Novel9 months ago · 3.2k chars · 1 pages

その結末を迎えない為に -0-

閑希閑希

コナンが再熱して嫌われ、曇らせが大好きな私が厳しめと出会ったことで久々に書きたい欲求に駆られました。 完結させられるかわかりませんが、出来るだけ頑張ろうと思います。 組織のボスの息子が逆行する話です。 他にも複数人逆行しています。 年上の悪い大人に公安二人を侍らせたかった完全に私の趣味です。

※Attention※

・趣味と妄想による自己満足の産物です。
・捏造あり。
・誤字脱字はスルーして頂けるとありがたいです。

・厳しめ要素(特に銀弾組)ありなので苦手な方はご注意下さい。
・地雷への配慮はしていません。
・少しでも無理だと思ったらブラウザバックして下さい。

・誹謗中傷は受け付けません。
・観覧は自己責任でお願い致します。

薄暗い部屋の中。
日付も曜日も時間の感覚すらもとうになくなり、与えられる痛みのみが自分がまだ生きているのだと強制的に実感させてくる。
殆ど聞こえなくなった耳が足音を捉えた時には頭から冷水を浴びせられ、傷だらけの身体に刺すような痛みが走り、それにより表情を歪めると顔の傷から更に痛みが走るという悪循環。
髪を鷲掴まれ無理矢理上を向かされると、薄暗い上にぼやけた視界に映ったのはニット帽を被った男。

「他の仲間は何処にいる? 全て話せ」

ここに連れてこられてから聞き飽きた台詞に嘲笑が浮かぶ。
最悪の中の最悪な結末を迎えた、組織解体作戦。
日本にいたボスや幹部達は始末されたが、そのことがきっかけで海外を拠点にしていた他の幹部や構成員達は一斉にその身を隠した。
自分達の過ちのせいでそうなったことを知らない彼らが隠れた幹部達を見つける為に毎日のように行うこの尋問という名の拷問に対し、嘲笑以外のどんな反応をしろというのか。
男が苛立たしげに舌打ちをする姿が滑稽に思えて小さく声を上げて笑うと、ぶちっと男の中で何かが切れたのがわかった。
次の瞬間には殴り飛ばされ、拘束されていた椅子ごと硬い地面に倒れていた。
今までとは違った意識の遠のきを感じ、やっと終わるのかと他人事のように思う。
周りが騒がしくなる中、脳裏に浮かぶのは自分が愛した……今でも愛している最愛の二人。
一人は自分の手が間に合わずに自害させてしまい、もう一人は何処にいるのかさえもわからない。
様子がおかしいことに気づき慌てている彼らにどす黒い殺意が湧く。
最悪の中の最悪な結末を、まるで巨悪に立ち向かい悲劇からの大逆転を迎えた英雄のような顔で引き起こした彼ら。
ここに連れてこられてから一言も発することはなかった。
何を聞かれても、何を言われても、何をされても、呻き声や嘲笑による笑い声を上げさえすれ、彼らが欲しい言葉は一言たりとも口にしなかった。
最後の最後まで、彼らが欲しい言葉を口にしてやるつもりはない。

「くたばれ。正義を免罪符にした、クソ野郎共がっ」

底知れぬどす黒い殺意を込めた言葉を最後に、ぷつりと意識は途絶えた。

無駄に広い部屋にはベッドしかなく、手足に嵌められていた枷は随分前に抵抗する意志がないと判断され外された。
鉛のように重い身体を起こして落ちるようにベッドから下りる。
内側からは開けることの出来ない窓の前に座り込み、何処を見るでもなくぼんやりと外を見つめる。
脳裏に浮かぶのは、最悪の中の最悪な結末を迎えた組織解体作戦。
組織で若君と呼ばれる男と、自分と、自害に追い込まれた親友の三人で交わした約束。
それは組織の構成員達を生きたまま捕え、生きたまま裁くということだった。
この日本においては当然のことであり、組織を誰よりも見ていたが故に終わりが近いことを察していた若君が願ったこと。
日本警察としてそれを叶える為に必死に動いた。
若君も仲間に殺されることを覚悟の上で、必死にボスや幹部達を説得してくれた。
そして作戦当日、日本にいたボスを含めた幹部達は誰一人として武器も持たず、抵抗もせず、ただ静かにそこに座っていた。
それなのに……行われたのは一方的な虐殺だった。

