*魔/入/り/ま/し/た!入/間/く/ん!題材とした非公式夢小説です。
*原作者、出版社、企業団体との関係は一切ありません。
*夢小説、二次創作等の意味がわからない、または、それらが嫌いだという方は退室をお勧めします。
*キャラ崩れ等の理由により、不愉快になられるものがあるかもしれません。十分にご注意ください。
談話室を横切ったらツムル先生に呼ばれてアクドル武闘会のDVDを見ることになった。この前の掃除の時に懐かしいやつ見つけたんだよなぁ!と笑っていたのでよかったね、と返しておいた。
ちなみに他の先生たちも好きだねぇ、と笑ってたので談話室でよく見てるとみた。
「先生よくここで見るの?」
「だってこっちの方が画面大きいし!」
「なるほどなぁ〜」
ペンライトを渡されてツムル先生とイフリート先生の間に座りきゃいきゃいと騒いでいたらどうやら他の先生も集まってきたようであれやこれや話していた。アクドルを見て言っているのはあの子の能力いいなぁとかなのでどこまでいっても教師なのがらしいな、と小さく笑う。
くろむちゃんのとこで盛り上がって、ギャリーちゃんのとこで盛り上がって、一通り騒ぎ通してふと思い出した。
「そういえば、いい感じの家見つかりそうなんですよ〜」
「へ〜!よかったね!」
「うん!」
にこ!と笑ったと思ったら固まるツムル先生。
「……家?」
それに気づかずわたしは話を続ける。そうなの!よかったのよ〜!あんまり遠くなくてね、家賃も前よりは上がったけど部屋自体はよくて。あー、でもそうなったら家政婦バイト続けられないな〜。ダリ先生に相談しないとね、と続けたところで先生たち全員が私をぽかんと見つめているのに気がつき驚いて思わず二人の服の裾を握る。わ、私の精神安定剤……!
口を戦慄かせた先生がポツリとこぼす。
「だ、ダリ先生を連れてこーーーーい!!!」
一拍静まり返ったと思えば「やばいやばい!」「緊急事態発生!召集かけろ!」なんてワーワー!と目まぐるしく先生たちが動き回りまだ自室にいた部屋にいた先生たちを連れてきて、と大騒ぎ。まるで嵐が来たかのよう。ていうか悪魔密度がエグい。
暫くして「なになに?」といつものへらりとした顔でやってきて有無を言わせずわたしの前に座らせられたダリ先生。
「いや〜、なんか連れてこられたんだけど先生ったらやばい、大変、緊急事態くらいしか言わなくてねぇ」
で、なぁに?の圧がすごい。思わずぴるぴる震えてしまうくらい圧がすごい。先生たちもちょっと固まってるじゃん!そっちサイドでしょ!ちゃんと管理して!目を逸らさないでよ!!
「えと、その……」
「うん?」
あんまりにも甘くて優しいその短い言葉が怖いって何事なの??
