注意
・自分用に好き勝手書いてる
・キャラ崩壊
・なにもわからん
・原作読んだのはるか昔
・中身に整合性を求めるなを合言葉にしてる
以上で大丈夫な方はどうぞ
ポラクスとの夕食を終え、夜も更けた頃。
「さて、ポラクス……今のブラック当主との出会いはどうだったかな?」
私はまた、甥と向き合っていた。今回は、私が一人がけのソファーに座りながら彼を抱き上げて。
こうして抱き上げると温かくて小さくて、本当に幼い命なのだけど、中身は私より長生きした闇の帝王だなんて人生よく分からないものだ。
『……貴様、確かに伝があるとは言っていたが、何をしたらああもブラック家が下手に出るんだ』
開心術をかけるや否や、驚きと呆れが混ざったような感情ごと、トムが声を上げた。
ブラック家を従えていたようなものである彼にそう言われるとだいぶ感慨深いものがある。
『学生時代から私の知識はあるからね、布石をうとうと思っていくらか後輩たちに干渉はしてきたけれど……、何故だろうね?』
『分かっていないのか……。本当に何をしたんだ。前回の私もあったことがあるが、純血主義者らしい男だったぞ』
そう言えば彼は原作通りの歴史でポラクスに会っていてもおかしくはないのか。時間を作って、彼の前回の話も詳しく聞いてみたいな。
私が分かるのはハリー・ポッター側の視点で語られた物語だけだし、認識の偏りもあるだろう。
今度頼んでおこう。
『柔軟な学生のうちは矯正が効くものだからね。まあ、これがあるからダンブルドアもホグワーツに拘るのだろうけど』
今自覚したけれど、私はだいぶダンブルドアよりの思考をしているな。ああ、気が付きたくなかったな。
しかし、うん。まあ、読みやすい相手と言うことにもなるのだし、建設的に行こうか。
『だろうな。私もそう考えた時期がある』
『おや。ジュニア、君もか。ふふ、血筋かな?』
トムと一緒なのは嬉しいな。うん、ダンブルドアとか関係ないね、血筋だよ血筋。
スリザリンらしい狡猾さとしておこう。
『うるさい。……そう言えば、婚約云々と話をしていたが、私の知っている通りに生まれるとすれば、あの家は一番上の長女以外男だぞ』
『確か、ブラックは長子相続だったね。となると、分家筋から婿入りをすることになるかな?あの家の相続は血の契約であるし、流石に違えられないはずだ』
あの家は血の契約によって長子として産まれたものに次代の継承が行われる。契約が他者に移るのは長子がなんらかの原因で死亡した時、もしくは魔力を持たない時だ。
一時、百年か二百年前の代くらいに長女ではなく次に産まれた長男が継いだ時があったはずだが、奇妙なほど短命に終わっていた。
つまり、長子であるらしい女の子は違うことなく継ぐだろう。トムを婿入りさせる気はいまのところないから、婚約は無理だね。
それにブラック家の次期当主となる入婿は血筋で固めてくるだろうし。
この契約を遂行しないとどうなるかはブラック家当主しか知らないけれど、まあ、王族を自負する家が倒れるのだから何かしらあるのだろう。
ブラック家が純血主義に拘っているのは、我が家がパーセルタングを継承し続ける為に近親婚を推奨していたように理由はあるのだ。
『そもそも、何故私に婚約者を付けようなどと考えた?』
『嫌だったかい?前回、好きな人でもいたかな?』
『違う。態々不幸になる女を一人増やしてどうすると聴いているんだ』
『不幸になるかは君と相手次第だとは思うけれど。君は存外、闇の帝王であったことを引き摺っているね。同じ身体に宿ったせいなのかな?次の人生だからすっぱり知識だけ有効活用しよう、とはいかない?』
私は家庭環境的に、呆然としているより生き延びるために行動しなければいけないと悟ってしまったから、前世とか考える暇もなかったのも一因か。
もし、平和な家庭に産まれていたら、前の記憶との折り合いに悩んだんだろうか……。いや、別に悩まないな?
