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【6】一般人の身体は予想以上に庇護欲を育てていたらしい。

こんぺこんぺ

6話 怪我の弊害で色々と起こる話です。 ・ネームレス ・捏造過多 ・キャラ崩壊 *** 読んだ後の苦情は一切受け付けません。 誹謗中傷はおやめ下さい。 読んで、無理だと思ったらそっと閉じてください。 自衛お願いします。 *** X↓ https://x.com/knp_pppp1 マシュマロ↓ https://marshmallow-qa.com/o8ol2ii1due8qkc

時刻は夜というか、もはや真夜中。
 私は変わらず万事屋の端の方に敷かれた布団の中にいた。が、しかし。残念ながら私は流石にこの状況で爆睡できるような胆力を持っていない。なので、布団に入ってはいるものの眠れないのである。
 もちろん、理由は一つ。わかりやすいものがある。
 せっせと身体を拭いて、服を着替えるのを神楽ちゃんに手伝ってもらったところまでは良かった。そこまでは、忙しすぎてそれどころじゃなかったから気づかなかったのだ。

 この世界の主人公、坂田銀時の変化に。
 そう、彼である。私が眠れない原因、それは彼に他ならないのだ。

 なんていうか、私に濡れたタオルを持ってきて以来、すっごく機嫌が悪い。それはもう見るからに。誰が見てもわかるだろうなってくらい。いやまあ、彼はあの歳らしからぬ少年らしさもまだ持ち合わせている理想的なジャンプ主人公なわけなので、こうしてわかりやすく感情を見せるときもそりゃあ、あるにはあるだろう。だがしかし。今回ばかりはそういうわかりやすい出来事がなかったから。
 好きなパフェを横取りされたとか、万事屋メンバーから話の都合上除け者にされたとか。そういうわかりやすい理由がなければ彼もここまで感情を表には出さなかったはず。というか、多分彼ならば本気で嫌だった時はそこまで感情を表には出さないような気もするし。普段ノリで不機嫌ですって感じに見せてるんじゃないかなとも。

 まあそれはいい。良くはないが、とりあえずそこはいいのだ。
 彼の不機嫌の正体は、おそらく私に対して。というかそれ以外にはなさそう。あからさまに私に対してだけ若干対応が違った。
 まあそりゃあ私は余所者ですし、当たり前っちゃ当たり前なのだが。しかし、あの坂田銀時が理由もなくそんなことをするとも思えないし。
 神楽ちゃんにはいつも通りだったからこそ、ちょっと不思議だなって。まあ、こんないろいろ考えておいてなんだが、実はそんなに深い理由もないのかもしれない。普通にこんな面倒くさい女を嫌っているという説が濃厚な気もしてきたし。

 まあそういうわけで。私の中である程度答えが出たら、身体の方の強張りも若干抜けてきた。いや、相変わらず怪我は治ってないので物理的に強張ってはいるんですが。
 そういうわけで漸く眠りに着けそうだったので、寝る前にトイレにでも行こうと立ちあがろうとした。・・・そこで、あっと思い出した。
 最近漸く怪我が治ってきて忘れていた。私、先ほど脱臼して腕が固定されているから一人で立ち上がれないのである。絶望的だね!

 そこから数分間ワタワタしていたが、もう、多分無理そう。諦めたくなってきた。もう諦めて寝ようかな。
 とか、思っていたところで。
 一応、私と主人公との間には簡易的な壁的なのが置かれてるんだけど、諸々の音とかはそりゃ聞こえるわけで。

「・・・眠れねーの」
「あ、起こしちゃいましたか・・・すみません」
「いや別に気にしてねーけど」

 私が一人、布団で悪戦苦闘していた布擦れの音で起こしてしまったらしい。いや、ごめんまじで。ただでさえ私のせいで疲れる一日だったのに。まじでごめん。
 合間にも彼は大きな欠伸をしているし。いや本当、まじで、罪悪感がすごい。ごめんね。ここでこれを言い出すのも申し訳ないけど、流石に背に腹は代えられないので。

「あの、ご迷惑をおかけして申し訳ないですが、トイレに連れて行ってくれませんか」
「といっ・・・わかった」

 一瞬何やら動揺していたが、彼は大きなため息を吐いた後、またまた私の膝の下に手をやってきた。
 ・・・が。流石に。

「あの、またそう持たれるのはちょっと」
「・・・・・・あ、そう」

 お姫様だっこはもうやめておこう。本当に。私の心臓が持たないのでね。
 何やら不満そうな彼にまだ無事である左手側に回ってもらって肩を支えてもらい、漸くと立ち上がることができた。そこから死ぬほど小さな一歩一歩を重ねて、漸くとトイレに着いた。
 ・・・確かに、こんな長時間付き合わせるのは申し訳なかったし、恥を忍んでお姫様抱っこをしてもらった方がよかったのでは。

