ローゼマインが、この様子ならばと一日中起きていることを認められたのは、邸へ移って一巡りと少し経ってからだった。
「フェルディナンド様、まずは図書室に行きましょう!」
「まずは診察をせねばなるまい。」
喜色満面のローゼマインにそう言って、フェルディナンドはちらとユストクスを見た。頷いた側仕えが薄い木箱を卓上に置く。蓋を開けると、中身は無地で薄手の白いワンピースだった。文句を言いかけたらしいローゼマインが、ぴたりと口を閉ざす。
「ヴィルマ、そこの衝立の陰でローゼマインの着替えを。くつ下も脱がせる様に。」
その言葉を聞いたヴィルマの顔が強ばった。
「くつ下も、ですか?」
ヴィルマの口元が引き攣れる。
「そうだ。早くしなさい。」
フェルディナンドの眉間が寄り、薄金の瞳は軽い苛立ちの光を帯びた。それでもヴィルマは動かず、主の小さな体を抱き寄せたが、その手をローゼマインが宥めるように軽く叩く。
「大丈夫ですよ、ヴィルマ。フェルディナンド様はわたくしの魔力に異常がないか確かめる必要があるので、袖も襟も無く、背中の空いたこの服を着るようにと仰っているだけです。くつ下を脱ぐのも同じ理由ですよ。」
目の前の箱に納められた服の意匠を聞き、ヴィルマは青ざめる。
「そんな。」
ヴィルマの後ろに控えるロジーナも驚愕の呟きを漏らした。
「ヴィルマ、ロジーナ、これは魔力に関する事です。分かりますね? そして、わたくしを診察出来るのは、フェルディナンド様の他には居ないのです。さ、わたくしの着替えをお願いします。」
ああ、とフェルディナンドは理解した。洗礼式前の子供とは云えど、異性に顔と手以外の素肌を曝す事は有り得ない。特に女性の場合、瑕疵ととられ、外部に漏れた時には一生蔑まれる可能性すらある。だが、ヴィルマの思いはそこでは無いと。
珍しく口答えをした理由は、ローゼマインが無体を働かれるのではとの心配であったか。
そう気付きつつも、表情には現さず、ちろと半眼でヴィルマを見遣る。ヴィルマはその視線を捉えて見返した。
「では、ではせめて、フェルディナンド様以外の殿方には退出をお命じ下さいませ。」
「無論だ。」
「ヴィルマ達は残してもよろしいでしょう?」
素っ気なく答えたフェルディナンドに、ローゼマインは圧のある笑顔を向ける。ため息と共に頷き、この場の出来事は口外法度だと言い渡して、邸の主は準備を急がせた。
お支度が整いましたと言いながら、ヴィルマは衝立の向こうから上半身を覗かせ、室内の様子を見回した。床には複雑な模様が刺された敷物が広がっており、要求通りに男性はフェルディナンドのみ。未だ硬い表情のままで頷いて出て来たヴィルマの姿に、フェルディナンドは驚きと安堵とを得た。
己より主人の安全を優先したか。この者を選んだ事に間違いは無かった。
ヴィルマはローゼマインの後ろにぴたりと張り付き、自らのスカートでローゼマインを包みこんでいた。側仕えの、それも平民の服である。面積はさほど広くない。踝まで届く丈とは云え、裾は持ち上がり、くつ下どころか下着の端まで覗いている。過去に青色神官に騙され、その初花を散らされる寸前で助けられたが故に、異性を怖れる女性が。
「ローゼマインはこちらへ。靴を脱ぎ、中央に立ちなさい。」
殊更平坦な声で告げ、フェルディナンドは敷物の側に膝を突いた。
診察の結果、やはりローゼマインには大小多数の魔力の塊があり、ユレーヴェでの治療が必要だと判った。
ユレーヴェは個人々々で調合しなければならない。それは使用する者の魔力そのものに合わせる必要があるからであり、まだ調合の出来ない子供の場合は、魔力の質が近い母親の物を使う。
