Novel27 days ago · 1.2w chars · 1 pages

覚悟の準備をしておいてください!(敗北)

こんぎつねこんぎつね

5/19追記5/18のデイリーランキング、女性に人気ランキング、どちらも6位を頂きました。皆様ありがとうございます! 5/18追記:5/17のデイリーランキング31位、女性に人気ランキング22位を頂きました。ありがとうございます。この通知と共にヒロトラサ終メンテ入って気が狂いました。辛すぎ無理泣く。別れに耐えられない。生きる希望がまた一つ減った。これからどう生きていけば良いんですか……?オフラインの慈悲すらもう……! 前回までのブクマ、コメント、スタンプ、ウォッチリスト登録にタグ付けなどの各反応、誠にありがとうございます!!!!コメントが来れば来るほどうれしい……!!ありがとう……!!!! お陰様で日々happyで居ることができます! あとX連携というかリンク記載の方法にようやく気付きました。プロフに貼り付けるのってああやるのね。でも特にメリットはないので見る必要は多分無いです。 他のやつをもう少し投稿する予定だったんですけど何も纏まらなかったので頑張って急ぎ続きを書きました。遅くなったのに話は全く進んでないんです申し訳ない。 More見られてません見てえ見せてくれでも情緒イカれてるから見られない。まずお前はファイナルシーズンを見ろ。最終巻見てアニメ想像する前にとっとと見ろ。 I am a hero too、ずっとワンチャン映像化来るかなって待機してたけど全然準備ができてないのどうしてだ。ファイナルファンブックの発売いつだと思ってるんだよ。辛い。さっさと見るべきなんだってほんと……!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 本編読了後推奨のおまけ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「オールマイトが僕の代わりに……!?あ、あああ……!その子とオールマイトどっちに対しても申し訳ない……!」 「いや、仕方のないことだと思うよ緑谷少年!急な仕事だけれど、間違いなく君にしか出来ないことだぜ、ヒーロー!今回2人で会いに行けないってだけさ!また次の機会に揃って行こう!私はそのまま行けるから、フォローだってしておくとも!」 「ありがとうございます、けど今は少年じゃなくて先生って呼んでください……!」 「おっとすまないね。しかしまあ、ホークスから聞いたとは思うけれど、2人じゃない方が都合が良いらしいじゃないか。サプライズはしてあげたかったけれど、それで面倒ごとが回避出来て誰かが助かるって言うんだ。悔やまず次の予定まで待つしかないぜ!」 「うぅっ、ポジティブシンキングが滲みる……!」 「ヘーイ、いつにも増してしょぼくれてるな。なんというか……元気ないね?もしかして最近、なにかあった?」 「……実は、家族が増え、いや語弊がありますね。違うんです、すこし……拾ったというか……」 「野良猫でも保護したのかい?」 「野良猫……猫……?いえ……その……野良……なんて言えばいいんだろうッ……!?ま、まあその、拾った子が……ええと、どう扱って良いのかわからなくて……いっそ生徒に相談に乗ってもらうべきかどうか……」 「……私には言えないことなのか?」 「いや……そういうわけでは……!」 「複雑そうな事情があることはわかった。少しでも助けになれるかもしれないから、できれば相談して欲しいかな」 「……えっと、笑わないで聞いて欲しいんですけど、」 「うん」 「……野良シルバ◯ア人形って、一体どうお世話をしたら良いんでしょうか……!?」 「??????????」

ピンポーン、といつ聞いても反射的にびくっとするような、例のあの音が聞こえた。
しかし今は待ちに待った……いっや本当〜に!待ち侘びた来訪の合図!!

