやる。

真顔だった。

なんで????なん、なんで真顔なん??なにが、何がダメ??私か?それとも目の前の美少年か??
目と目が合ってもニコ!!と綺麗な笑顔をお返しされるだけで、無言。

おろ、と盛大に目を泳がせて見つけた母に助けを求める。目線で。
無言で微笑み返された。え??これ……私しか気づいてない感じ??なんか、なんかマズい選択死、じゃねえ選択肢が表示されてる気がするよ??

何を考えているかわからないけれど、この目をするヤツとお友達になって安心できる要素を感じないんだが。

何があったのマジで。エンデヴァーとの間に何があったの??そもそもいつ呼んでたの??私のことどういう風に認識されてるの??そして私は何故ホークスに抱かれて(語弊)いたの???

……ええ、っと………………?

「とーやくんと……おともだち、なる」

「やった!ね、母さん。ソラちゃん俺と仲良くしてくれるって!」

……私は圧に耐えかね、こくりと頷いた。

握られた手から、少し低めの体温が伝わってくる。
いや、これ断ったらダメなイベントだろ。まずくても本当にやばかったらカバー入るはずだって絶対。こんな厄ネタ野放しにしてくれるはずないもんな、ホークス!?

ニコニコ笑顔の母、何考えてんのかわからんけどキレイな笑顔のホークス、微笑ましげに見てくる轟家の面々。
その中でエンデヴァーだけが唯一、どうしていいかわからない、私と同じような雰囲気で……ウッ痩せてる……!欠けてる……!歩いてる……!!アカン直視すると傷跡が涙腺に来る……!!ぐわぁっ、目から汗が!!

「あ」

「……え?」

エンデヴァーを見て涙を溢した私を、猫のようなまん丸い瞳で見つめた燈矢くんが、くるりとエンデヴァーの方を振り向いた。
そしてくしゃりと悲しそうに顔を歪め、一言。

「……お父さん……なんで泣かせたの?」

「……!?俺か……!!??」

……エエーッ!!??

ちが、ちがう!!??子供を泣かせた認定は早すぎるって!!??ちがうっ!!睨まれてない!!別に睨まれたりしてないよ私!!そもそも顔が怖いとかそういうアレで泣くようなかわいい中身してないよォ!!??

完全に今、エンデヴァーと心境を共有していると思う。
ドウシテ……!!ドウ……シテ……!!
無実の罪で糾弾はちょっと!!すでに心体共にボロボロのエンデヴァーに追撃とか流石にいただけませんよ!!??

「ちがう、ちがうの……なかしゃれて、ぶぇ、なかしゃりぇてないぃ……!」

驚きで涙が止まらなくなったせいでべっしょべしょの顔面を慌てた母がわっしわし拭いてくれてる。いてえ。いてえです母上。顔面がっ、顔面が!!!

ある程度デロデロの液体共をタオルで拭ってもらった私は、短い足で頑張ってエンデヴァーの元まで歩く。生きてる。動けてる。勿論私の推しの一人でもある元ナンバーワン、エンデヴァーが、今目の前に……!!

「うぶ、おじしゃ、けが……けがぁ、いたくない?」

「あ……ああ、今は、そうだな。痛みはない。大丈夫だ」

エンデヴァーらしくない、と軽率に言ってしまって良いのかわからないが、動揺の混じる柔らかい声での返答に、余計に涙腺がまずいことになる私の頭を、ホークスがポンと撫でる。そこはエンデヴァーが撫でてくれるんじゃないのか。なんだコラ、アタイは小さくっても女子だぞ。そうやって気安く触れやがって、イケメンじゃなかったら許され……イケメンだからこそ許されないよな??幼女にそういうこと気軽にすると良くないってしらないのか????知っててやってんなら重罪人だぞ??

「エン、じさんのケガを心配してくれたんですねぇソラちゃん。俺もてっきり、びっくりして泣いちゃったのかと」

エンデヴァーさん、と呼びかけて軌道修正をしたらしいホークスを見上げる。
生き残ったメンバー、やっぱ傷が残ってる確率高い、よなあ。あーダメです無理すぎ。情緒が……っ!!情緒が……!!