「家、見つかりそうで……」
「へぇ?僕らに相談もなく?」
「だって、でも、そういう約束だったし……」
殊更深くにっこりと笑ったダリ先生が優雅に足を組み替える。それだけで圧倒的な存在感が増してただ目を釘付けにされる。
そういう、誘引力のある美しく強い悪魔なのだと再確認させられた。
「君が家を見つけるまでバビルスの教師寮で保護する、そういう約束だもんね?」
穏やかな声に必死に頷けば、まるで喉元を撫でるような甘い声がわたしに差し向けられた。
「君は本当に、約束を守る可愛い悪魔だ」
脳がざらりと甘さに塗れて震えが強くなる。だって褒められてるのにこんなにも怖い。
「は、はい。だって、先生と約束した、から」
「うんうん。忘れてたよ。君が結構行動派だって。そうだよね、慰藉料の件も自分で決めたもんね。あれ、相手がもっと話のわかる悪魔なら一人で交渉してたでしょ」
わたしの言葉なんて求めてないとばかりにつらつらと語られるけど確かにそう。もし、あの手のゴネそうな人でなければカルエゴ先生に頼もうとすら思っていなかった。
「いやぁ、君が家を探すのに僕を頼ってくれると思ってたんだけどな」
信頼されてなかったのかな?と言葉を差し向けられて慌てて首を横に振る。だって、信頼してなかったらこの教師寮に住んでない。
「僕を頼ってくれてたら、全力で」
――阻止したのに。
その言葉にぞわりと背筋に甘い感覚が走る。怖いのに、甘くて、それがやっぱり怖い。
「でも、一生徒がずっと住んでたらご迷惑に、なる、し……」
わたしを射抜く視線がどうしても甘くて。だから怖くて。そっと自分の膝の上に置いた手の甲を見つめる。ギュッと爪を立てたところが妙に赤く線を引く。
小さな音が鳴り、靴音が聞こえる。わたしの真横に誰かがいる気配。視線も交わらない、吐息も交わらない。なのに意識だけははっきりとダリ先生だけに向いている。
緩やかに頬に指がかかる。しっかりとした、大人の男の人の指。優しくて強制力なんてないのに、なぜかそれに従い恐る恐る顔を上げてしまう。
「ねぇ、逃げられると思ってるのかい?」
「……っ、」
私をじっと見下ろす視線に、逃げられない。強くそう思って、でもなんで逃げなきゃって思ったんだろ?だって逃げる必要はなくて、別に逃げる関係でもなくて。約束だから、出て行こうとしただけで。視界が揺れる。目頭が熱くなって涙が滲む。
「あー!ごめんごめん!怖がらせちゃったね!」
「ぅ、ぅぅ……っ!だりせんせ、こわい……」
わたしを怖がらせたのはダリ先生なのに、ダリ先生以外に縋る先もなくて、私の頬に触れてた指先をギュッと握って縋り付く。
「うんうん、ごめんねぇ。でも君も悪いんだよ?こんなに僕たちの生活を変えておいて、はい!さようなら!なんてさぁ。いやー!もうこの教師寮君がいないと回らないよ?どうしてくれるのさ」
「だって、先生の役に立ちたかったんだもん……」
「そうだよね、可愛いねぇ」
「せんせいのばか」
あはは!と笑ってるけどさっきの圧は忘れてないぞ!でも怖いからダリ先生にしがみつく。ダリ先生のせいなのに。なんで他の先生みんな遠巻きなの!他の先生の背中に隠れればよかった!その先生泣いちゃうよ。
「それで、本当に君は出て行きたいの?」
横に座ったダリ先生の、脳に直接吹き込まれるような甘い声に硬直する。それはまるで誘惑するような心地の音だった。とろとろと心が蕩けるような。
「でて、……」
出ていきたい訳じゃない。だってすごく楽しかった。先生たちは優しいし、頼りになるし、ご飯作るのもお片付けするのも楽しい。それにみんなありがと、助かったよって言ってくれるからやりがいもあった。しかもバイト代いいし。めっちゃいいし。
「君の欲を、教えてごらん」
茶髪の美しい高位悪魔が、私の心のうちを探るように笑顔で見つめる。逆らえない、逆らいたくない。吐き出したいのに、吐き出したくない。なのに、口から溢れるように言葉が出てしまう。
――私の、欲、は。
「出ていきたく、ないです。まだ、もう少しここにいたい……」
まさに悪魔の誘惑だ。甘くて、苦しくて逃げ場のない誘惑。なのにそれにズブズブとはまっている自分がいる。ふにゃふにゃになってダリ先生に縋り付いて懇願する。やだ、出ていきたくない。もっとそばにおいて。もう何を言ってるかわからないけどふわふわと撫でられてる頭がとろけるように気持ち良くて胸元に縋り付いてイヤイヤと駄々をこねるように額を擦り付けた。
「だよね!いやー!よかったよかった!可愛い可愛い僕らの家政婦さんが他所に行っちゃうかと思ったら焦っちゃったよ!いいよ、ここにいて。だって僕らが望んで、君も望んだんだから」
もう嫌、は無しだよ。と囁かれてこくこくと頷く。
「あ、でもちゃんと就職先見つかったら出ていきますから。そっちはちゃんと相談してるし大丈夫ですよね」
「うーん、まぁそうだね!卒業後は僕らもなんとかするしかないなぁ」
生徒の進路はちゃんと自主性に任せます!と手を上げてくれたので安心。やべー!このまま絆されて取り込まれるとこだった!すげぇ、高位悪魔すげぇ!!怖すぎる!!