予定通りの時刻、私たちの部屋の前まで来ているのはまあどうせホークスだろう。毎回トップが来てるの冷静に考えなくてもすごいんだよな。毎回眼福っす。

ぱたぱたと短い足で扉まで駆け寄る私。しかしドアを開けるのは母の仕事だ。身長の足りない私では流石に無理だ。

「ああホークスさん、こんにちは。今日はうちの子をよろしくお願いしますね」

「こんにちはー!はい、今日は昨日お伝えした通り、ソラちゃんと俺たちで移動する形になります!あっお出迎えですかソラちゃん!どーも、俺ですよ〜」

ホークスはいつも、私に話しかける時はちゃんとテンションを上げてから話しかけてくれる。うたのおにいさんとかやれそう。

「こんちゃ!ホークスちゃん!あっ、しっぽのおにいちゃん!!」

「……どうも、お邪魔してます。暫く振りですね、ソラちゃん」

ホークスの後ろに見えたのは見覚えのあるボサボサしっぽ。最初に個性を使った時や雄英でのアレなど、度々ご迷惑をおかけしている狐のお兄さんだ。
確かホークスからはあまさかくん、って呼ばれてたっけ?もうちょっと見知った顔になってしまったな。
心なしか前よりやつれたというか……クマが目立つ感じのお顔に……!誰のせいでこんな……!?

疲れた表情をしてはいるものの、こちらを見るとちょっと目尻を下げて、しっかりと表情を緩めてくれるのがとてもキュート。
この狐のお兄さんは狐目、というより糸目だけど目を合わせてよく見れば、その瞳はホークスのものよりも明るく煌めく金色だ。それ以前にツラがいい。

毎度毎度、ホークスたちにもだいぶ負担を強いてしまって申し訳ないの極みだ。止められないけど。

「あのね、ホークスちゃん!ソラちゃんね、いいこしてた!!きょう、ヒーローにあえるってほんと!?」

「そうですね。いい子だったソラちゃんの為に俺がヒーローを呼んできちゃいました!」

「おぉー!!……なーちゃんは、今日はお留守番?」

「ッ、ッナ、そ、そうですね。なーちゃん、さんも、ここではっ無いですけどッ……近くにきてます、よ……っ!!」

口元を抑えて吹き出すギリギリの状態のホークスから返ってきた答えにぴょんと飛び跳ねる。

「なーちゃんもいるの!?やったぁ!!」

でもこの明らかに笑ってますって感じのぷるぷるホークス見たら叱られない?大丈夫?どこにいるの?別のお部屋で待機中?

「会うとしても、別のお仕事が入っているので後で来ることになると思いますよ、ソラちゃん」

「そっかぁ。わかった!!じゃあいまはしっぽのおにいちゃんがいっしょ?」

「はい。今日は私がなーちゃんさんの代わりに一緒です」

「うん!よろしくね、しっぽのおにいちゃん!!」

あっ今ちょっと尻尾ふりふりしてくれた……!かわいい!!
多分、なーちゃんさんは遠距離から狙撃待機かな……誰かに会う=個性発動するという仮定で動いてると思うから。
そっか、もしかしたら魔王復活とかになるかもしれないのか……え?ヤバくね?なんで私処分されてないの??日本に限らず世界の敵になりかねませんけど????絶対消したほうがいいだろこんな災厄の種。
今日のためにめちゃくちゃ色々やったんじゃないのホークス。ほぼ確定でお兄さんの顔色の悪さの原因私じゃない??

思わずホークスを見上げてしまうけど、肝心のホークスは腹筋抱えて蹲っていた。見上げる必要なかったわ。

「会長、チクりますからねそれ」

「ふっ、ぶふ……いや……も、もうどーせバレてるんで……くッ、」

隣を見上げると極寒の表情をしたお兄さんが。上司に向けて良い目じゃないって。なんか個人的に恨みとかあったりするの?

「……ホークスちゃんおなかいたいの?」

「おっ、お気遣い、なく……」

ぷるっぷる震えながら言うことじゃないんだよな。そんなに幼女のなーちゃん呼びは面白かったか?