「……ぁ、ホークスちゃん……も、けが、してっりゅぅう……!!」

ダメだ涙腺がもうぶっ壊れて止まらねえ。そうだよ、感慨深えあまりにも。羽も無え、ただのスーツに身を包めちゃう身体になりやがってお前ッ……!!かっこいいけど……!!こんなんファンからしたらもう……もう……!!社畜と化したホークスの古傷にすらもう涙がよぉ……!!

「え゛、今ァ!!??今気付いた感じですか!?」

「ンなイカつい傷を小さい子に平気で見せんなよ配慮が足りねえなァ元ヒーローのくせに!!」

音速でホークスにディスりを飛ばす燈矢くん、ソウルがクソガキすぎる。さっきまでの悲しげな表情どこやったんだよ。
噛み付くスピードが尋常じゃねえ。まるでSNSであらゆるものに噛み付きたがる狂犬型モンスターのようだ。
別にエンデヴァーに向かって言った訳じゃないみたいだけど、一該当者として普通に傷付いた顔してますよ、あなたのお父さん。

「ホークスちゃ、いたくっ、ない?」

全然泣き止めそうになかったのだが、上を見上げすぎてひっくり返りそうな私と目を合わせるためにしゃがむホークスの顔面が一気に近づいて、それを見たらびっくりして涙が止まった。へえ、知らなかった。イケメンって涙腺に効くんだ。

「痛くないです☆全然大丈夫です俺男の子なんで。ほーらこうやって笑顔だって作れちゃいますよォー!」

ウワッ顔が良い。ただひたすらに顔が良い。見るプロテインかな?健康になった気がするわ幼女の生気に満ち溢れたちんちくりんボディが。
ふぁあまつ毛なっが。目の色澄みすぎて住んだ魚も美に溺れて死ぬわ。魔性の宝石か??元ヒーローの鷹の目美〜!!

後ろから燈矢くんの「ウワキッツ……」という割とガチトーンの呟きが聞こえる。そんなにホークスのこと嫌いか??……嫌いか(深刻な面持ち)。

「……本当に大丈夫です、俺たちは平気なんでほら、笑って…………アッ」

「……んぐ、わらう……んっ!!」

……顔を拭って、スピスピ鼻を鳴らし渾身の笑顔を繰り出す。

「……真顔、だな」

しかし こうかが なかった!

全力で笑顔を作ったつもりだったが、泣く時も笑う時も関係なくチベスナ顔なんだ私は。表情筋が一切の仕事を放棄していた。

「……ウン、良い笑顔ですね!大丈夫、俺たち元気だしほら、楽しくやってるんで!ソラちゃんは心配しないでもいいんですよ〜」

オールウェイズチベスナだと自覚のある私には、これがものっすげえお世辞だとわかるが、まあここは誤魔化されておこう。

「真っ赤な嘘じゃ、むぐっ」

あちらの母親に回収された燈矢くんの言葉は聞かなかったことにする。

仕切り直し、と手を叩いたホークスは、文句を言おうとする燈矢くんを再度彼の母親に回収させて、部下から書類を受け取り、母や居残り中の轟さん家の面子に数枚ずつ手渡して、ぴらぴらと手元の一枚を見せながら話す。

「ソラちゃんも自分で歩けるようになったので、今のうちに終わらせましょう。これで今日は、一旦解散ということになります。少し予定が変わったので、燈矢くんと……いや、轟家の皆さんは一部別行動になりますが、ソラちゃんの方はお母さんと一緒に家に帰って頂いても大丈夫です」

えっそうなの??
こんな厄ネタ野放しにしていいの?いや受け入れ態勢とか色々あるんだろうけど、本当にいいの?もしやこういう事例って割とある感じ??だとしたら当事者じゃなくて傍観者の立場を希望したいんですけど私。某部屋とかTS化個性とか幼児化個性とかってこの世界に実際あるんですか????あるならその個性持ちの横にびったり張り付くストーカーになります。