しかしローゼマインに貴族の母親は居ない。居るのは平民の母親で、魔力はほぼ無く、調合する事も出来ない。だから前の生では苦労して素材を集め、なけなしの体力を振り絞り、自分で調合する必要があると思われた。
だが今は、もしも、とフェルディナンドは考えていた。
春から与えて来た回復薬は私が調合し、更には私の魔力を液状化させた物も微量だが素材として投入してある。日々の診察も、態と回数を増やしている。もしも、ローゼマインの魔力が染まっていれば。
衝立の向こうで着替えを終えたローゼマインは長椅子に着いた。
「これを飲んでみなさい。」
盗聴防止の魔術具が青い光の帷を立ち上げる中、取り出した小瓶からとろりとした薬液を一滴スプーン落とし、差し出しながらフェルディナンドは言った。
「これはあれですね。解りました。」
ひょいとスプーンを咥えたローゼマインが、あまぁい、ほっぺた落ちそう、と笑顔で答え、両頬を掌で押さえる。
「甘いか?」
「相変わらず甘いですぅ。」
柔らかく弧を描く唇が、歓びに染まった頬が、遠い未来であり遥かな過去の情景に重なる。
南の領地に拡がる明るい青い海と空、冬でも何処か優しい風、それら全てを締め出した薄明かりの天蓋の内の。
「しゃんとしなさい。」
その一言は誰に向けたものか、フェルディナンド自身にも定かでは無い。
「無理ですって。甘くて美味しいんだもん。」
幼子のふっくらした頬を包む小さな手は成長を遂げ、ほっそりと白く、水色の髪を絡め取り。
「言葉使いも姿勢もきちんとしなければ、図書室に鍵をかけるぞ。」
顰めた眉の裏で、溜息に扮した深呼吸で己を律する他、出来る事は無かった。
「もう少しお待ち下さいませ。余韻に浸ったらちゃんとしますから。」
んんん~、やっぱりフェルディナンド様は甘くて美味しい~、と、他人に聞かれでもしたら騒動となりそうな言葉を発し、ルトレーベを食べるシュミルのように目を細める。フェルディナンドは額に手を当て、僅かに俯いた。
聞いている私の身にもなってはくれまいか。目の前で、君に、美味しいと言われているのだぞ。悪辣さも相変わらずか。
帳の外でユストクスが唇を小刻みに震わせているのが見え、表情を取り繕ったフェルディナンドは額から手を離し、俯き加減のまま睨んでから心を氷雪の鎧で押し隠す。
「はい、浸り終えました。では、今回は調合しなくても大丈夫ですね。」
密かに情動と羞恥心に耐えていたフェルディナンドへ、背筋を伸ばした悪辣過ぎる女神がたたみかける。
「ああ、私のユレーヴェを使う。一気に魔力の塊を溶かした方が早く済むが、長期の眠りは避け、成分濃度を調整した物で何回か短期の治療を行う。」
「わたくしも短期で何度かの方がいいです。」
古い傷を思い出すような、辛さを含んだ笑みが、ずくりと纏った鎧を突き通した。
「ユレーヴェは君の隠し部屋に用意しよう。ヴィルマ達に入室許可のブローチを渡しなさい。私と共に毎日様子を確認する。それで良いな。」
痛みを潜めた表情には気づかないふりで言い、フェルディナンドは魔術具を停めた。
もうすぐ雪が降る、今日はなさそうだ、明日は解らない。そういう言葉をあちこちで聞くようになった。五の鐘が鳴れば外は薄暗くなり、エーレンフェストにはエーヴィリーベの立ち上がる時が近付く気配が色濃く漂う。
「寒くなって参りましたね。」
ハルトムートはユストクスに詰め寄る。
「寒く、なって、参りました、ね。」
大声ではないが、一語一語を強調しながら、更に近寄る。