「ホークスちゃん、なーちゃんのおともだちなんでしょ?えっと、なーちゃんはがんなーちゃんだからね、なーちゃんなの」

「……ッ!!がっ、ガンナー……ッ!!」

ホークスはなーちゃんさんが自ら名乗った名前を知らなかったらしい。落ち着きつつあったホークスの腹筋がダウンしたようだ。
え、ほんとにそんなに面白い?なんでそこまでダメージ食らってるんだこの人。

「……すみません。会長が使い物にならないようなので、私から。本日は先ほどお伝えした通り、可能な限り安全性を確保した上で、周りを固めての複数人での移動になります……知らない人間と一緒に行動することになりますが、ソラちゃんはその点……」

「ええ、はい、大丈夫です。表情が変わらないだけで、この通り基本的にとても人懐っこい子なので……良い子にしてられる?ソラちゃん」

「うん!!おねーちゃんからおしえてもらったよ!いいこじゃないとヒーローにはあえないの!!」

うちの母親のスルースキルとかその他諸々本当にすごいなって思うよ最近。
これが標準装備なら多分めんどくせえ男筆頭みたいな過去の燈矢少年とも割とさらっとした付き合いができてたんじゃないかな。少女時代もこういう感じだったのか、私は知らないけれど、仮にそうだとしたらそのやりとりがなんとなく想像できる。

「この通り、良い子でいるはずですから。少なくとも勝手にどこかに行ったりはしないと思うので……この子のこと、よろしくお願いしますね」

「はい。大事なお嬢さんを預からせていただく以上、我々が全力で守りましょう」

「はわー」

ちゃり、と小さな音。見上げるとふわふわとした狐耳の端で、幾つも着けられたピアスが揺れていた。

うーん、よくわからんけどかっこいい。なんか攻略対象みたいなこと言い出すじゃんお兄さん。
そこでぷるぷるしてるホークスとは大違いだ。マジで何がそんなにツボったんだよホークス。大丈夫か??メロさとかそういうものが一切出ないギャグ世界線のホークスさんか何かでいらっしゃる?

「ソラちゃん、もしやカバンを忘れてはいないですか?……あと会長、まだ床を這っていたい感じです?それなら私は貴方をここにそのまま置いて行きますが」

母親みたいなこと言ってる。カバンは確かに後ろに置いちゃってたからうっかり忘れてたかもしれないですね。体のバランスのせいでよろめきつつもお出かけ用のカバンをしっかりと抱え上げて背中に背負い、よっこいしょと振り向けば、ちょうど腹筋が満身創痍のホークスが壁を支えにゆっくり立ち上がっているところだった。

「置いて行こうとしないでっ、俺まだやれます……!」

いや、何をやる予定でいるんだよ。別に今やるべきことは腹筋耐久大会じゃないんだよ??

「準備はいいですか、ソラちゃん」

「うん!ばちりっ!!」

「バッチリですね。じゃあ行きましょう。会長、予定に変更はありませんか?」

「変更ナシです。特に何も連絡が無いのでこのままで」

「おかーさん!!ヒーローにあいにいってくる!!」

「気を付けてね、ソラちゃん。それじゃあホークスさん、天逆さん、どうかうちの子をよろしくお願いします」

「はい。お任せください」

……ところで、どこで会うのかとか、私はそういうの全く知らないんだけど。もしかして移動にすごく時間かかったりする??

めちゃくちゃ厳重な警備のタルタロスみたいなとこに連れてかれやしないかな、なんて不安に思っていたけれど、目的地へは車に乗っていくらもしないうちに着いた。建物内の駐車場らしいけどまだ雄英の敷地だよね?ワープとかしてない限りは多分、敷地内のはず。でもまあ、もしかしたら危ないかもしれないってだけで、今から会う予定の相手は雄英の教員だ。寮制のままなら、雄英で会うのが一番早いっていうのは納得できる。

「到着しましたよ。ソラちゃん、体調は大丈夫?」

「げんき!!」

私は幸いなことに車酔いとかあまりしないタイプなので、元気溌剌。自分、いつでもいけます!!

車から降りて、辺りを見ると少し離れたところに黒い人影が。

相澤先生だぁ!!しかも隣にいるのは……えっ!!??

