注意
・自分用に好き勝手書いてる
・キャラ崩壊
・なにもわからん
・原作読んだのはるか昔
・中身に整合性を求めるなを合言葉にしてる
以上で大丈夫な方はどうぞ
『やあジュニア、少し相談しても良いかい?』
後輩二人を交えて話し合いの日々が一段落したところで、子供部屋を訪ねる。久しぶりに目にする赤ん坊は、少しだけ大きくなっているような気がした。
一月会わないだけで、子どもの成長の速さを実感させてくるね。
『……珍しいな。最近はノンナを遣わせるばかりだったと言うのに』
『ようやく落ち着いてね。次の魔法大臣就任が確実になったんだ』
不服そうな表情を浮かべた甥っ子の頭を撫でながら、小さく謝罪する。思ったよりも私に愛着を持ってくれていたらしい。いやはや可愛い。
ノンナ──私のパートナーである美しい白蛇の彼女が見ていた範囲では何時も楽しそうだと報告されていたのだけれど、心を隠すのがうまいから、気がつけなかったようだ。
『……いくらブラックとマルフォイがついているからとは言え、早くはないか……?』
『随分と張り切ってくれてね。それに、魔法界上流の味方は多くいるんだ』
スリザリン寮出身の先輩や後輩に声をかけてたらそれなりに色好い返事が貰えたのが大きい。
なかなか私も仲間に恵まれているものだね。と言うか、意図されているだろうけれど名家の次期当主陣がだいたい同世代と言うのもやりやすい要因だったな。
いや、ほんとホグワーツと言う多感な青少年時代に時代を動かせる立場の人間に干渉できるのは大きいアドバンテージになる。
ダンブルドアが手放し難いのも理解できてしまうから嫌だね。と言っても、あの老人……今は中年か、彼はそう大した利用も出来ていないけれど。
彼はなんと言うか、後進の芽を潰している感じがあるからなあ……。
『それで?私に相談とはなんだ』
私の意識が別方向にずれていることに気がついたのか、ジュニアが彼の頭を撫でていた私の手を叩きながら目を合わせてくる。
『グリンデルバルドについてちょっとね』
『……魔法大臣としてか?』
『現職はあまり重要視していないんだけれど、そこを軸に食い込んでいくから対策案を立てておく必要があるんだ。それで、グリンデルバルドの同行について君なら詳しいかと思うんだけれど……どうかな』
確か、ニワトコの杖を狙ってグリンデルバルドを殺したのはヴォルデモート卿だったはずだ。彼の活動にもある程度の関心は持っていただろう。
『そう言うことか。しかし、簡単だ。あれは今年、パリで動くぞ』
『……去年にアメリカで発見されたと聞いていたけれど……思いの外近くにいるね。うん、後で探らせよう』
思ったより具体的な動きが分かったな?
ファンタスティック・ビースト開始しているのか……。彼方の記憶は薄いからな、気がつけなかった。ニュート・スキャマンダーには一応関心を向けていたんだけれど、ダンブルドアの派閥だからあまり近付けないのが原因だな。
しかし、まあ、今年中にフランスでグリンデルバルドが騒動を起こすならイギリス魔法界にも危機感が生まれるだろうし魔法大臣交代にはちょうど良いか。なかなか良い時期に動いてくれるな。
『十分か?』
『ありがとう、とても助かるよ。それと、もう1つだね。ホグワーツに入学する前後で、孤児として困ったことがどれほどあったか教えて欲しい。一応、色々なところで似たようなアンケートを取っているのだけど君なら確実だから、教えてくれないかな』
私もホグワーツ入学が結構大変な身の上ではあったけど、魔法族出身だし資金は自力で用意出来たのでそこまで苦労してはいない。まあ、それでも苦労話としてそれを話すと、良いところのお坊ちゃんが多いスリザリンでは呆れやら驚愕やらの視線にさらされたけれど。
『……昔の話だから幾らか忘れているだろうが……それでも山ほどあるぞ。時間が足りるか?』
『そんなに?では、大きなところから聞いていこう。細かい部分は後でノンナに聞きにこさせるからそっちに伝えて貰えるかな』
『構わんが、随分と精力的に動くつもりなのだな』
『魔法界の仕組みが時代に置いていかれているのは分かっていたからね。枷が外れた今、遠慮する必要はないからできる限りのことはするつもりさ』
『枷?』
『君がいなければ、知っている未来のアドバンテージを手放さないために介入しないことにしていたんだよ』
私が好きに行動したせいで生まれるべき人が生まれなかったり、起こるべきことが起こらない、と言うのは一人で背負うには重たいもののように思えた。だから、自主的に変革するつもりはなかった。
