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推し客がホストみたいなイケメンと店に来た

oyakata1680oyakata1680

超かぐや姫!に脳を焼かれて生まれたSS。 いろかぐヤチ登場前に酒寄兄妹出したほうが面白そうだなってなったんで黒鬼登場です。詰め込み過ぎた感あるけど、ここまでやらないと兄の話として不十分かなって。 ――― 【感想・お題はこちら】 こちらは匿名で送れるやつです。一言だけでもいただけると活力になるんでよろしくです! お題箱:https://odaibako.net/u/oyakata1680 マシュマロ:https://marshmallow-qa.com/ef416y5ntjz1w7q X(Twitter):https://x.com/oyakata1680 (たまに執筆の進捗など呟いてます)

前提

 超かぐや姫!の本編後の二次創作。彩葉が所長を務めている研究所の最寄りにあるコンビニでアルバイトをしている店員が、客として訪れる彩葉たちを目撃する話です。

 ◆

 客足が落ち着いた、昼過ぎのコンビニ。
宅配だ支払いだの面倒な客を捌き、ようやく一息ついていた。
何が言いたいかと言うと、まあちょっとストレスが溜まっていた。
今日は美人の一人も見ていない。
目の保養が無い。
何でもいいから何か俺の癒しになるイベントでも起きてくれー。
そんなことを漠然と思っていたタイミングで、間抜けな来店音が鳴り響く。
俺は反射的に入口の方へ視線を動かす。

「いらっしゃいませー」

入って来たのは、男性二人……あ、いや、三人組だった。
イケメン二人に挟まれて、小柄な人影が隠れていた。

(なんか真ん中の人、すっごい可愛いくないか???)

イメージしていたのとは違うタイプの美人の登場に困惑を隠せない。
いや、ちょっと待て。挟んでいる二人の男性も、見たら凄いイケメンだぞ。
黒髪を少し遊ばせた、黒のハイネックシャツとグレーのスラックスの男性。
淡いパープルのパーカーにライン入りのスウェットパンツの、アッシュ系の短髪の男性。
その二人に挟まれている、赤紫の癖っ毛が目を引く男性……いや、少年と表現するほうがいいか。
少年は淡いグリーンの半袖ストライプシャツもハーフパンツ。

「ん? お、電話だ。ちょっと出てくる。先買っといて」

黒シャツの男性が、ポケットから取り出した携帯電話を持って一人でコンビニの外へ。
残った二人は買い物を続行。

「いつものでいいか」
「うん」
「あれ、無いな」
「んー、じゃあアイス」
「腹に溜まるもの」
「じゃーウインナー」
「わかった」

なんか……気安いな。
え、男友達だとしても気軽すぎないか。短いし主語があいまいなコミュニケーションでもどんどんカゴに商品が入っていくけど、意思疎通できているのか?
とか思っていたら、特に何も言わずに少年がひょいっとチョコケーキをカゴに放り込んだ。

「乃依」
「……ちぇー」

乃依と呼ばれた少年が、残念がるポーズを取ってチョコケーキを棚に……戻さない。
ちぇーと言ったけど別に何もしない。そしてもう片方の男性も別に戻さない。
え。なに、今のは。
勝手にデザート入れるなって意味じゃないの?
今のは買う方向で決定した流れなの?
分からん……会話以外の方法で意思疎通でもしているのか……?

「朝日のは」
「これにしよ」
「いいのか」
「いいでしょ」
「わかった」

何も分からない。
朝日というは、今外で電話をしている人のことか。
そんで今カゴに入ったの、野菜スティックだけど。
え、もしかしてあの人の食事これってこと……?
可哀そうじゃない?

「お願いします」
「あ、はい」
「袋もお願いします」
「三円でお付けします」

外で電話をしている朝日さんとやらに意識を向けていたら、二人がカゴを持ってレジにやって来た。
カゴの中身には、総菜パン二つと野菜スティック、チョコケーキ一つ。他にいくつかの菓子類が入っていた。
これマジで朝日さんの分は野菜スティックだけだろ。

「からあげ」
「駄目」
「えー、いーじゃーん、ケチー」

乃依さんがレジ横に置いてあるホットスナックケースを見て声をあげるも、男性はそれ以上何も言わず。
乃依さんは諦めず何度も駄々をこねている。

「待たせた。雷、支払い俺がやる」
「朝日ー、からあげ二つー」
「ん。食いたいのか? すいません、からあげ二つ」
「……あ、はい。ご用意します」

あれ、雷さんと呼ばれた男性……からあげを買うの、止めないのかな。
何も言わずにいるから、とりあえず袋に詰めたけど……

「支払いふじゅペイで」
「はい」

とりあえず俺は会計処理を進める。
ふじゅー!と軽快な効果音が鳴って会計が終わる。
袋に詰めた商品を朝日さんが持って、三人で店を出て行った。
店を出てすぐのところで、からあげとチョコケーキを取り出して乃依さんに渡してる。
えー、どういう力関係なんだろうあの三人……

(なんか、ホストクラブみたいな集団だったな……)

そんな感想が沸いてくる。
しかし、そうなると逆に一人だけめちゃくちゃ甘やかされていたあの乃依と呼ばれた少年だけ、接待を受ける側に見える。
イケメン二人に甲斐甲斐しく世話を焼かれる可愛い系男子。
うーん、夜職の闇か?