トムが繊細なんだろう。うん、まあ、道に迷って怒りを国にぶつけないとやってられない人間なんだから繊細だったんだろうね。
『私の過去を些細だと暗に言っているのか?』
『悩む必要性があまりないのではないかな、とは思う。証明しようのない過去はないのと同じだからね。でも、君がその過去を引き摺れる人間性があると言うのは悪いことではないよ』
わりとトムと話していて思うのは、話が通じると言うことなんだよね。ヴォルデモートとして台頭し、闇の帝王とまで呼ばれた彼だけど普通に善悪の倫理観は持っているし、頭も良い。
こうして前回の記憶を持ち出して恐ろしくはないのかとこちらに問いかけてくるのもまた臆病で繊細な心を表している。
つまり、まっとうな人間性がある。私よりよっぽど人の心が分かるんじゃないかな。
私はどうにも、理解はできても共感できないところがあるから。
『貴様は、……この術を使っていても妙に平坦で閉心術を使っているのかと思っていたが、それが本性か』
『本性って酷い言い方しないでおくれ。まあ、この身体に宿る前はもう少し感情的だったと思うけれどね。全体的に強い感動がなくなった自覚はあるよ』
だからこそ、私は常日頃感情的であろうと努めているわけなのだけれど。
あまり意味はなかったのかな。
『……私の知るモーフィンと言う男は人伝でしかないが、ゴーントの精神疾患を見事に引いて感情的であり、暴力的だった。恐らく貴様も肉体的には同じ状況なのだろう。だが、幼少期より完成された精神が理性を強く持つことを願い、常に閉心術をかけたような感情を認識しづらい状態としている、のだと思う』
『なるほど?遠回しにまっとうな人間性がないわけではないと励ましてくれているのかい。うん、やはり君は優しいね』
私なんかよりよっぽど人間できてるんじゃなかろうか。
彼が言うには、私も私が考えているよりは本来、人間らしい情動があるようだけれど。ほんと、繊細で良い子だ。
繊細だからこそ、一度仲違いすると後を引くタイプではあるだろうから、大多数に受け入れられる人間ではないけどね。
『なぜそんな結論に……いや、貴様は意見を曲げない。建設的な話し合いと行こう』
『私のことを分かってきたね?なにかな』
トムが真剣な顔をし出したし、脱線はここまでと行こう。私が話し始めるとつい話し合いが頓挫してしまう。
『貴様は何の目的でそこまで動く?未来を知っていると言うアドバンテージがありながら、影響力はあれど、私が私であると分かるまで動く気がなかった。私のためとして動いてはいるが、私のシンパでもない。何を考えている?』
そう言えば、魔法界の改革に話が行くから彼に対してその辺りの話をしたことはなかったか。
と言っても、そう大した理由はないのだけれど。
『君が望むような大層な理由はないのだけれど。ええっとだね、私が未来の人間であることは最初に話した通りだろう?私の時代では君と敵対したハリー・ポッターの自叙伝のような物語が流通していてね。物語として君たちの歴史を読んでいたんだ。で、だ。私は判官贔屓の気があってね、素直にハリー・ポッターが英雄になる物語を読んで納得することは出来なかった』
『……妙に私たちのことを良く知っていると思えばそう言う背景があったのか』
『まあ、軽く言えば物語の登場人物的な認識があったよ。そうして見ると、だいぶダンブルドアと言う人が教育者ではなくて軍人的な考えでいるのが目につくし、色々と疑惑があって死んだあとに騒がれるような人でもあったからね。ダンブルドアが裏で画策したのかもしれないと、私は闇に追いやられた君たちに同情……同情かな?まあ、とにかく私が介入出来るなら贔屓したいと思ったわけさ』
説明するならこんなところだろうか。いきなり君たちは某女史による児童書の登場人物で敵キャラでした!なんて言えないからね。
いくら魔法界でファンタジー慣れしているといっても次元が違う云々は話す必要がない。
精神を守るためにも適度な真実と適度なごまかしが大事だろう。
『ああ、なるほど。物語を読んで、全てを知った上で読み返してこうすればこいつは死なないのに、と言うタイプだな』
『理解が早い。まあ、そう言うわけさ。私の行動理念は理解できたかい?』
『信じがたいし、私には理解できないが、そう言うこともあるのだろう。貴様は真実そう思っている』
こういう時、開心術は便利だね。嘘を言わなければ良い。言わないことはあるけれど、嘘は付いていないもの。
『そう言うわけで、私は元々君に悪感情は持っていないわけなんだ。多少問題はあると思ってはいたけれどね。でも戦時中の孤児って大変だろうし、私には分からないけれど苦労しているからそこまで過敏になるほどではないだろうと理解は出来る』
『そうか。その評価は後世では主流か?』
『私の周りには多かったし、交流できる範囲でもスリザリン贔屓の人間は多かったね』
魔法界なんてない世界の日本のごく一部のオタクの中の話だからどれだけ公平かは知らないけれど、私の知っている範囲では。
『……ダンブルドアの思想は万人に受け入れられるものではないのだな……』
『勧善懲悪なんて完璧に出来るのは物語の中だけだよ。現実では大なり小なり清濁を併せ持つのが自然だからね。君が学生の頃、アクロマンチュラをホグワーツに持ち込んだ生徒がいただろう。ダンブルドアがそれを庇ってホグワーツの森番に就任させていたけれど、彼はあの後、森にアクロマンチュラの大コロニーを作らせていたからね。ほら、これだけでダンブルドアの正しさは崩れる』
あれは、本当にどうかと思う。トムにマートル殺しの罪を擦り付けられたから庇ったんだろうが、持ち込み禁止の危険生物を飼っているのが原因であるし、その後も学校の敷地で危険な事をしているから正直ねえ。
人としては善良の類いなんだろうけれど、弁護しきれないだろう。個人の敷地でやるならともかく、身を守れない未熟な子どもがいるところでやるものではないよ。
『……貴様、ダンブルドア関連の時は多少情動が活発になるようだな。痛い』
『あ、ごめんよ。また魔力をあてていたか。こればかりは前世からの持ち越しだからかな』
『ダンブルドアに恨みでもあるのか』
『……私は結構なロマンチストだからね。聖人君子にはそうあって欲しいのさ。ダンブルドアはそれになろうとしてなれないから、その齟齬が嫌に目につく。気に食わない。そして私は大人が子どもを食い物にするのが大嫌いでね』
ダンブルドアは役満と言うか、なんと言うか。前世では児童書で、完全な味方の偉大な魔法使いと言う風に描かれているのに役に立たないことも多くて歯痒かった。まあ、主人公が活躍するためにも仕方がない部分はあるのだけど、どうしてもね。
善人ですって顔してるから余計。手段を選ばないようなキャラクターなら別に構わないのだけど、そうでもないのに子どもを死地に送り込むのは……。
『……なるほど。……伯父上、どうか裏切ってくれるなよ』
『勿論だとも。我が甥、君が人として有る限りは君の幸福の為に動こう』
ふふ、初めて呼ばれたな。認めてくれたってことで良いんだろうね。
やあ、甥だと言い続けた甲斐があったね。
























