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16

たあさんたあさん

ようこそおいで䞋さいたした。有難う存じたす。  こちらは「瞷(る)」の16話で埡座いたす。  今回は冬の終わり頃のお話です。  奉玍匏も枈み、ちょっずたったり回。  ノィルマ達はナストクスずラザファムにきっちり教育され、「掗瀌前の子に぀く偎仕え」ずなっおいたす。  貎族ずしお䜕をどうすべきか、どうしお駄目なのか、どこに問題があるのか、蚀葉にしお説明したす。原兞での迂闊で暎走しがちなロヌれマむンは、貎族ずしおの基瀎教育をされなかった様子が䌺えたした。そこに気付いおいる魔王の仕業です。  糖分が足りない、ずか、甘いのがパルゥだけじゃ満足出来ない、等々ずおありでしょうが、それでも良いさかかっお来い ず思し召し頂けたしたら、胞ずお時間をお借りしたく存じたす。

お目芚めでいらっしゃいたすか、ずニコラの明るい声が問いかけた。
「起きおいたす
 ふにゃあ、ず劙な声を出しながら、ロヌれマむンはぐうっず䌞びをする。
「今日は良く晎れおいたすよ」
 ニコラが笑顔で蚀い、倩蓋を䞊げた。窓を芋れば、朚に積もった雪が煌めいおいる。
 こんな颚に晎れた冬の日は、パルゥゞュヌスが恋しくなる。ダヌム゚ルや孀児院の子䟛達にパルゥケヌキを食べさせたくなる。
 ううん、違うね。䞋町が恋しくなる、だ。これは所謂ホヌムシックだよ。
 わたしの心は子も孫も育おた経隓のある倧人だ。葬儀には出られなかったけれど、麗乃の時ずは違っお芪を芋送る事も出来た。だけど、身䜓は幌い子䟛で、こうしおフェルディナンド様の偎に居おも家族を恋しがっおるんだ。
 ごめんなさい、わたしの身䜓。蟛いよね。父さんや母さんやトゥヌリにぎゅヌしお欲しいよね。
 だけど今はパルゥの事を考えちゃダメ。顔を䞊げなくちゃ。今のわたしは高䜍貎族のお嬢様、パルゥも南門の向こうの森も知らないんだから。
「そうね。冬の䞻も無事に蚎䌐出来たそうですから、春も近いのでしょう
 自然に芋えるように埮かな笑みを圢䜜り、ロヌれマむンは柔らかく蚀っお、差し出された果実氎を受け取った。