(かぐやさんやヤチヨさんにねだられてからあげ買う彩葉さんのことを思い出したな……)

構図としては同じだし、ねだってきた相手に甘いのも一緒だけど、今までで一番甘やかしていたのが今の二人だった気がする。
何と言うか、甘い空気じゃないのに、甘い。
この激甘の状態が平常運転である、という雰囲気だった。
世の中色々な人たちがいるなぁ。
一つ、大人の男の世界を垣間見た気がした。
溜まっていたはずのストレスは、いつの間にか消えていた。

 ◆

 次の日。夜のシフトに入ってレジに立っていると、男女二人組が来店した。
反射的に入口を見て挨拶をする。

「いらっしゃいませー」

そこにいたのは、久しぶりに見る彩葉さん。
……と、昨日見た、からあげを買った方のイケメン、朝日さんだった。

(!?)

なぜこの二人が一緒に!?
俺の脳内が騒めきだす。

『彩葉さん、彼女寝取られて男に手を出したんか!?』
『え、いや、普通にノーマルだったってだけでは?』
『女性相手にあの雰囲気出せる女がノーマルなわけあるかぁ!』
『うーん凄い説得力』
『あれじゃね。バイってやつ。どっちもいける人』
『では仮にそうだとして、今のこの状況を端的に説明せよ』
『え、普通にカップルなんじゃね?』
『チッチッチッ、甘いよ俺。いいかい、彼は夜職なんだよ?』
『……そうか、今の時間帯だと、同伴か!』
『え、じゃあこの後、彩葉さんはホストクラブへ!?』
『いやあああ男遊びする推しなんて見たくないワ!』
『乙女な俺は目を瞑ってろ! この先に戦いにはついてこれん!』
『かぐやさんとヤチヨさんに捨てられて、ついに男遊びに走ったか、酒寄彩葉!』
『幻滅しました。ファンやめます』

脳内が盛り上がっている間に、二人は買い物を始めていた。
どうせ甘い雰囲気で盛り上がって行くんだろう……と思っていたら……

「お、これ彩葉の好きなやつやろ。あ、これ前に乃依にもろたやつや。美味かったさかい、いっぺん食うてみぃや」
「ちょっと、勝手に入れんといてぇな。そんなぎょうさんよう食べへんてば」
「余ったら他のやつにやったらええやろ」
「余計な買いもんはしたないって話やんか」
「俺が買うたるって言うてるやろ」
「……」
「お前かて今は稼いでるんやろ。俺に成金やなんや言うのはちゃうやん」
「……せやさかい、黙って睨んでるんやけど」
「はいはい。文句は受け付けへんで」
「なんでやのぉ」

あれ。
なんか思ってたんと違うな……しかも方言?
彩葉さんの態度、一人の時の気難しそうな感じとも、趣味でくじ買いに来た気軽な感じとも、かぐやさんたちと一緒のデレデレな感じともまた違う。
何と言うか……砕けている感じ。口調も粗っぽくて、でも喧嘩腰ではない。
対する朝日さんも、その調子に気を悪くする様子もなく、むしろ楽しそうに商品を次々にカゴに放り込んでいく。
嫌がるのが分かっていて、揶揄っているようだ。

『この距離感……やはり間違いない! この二人はカップルだ!』
『カップルだな』
『カップル以外無いな』
『この距離感でカップルじゃないは無いな』

しかしなんだ。
今の彩葉さん、可愛いな。
これまで彩葉さんは、いくつかの側面を垣間見て来たけれど、甘える側になっているのは始めてみた。
いや、状況だけ見ると、彼氏がカゴに商品をどんどん入れるのを許容している甘い彼女に見える。
けれど、会話の内容や表情を見る感じ、彩葉さん側が「笑わされている」ように見える。
主導権を譲っているのだ。
推しの新たな一面だ。彩葉道は奥が深い。

「お願いします」
「あっ、はい。袋は」
「あー、お願いします」
「はい、三円でお付けします」

二人がレジにやってきた。うお、二人とも顔面が強い。
美男美女カップルすぎて目が開けられん。
俺は二人の顔を見ないように会計を進める。

「ほんで、今夜も泊まりなん?」
「いや、さすがに日付変わる前には帰るわ。怒られてまうし」
「今度時間でけたら、またやろな」
「え〜、プロに混じるん毎回気ぃ引けるんやけど」
「引け取らへんて。一番キル数稼ぐ試合かてあったやないか」

びっくりしたぁーー!
ゲームの話かぁーー!
キル数って単語無かったら乱交の話かと思ったぁーー!
あっぶねぇーー!
心臓に悪い会話を繰り広げる美男美女カップルの言葉一つ一つに脳を焼かれながら、俺はせかせかと商品をスキャンする。
袋詰めが終わり、会計を促す。
すると、二人が同時に携帯端末を取り出した。

「なんや、余計なもん買いたないんちゃうかったん? 俺が出すって」
「全部私の分やさかい、私が払います。当たり前です」
「……隙ありっ!」

ふじゅー!と軽快な効果音が鳴り、朝日さんの携帯で決済が完了した。

「あ! ちょっとお兄ちゃん!」
「こういうんは早いもん勝ちやで」
「もー」

そんなやり取りをしつつ、二人はコンビニを後にした。

(……お兄ちゃん!?)