「あっ!?ショータくん!!こんちわ!!そっちのひと……!?」

「ああ、こんにちは。こっちは……知ってるかもしれないが、ヒーローの……」

「ヒーロー、ファントムシーフだよ。はじめましてソラちゃん。あぁ、もしかして僕のこと、知ってくれてるのかな?」

ウッワァ!!??テレビで見た顔だァ!!!!しかもヒロスじゃねえかよ不意打ちで来るなびっくりするほんとありがとうございます!!??
ええっメロすぎ……!!??なんだこの顔のいい男。雄英の負の面と称されたとは思えねえ激メロ男じゃねえか!!

「ふぁっ、ファントムシーフだぁ……!!しってる!!しってます!!いつもみてます!!!!かっこいい!!!!」

「ハッハ!!嬉しいなあ、こんなに小さいうちから僕のファンってわけだ!?良いねぇ、見る目があるねェ!!」

「うわぁあ!!ファッ、ファンです!!」

「はは……すごいテンションですねーソラちゃん。やっぱり世代直撃の現役ヒーロー相手だと反応が違うなァ」

ホークスがちょっと離れたとこからブツブツ言ってるけど、めちゃくちゃ抑えてただけでホークスのファンでもあるんだぞこっちは。単純に幼女ロールプレイに必死だっただけです。そっからいきなり態度変えるのもおかしいからね。割といつも頑張ってオタクの本能抑えてるのよ??

「……おい、一応言っておくが調子に乗りすぎるなよ、物間」

「わぁかってますって!ただ将来有望な理解あるファンがいて僕は幸せだなぁ!と思っただけですとも!!」

はー、マジで予想外の角度から来たよほんと!!

ええー!?マジでぇ……??ファントムシーフ……物間くんに会えるとか思ってなかったって……!!
うわぁ〜ヒーローだぁ……いやヒーローには会ってるけどそうじゃなくて……!!

現役で活躍してるのをリアタイで観たりしてる、良く知ってるヒーローがヒロスのまま、目の前にいるんだぞ!!??チャート十位以内に入ることすらある超有名人ですよ!?心の準備できてないとやばいって!!

くぅーっ、かっこいいなあ、ファントムシーフ……!

グッズ展開とかが割とされてる方で人気も高い。なんせ顔がいい。割と多弁な都合上他のヒーロー達との会話とかがよく見られるんだけど、最近は現場で爆豪のかっちゃんこと大・爆・殺・神ダイナマイトと口論()になった時の映像がバズってた。
主にあの……学生時代を彷彿とさせる煽りカスの面が出てた。けど最終決戦のアレ知ってると多分気遣いから来たのであろう言葉がちょいちょいあってオタクとしては感無量の超絶お宝映像でした。最高。あの時のアーカイブ、何回も見返してる。みんなも見ろよ。

……あっ、ちょっと待って。驚きすぎてなんも考えてなかったけどイレイザーヘッド&ファントムシーフの並びって、つまりそういうことですか??もしかしなくても私の個性めちゃくちゃ警戒されてるね??
クソゲーを押し付ける気満々の構成じゃないか。マニュアルさん居なくていいの??
個性発動……止められるかな……?個性発動自体を止めるんならマニュアルさん必須だと思うんだけど、発動させてから相手がヤバそうなら制圧する予定とかなのかな。わかんね〜!

「……じゃあソラちゃん、お願いがあるんだ。一度、僕と握手をしてもらってもいいかな?」

……あっそっち!!??そっちかァ〜!!このよくわかんねえ個性も体験してみればワンチャン仕組みが解明できるかもしれないもんな!?なるほどさては天才かぁ!!??

「あくしゅ……!!」

個性云々抜きにしても死ぬほど嬉しいんで勿論握手させてください。いっそこちらからお願いしたいくらいだった。

「…………」

後ろで狐のお兄さんと会話をしていたホークスがピタリと話すのをやめた。横目で見ると2人ともこっちに注目しているのがわかる。

……コッワ。ホークス自身は間違いなく良い人なんだけど、警戒というか私の個性とかへの疑念を持っているのも間違いないし、狐のお兄さんもホークスの後ろに控えて姿勢を正しているのも怖い。
さっきまで口調は堅めでもだいぶ気安い感じだったのに、今はなんか……マフィアのボスとその部下みたいな雰囲気。
公安のスーツがこんなに怖く感じるとは思わなかったわ。顔に出なくて助かった。表情作れてたら絶対面白い顔面になってたと思う。

緊張を隠しつつ、差し出された手を握る。
緊張してる癖に、はわわー!今私あのファントムシーフと握手してる!?なんてミーハー精神が荒れ狂ってる。
彼の個性発動の鍵でもある手に触れてるって思うともう……感慨無量ッ……!!