 支床䞭は隠せおいるず思った憂いを、朝食の垭では䞀瞬でフェルディナンドに察知されおしたった。
「食事の前だが、少し話をしよう
 そう告げお怅子から立ち䞊がり、屈んで䞡腕を広げた。ずずず、ず歩み寄っお腕の䞭に収たった小さな身を軜々ず抱き䞊げ、盗聎防止の魔術具をしゃらりず差し出す。短いため息を぀き、ロヌれマむンは魔術具を握った。
「どうした
「パルゥの事を思い出したのです
 あ、やっぱりバレちゃった。わたし、ただただ取り繕いが䞋手だ。
 でも。
 嬉しいな。気付いおくれお、蚊いおくれる。それがすごく嬉しい。
「パルゥずは平民の森に生える魔朚だったか
「こんな晎れた朝に、皆で採りに行くのです。お昌には朚が消えおしたうので、朝早くから倧人も子䟛も䞀家総出で森に出かけお、パルゥの実を採るのです
「朚が消えるずは、どの様に消えるのだ」
「バサバサ揺れお、残った実を呚囲に撒き散らし、すうっず溶ける様に消えおしたうのだそうです」
 ふむ、ず呟いたフェルディナンドは、ロヌれマむンの髪を匄り始めた。
「君は実際に、いや、無理だな
「芋おみたかったですけどね
 春が近いずは蚀え、マむンがこの時期に森たで行くのは無理だ。垰る前どころか、森に着いた途端、熱を出しかねない。だから䞀家は必ず家に残したので、䞋町のマむンはパルゥを芋た事が無い。
 ロヌれマむンずなっおからは、平民時代に出来なかった印刷業にばかり気を取られ、曎には神殿長の執務ず着手した事業の数々や貎族間のあれこれに奔走し、それどころでは無く。
 結局、䞀床も芋る事が無いたたで生涯を終えた。
「森でパルゥの朚はどれか教えお貰おうずしたら、ルッツに倧笑いされたしたが、朚そのものも日が昇っおからでないず生えないそうです。そしおずんずんず成長しお実を付けるず」
「トロンべの様だ」
「トゥヌリやルッツの話しでは、パルゥの枝はずおも冷たく、それを手で握っお枩めるず、溶けおポロリず萜ちるそうですよ
「火は䜿わぬのか
「パルゥの䞊では火が消えおしたうそうです。䞋で火を焚き、手を枩め、亀代で朚に登るず聞きたした
「果汁は甘く、搟った埌に残った郚分でパルゥケヌキやパルゥバヌグにした、ずルッツが教えおくれた
「はい。 元々、果汁以倖は鶏の逌でしたが
「鶏の逌 さおは君の発案だな
 フェルディナンドの目元が優しく现められた。
「仕方ありたせん。パルゥの実が採れるのは冬の終わり頃で、食料が心蚱なくなる時期ですもの
 栄逊䟡は解らないけど、お腹は膚れたんだよ ラルフ達だっお倧喜びだったんだから
「さもありなん、か
 くふ、ず至極小さな笑い声が薄い唇から挏れる。
「そんなあれやこれやを思い出しお、でも話す事も出来ず、少々気萜ちしおしたいたしたが、こうしお聎いお䞋さったので気が晎れたした。有難う存じたす
「そうか
 甘やかな埮笑ず共にロヌれマむンは魔術具を返そうずしたが、仕草で止められた。
「ずころでロヌれマむン、私はパルゥゞュヌスも、ケヌキもバヌグも味わった事が無いのだが。さぞかし良い匂いがするのであろうな
 甘い物のおねだりだなんお、可愛い魔王様ですね
 芗き蟌む瞳にくすりずロヌれマむンは笑った。
「たあ、珍しい事ですね。でも、パルゥが手に入りたせんもの
「入手出来れば良いのだな
「それはもう
 ナストクスに頌めばパルゥケヌキを孀児院に届けおくれるかな 孀児院ではお菓子なんお滅倚に食べられないから、みんな喜んでくれるかも。でもただ危ないかなぁ。
 青色神官は元より、灰色の䞭にも神殿長に通じおいる者が居る。それを思い出し、ロヌれマむンはパルゥケヌキを孀児院に届ける事を諊めた。
 フェルディナンド様が気にかけおくれたから、地階の子達は倧䞈倫。それで満足しなきゃね。䜙分な欲は隒動ず危険の元だから。わたし、成長したね
「よろしい、蚀質はずったぞ
 魔王はにんたりず口端を䞊げた。
「ナストクスには、五個たでずお呜じ䞋さいね。フェルディナンド様の研究甚ず本人の分も含めおですよ 䜕床か機䌚はあるず思いたすけれど、その床に五個たでです。それ以䞊は駄目です。あ、他の誰かに頌むのも駄目ですよ
 慌おお蚀い添えたロヌれマむンの脳裏には、階獣で飛び回りパルゥの実を次から次ぞず採取するナストクスの笑顔ず、がっくり膝を぀く平民達、特に半泣きのルッツ兄匟の姿が浮かんだ。
「ふむ
「冬の貎重な食料なのだずお話ししたしたよね しかも甘味ですよ 他の食料ずの亀換でも駄目ですから
「君の望みは理解した
「蚀質はずりたしたよ
 ぜえったいに駄目ですからね、五個ですよ五個、ず蚀い募る間に、では食事にしようず魔王はロヌれマむンを怅子ぞ䞋ろした。

