●アテンション●
当作品は素人執筆による非公式二次創作です。
公式様はじめ、関係者様と一切の関係はなく、また著作権の侵害を目的としたものではありません。
※オリ主ちゃんは蘭ちゃん成り代わり?というか憑依?
※お相手はジン
※キャラの口調など似ていなかったら申し訳ないです。
※厳しめ・キャラ改悪表現あり(新一)
※原作は崩壊すると思われる
※キャラ崩壊待ったなし
※ねつ造多数な自己満足作品!
以上の注意点を読み、OKな方のみ、次のページへお進みください。
Side 毛利蘭(?)
「それじゃあ、着替えをして待っていてください。先生がもうすぐ来ると思いますので。何か困ったことがあれば、遠慮なくナースコールを押してください」
「……わかりました」
入院するにあたり、一通りのことを説明し、室内のどこに何があるかやトイレの場所などを教えてくれた看護師さんが、頷く私の様子を見て退室していく。
以前、偶然見た医療ドラマの病室シーンのように、いくつもベッドが押し込められた大部屋と違う室内を見回す。
カーテンが閉まった窓のそばに設置された医療用のベッドは一つだけ。
皺ひとつなく整っているシーツの上には、これまた綺麗に折りたたまれた一組の入院着が用意された。
本当はすぐそれに着替えなければいけないのだろうけれど、パッパッと即座に手を伸ばす気にはなれなかった。
ベッドそばに置かれた椅子の上には、“この子の”持ち物と思わしきショルダーバッグが置かれている。
中に入っていたのは、ポケットティッシュやハンカチ、リップなどが入ったポーチに、折り畳みのお財布と学生証――そして“使ったことがない”ガラケー。
それらすべてに“見覚えがない”せいで、目覚めてから頭の中に降り積もった疑問符がまた増えていく。
「…………」
バッグから外した視線を窓の方へ向け、数歩そちらに歩み寄った私は、おもむろにカーテンを開けた。
窓の向こうに見えるのは、そこかしこのビルなどのネオンがきらめく夜の世界。
その夜景に溶け込むように、窓に反射した一人の女の子が不安げに私を見つめ返してくる。
「ねぇ……あなたは、誰なの? それに」
――私は誰、なの?
ふと意識が覚醒した時、今まで一度も乗ったことがないジェットコースターに私は乗っていた。
そして、自分の状況を把握するよりも先に女性の悲鳴が聞こえ、視界一面が赤一色――噴きあがる血しぶきに埋め尽くされ、底知れぬ恐怖を感じた。
自分の身に一体何が起きているのか、何故こんなことになっているのか、必死に記憶を思い出そうにも何も思い出せず、恐怖の赤だけが頭の中で何度もフラッシュバックするせいで気分が悪くなっていった。
次第に顔をあげていることすら辛くなって、元々握っていたらしい安全バーに触れた状態で俯いていれば、いつの間にかジェットコースターはスタート位置に戻っていた。
ようやくコースターが止まったと思えば、最初に聞いた以上に悲鳴がそこかしこからあがる。
自分の中から湧き上がる恐怖心に、悲鳴をあげたいのは正直こちらだった。
けれど、吐息に混じって零れるのは、「ぁ……」とか細過ぎる悲鳴とは似ても似つかない声だけ。
ただでさえ混乱している頭の中が、野次馬たちの悲鳴によって余計にかき乱されていくことだけは、ぼんやりとわかった。
その後、恐怖と困惑のせいで正常な判断すら出来なくなった私は、座席から動けなくなっていた。
辛うじて頭の片隅に残った理性が、「早く降りなくちゃ、迷惑がかかる」と訴えてくる。
そうわかっているのに身体は言うことを聞かず、私の様子が変だと気づいたらしい女性が声をかけられ、ほんの少し身体を動かそうという気力が沸いた。
にも関わらず、上手く身体に力が入らないせいで、その場に立ち上がることすら出来ずにいた。
「ちょっと退け」
そんな時、頭や心の奥まで、やけにはっきり届く低音――男性の声が聞こえ、ゆるりと視線をそちらへ向ける。
(……綺麗)
まず目に入ったのは、男性のわずかにゆれる長い銀髪だった。
鋭い目つきで私のことを見つめているのに、不思議と怖いとは思わなかった。
何か、話した方がいいのだろうか、と考えても、どんな言葉を口にすればいいかわからない。