「ありがとう、ソラちゃん。僕のこと、応援し続けてくれるかい?」

「ハイ!!ずっとおうえんしてます!!」

……絶対スカだったじゃんこれ!!殆ど態度に出さなかったけど一瞬手を見て相澤先生達に目配せしてたよね!!??ンだよチャージ系か!?それともやっぱり条件厳しいタイプ!?くそぅ、条件だけでもわかってれば……!!

でも、握手した瞬間、一つだけ変わったことがあった。一瞬だけど、物間くんの目の色が暗くなったというか、色は濃いけどキラッと光るような、そんな目に変わっていたように見えたんだ。

個性の身体的特徴もコピーする物間くんの個性だけれど、手が光るわけではなかった。

もしかすると私の個性って、発動時に目の色とか変わってた可能性がある?今まではほら、誰も見えてなかったってだけで。一定条件で出る魔眼的な??手が光るのは目眩しとかオマケ。

……は?変わる意味無いじゃんそれ。あの個性診断の先生みたいなオサレ個性にはどう頑張ってもなれないじゃん。

「嬉しいよ、僕にこんな熱烈なファンが居て!それじゃあ、次はもっとすごいゲストに会いに行こうか!」

物間寧人くんさぁ、やべえ言動してないってだけでとんでもなくメロい顔とスタイルが良い金髪イケメンヒーローになるの何かのバグじゃないの??それでも雄英の負の面を背負う男か??ファントムシーフだけに、幼女の初恋泥棒にでもなる気??ビジュが良すぎて絶対黙ってるだけでモテる男じゃん。

歩き出した物間くんと相澤先生の後ろを大人しく着いていく私、の後ろにはホークスと狐のお兄さん。幼女の姿で大人に囲まれて歩くのって想像以上に威圧感あるな。イカついお兄さん方に囲まれるのは普通に大人でも嫌だと思うけど、今私を囲んでいるのは推しばかりであり、空気感を重くしないよう、大人たちはちまちま話しかけてくれている。

「ソラちゃんがヒーローを好きになったのはいつ?」

「おぼえてない!けどずっとすきなの!」

「じゃあ、好きなヒーローは?」

「みんなすき!!ミッドナイトも、ラウドクラウドも、プレゼント・マイクも、イレイザーヘッドも、ファントムシーフも、フロッピーも、デクも、イヤホンジャックも、ウラビティも、クラストも、エンデヴァーも、オールマイトも!ええっと、いっぱいいっぱい、すきなヒーローがいるの!!」

半分息切れしながらも名前を上げ続けていたが、そろそろ限界である。顎痛くなるわもう。オールドヒーロー特集とかも頻繁に見てるけど、多分原作主人公の知識量には全く敵わないだろうな。

「……そこも数えるのか」

ラウドクラウドの名前を出してから、何とも言えない表情をしていた相澤先生が、呆れたようなため息を溢す。

「ヒーロー……会ちょ、ホークスがいないですね」

「別に……?ェ、別に気にしてませんけど??」

どこからどう見ても傷付いた顔をしているホークスが、震えた声で目を逸らす。

ヒーローとしてのホークスの過去の活躍とかなんてそりゃ驚くほど人気あるし、私も大好きだからよく見てる。カメラに映らない速度の場合もあるせいでいい感じの映像を探すのに苦労しがちだけれど、本当にかっこいい。

スマートかつクールなヒーロー、やっぱいいんですよ。
切島くんとかファットのガッツリ正面からぶつかり合う方向性も好きだけど、それぞれに良さがあるからどっちが良いとか無いんです。基本ヒーローって物が大好きなだけなんです。
某仮面被ったライダーとかとロボット戦記だったら、どっちも方向性は違うけどカッコよくてロマンでしょ?そういうこと。