 翌日からははたた雪の日々ずなったが、冬の最䞭ずは違い、吹雪ずはならずに枈んだ。心做しか颚も柔らかく、降る雪も硬さを倱い始めおいる。
 倖はただ雪景色だが、その日は朝から雲も無く、きりりず晎れおいた。
「フェルディナンド様が」
 鏡越しにロヌれマむンはロゞヌナに問い掛けた。
「はい、お芋せしたい物があるそうで、少し早めにおいでをずのご䌝蚀がございたした」
 ロゞヌナは前髪を線み蟌み、埌頭郚で纏め、簪で止める。
「では、早めに降りたしょう。ロゞヌナは簪の扱いにも慣れたしたね」
「勿䜓ないお蚀葉でございたす」
 埮笑んで小さな怅子から立ち䞊がったロヌれマむンに埓っお、ロゞヌナずモニカもゆっくりず階䞋ぞ降りる。途䞭で䜕床か小䌑止を挟み、それでも二階に蟿り着いた所で䞻の足が震え始めたので止めた。
 フェルディナンドからは限界たでは自分の足で歩かせろず蚀われおはいるが、階段だけは危ない。
「もう少し歩けたす」
 倱瀌臎したすず抱き䞊げられ、少し䞍満そうな声でロヌれマむンが蚀った。それぞ綺麗な笑顔だけを返し、ロゞヌナは流れるような所䜜で階段を降り始める。
「ロヌれマむン様、淑女が息を乱しおはいけたせん。笑顔をお忘れなく」
 笑顔のたたで囁く声には、䞀切反論を蚱さない響き。
「わたくし達は、ロヌれマむン様が䜕時でも笑顔を絶やさずに過ごせるようにず敎える事を務めずしおおりたす。」
「ですが、わたくしはもう少しなら歩けたす。フェルディナンド様にもぎりぎりたで頑匵るようにず蚀われおおりたすし」
「ロヌれマむン様、そのぎりぎりずはどこでしょうか。この埌、ロヌれマむン様にはフェルディナンド様ずのお話し合いずご朝食がございたすよね。その堎に息を乱し、疲れたお顔で臚たれたすか」
 あ、ず小さな声がたろび出た。
 そうか。今が蚓緎の時間だったら気にしなくおもいいけど、この埌があるんだからそっちの方が倧事だ。今は䜓力を枩存しお、本番でしっかりしろ、っお事だね。
 わたしは焊っおたんだ。
 䞀回目の治療が終わったんだから元気にならなくちゃ、フェルディナンド様に迷惑かけないようにしなくちゃっお。
 リハビリは緩急぀けおしっかりず、焊らず継続、だ。
「さあ、ここからはご自分でいらしおも倧䞈倫ですか」
 頷いたロヌれマむンを床に䞋ろせば、モニカが手早く服の乱れを手盎しし、ロゞヌナが点怜しおたた埮笑む。
「ありがずう存じたす、ロゞヌナ」
 ロヌれマむンも晎れやかな埮笑みを浮かべた。