息を潜めていた先生方が吹き返したようにざわめき始める。もう少し早くにざわめいてよ!こっちは怖かったのに!
「つまり、まだいるってことだよな!?良かったー!!どうしようかと思った!」「流石ダリ先生誘導「しっ!黙れって!」」「ぶっちゃけ急にいなくなられたらほんと回んないからさぁ」
頭を撫でくりしてくる先生たちの手をそのままにダリ先生に蝉のようにしがみつく。いやー!怖がらせちゃったかな!と言いつつちょっと嬉しそうなのがムカつく。陽気に喋ってる喉元噛んでやりたいです、私!
「はーい!ちょっとベタベタしすぎです!」
「びゃん」
「あ、ツムル先生!奪わないでくださいよ〜」
べりっと引き剥がされてそのままツムル先生に抱き抱えられる。「あー、ほら混乱と困惑と安堵の色でぐちゃぐちゃになってる」と私の顔を覗き込んでいるツムル先生の瞳の中にダイヤが浮かんでいることから、鑑定色で覗き込んでいるのがわかる。八の字に下がった眉がいかにも私を心配しています、と表情で伝えてくれてなんだか妙に安心した。
「流石に圧をかけすぎですよ、ダリ先生」
イフリート先生が私の頭を撫でながら苦笑しつつ言ってくれた。流石イフリート先生!わかってる!ほらもっと撫でて!もう!ちぇー!って拗ねないでくださいダリ先生!
「でも僕のこと大好きだもんねー!」
「うん」
即答である。それはそれ。ダリ先生のことは好き。好きだけど怖い悪魔なの。知ってたけど実感させられただけで!しかも悔しい形で!
「……なんだか即答されると照れちゃうね!」
「好き、ダリ先生大好き。だから私を怖がらせないでっ!」
「えー?それはちょっとなぁ〜!」
「くそー!ダリ先生の嫌いなものばっか出してやるんだから!オトンジャさんに聞き出してやる!!」
びゃっ!と指差してツムル先生の腕のなからから逃げ出しバタバタとオトンジャさんのとこに走って向かう。そんな私には背後で行われた会話なんて知る由もないのである。
「くくく、可愛いねぇ。ちゃんとご飯作ってくれるつもりだよ。しかも僕の嫌いなもの調べて!」
「無邪気で可愛いですねぇ」
「まだまだ子どもだ」
穏やかに笑う教師陣の中で一人ちょっと拗ねるツムル。それを若干羨ましいな、と思っている大人悪魔が二人いるとは、まだ知らない話。
「うぅ、……ぅー……」
ダリ先生から私の欲を聞かれた時からなんだかすごくむずむずするというか、モヤモヤするというか。そういう感覚が続いていた。
いつも通り動けるし朝ごはん作って、注文された間食作って、授業受けて。毎日の行動はできる。だけどなんだか、むずむずする。特に先生たちを見てたらむずむずする。
休みの前日、むずむずがピークになり予習も手が進まず広げるだけ広げた教科書とノートの前でべたっと頬をつけてぼんやりしていたらジャージ姿のオリアス先生がやってきて「どうしたの?」と覗き込んできた。
ぱち、と心配そうな星が瞬くような綺麗な瞳を見て、私の理性の音がプツン――と、切れた。
出て行く出て行かないの押し問答(問答にはなっておらずほとんどやり込められる形だったのを大人悪魔たちは知っている)の後から何だか微妙にそわそわした様子というか、本人もわかっていなさそうなそわつきがあったのはなんとなく察していた。
それは次第に強くなり、今日それが特に顕著になっていた。オリアスが見る限り、学校の間は問題なかったように思う。いつも通り朗らかにクラスメイトと話しているのが遠目で見えた。
けれど寮に戻ったらどうだ。ぼんやりとして誰かが動くのを視線でずっと追っていて。
ぽて、と予習のために広げた教科書類に顔を埋めてしまったのでつい心配になって声をかけてしまった。それが、きっかけになったとは思わずに。
「――おりあす、せんせ」