一応この世界でも、ヴィランもたまにビジュが良すぎたりするので、残虐すぎる連続殺人犯であってもそういう方面が好きな人や厨二病系の人に一定の人気があったりする。
けどまあ結局のところ犯罪者なので、ほとんど削除とかされちゃうんだよね。もしかしたら当人はヴィラン向きと言われた個性なのかもしれないけれど、絶対ヒーローとして出たら人気出るだろ、みたいな異形型個性とかが多いんですよ。

ヒーローの活躍動画とかの相手として出てるヴィランの外見がめちゃくちゃ好みだった時の悲しみがすごい。なんで正式に表舞台に出てくれないんですか……!

……あ、話が物凄い脱線したけど、ホークスの名前を出さなかった理由としては、まあ何となくです。今まで一回も実はファンだってホークスには言ってなかったし。

「え?ホークスも、すきだよ?」

「……??今呼び捨てに……?でもホークスちゃんはパッと出てきてなかった……」

「ん、ホークスちゃんもホークスもだいすきだよ?」

「????」

「なるほど、ホークス、これもしかして、ヒーローであるホークスとソラちゃんのいうところのホークスちゃん、別個体として見られてるんじゃないですか?」

「あっそういうこと!?俺とホークスは別の存在って認識でいるんですか!?」

愕然とした表情のホークスを憐れみの目で見つめる狐のお兄さん。なんか対応がさっきから塩なんだよな。
ホークスは納得のいかない様子。

「同じ名前のよく似た別人……それはもう同一人物じゃ……ええと、ソラちゃんとしてはホークスちゃんもホークスもどっちも同じ、じゃダメなのかな?」

「ホークスちゃんはホークスちゃんだよ」

「ダメみたいです」

「わからん……この子の基準がわからん……!!」

ちゃん付け肯定してくれたのが嬉しくて……!
そも、私がホークスちゃんのファンです。お仕事がんばってね。応援してます。とか言った日にはどのツラ下げて言ってんだこの幼女ってなっちゃうじゃあないですか。
ヒーローとしてのホークスみを出されると限界オタクの面が出てきやすいから胡散臭い顔した社畜のホークスちゃんであってほしいだけだよ。ほんとだよ。

「……予定通りの時刻ですね。お疲れ様です、会長」

何度目かの曲がり角を進んだ先で、突然目的地に辿り着いたのか知らない声が聞こえた。思わずぴょんと跳ねてしまうくらいには驚いた。

真っ黒な壁にしか見えないが、正面を見上げてみる。
視線の先では、スーツを纏う長身の男性がこちらを上から見ていた。

「こんにちは、初めましてですね。驚かせてしまったようで、申し訳ない」

ハイライトのない真っ黒な目がこちらを見下ろすのは中々の恐怖体験。しかしよく見てみれば意外と大きな黒目でかわ……いやハイライトの無いつぶらな瞳はもうブラックホール並みの重力感じるんだよ。ジャパニーズヤンデレのデフォ装備みたいな顔してるやん。こわい。

「イレイザーヘッド、ファントムシーフ。お二人とも、本日は……いや、小さい子の前ですし、もうあの人待たせちゃってますし、その辺カットでいいですか?」

あっそういうタイプの人?お茶目系とは思えないビジュアルしてるんだけどな??いや私もチベスナ固定の顔ではあるけれど、にしてもギャップがすごい。

「いいですけど、いきなり建前とか全部捨ててくるとは思わなかったですねぇ!!」

「俺もそちらの方がありがたい……けど立場的にいいんですか、それ」

ヒーロー2人も困惑している。

「え……あー、お二人がいいなら、まあ大丈夫じゃないですか?」

「今上司からOKが出たので諸々カットしますね。じゃあ天逆くん、こちらへ」

軽いなあ……!原作軸の公安ってここまで緩くなかったよね??イメージと全然違う……!今までのも幼女対応だからとかそういうのじゃなく、普通に空気感が全然悪くない世界線の公安なのかよ!?そりゃ空気が悪いよりはそっちの方が良いとは思いますけどね!?