彼――お兄さんの姿が目に入った途端、少し晴れた頭の中の霧がまた濃くなって思考を鈍らせていく。
そんな私の前に、彼はおもむろにひざを折ってしゃがみ込み、わずかに眉を下げながらまた口を開く。
「これで何も見えねぇ。顔色が最悪だ……医務室まで運んでやるから、とりあえずそこで寝てろ」
「……ぇ?」
耳心地の良い低音が聞こえ、お兄さんに話しかけられていると理解した途端、唐突に視界が黒一色に染まり驚かされた。
だけど、私の視界を塞いでいるのが薄っすらぬくもりが残るコートだと気づき、香水か何か――独特の匂いに包まれ、不思議と恐怖でいっぱいだった心が落ち着いた気がする。
お兄さんに突然抱きかかえられた時は、驚くあまり身体が強張ってしまったけれど、男の人らしい腕に抱きかかえられた安堵感が次第に身体に走った緊張を解いていく。
コート越しにギュッと握ってしまったお兄さんの服から指が離れそうにない。
条件反射でしがみついたせいか、気づけば、上半身をお兄さんにくっつけるような体勢になっていた。
混乱の中、初めてづくしな事柄が連発し、若干パニックになる脳内と連動してか、ドクドクと胸元から身体の内側に感じる心臓の音が速くうるさい。
そんな私の心音と違って、耳元から聞こえる心音――トク、トク、と穏やかに一定のリズムを刻んでいるのはお兄さんのモノ。
周囲の騒音やお兄さんの怒号をどこか遠くに聞きながら、私はただ耳元で聞こえる心臓の音だけに意識を集中し目を閉じる。そして、気づけばしばしの眠りについていたようだった。
遊園地内の医務室で目覚めてからも、また新しい困惑が待ち受けていた。
私のことを“蘭”と呼ぶ男の子――高校生くらいの子が、「ほら、帰るぞ」と迎えに来てくれた。
――帰るって……どこに帰ればいいの?
と、言葉に出来ない不安を抱える私と違って、男の子の表情は何かを成し遂げたように晴れやかだった。
「事件は解決したから大丈夫だ。あんまり遅くなると、おじさんが心配するからさ!」
なんて、言う彼に手を取られるまま、この子の持ち物らしいバッグを持ち彼の後ろを歩く。
途中、何度か、記憶が無くなったことを伝えようと思って、喉元まで言葉が出かかった。
けれど、事件を解決したと嬉々として語る彼の流暢なお喋りには、こちらが口を挟む隙を見つけられなかった。
そうこうしているうちに、男の子が突然立ち止まったかと思えば、「先に帰っててくれ」と言い残し、どこかへ走り去ってしまった。
たった一人、右も左もわからない場所に取り残された私は、少しでも手掛かりになるような情報を求めて、バッグの中を探す。
「……毛利、蘭。私立……なんて読むのかな? この高校」
そして見つけた学生証には、知らない学校名に覚えのない自宅住所、そして会ったことも無い女の子の顔写真シールが貼られていた。
男の子も私を“蘭”と呼んでいたし、今の私は、この女の子――毛利蘭ちゃんの姿をしているということなのかもしれない。
だけど、漠然とながら私にはわかる。
私の名前は――多分、毛利蘭じゃない、ということが。
(ここは……タクシーを見つけて、学生証にある住所……多分この子の自宅、よね。そこへ行くべき? それとも、近くの交番?)
その後、ずっと園内に居続けるわけにもいかず、お財布にお札がいくらか入っていたこともあって、これからどうすべきか一人で悶々と考えていれば、また銀髪のお兄さんと遭遇した。
そして、連れ――先ほどまで一緒にいた男の子がどこかに行ってしまったと私が告げれば、お兄さんは、一緒にいたサングラスのお兄さんと一緒に私を送ってくれると言い出した。
最初は迷惑をかけられないから、と断ろうと思った。
だけど――それと同時に大きな不安に襲われ、お兄さんたちの申し出を固辞出来ない自分に気づく。
(お兄さんたちが居なくなったら……また私は一人になっちゃう)
それは、目覚めた直後目に飛び込んできた鮮血によってもたらされた恐怖心と同じくらい。
いや――それ以上の不安と恐怖。
また出会うことが出来た名前すら知らないお兄さんが、恐怖という暗闇の中で震えることしか出来ない私にとっての唯一の小さな光に見えた。























続きありがとうございます、これから工藤夫婦やFBIがざまぁされるのが楽しみです