とろりと甘い言葉。砂糖たっぷりのチョコレートに蜂蜜をかけて、それでもなお足りない甘さが溢れてこちらを飲み込もうとしてくる。
「へ」
「せんせ、なでて」
まるで魔力だ。舌ったらずな甘い言葉。とろりとした視線。なのに一切の下心は排除されてただ心地よい甘さだけが残る。
無意識のうちに頬を撫でればきゅうっと目を細めてうっとりとした熱いため息を漏らす。その吐息の熱さが手にかかり、自分の心臓にまで熱が伝播したかのようにドクリと跳ねた。
――これ以上は危ない。
高位悪魔として本能が叫び散らかしパッと手を離せば不満そうに眉根を寄せる。
「なんで、せんせ。やだ、もっと」
ふらりと立ち上がった彼女がオリアスに近づいていく。腕を広げられて迫られればどうしてだか抱きしめ上げなければ、とそう思ってしまうような哀れさを含んだ甘い顔。
思わず、受け入れようと一歩足を踏み出した瞬間「オリアス先生ッ!」と鋭い声。まるで現実に引き戻されたように世界に音が戻る。
「ツムル、先生」
「――悪周期です」
静かな声と共にその瞳がダイヤの形なっており、その家系能力が発動されていることを悟る。
「悪周期、ですか」
ど、ど、ど、と早鐘を打つ心臓を悟られないように意識抑制と意識安定の魔術を自分に無口頭魔術でかける。
「はい。でもなんか……こう、」
ツムルはツムルで違和感を感じていた。なんというか、鑑定色でみたその色がほかの悪魔とはちょっと違っていたからだ。基本的に悪周期というのはイライラしたりストレスを感じて爆発するものであるのでどうしても乱暴になりがちだ。それなのに。
「ツムルせんせ」
「ひゃいっ!」
さっきまで警戒していたはずのツムルさえ動揺してしまう甘い声。いつも溌剌と、むしろなんかたまに冷静すぎてこっちがごめんね。ってなる感じの言葉を発するのにすごく甘くてふにゃふにゃしてて柔らかい。ウッソ女の子ってこんな可愛いふわふわの声出せるの!?
「つむるせんせ、なでて」
「エッ!?はい!!」
「ん〜ー……」
恐る恐る小さな頭に手を滑らせればゴロゴロと喉を鳴らす念子のように嬉しそうに目を細めて頬を緩めるのでひゃわー!!となってしまうツムル。精神医学教師でしょ、しっかりして!
「もっと、いっぱい。オリアスせんせ、も」
「あっ、はい」
二人から頬を撫でられてその男とは違う柔らかな女の子の頬がふにゃふにゃと形を変えている。力入らなくなったのか床に座り込んでも二人の手を離さないように視線だけで懇願してくるのでなんだかいけないことをしているかのようで思わず唾を飲み込んだ。
「うわ、何してるんですか?お二人とも」
「イフリート先生!なんかこの子が悪周期になっちゃったみたいで」
ツムルが彼女を撫でながらイフリートに縋るような視線をむける。ちょっと助けてほしい、色々。
「え?……なんか悪周期っていうか……甘えた……?」
「そんな感じです。すごいとろとろの念子みたいで」
「とろとろっていうか……なんか妖しい……」
ふにゃふにゃとろとろになって崩れ落ちていた彼女が僅かに視線を揺らしひたりとイフリートを見つめる。
「いふりーと、せんせいだぁ」
覚束ない足つきで立ち上がり自分にも「撫でて」と言ってくれるのかなぁとちょっと期待しながら「おいでー」とその場で待っていたら、ぽすりとその小柄な体がイフリートに向かって飛び込んできた。つまり抱きついてきたのだ。
「!?」
「んー、イフリートせんせ、のにおい、すき。たばこ……」
ぎゅうっと背中に腕を回して胸元に頬を擦り付けるようにしてふにゃふにゃと笑う。確実に生徒と教師の距離ではないが悪周期と聞いているしなんか甘えてるだけだしやっぱ可愛いしなんか引き剥がすの可哀想だし!?え、これ僕如何すればいいの!?