……にしてもデカいなこの人。エンデヴァーくらいはあるぞ。一つに結んだ黒髪も合わせて、よく見ればかわいい……かなあ??何より目を惹くのがスーツの上からでもわかるバキバキの筋肉なんですけど。え?公安やめてヒーローかレスラーになった方がいいんじゃないですか??

「お、にいさん、ソラちゃんは、ソラちゃんです。おにいさんのおなまえは?」

おじさんと言うには若く見える気がするけど、年齢がわかりづらい。ハイライトが入ってないせいで老けて見えているだけの気もするし、若く見えるだけで全然歳食ってそうな気もする。

「……ソラちゃんですね。丁寧にありがとう。私のことは……そうですね、ケイト、と呼んでください」

下がった目尻に少しシワができる。笑うと可愛……いや怖……?わからない。なんかよくわからないキャラデザしてるわ、この人。良い声してるし話し方は優しいし、ちゃんとした大人って感じなんだけどいかんせんハイライトが入らない目は単純に怖い。顔はどっちかと言うとイカつい方に見えるし。なんか……公安キャラ濃くない??気のせい??個性社会ってこんなもんか?

「網掛さんも名前聞かれてるってことはちゃんと名乗ってないの私だけじゃあないですか?」

「天逆くんはしっぽのおにいちゃんのままでいいんじゃない?俺だって多分永遠にホークスちゃんのままですからね??」

網掛さん……って多分ケイトさんのことだよな。じゃあ下の名前教えてくれたのか。狐のお兄さんのフルネームを知らないままでいるのがなんか申し訳なくなってきた。

「あ、しっぽのおにいちゃんのおなまえ、きいてない!」

「ッシャ!私は天逆張狐です。気軽にハリコ、って呼んでくれると嬉しいかな」

思いっきりホークスに向かってドヤ顔ガッツポーズをしているあたり、苦労人っぽいと思ってたけどこっちも多分中々愉快な性格してそうだな??やっぱキャラ濃いってこの人たち。

「ケイトおにいさんと、ハリコおにいちゃん!!」

「……へぇ、年齢での呼び分けをするタイプなんですね。ソラちゃん、僕は?」

「ファントムシーフ!!」

「この人は?」

「ホークスちゃん!!」

「こっちの人は?」

「ショータくん!!」

「やっぱ別枠扱いなの俺だけッスね?スッゴイ釈然としない気持ちです」

「年齢じゃないですね。ソラちゃん、一体どう言う基準で呼び分けてるのかな?イレイザーの名も挙げてたけど、さっきイレイザーを呼ぶ時はちゃんと同一人物として認識してたはず……」

ホークス、もやっとした顔してるな。えー、呼び捨てってなんか距離感じない??嫌ってるわけじゃなく、逆によく話しかけに行ってるし、呼び名なんて些細なものじゃないか。口には出さないけど応援してるよ。

「まずは特別扱いを喜ぶべきではないですかね」

「会長はホークスちゃんのままでいてくださいよ。いっそ私達もホークスちゃんと呼ぶべきじゃないですか?」

部下からホークスちゃん呼びされるホークスは正直見たいです。賛成。

「え?別に呼ばないで良いです仮にも成人男性の上司をちゃん付けするのキツいと思わないんですか!?」

「いえ、別に。個人的には可愛らしくて結構良いと思ってます」

「それ目良さんに愚痴った時全く同じセリフ吐かれましたね?建前と本音の使い所間違ってるんですよ、貴方達!」

「おや、マブダチは思考も似るんですかね」

マブダチ……??え、そんな気安い仲なの??もしかして古株だったりする??目良さんの話とか関係性とかもうちょっと聞いても良いですか????原作軸から居る人だったりするならその辺も聞きたいというか若ホークスの話とか聞けたりするのかな!!??オタクとしては些細な会話も全て拾っていきたいくらいなんですが!?

「会長、網掛さん。多分待たせちゃってます」

「あ」

「すみません、うっかり楽しくなっちゃいました」

中断させられた!気になることしかねえ!!めちゃくちゃ気になる話ばっかり出てくるじゃんよどこもかしこも!!