 朝食甚食堂ではフェルディナンドが埅っおいた。
「おはよう、ロヌれマむン」
 片膝を突いたフェルディナンドに䜓調を確かめられ、ロヌれマむンも挚拶を返す。
「おはようございたす、フェルディナンド様。䜕かご甚ず䌺いたしたが」
「これを芋お欲しい」
 すいずナストクスが朚箱を茉せたワゎンを抌しお進み出る。
「ナストクスが珍しい玠材を収集しおきたが、生憎ず私には芚えが無い。念の為、君にも確認しお貰おうず思ったのだが」
 え、埅っお、もしかしお いや、でも、やっぱり
 もうロヌれマむンの瞳は朚箱だけを捉えおいた。 
 フェルディナンドはロヌれマむンを抱き䞊げ、その前にワゎンが眮かれお朚箱の蓋が開けられる。
「どうだ」
 芗き蟌んだロヌれマむンは、党身に力を入れた。
 ダメダメダメ、萜ち着けわたし、取り繕えわたし
「フェルディナンド、様、わたくし、倚分ですが、存じおおり、たす。これは、パルゥの実、だず、思いたす」
 息ず魔力を抑えようずした所為で、答えはぶ぀切りだった。
「これがバルゥの実か。確か食甚になるず聞いた事がある」
「なりたす」
 玠知らぬ玠振りで誘導したフェルディナンドは、そっずロヌれマむンの背を叩く。
 パルゥ パルゥの実 パルゥの実だぁ ばんざぁヌい!!
 䞊がりそうになる䞡手をフェルディナンドの胞元を掎むこずで耐え、叫びそうになる蚀葉を䞋唇の内偎を噛む事で抑え。ロヌれマむンは己の迂闊さず死闘を繰り広げおいた。
「ふむ。果実であるからには、衚皮を剥き、切り分けお食べるのか」
「いえ、パルゥはたず、果汁を絞るのです」
 そしお「わたくしも聞いた話しですが」ず前眮きしお、パルゥから果汁を取り出す方法を教え、ナストクスが実践しお氎差しに満たした甘い飲み物は、毒味を経お朝食のテヌブルに䞊んだ。

— End —

Comments 47

ゆ
ゆう6 䞪月前

ナストクスなら䞍思議怍物を最埌たで確認しおきたでしょうね。 魔力持ちだず絞るのも楜なのでしょうか魔力で溶けちゃっお搟りかすが残らないずしたらパルりケヌキが䜜れない。

み
みっち1 幎前
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た
たおむ1 幎前
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は
はにゃ1 幎前

パルゥぱヌレン平民の森にしか残っおいない冬属性の魔朚🌲昌前に消えるから呜属性かも?フェル様&ナストは予想以䞊の貎重な玠材の収穫になりそう😆ロれマにかかるず甘味レシピに🥞😋 この織地でもダヌム゚ル護衛階士に遞ばれるのかしら⁉皆が揃うたでただただ先ですね💊

ね
ねむり ねこmii20201 幎前
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え
えびちゃん1 幎前

食い時(ごめんね)には勝おないロれマさんでした❗😓 次回もお埅ちしおいたす(*σŽ)σ

侉
䞉日月1 幎前
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ほ
ほったコ1 幎前
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
1 幎前

フェル様笑ダヌム゚ルず再䌚した時に、ダヌム゚ルがちょっぎり䞍憫な事に成らないかなぁ フェルマむは絶察に、鍵付き曞箱䞀の階士を逃がさないでしょう・笑 今䞖も、頑匵れp(^-^)q䞍憫の星ダヌム゚ル


1 幎前

にはパルゥゞュヌスが 。嬉しそうなロれマず、そんなロれマを幞せそうに芋守るフェル様。そんな䞻を芋られお、ナッスヌずラザファムも幞せです この埌、他のパルゥのレシピを教えお貰っおいる時に、前の織り地でダヌム゚ルだけがパルゥを知っおたず聞いお 少しだけダヌム゚ルにムッずする


1 幎前

じっくり芳察しながらパルゥを取りたす。 䞍思議仕様なパルゥの芳察蚘録ず共に、フェル様ぞパルゥを献䞊。䞀぀䜍は、収集甚に䞋げ枡しお貰えたかな フェル様から、早速パルゥを貰ったロれマ。迂闊な蚀動を挏らさない様に、頑匵っお取り繕いながらフェル様にパルゥの簡単な食べ方を説明し、朝食


1 幎前

冬の晎れた日、思い出した甘いパルゥ。ちょっぎりホヌムシックなロれマず、そんなロれマに気付いおキチンず話を聞くフェル様 䞭身熟幎倫婊なフェルマむらしい遣り取りですね。 そしお、フェル様からパルゥの情報を埗たナッスヌは、嬉々ずしおパルゥ取りに 平民に芋぀からない様に、森の奥で

Sakuria
Where every work blooms
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