「ソラちゃんの個性……便宜上【再誕】と名付けられた個性の件ですが、これから先、もし発動が確認された場合、すぐにでもその対象を含め、ここに『来ていただく手筈になって』います」

なので、安心してどーぞ、と笑って締めたホークス。
そっかあ。それじゃ安心……安心かなぁ??それって監視が……いや……そうとは限らん。邪推は良くないよね。公安もそこまで暇じゃないでしょ!ね!!ハム太郎!!
へけっ!!!そうなのだ!!そうに決まってるのだ!!ハムはそんなに暇じゃねえのだ!!自意識過剰も大概にするのだ!!
うん。私の心の中の闇ハムはそう返答したのでヨシ。

「両家、何度かお呼び立てするかもしれませんが、その際の交通費とか諸々は全部こっちに請求していただければオールオッケーなんで。これもできる限り回数は減らすつもりですが……」

「……はい」

「ええ……わかっています」

何か含みのあるアイコンタクトやめて??何があったの私がすやすや眠ってるうちに。どういうことなんですか?

「ハーイ、それじゃあ、近くまでは送らせます。俺はまだ仕事があるんでこれで。お気をつけて」

その日だけで何度も見た、キレイな笑顔のホークスに見送られ。
何度か見かけた公安の人からお土産にジュースを貰い、個性で読み聞かせをしてくれたあのお姉さんに送られて、本当に何もわからないまま帰ってきてしまった。

つまり……どういうことなんだってばよ???モッヤモヤする。
布団の中で眠気を感じながらもモヤモヤに頭を占領されてしまった。普通なんかもっと……あるじゃん!!

ものすごく納得いかない。起きたと思ったらエンデヴァーいたし、私は燈矢くんと急激に友人になってしまったようだし、ホークスはなんかどっかのタイミングで面倒なネタを拾ってる気がする。ホークスに関してはカンだけど。なんか……怒涛の勢いだったのはそうだが、そうではなく……私にあるのは紙面で知っているだけの情報ではあるが、何か違和感があった。
眠っている間に、何があったと言うのだろう。

この不満の原因でもある眠気が、再び思考を端から閉ざしていくのを感じる。

『マイエンジェルソラちゃん、大丈夫。何事も焦らずゆっくり考えよう。俺も一緒に手伝うから』

ふわりと揺れる、前世の自分の真っ黒剛毛ストレートとは違う、青白く柔らかい髪に触れて、同じ髪色を持つ父の言葉を思い出す。改めて考えるとほんと幼児に言うべき言葉じゃねえよダディ。
ちなみにこのセリフは私が菓子を買って貰う時に死ぬほど悩んでいたのを見かねての発言である。このセリフが出てくるにはちょっとシチュエーションがおかしい。

色々と懸念点はあったが、日常に戻れるなら、それに越したことはない。轟家のhappyライフを祈るだけの話……と、私はそう自分に言い聞かせるしかなかった。
個性さえうっかり使わなければ、将来的には周りからは内容のよくわからん個性持ちとしてなんだこいつ的視線を受けるとは思うが、まあ穏当に暮らせるだろう。

大丈夫。何も問題はない。下手に使わなきゃいいだけだ。

……とか、適当抜かしてたのがダメだったらしい。事件は私たちがお家に帰って、なんと、それから半月も経たないうちに起こったのである。

to be continued……?