……てへぺろウインクをバチコリかますスーツ姿の死んだ目の大男ってインパクト強いな。

扉の前に立つ網掛さんが、くるりと背を向けてドアノブに手をかける。

「お待たせして申し訳ない。少し楽しくなってしまいました。ソラちゃんが到着しましたよ、ヒーロー」

大きめの声で扉の奥に話しかける網掛さんの姿を見て唐突に思い出した。

えっ、もしやこの扉の先に主人公様がいらっしゃるの??ここに至るまで何度もイメトレを重ねても心の準備ができたとは言い難いんですけれども。顔見た瞬間に叫ばないようにするので精一杯だと思うんですけど!!

「良い子だったソラちゃんのために、ソラちゃんの大好きなヒーローが来てくれましたよ」

「へェッ……ァッ……?ぴぃ……??」

ホークスに肩ポンされるも、ピクミンの鳴き声くらいしか出せない私は心の準備ができていない。
とっとことっとこ心臓が早鐘を打ちだす。

「ミッドナイトさんも一緒ですよ。安心してください」

……??え、ミッドナイトも一緒???なんで???忙しそうだったのってそれが原因??これ以上情報を詰め込まないでください忘れかけてたスーパーヒーローとの対面が目の前に迫っているというのにッ!!??

ガチャ、と扉が開かれる。

開いた扉の先には……予想していたように主人公がいる訳ではなかった。

「[b:わーたーしぃーがぁー、来た!!]……なんてね!やはり昔みたいにはいかないな、ハハ……」

筋骨隆々の姿をしている訳ではない。それでもあの美しい青色の瞳を輝かせた、最強のヒーローのお出迎えだ。

「[b:ァ゜!?]」

「えっ!!??」

そしてヒーロー界のレジェンドを心の準備ゼロで目視した私は、あまりの衝撃に小さな脳みそをパンクさせ、見事大幅キャパオーバーで気絶したのだった。

片方ばかり意識してたら死角からぶん殴られたんですが!!??

前回のアンケートの結果、一位になったのはソラちゃんの個性の一部情報開示でした。

とりあえず現時点で出てないとこと軽いソラちゃんのプロフィールだけ一部のっけておきます。

ソラちゃんの外見は薄く青み掛かった白い綿雲のような髪の幼女。ボブヘア。
目は若干吊り目。薄く白んでいく澄んだ空の青色。父親よりも白雲朧に似ている。常に無表情。表情を動かせるようになるのは多分前世の死亡年齢を過ぎてから。

反射神経が非常に良く、身体能力は高い。咬合力も強い。夜目がきく。
4歳になるまでは常に微睡んでいるようにぼんやりとしがちな子だった。母方の家系でたまに見られる傾向。大抵は10歳になる前に目が覚めたようにその症状は消える。

個性:条件、効果が不明のため仮称として【再誕】と名付けられる。本来の個性名は【   】。転生特典。

条件1、発動者が対象者の願い、人生を深く知っていること

条件2、発動の場に対象者に後悔を持つものがいること

条件3、対象者が深く愛されていること

条件4、対象者が一度でも、もしもこうであればと何かを強く願っていること

あと3つか4つくらい本筋に関係ないどうでもいい条件がある。
条件をクリアした場合にのみ発動可能。死者蘇生の際、死者の魂は生前の記憶を持って復活。死者の体質の変化や個性の変化を伴う。
変化は願いを汲み取ってのものが多いが、何よりも蘇生したものを殺させないための弱体が多い。生きてほしい、という願いの発露。オタクの祈りの塊、ご都合主義の化身。

デメリットとして発動後、ランダムに最大一ヶ月、一日一時間、認識や記憶、感覚の欠落が起きる。デメリットは重複する。満月が来るとリセットされる。特に本編に関わりは無いのでここもめんどくさい説明はカット。

あとアンケートに全部の選択肢が無いとかいう至極真っ当なご意見が出ておりましたので再アンケ置いときます。

— End —

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Sakuria
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