「寒く。なって。参り。ました。ね。」
もう、上げた顎の先が触れそうな程に。
「其方は木箱に入らんな。」
少し大柄な八歳児を見下ろして、ユストクスが面倒臭そうに言い、大仰な程に顔を顰めた。
「木箱になぞ入りたくありませんが、必要とあらば吝かではございません。ちょっと大きければ大丈夫です。」
にかぁ、と笑って、ハルトムートはその場に蹲ってみせた。
大きめの素材箱なら入るか、いやあれは不味いか、と呟き、では明後日にまた、と邸からハルトムートを追い出す。
一日置いて、ハルトムートは意気揚々と上機嫌で現れた。出迎えた下働きは、いつも通りにまず応接室へと案内し、すぐさま下がった。
この邸には側仕えが居ない。邸内で見聞きしたことは口外法度、の契約魔術で縛った下働きが少数と料理人が二人ほどいるだけだ。大体、広さも上級貴族にしてはかなり狭く、中級貴族家程度の構えであり、設えすら簡素の一言に尽きる。
婚姻を解消し転居した時に、客なぞ不要と言い放ってユストクスは母親の小言を押し切ったと、ハルトムートは聞いている。
ややあって、邸の主が姿を見せた。作法に従い挨拶をすると、眼球を僅かに動かして辺りを見回し。
「箱はどちらに?」
「今日の課題を終えてからだ。」
「では早速。」
最低限の会話の後、すぐに学びの時間となった。
常には無い狂気じみた歓喜の表情で、その日の課題をこれまた狂気じみた速度で熟し。
「箱はどちらに?」
と再度口にしたのは、まだ日のあるうちだった。
「待て。お伺いしてからだ。」
ため息混じりにユストクスはオルドナンツ送った。その姿から既に約束は取り付けてあったのだと判断し、ハルトムートには少しばかり思うところが有ったが、今日のこの目出度さには些細な事と打ち消した。
返事は諾。ユストクスはすぐさまハルトムートを箱詰めにして、下働きには素材を届けに行く、弟子には課題を与えてあるので中には入るな、と告げ、馬車で自邸を後にした。
着いた先ではラザファムが出迎えた。
下働き二人に箱を運ばせ、通された応接室の長椅子には、ローゼマインを膝に乗せたフェルディナンドが待っていた。
にこり。ユストクスは笑うなり、持参した箱の上に行儀悪くどさりと座る。フェルディナンドは、必要ならば呼ぶとラザファムを下がらせた。
「フェルディナンド様、素材をお持ち致しました。煮るなり焼くなり叩き切るなり、なんなら消し炭になさいますか?」
がたがたがたと箱の中身が暴れ、ユストクスは側面をひとつ蹴る。
「ユストクス。」
「素材」が主と仰ぎ見る少女の、呆れを隠さぬ細く高くまろい声が聞こえたのか、一際中身が暴れだし、重石替わりに座ったユストクスまで揺れだした。
「姫様がお使いになられますか?」
「ええ、使います。多分ですけど。」
「ではどうぞ。」
立ち上がった途端蓋が弾け飛び、朱色の頭と橙色の目がずいっと出て来、ローゼマインの金色の瞳を認めた途端、橙色が涙で歪み、またずいっと引っ込む。
無言の室内に、ひぃっ、ひぃっ、と子供の泣き声だけが微かに広がった。
「あの、ユストクス、コレは使える状態ですか?」
「お見苦しゅうございましょうが、暫くお待ち下さい。落ち着けば自分で出て参りましょう。」
どんな野生動物よ。ローゼマインの呟きはフェルディナンドに細やかな苦笑を呼んだ。
ローゼマインが茶を飲み干して、ユストクスが淹れ替え、クッキーを一枚と少し食べ終えた頃。パン、と箱の中で肌を打つ音が響き、両頬を赤くしたハルトムートが立ち上がって、ローゼマインの前へと進み出た。