けれど、最早状況が違う。トム・マールヴォロ・リドルはトム・リドル・ゴーントとして生まれたし、彼がヴォルデモート卿として魔法界を闇に落とし込むことはほぼないだろう。
それはつまり、もう物語は原作の手を離れたのだ。私の知る未来がifとなった世界にただ流されるだけでは生き残れない。どうせだったらよりよく、可愛い家族が生きやすいようにする方が建設的だ。
『伯父上にとっては、この時代は遠い世界の話だったか。ならばそう考えても無理はない』
『ありがとう。でも、これからはどんどん変えていくつもりだよ。まずは人材づくり。そのために協力してくれるかな』
『ああ。ホグワーツ前後で、マグル出身者として困ったことを言えばいいのだな?』
そう言って、ジュニアが思い出すように時折唸りながら、幾つか魔法族とマグルの常識の違いだったり、資金の話だったりを聞かせてくれる。
私の方でも昔の自分の常識から必要そうなところを考えてはいたが、この時代とのすり合わせが出来ていなかったので大変参考になる。
『なるほど。……そうだな、そう言った方面のテコ入れもいるね。ポラクスとジョシュアとも会議はしたけるど二人とも良いところの出だから視点が新鮮だ』
『まあ、低いところの視点が苦手そうな面子だ。想像に難しくない。ジョシュアの名に聞き覚えがないが……、話から察するにマルフォイか』
『そうだね。現当主で私の後輩にあたる。君の友人になるアブラクサスの父親だね』
ふむ。どうせだったら後数年後くらいには、ジュニアに次代の子どもたちを引き合わせてみても良いかもしれないな。
結構仲は良かっただろうし、性格的な問題は無さそう。我が家は人数が少ないから、私がどこで脱落しても良いように繋がりは持たせておきたい。
『なるほど。確か、早くに亡くなってしまっただかであまり記憶になかったな』
『おや?それは気になる話だ。今度聞きたいね。まあ、今のところ病気の話はないし、後でかな。今はある程度の道筋を整えなければいけない時期だ』
『どこまでするつもりなんだ?』
じっ、と円い瞳が私を写しこむ。どう答えるべきだろう。
『……出来るところまで、かな。少なくとも今よりマグル出身者の垣根を低くして、ホグワーツに自浄作用を持たせて、教育を変えることだけはする。そこは確実に。それから、余力があればダンブルドアを教授職から外して研究者とさせる。まだグリンデルバルドの討伐が行われていない以上、彼にある名誉は研究者としてのそれだけだからね。排除できる範囲だ』
法改正や魔法界の技術やら後年のマグル側の技術革新への対応等々、考えれば考えるだけやりたいことはあるが、優先順位は着けている。最低限やるのは、甥であるジュニアが生きやすい社会を作ることだ。
そう覚悟を込めて告げれば、ジュニアはパチパチと目を瞬かせた。
『……伯父上は、ハリー・ポッターの物語を知らなかった方が動きやすい質だったのだな。であれば、確かにこれまでのあなたは枷を填められていたのだろう。伯父上、本来のあなたは統治者の器だな。純血一族の当主たちを見てきた私が言うのだから、確かだぞ』
……これは、少々恥ずかしくなるな。伯父と認められたのは分かっていたけれど、信頼関係を築くにはいたっていなかったのがさっきので覆った。
その位に、私の動きは彼に認められたようだ。
ジュニアは私に統治者の器があると言ったけれど、カリスマ性があるのは彼の方だと思う。いや、私が中興の祖と言えるタイプであるのに対して彼は先導者のタイプと言えるのか。
私は既存のものを更に発展させることが、ジュニアは新たに流れを生み出すことが得意なのだろう。
『君が言うのならば、そうなのかも知れないね。まあどうあれ、君にそれほどだと見込まれたのなら結果を出して見せよう』
そうだな。先ほど語った最低限に付け足して、もう少し頑張ろう。
うん。どうにも、考えればいくらでも変えられることから目を背けて維持することだけに目を向けていたツケが回っているな。出来る範囲をセーブして考える癖がついてしまってる。
表舞台に立たないための注意としては満点だけれど、これから表舞台の主役となる意識ではなかったね。出来るギリギリまでの枠を走り抜く気概を持たなければダメだ。
『……』
あれ、心が閉ざされた。反応がない。これは私に感情を悟られたくない時の対応だけれど、……何かそう言う流れがあっただろうか?