っっ……

鮮明に脳裏に焼きつく光景。
この日本で行われる作戦の主導権を奪われ、直前まで通そうとした生け捕りも正義面をした犯罪者共の私怨で叶わなかった。
声を出すことも出来ず涙で歪んだ視界には……絶望の色に染まった愛しい彼の姿が映っていた。
犯罪者共は彼を、若君だけを生かしてそれ以外のボスを含めた幹部達を殺したのだ。

っ…んなさっ……ごめ、なさいっっ……

枯れたはずの涙が溢れてくる。
作戦終了後は知り過ぎてしまった自分を自由にするわけにはいかないと判断した上層部の手により、この部屋に閉じ込められた。
表向きは作戦時に現場復帰不可能な怪我を負ったことで表舞台を退いたということになっている。
手足に枷を嵌められ、薬を打たれて動きを制限され、毎晩のように顔も知らない複数の女と上層部の玩具にされた。
容姿が整っている自覚はあったが、この国の為に必死に戦ってきたのにこんな目に遭わされるとは思いもしなかった。
少しずつ身体と共に精神が侵されていき、抵抗する意志を失っていった。
そして、それを見た瞬間……脆く、ぼろぼろになっていた心が壊れた。
暫くこの部屋に来ていなかった女のうちの一人が腕に抱いていたもの。
凌辱を繰り返してきた女と同じ髪色をした、自分によく似た小さな命。
自分を凌辱する女達の正体は、上層部の娘達……この行為は、上層部が優秀な種という名の子供を得る為に行われているものだとこの時知った。

ごめ、なさいっ……ごめんなっ、さいっっ……!!

親友は間に合わずに自害に追い込まれた。
愛しい彼は犯罪者共に連れて行かれて何処にいるのかもわからない。
そして先日、最も信頼していた部下が亡くなった。
全て奪われた。
どうしようもない怒りと殺意が身体中を渦巻いて、声にならない叫びを上げる。
ゆっくりと振り上げた右手を、目の前の窓硝子へと思い切り叩きつける。
けたたましい音が部屋中に響き渡り、遠くからこちらへと走ってくる足音が聞こえる。
一番大きな破片を手にして首に当てると、自然と笑みが零れた。

もっと早く……こうしていればよかった……

自らの首を躊躇いなく掻き切り、勢いよく開くドアの音を嘲笑いながら、意識を深い深い闇の底へと沈めていった。

組織にNOCだとバレたのはつい先程。
必死に暗い路地を走り回りながら、どうしてバレたという疑問が頭の中を駆け巡る。
自分がNOCだと知っているのは同じNOCである親友と……組織から若君と呼ばれている愛しい彼だけのはずだった。

どうして……!?

溢れそうになる涙で視界が歪む。

裏切られた……? 捨てられた……?

信じたくない考えが消そうとしても頭に浮かび、絶望の底へと引き擦り込もうとしてくる。
震える手で自分を追うふりをしながら探しているであろう親友に最後のメールを送り、何処かのビルの非常階段を駆け上がった。
屋上に着いた瞬間スマホが着信を告げ、親友かと思い相手を見ればそれは愛しい彼からで、恐る恐る出れば何かを言う前に彼の怒声に近い焦った声が鼓膜を揺らした。
「すぐに行くからどっかに隠れてろ!!」と告げられ、瞳に溜まった涙がとうとう溢れた。
彼の焦りは演技ではなく、言葉に嘘偽りがないこともわかった。
裏切られていない、捨てられていないという事実に安堵していると、背後から足音が聞こえた。
咄嗟に通話を切って振り向けばそこには長い黒髪をした、自分とは違うウイスキーの名をコードネームに持つ男がいて……再度、絶望が襲ってくる。

どうしてっ……

揉み合いの末に銃を奪う。
自分はFBIだなどと男は言っているが信じられるわけがない。
仮に本当だとしても、碌な扱いをされないだろう未来は容易に想像が出来た。
新たな足音が聞こえ……覚悟を決めるしかなかった。

っ……ごめんなさいっ……最後まで、一緒にいられなくて……本当に……ごめんっ

一発の銃声が、夜の闇へと響き渡った。

— End —

Comments 4

ありす1 个月前
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ユヅキ2 个月前
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龍龍6 个月前
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M
mkonchan7 个月前
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Sakuria
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