何事も無かったかのように跪いて両腕を交差し、作法通りに再会の挨拶を交わす。
「ハルトムート、遅ればせながら御前に罷り越しました。どうかまた、お仕えさせて頂きたく、お願い申し上げます。」
声の震えを隠しきる事も出来ず、しかも両頬に赤い手形がはっきりと存在している。せめて服で隠れる場所にしなさい、とユストクスの唇からはため息が生まれて消えた。
ハルトムートの耳にその様な雑音を捉えている暇は無かったが。
「まず、言っておきますね。賛美は禁止です。ハルトムートがわたくしを讃え始めると、お話しが無駄に長くなりますし、そもそもわたくしを危険に晒すからです。反した場合は蟄居とします。」
アウブの筆頭文官として過ごしたあの日々、この声を何度も聞いた。慈悲慈愛に溢れる主の、譲れない事柄を言い渡す時のこの声音を。またこうして耳に出来る日が来るとは。
あまりの懐かしさと喜びにまた涙が出口を求めて暴れるのを抑え込みながら、ハルトムートは跪いたまま器用に膝行り寄った。
「そんな! 日々、お仕えする女神を讃えずに、どうして生きておられましょう! ご慈悲を!」
とは言え、大抵、縋る手掛かりは残されている筈だ。私はそれを知っている。私が知っている事を、ローゼマイン様はご存知だ。ならば縋るのみ。
ハルトムートは眉を下げ、唇まで噛んでローゼマインを見上げる。
「貴方の隠し部屋でなら許します。人前では、絶対に駄目ですからね。」
「神に祈りを! ローゼマイン様に感謝を!」
一瞬で立ち上がり、祈りからの感謝の姿勢を流れるように決めて見せ、床に伏したまま、ハルトムートはまた涙を流し始めた。
ローゼマインは、だから蟄居だってば、と頬を膨らませ、言葉が乱れているぞ、と膨らませた頬を撫でられた。
では、私共はこれにて、と自分だけ側仕えの仕事を楽しんだユストクスがシュタープを出した。
「お待ちを! 直接ローゼマイン様の御指示を頂かねばならぬ事柄がございます!」
ハルトムートは叫びながら、テーブルの脚に抱きつく。
ユストクスっ、私を縛り上げて箱に詰め込む気だろう!
おや、反応速度が上がりましたね。
師弟は一拍の間に無言でやりあった。
「何かしら?」
その早業に驚いて、ぴゃっとフェルディナンドに張り付きながらも、ローゼマインはどうにか普通に問い掛けた。
「御身の望まれる事をお教え頂きたく。」
抱きついたままの珍妙な姿で、大人びた口調が問う。
これを怠り、私はローゼマイン様に要らぬ虫共を纏わりつかせてしまった。結果、有るまじき事に、あの不躾で権力欲しか無い失格王子や色恋しか頭に無い思考停止王子兄弟、無礼で傲慢極まりない強欲次期アウブめが我らの女神を苦しめる事態を引き起こしてしまったのだ。
二度と間違えたりはしない。
ハルトムートの瞳も心も、主だけに集中していた。
「そうですね。お魚は欲しいですが、それよりも、フェルディナンド様との幸福な日々ですかね?」
眷属の強い決意とは真逆に、主たる女神は実に呑気な声で答える。
「君の幸福が最も大切だと思うが。」
フェルディナンドの言葉に、ハルトムートは思わず肯いた。
「あら、わたくし、フェルディナンド様が傍で幸せにしていて下されば幸福ですよ?」
「私は、君が幸せならば、それで」
ローゼマインはうんせと手を伸ばし、フェルディナンドの口端をきゅっとつまんだ。
「わたくし、いま、なんと申しました?」
「…君に幸せにして欲しい。」
「素直でよろしい。」
そこは大変結構では無いのですね、我らが女神は! しかも以前とは違い、ご自分の望みを躊躇わずにその尊いお声で下々に知らしめて下さるとは!!