文句を言ってこない時点で、悪い感情ではないのだけど。まあ、仕方がないのでこれからは蛇語で行こう。
「“ジュニア、何かあったかい”」
「“うるさい。赤子の体は感情が抑えにくいんだ、ちょっと待て”」
「“別にこちらでも構わないよ?この家は私の把握できるものしかないからね。……ああ、いや、待とうか”」
これはまったく私の配慮が欠けていたな。ジュニアの懸念は情報が漏れるところではなく、もっと繊細な心の機微だ。
蛇語で会話してしまえば、ジュニアが普通の子どもではないとメローピーにバレてしまう危険性がある。あの子もゴーントの娘だから、息を吸うように蛇語が扱えるから。
良くなってきているとは言え、精神的に弱っているあの子に心労をかける可能性を生むべきではなかったね。
……こう言うところが私の苦手であると分かってはいても、難しいな。
『……それは前世からのものか?それとも閉心術の影響か?』
『昔から苦手意識があったから、まあ、生来のものに加えてさらに感情に鈍くなった今のダブルパンチかな……?』
人の心が分からない、までは行かないけど細やかな配慮が出来ない人間だね私は。本当はこう言う人間は人を使う立場に向いていないんだけれど、経験からそれなりに把握することが出来るから何とかなる範囲に収まってしまうんだよね。
後、開心術便利。
……考えれば考えるだけ私とダンブルドアって性質が近いことを実感するな。あの男も開心術が得意で原作でも使っている様子が描かれていたような気がする。気が滅入るね。
『今さらどうにも出来んことであるし、頭を動かせば気がつける範囲のズレではあるから致命的ではない。……あなたこそ早く婚約者なりを見つけるべきではないか?』
検討するべきだな……。私の人とズレたところを許容してくれた上で人の機微に敏感な女性で、貴族的な社会に放り込める教養がある人。……難しいけれど、私の至らない点を埋めてくれる人を見つけるべきではある。
秘書を雇うなりでも構わないとは思うが、一生付きまとう問題であるから、家族として迎え入れた方が良い。
他国の貴族階級、もしくは教養を学べる家柄のマグル出身者を早急に洗い出しておこう。
『真剣に考えるよ。君が大人の姿なら容赦なく連れ回せたんだがね……』
ジュニアはそう言う機微に聡そうだし、本当に理想的な指導者になれる才能だろう。人心掌握が出来るのはそう言うところが必要であるし。
それでいて私よりも多角的に物事を見れる下地もあるから秘書として連れ歩けたら私の欠点を埋めてくれるはずだ。
と言うか、ジュニア一人で私の欠点を埋めた役回りすべて出来ると思うから私が要らないな。
『ジュニア、当主にならないかい?』
真面目な話。私の子どもが精神疾患を引き継ぐ可能性がある以上、先天的な異常が今のところ見られなくて生殖能力が有ると分かっているジュニアを次期当主にするのはわりにあっている。
能力だって十分以上であるし。
『……なぜ婚約者を見つけろと言ったのに、そうなるのだ』
ジュニアの幼い眉間に皺がよる。あれ、歓迎されていない。
『君なら能力は十分すぎるし、知識も精神も問題ないと思っただけだよ?ほら、私の子どもが出来ても何かしら問題がある可能性は否めないし』
どうあったとしても、多分可愛がれはするだろうけどそれと当主として認められるかはまた別の話。
『せめて子どもが生まれてその素質に問題があるとかそう言うことになってからの話だろう』
『まあ、それはそうだね。でも、その可能性があることは頭にいれておいておくれ。君が望めば手に入る地位でもあると』
『……わかった』
ぽんぽんとジュニアの頭を撫でてから、懐中時計を確認すれば、もう彼を寝かせるべき時間がとうに過ぎていた。
私の悪い癖ではあるが、また話し込み過ぎてしまったらしい。
通りでジュニアに疲れが見えるわけだ。
『長く話し込んでしまったね。もう寝むる時間だ。ジュニア、そろそろお休み』
『……もうそんな時間か。では、伯父上また』
軽く挨拶を交わして、部屋を出る。ジュニアは眠る時間だけれど、私は今日の収穫をまとめなければいけない。
執務室に向かおう。