去り際の会話に新事実が判明した。
あの二人、兄妹なのか。

『カップルじゃなかった』
『解釈一致』
『てぇてぇ』
『言われてみれば似てる』
『誰だよカップル確定とか言った俺ら』
『そこで尊死してる』

ここで働いていて良かった。
新たな栄養源を得た俺の心は舞い踊り、その後の仕事は手につかなかった。

 ◆

 しかし、それから数日後、俺の心は再び乱されることになった。
深夜シフトに入った日、他の客が居ない時間帯に入って来たのは、朝日さんと乃依さんだった。

「いらっしゃいませ」

二人は日用品コーナーへ向かい、スーパーなどに比べるとお高めの歯ブラシやブラシをカゴに入れていく。

「シャンプーも切れてたっけ?」
「買い置きあるから大丈夫」
「前にファンのプレゼントの中に歯磨き粉混じってなかった?」
「流石に使えないだろ」
「あれ、歯ブラシ二つ買うの?」
「乃依のも開いてただろ。ついでに」
「やーさしー」
「俺はいつでも優しいでしょ」
「やーらしー」
「なんでだよ」

深夜に日用品の買い足し。
歯ブラシの状態まで把握している状況。
どう見ても同棲しているカップルでは?
待ってくれ、二人で生活してるの?
イケメン系と可愛い系のホスト二人、同じ家。何も起きないわけがなく。

『起きないだろ』
『いや起きるね』
『何を根拠に』
『指輪』
『?』
『指輪してる』

朝日さんと乃依さんの左手の薬指に、同じデザインの指輪がついていた。

「お願いします」
「アッ、い、いらっしゃいませ、はい」
「?」

いかん変な声出た。
いやだってさあ! 目も泳ぐよ!
そこに確固たる証拠があるんだからさあ!

「あ、エコバックある」
「お、偉い」
「こんなことで褒めんなー」

乃依さんがレジに広げた袋に、カゴの商品をスキャンして入れていく。
……あれ。
商品の中に四角いパッケージのものがあるぞ。
二人はお菓子コーナーには行かなかったはず……と思って手に取ってみると、それはゴムだった。
ゴム。輪ゴムじゃない方のゴム。
俺は何も言わずにスキャンして袋へ入れる。

『証拠増えた』
『こんなところでこんなもん買うな』
『いやここで買うのが正解だろ』
『妹の職場の近くでコ〇ドーム買い足すなよ』
『くそおおおおおお!』
『暴れ出したぞ!』
『取り押さえろ!』

俺の心が乱れている。乱れ狂い叫び散らかしている。
かつてないほどの衝撃だ。
会計を終え、二人は雑談をしながら退店していく。
しかしその会話内容を気にする余裕は、今の俺には無かった。

(妹は金髪・銀髪の彼女を作るバイタリティがあり……兄は男の娘と同棲ライフ……)

「酒寄兄妹……恐ろしい血筋……!」

あの兄妹のせいで、ここいら一帯の顔面偏差値が上がりすぎてしまっているのではなかろうか。
このコンビニで働き続けたら、俺もいつかこの異常な地域に飲み込まれてしまうのではないかと、少し恐怖を覚えるのだった。

— End —

Comments 23

かしわ餅の食べられない部分6 小时前

店員さんの情緒はもうボロボロ

ストレア7 小时前

コンビニバイト、このくらい愉快な土地だったら楽しかったのかな……

かぐいろヤチしか勝たん1 天前
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かぐいろヤチしか勝たん1 天前

ほんとに店員さんの反応好き。心の中で自問自答(笑)をしてるとこほんまにおもろい。彩葉と帝とかいう美男美女コンビが来たらそりゃカップルやと思うわ。でもここで誤解解けてある意味良かったかもね。今後あんまなさそうやけど、帝とかぐやとか彩葉と乃依とかが一緒に来たりしたら絶対脳破壊される

もももも1 天前

店員が羨ましくてしょうがないぜ

O
osssama1 天前

酒寄研究所の周辺がいろんな意味で魔境にw

暇人1 天前
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オネ1 天前
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1 天前
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3
35/9/21 天前

何も知らない外野から見たら彩葉×帝の絵面、カップルにしか見えないよなぁ…うおっこの兄妹顔が良すぎる…

ファルザーな邪神1 天前

彩葉と帝、兄妹揃いも揃ってタレ目の美男美女を娶ってるの酒寄家、特に紅葉さん側のの血筋を感じますよね

R
R-COOH1 天前

彩葉×帝の勘違いしたまま悶々としないで済んで良かったな店員くん どうしよ次に雷×かぐやとかの異色コンビで来ちゃったら

Sakuria
Where every work blooms
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