今回もアンケートございます。前回が想定より偏ったので、色々進路が決まりました!予想より早くフラグが重なりそう。皆様投票ありがとうございます!!ハッピーにするのは決定なので今回はわかりやすくいきます!誤差ですが後ほどほんの少しの影響があります。

所詮は誤差ですが個人的には多分下に行くほど、影が濃くなると言いますか、重くなる選択肢です。

ソラちゃん

実は寝ている間に燈矢くんにほっぺをもちもちされている。

ソラちゃんパパ

独特な雰囲気をしている。

ホークスちゃん

ソラちゃんが寝ている間も頑張っていた。

轟焦凍

ソラちゃんが寝ている間に事件が発生して爆速出動してた。

轟夏雄

エンデヴァーが来る前に帰宅した。

轟冷

ソラちゃんが寝ている間に息子の幼馴染ちゃんと仲良く話していた。

エンデヴァーさん

ソラちゃんが寝ている間に色々あった。

轟燈矢

ソラちゃんと仲良くなりたい。

ずーっと何かを考えてた。

蛇足

これが本当に夢じゃないのかもしれない、と思うと、途端に足が竦んだ。夢でないことが、怖い。夢であって欲しい気持ちと、本当であってくれたらと願う気持ち。

なんて勝手な思いだろう。
なんて惨めな願いだろう。
いっそ扉よ、永遠に開かないでくれとすら願った。
人生を賭して焼き尽くすと誓ったかつての憧れ。誰よりも憎い、愛すべき俺の、たったひとりの父親。

開いた扉の先にいる、傷だらけの大男を見て、一番初めに抱いた感情は、

続きはWebで――――☆

更なる蛇足

あてんしょん

会話文のみ。

ソラちゃんママと燈矢くんの話。ソラちゃんママの名前は付けてありますが一応今回は伏せてあります。

「燈矢くん、小さくなったね」

「……ほんと、こんなに小さくなっちまった」

「懐かしいなあ。落ち着いてるからかなあ。あの時の燈矢くんより、可愛く見えるよ」

「◯◯ちゃんに言われたくねー……何そのキャラ。カッコいいって言ってくれよ、折角ならさァ……」

「ごめんね、旦那さん一筋なの、私」

「そう。大事にしてもらってる?」

「うん。幸せになったんだよ。燈矢くんも、いつかそうなって欲しい」

「……ははっ、無茶言うよなァ昔っから」

「無茶じゃないし、燈矢くんが言うかあ、それ」

「何?俺、友達には優しかったでしょ」

「……まあ、うん?」

「……え?そんなひどかった?」

「割と……いやだいぶ」

「……そっか。昔の俺がごめん」

「いや、いいよ。少なくとも、私は燈矢くんと遊ぶの楽しかったし」

「……俺も、あの時は楽しかったよ」

「そう思ってくれてたなら良かった。ずっと、気がかりだったから」

「……◯◯ちゃん、大きくなったね」

「……そうだよ。燈矢くんも、これから大きくなるの。そう……これから」

「…………そう、なのかなあ」

「後悔、してるんでしょ?」

「……ウン」

「じゃあきっと大丈夫。これから頑張ってね、燈矢くん」

「……頑張るよ」

「うん。キミならできる」

「……ねえ、俺、ソラちゃんと仲良くしてもいいかな?」

「えー……いいよ。でも、ソラちゃんママは許せても、パパの方は怒るかもしれないなあ」

「はは、怒られたらその時に考える」

「そういうふてぶてしいとこ、変わってないのね」

「今の俺はカワイイ燈矢くんだからね」

「……ふふ。それでも許してもらえるかな」

「んー、最悪こっちのパパに泣きつくよ」

「お坊ちゃん、それどうかと思います」

「俺も流石にどうかと思った」

「っふ、ふふふ、イヤなやつ」

「お坊ちゃんだから」

「アハハ!!……でも、轟のお嫁にはやらないよ」

「出来ねェよ」

「なんで?うちの子あんなにかわいいのに?年上趣味だから?」

「違う。別に話広げなくていいってそこ」

— End —

Comments 41

花ちゃん23 天前

いや本当に作者様は大天才ですね! こんな素敵な物語を描けるなんて… 本当にありがとうございます。

つづら2 个月前
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龍龍3 个月前
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暗号屋猫3 个月前
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碧空3 个月前
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碧空3 个月前
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ワトソン4 个月前
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Sakuria
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