痴漢じゃないですよ!とばかりに手をパッと上に上げて先ほどまで絡まれていた(むしろ撫でてたから絡んでたのか?)を見ればちょっと名残惜しそう。いやわかるよ、普段甘える子じゃないから甘えられたら嬉しいよね。危険な甘え方してるけど!!
「え、なにこれ。本当に悪周期なんですか?あまりにも可愛い」
「ステータス的には悪周期ってなってるんですよね、これ」
「こう、普段甘えるタイプじゃないからですかね?それにしても欲求の発散の仕方が可愛すぎる……」
ツムルもオリアスが後ろから撫でてもそれはそれで嬉しそうに甘受する小さな頭。もちろんここは食堂なので他の先生たちも集まってきては異変に気がつき「如何したの?」「悪周期だってさ」「悪周期……?」「これが?」「甘えたじゃん」「他の生徒もこんなだったら……」「いやそれはちょっと嫌だろ」なんて話してついでにとばかりに撫でてる。逆に癒されてますよ。
ごろごろと喉を鳴らすようにうっとりとした表情はちょっと危うい。そもそも生徒で子供とはいえ卒業まで一年に満たない女の子だ。ちょっとこの距離感はダメなんじゃないの??
「え、何?ご飯は?あれ?如何したの??」
一人遅れてやってきたのは教師統括であるダンダリオン・ダリ。なんも知らん顔(実際知らない)で入ってき、彼女の家系能力が切れてしまったせいで何にも用意できてない食堂を見て首を傾げている。
「あ、ダリ先生。この子、悪周期になってしまったみたいで」
「え!?本当ですか?ツムル先生。そりゃ大変……って如何いう状況?とりあえずイフリート先生は教育ですか?」
かくかくしかじか、と状況を説明するもののダリからの視線が痛すぎてイフリートはお手上げ寸前。実際手を上げてるしね。
「……だりせんせ?」
ぽや、としながらもその声に反応したのか顔をあげ視線をうろつかせる。全員がダリまでの導線をあけたと思えば彼女がイフリートの腕から駆け出しだりの胸元へと飛び込んだ。
「え?何この可愛いの。どうしたの〜?可愛いね〜」
もはや扱いがペットに対するアレである。まぁ本悪魔も問題なさそうだからいいけど。
「なでて!」
先ほどよりもはっきりとした言葉と要求。蕩けるような表情はそのままで、とろりとした目だけはぱっちりと開いてダリに一生懸命撫でて欲しいのだ、褒めて欲しいのだと訴えている。
「うわ、可愛い。僕こういうペット欲しかったんだよね〜!えー!可愛いねぇ可愛い。いつもご飯作ってくれてありがとう。美味しいよ」
でれっとした顔はともかくペットって。それ生徒に言っていいのか?と周囲は思ったが本人嬉しそうだからちょっと黙る。悪周期でポヤポヤしてるか
気が付いてないんだろうなぁ。
「うん!」
「掃除も綺麗にしてくれてるよね」
「うん!」
「もしかして書類分類するのとかも得意?根気強くて頑張り屋さんだね」
「うん!……えへへ」
嬉しい嬉しいとダリにしがみついて離れない彼女は可愛い。可愛いが完璧に側から見てたら事案である。
「せんせ。もっと褒めて。私先生たちに褒められるの大好き。んふふ、先生たち大好き」
まるで酔っ払ったように浮ついた言葉である。だけどそりゃもう嬉しくて可愛くて仕方がない言葉でもある。だって彼らは教師。可愛い生徒に大好きって素直に言われて嬉しくないわけがない。そもそもが教師になるくらいには子供が好きで、その可能性を信じているので。
「んんんんー!!今日は僕の奢りで出前!いっぱい甘やかすぞー!!」
ダリが声を上げて宣言すればわー!!と喜ぶ教師たち。そりゃ奢りともなればね!あのダリ先生の奢りとなればいいもん食えるぞ!って話である。
早速ス魔ホでサクサクと注文したと思えばそのまま談話室のソファーに連れて行きベッタリと甘やかし始める。まぁもちろん他の教師もついてきてるけどね。もはやベタベタの恋人レベルだが彼女に下心がないゆえか年下の従姉妹が戯れてるようにも見える。他悪魔だけど。
「んー、僕のこと好き?」
「ダリ先生、すき。だって教え方お上手だし、上手くできたら自分のことみたいに喜んでくれるんだもん。あのね、だから私魔歴の成績いいのよ」
「……んんん!すごい!なんか癖になるね!?逆に褒められてる!!」
ギュッと胸を押さえて悶えるダリ。
「ツムル先生もね、凄いの。すごく難しいことを教えてくれてるのにすんなり頭に入るように言い換えてくれてね、精神医学がちょっと楽しくなったの」
「う、嬉しすぎる……!」
ツムルもぎゅっと胸を抑えた。これが……、喜び……!本当にそれ喜びだけか??
