「何やってんですか!?」
少し背の高い男性が手を掴み橋の欄干から彼女が下ろされる。
「なんだよ?」
そんな男性の行動に腹を立て男性を見ている。
戸惑いながらも男性は言った。
「いや、なんで橋の欄干なんかにたってるんですかって聞いてるんですよ!」
「はい?そんなの答えは見りゃ分かるだろ?自殺しようとしてたんだけど?」
思いもよらぬ発言に男性は頭を搔く。
「またですか?」
なれたかのような口振りで尋ねる。
それを聞いた彼女はあたりまえだと言わんばかりに笑顔でこちらを見ては、そそくさと歩いていった。
あんなに小さな背中に何を背負っているのだろうか。
僕は平凡よりは下の人間として生きていた。
僕からすれば生きてりゃどうでもいいという考えしかなく、ただ座っているだけの時間も苦ではなかった。
だから毎日のように公園のベンチに腰かけ空を仰いでいた。
ある日何か向こうからこちらへ視線を感じた。
僕は人が苦手だったため視線を上へと流した。
「よっ!」
いきなり視界に小さな人形のような顔が現れた。
「君さ、僕と生きないかい?」
突然の言葉に僕は理解が追いつかない。
(生きる?この人は何を言ってるんだ?初めて出会った人に告白でもしてるのか?)
僕は言葉を必死に探し、出た言葉が、
「はい、、、?」
(はい?なんで僕は今はいって言ったの!?なんで!?)
思考は焦りまくりだが、顔には一切の変化はないようだ。
「君、やっぱ面白いね!今会ったばかりの人にぱっとついて行くんだ!」
彼女は笑顔でこちらを見ている。バカにしたような笑顔ではなく本性そのもののように見えた。
「じゃあ名前を教えてくれるかい?」
嬉しそうにこちらに尋ねてくる。
「えっと……僕は、月城 慶って言います、あ、僕無職ですけど?」
いらない情報まで混ぜて返した言葉に後悔をする僕だが、彼女は顔色変えずに、
「いい名前だな!僕は、そうだな……後ほど言うよ!無職なのは知っている!だから僕の元で働くんだ!」
人差し指を立てこちらを指しニカッと笑った。
これが僕と彼女の出会いである。
〜1章〜
「じぃー!戻ったぞ!」
彼女が扉を開け大声で話す。
少し古びた和の雰囲気を漂わす家の中へと入っていく。
「おかえり、何をしとったんじゃ?」
奥から出てくるも声をかけたのは彼女のおじいさんのようだ。僕がおじいさんを見つけると同時に目が合う。僕が挨拶をしかけた時、
「僕の助手だ!」
手を僕の方に向け視線はおじいさんへ彼女は向けている。
何も聞かされていない僕にも伝わるように端的に彼女は言った。おじいさんはそれを見て微笑んだ。
「よろしく頼んだぞ。」
お辞儀をした後また奥へと消えていった。
それを見送るなり彼女がある部屋へと案内してくれた。
外観は和の雰囲気を漂わせていたが、中はとても綺麗に整っていてそこには数千の本と、薬が置かれていた。
こんな場所に来たのは初めてで本当にこんな場所があるのかと僕は目を疑ってしまった。本と薬に気を取られていた僕に声がかかる。
「さっそく出かけようか!」
いつの間にか着替えられた服をどんと着こなし手には何も持たずに出かけようとしていた。僕はこの場所のことや今からのこと全て聞きたいことで溢れているはずなのに何故か聞かなくても今からわかるやうな気がして声には出さなかった。
「はい。行きましょう!」
今までとは違う感じに胸がはずみ少し気が晴れた感じになった僕は元気よく返事をし彼女の背中を追いかけた。


