ハルトムートは目の前の女神へ感謝の祈りを捧げるべきだと思ったが、どうにか堪え、文官の仮面で本心を覆い隠した。
「畏まりました。以前の名捧げ側近は如何致しましょう。」
「ハルトムートは洗礼式で記憶を授かったと聞きました。他の皆もそうなるでしょうが、貴方以外は皆、洗礼前ですから、今は表立って動かない様に。」
「お心のままに。」
私が一番乗りだ! この私が! ダームエルよりも先だ! 神に感謝を!!
ふるふるふるふる、小刻みに震えつつ、湧き上がり暴れる魔力を片端から畳んで潰してしまい込む。狂操の笑顔を輝かせて。
ハルトムートがやっぱり気持ち悪いですぅ、と言いながら、ローゼマインはまたフェルディナンドに張り付いた。
ユストクスは再び弟子を箱に押し込み、下働きに運ばせ、邸へと帰った。
「変わりませんねぇ、ハルトムートは。」
ふうぅ、とひとつ大きく息をついてローゼマインが呟けば、変わるわけがなかろうと頭上から呟きが返る。
「いえ、寧ろ重症化している様な?あそこまで壊れてはいなかったのに。」
「君に会えなかったからだ。」
声には、何故解らぬかが解らぬ、の一言が顔を出していた。
「体験者は語る、ですね?」
膝の上からにんまりとした笑顔がフェルディナンドを見上げている。
「ほう?」
瞳だけで見下ろしたフェルディナンドは、以前ならばローゼマインに奇声を上げさせ、すぐさま逃げの体勢をとらせた声音で問い掛けた。
しかしまだ、膝上の存在はにまにまと笑い、あろう事か態と口元に手をあて、減らず口を叩く。
「フェルディナンド様も壊れてましたもの。お忘れですか?」
「私の全ての女神は、ぎゅーは要らぬと。」
両手を幼い身の脇の下へ差し込み、ひょいと持ち上げて顔の前に差し上げて睨めば、途端にじたじたと手足をうごかす。
「要りますっ。」
差し出された細い腕に、まだ小さな掌に、フェルディナンドは胸の奥から悦びの熱が湧き上がるのを自覚した。
この掌、この腕が、あの息詰まる南の領地で私に料理を送り、手紙を寄越し、遂には自ら騎士を引き連れて戦い、助けに来てくれたのだ。この小憎らしく、拾ったものは零さず抱え込もうとする、細い小さな手が。
「フェルディナンド様、ぎゅー。ぎゅーして下さいませ。」
異母兄の手には渡さないでくれと細い声で鳴いていたシュミルの様に、ローゼマインはぷひぷひと求めて来る。
「ああ、ぎゅーだったな。君は私のぎゅーが要るか?」
ふらりとフェルディナンドの唇は、隠す筈の問いを言葉にした。
私は今何を言った?
呆然と見開いた目に、ぐぐと口元に力を入れた幼子が映り込む。
「要りますよ。わたくしにはフェルディナンド様のぎゅーが絶対に必要です!」
ローゼマインの声は、フェルディナンドの問いと心をその手にすくい上げ、しっかりと握りしめた。
「私は君に、」
「このわたくしが必要だと言っております! 反対意見は許しません。」
むう、とローゼマインが頬を膨らませて言葉を遮り、フェルディナンドはその膨れっ面ごと、ローゼマインを胸に引き寄せた。
くりくり、すりすり、夜空色によく映える簪で飾られた頭は、それこそ甘えるシュミルの様に胸元で優しく動く。甘えつきながら、フェルディナンドの大きすぎる傷を癒やし、そこへ自分自身を注いで塞ぎ、深い亀裂を満たそうと。
こんな時はなんと言うのだったか。エーレンフェスト寮の茶会室で、君が教えてくれた筈だ。そうだ、思い出した。
「ローゼマイン、感謝する。有難う。」
