「オリアス先生もね、いつも詩を歌うように素敵な授業をしてくれるんだけどね、それだけじゃないの。真面目でキリッとしてて夢中になっちゃうの」
「……、」
オリアスはジャージのフードをギュッと握りさらに下げてしゃがみ込んだ。ちょっとオフの時には刺激が強すぎました。
「イフリート先生はね、いつも見守ってくれてて安心するの。よくね、私変な人に会っちゃうんだけどいつもイフリート先生が駆けつけてくれるからね。タバコの匂い覚えちゃった」
「もうタバコの銘柄変えない……!」
嬉しすぎる。でも危険に遭わない方がいいのは確かなので自衛しようね……!いやでも運動神経悪いもんね!せめて逃げられるように、と彼女の逃げ方なのを考え始めた。
他の先生たちもそれぞれ彼女が知りうる限りでありとあらゆる表現で誉められてデロデロである。こんな可愛い悪周期ならずっとこれでもいいわと思ってしまうくらい。
「あ、出前届いた!」
インターホンの音が響いて扉を開ける前にさっと彼女に認識阻害の魔術をかけてから業者を受け入れれば次々と料理が運ばれていく。一部は食堂に、一部はそのまま談話室に。
「ありがとう〜!請求はいつものとこによろしく!」
「かしこまりました、ダンダリオン様」
流石貴族。おちゃらけてっけどふとした時に優雅というか気品が出るんだよな。おちゃらけてっけど。
並べられたその一つを持ち腕の中撫でむにゃむにゃしてる彼女の前に差し出す。
「ほら、これ君が好きなやつだよ」
「ん」
ぱかりと口を開けてにこーっと笑う彼女。流石に硬直したダリに向かって「食べさせてくれないの?」とばかりに首を傾げて見せる。
「……」
「おいひぃ」
もきゅ、と食べる様子は可愛い。小動物みたいだ。だけどなんか背徳感。可愛がるのも褒めるのもちょっとぐらい抱きしめるのもいいがなんか食べさせるのってさぁ。なんかさぁ。
魔界で、重視されるのは食べ方だ。食欲はありとあらゆる欲に通じるから、その食べ方はいざという時よく観察される。だからこそ他人の手から与えられて食べるという行為は最高の甘えにとられてしまう。可愛くて、依存してて、――自分の手の内でしか生きていけない可愛い女の子。そんな幻想すら抱いてしまうのだ。
「ダリ先生。流石に目がやばいです」
「おっと!ありがとう、イポス先生」
いやー!ついつい!とてへぺろして見せるが同じ男悪魔として教師統括のてへぺろは見たくない。ちょっと目をそらした。
「しかし本当に可愛らしい悪周期ですね」
「んへへ、イチョウ先生に褒められた」
「これは褒めなのか……?」
本人が嬉しそうだからいいけど。とさりげなく撫でるイポス。一番大人まであるなぁ。流石戦術学の先生。恋愛の戦術も上手いんですか?それ言われなれてるからやめてくれませんか??
「これで下心がないのが恐ろしいよね〜」
むしろ下心があってくれた方が良かったよ、と苦笑しつつ撫でるダリの手はまるで恋人に接するかの如く甘やかだった。
この後みんなにめちゃくちゃ餌付けされてご満悦だったことをお知らせしておく。
あとがき
わーい!!みんな褒めてくれるし楽しんでくれるから私もたのしー!!元気になっちゃうな!!元々元気だけど!!💃
テンション上がってるせいで更新速度早くてキモ…………って思われたら如何しようと思ったけど喜んでくれてよかった!!!行けるところまではテンション高く行きたいと思います🪘💃🪘🎵
もし読みたいな〜こんなお話どうですか?ってお話があればコメントに書いてくれれば拾う…かも!!
家政婦ちゃん
退寮する約束だったからちょっとしょんぼりしつつも慰謝料から引越し代を工面し家を探していた。のでストレスが溜まっていた。そんな時にダリ先生たちに引き止められて拍子抜け。押さえつけていたまだ教師寮にいたいという気持ちが口から吐き出させられた。なおやっぱりやめます、と不動産屋にいうのにダリがついてきた。やめるよね?約束だもんね?嫌はなしって言ったもんね?不動産屋には恋人と暮らすのかーと思われている。
今回の悪周期は抑圧されてた「まだ教師寮にいたいのにな」という気持ちが解放されてムズムズにつながっていた。実は初めての悪周期。めちゃくちゃベタベタに甘えまくった。撫でられるの褒められるのも褒めるのもノンストップ。1番安心するのはなんだかんだダリ。この人の腕の中は(自分の中の)安全圏。でもそれぞれ安心ポイントが違うだけ。
ダリ
本当はめちゃくちゃ動揺して怒ってた男。ここまで僕らの生活に入り込んではい、さようならって如何いうこと?ってなってた。
飴と鞭の使い方が上手く、いざとなれば支配者然とした振る舞いもめちゃくちゃ上手い男。最後はほぼ誘導尋問だった。ていうか君はもう僕らのじゃん?ってなってる。
家政婦ちゃんの悪周期が可愛くてテンション上がった。多分この男は自分の気に入った子の甘えにはものすごく甘い男。甘やかしてデロデロにして依存させたーい!って感じ。可愛い。いうて悪魔みんなそんな感じするけどね。
ツムル
寮出て行くと言われ息を止めフリーズした男。実はイポスにそっと蘇生されてた。(背中叩かれてた)
ダリによって欲を曝け出される過程を複雑そうに見つめていたが出て行かないとなってほっとした。
悪周期可愛すぎてめちゃドキドキしてデレデレした。ダリの次にめちゃくちゃ餌付けした男。可愛い〜ッ!!
イフリート
退寮騒ぎはある程度傍観。ダリ先生が阻止するだろうなぁと思ってた。多分多分学校警備職員だし他の職員よりダリの直属感有りそう。
悪周期騒動はめちゃくちゃニコニコしてしまった。えー僕が助けてくれるって思ってたの?もちろん助けるよ、大切な宝だからね!もうこの子がいるうちはタバコの銘柄変えない!嬉しいな〜!!こいつもめちゃ餌付けした。
オリアス
退寮騒動では静かにしてたけどしょんぼりしてしまった男。でもよかった、出ないんだね。
悪周期騒動では初っ端に甘えたの波動を受けてしまいめちゃくちゃに動揺した。これ以上のめり込んだら破滅しそうだと思った男。
他の先生方
ダリ先生の誘導尋問こえ〜!!あれ選択肢を与えるようで全く与えてなかったよな?まぁ自分たちもあの子に出ていかれたらすごく生活が困るのでそのまま引き留めてもらって。(悪魔的思考)
悪周期は可愛いねぇ、可愛いねぇ!と溺愛する姪っ子に構う叔父さんみたいになってた人々。普通の時もほんのちょっぴり甘やかしてしまうようになる。威嚇される。
ーー次回!!というか皆んな名前呼びってずるくない?編!


