 そうしてトイレを出て、部屋まで戻ろうとした時のことである。一つ、空気が読めない奴がいまして。
 私のお腹が小さく鳴ったのである。
 だがしかし、小さいとは言っても。私を支えている、それすなわち近くに寄っている主人公には聞こえるに決まっているのだ。

「あー。目覚した時にはもう夜遅かったし、何も食ってねえもんな」
「す、すみません、」

 別に何か気にしている様子もなく、坂田銀時はサラッと言って見せた。いやまあ、ここで聞こえてないフリをするより、揶揄ってくるのが坂田銀時という男なので別に変ではない。いや今回のは別に揶揄ってなどいないし、多分ただの事実を言っただけなのだろうが。

「なんか作るわ」
「えっ、いや流石にこんな時間に悪いですよ」
「それで眠れなかったらどーすんだよ」
「そんなに食いしん坊ではないですよ・・・」

 寝室から方向転換して、向かうは台所。
 私は席に座らされ、主人公は何やらガチャガチャやっている。コンロに火をつけて、わりとちゃんとしたものを作ろうとしてる。こんな夜中に。
 え、いや、申し訳なさすぎる。私の腹が空気を読めなかったばかりに。

 坂田銀時といえば、普通の料理とかよりもホールケーキを作っているイメージが強い。まあつまり、料理といえば新八くんなイメージだから、ちょっと意外というか。まあ料理は当番制だったはずなので出来ないわけはないだろうが、何を作ってるんだろう。
 そんなことを考えているうちに、彼は漸く戻ってきた。手に小さな鍋とまあまあ大きめなお椀を持って。

「まあ夜食うってんならこんなもんだろ」
「うどん・・・坂田さんって、料理得意だったりします?」
「いやこんくらいで言われてもな。俺ァ簡単なもんしか作れねぇよ」

 いや、絶対作れる人だろう主人公。
 多分流石にうどんは冷凍だろうけど、出汁とかちゃんと取ってる感じするし。普段からしっかり料理してますって感じだ。この短時間で、どうしてこう良い感じのものが作れちゃうんだ。
 普段コンビニのお弁当くらいしか食べてなかった私に刺さる。普段ダメな男として描かれていたはずの彼の家庭科力に負けた女・・・なんかちょっと泣けてきた。また今度料理練習しよう。

「遠慮せず食えよ」
「その、右手使えないので。どうしようかなと」
「・・・ふうん? じゃ、俺が食わせてやろうか? なんて冗談・・・」
「お願いします」
「わかってるって。つってもそんなすぐに否定しなくても・・・・・・・・・ん? いまお前、お願いしますって」
「? はい、言いましたね」
「いやいやいや、・・・え? ・・・まじで?」

 先ほどまで彼は冷たかったとは言っても、やはりそこはさすが彼だ。ここまで手を煩わせるのは申し訳ないが、彼は優しいのでどうやら食事も手伝ってくれるらしい。

「お前さぁ、それ普通に言ってっけど・・・」
「病院でも神楽ちゃん達に食べさせてもらってたので・・・」
「つっても朝と夜は自分で食ってただろ」
「なぜか毎回看護師さんが、私には箸以上に重いものを持たせられないって」
「食事に必要なものはその箸のはずですけど!?!?」

 あーだの、うーだの、何やら言っている。自分で提案してきたことなのに、何でこうも葛藤してるんだろう。普通に善意だけで言ってくれたわけじゃないのかな。
 大人しく彼が落ち着くのを待っていれば、またもや、あー! と叫んで何か決意したように彼は箸を手に取り、椀からうどんを持ち上げた。

「・・・ほらよ」
「ありがとうございます」

 ちら、と主人公の方を見れば、なぜだが全力で顔を逸らされた。なんで。やっぱ私は嫌われているのだろうか。
 出来立てで湯気がえぐいので、必死にフーフーした後、意を決してうどんを口に入れた。

「美味しいです!」
「そりゃァ良かったわ・・・うん・・・」

 主人公は何やら考え込むように下を向いてしまったので目が一切合わなかったが、まあ気持ちは伝わっていると思う。
 もう一口彼がうどんを掬い、私の口まで運んできた───ところで。彼は意地悪にも間抜けに口を開けた私からうどんを遠ざけた。不思議に思って顔を上げると、次はちゃんと目が合ったのだが。

「・・・お前さぁ、目的はなんなの」
「はい?」

 なんか、いつのまにかシリアスな空気が流れてるんですけど。あれあれ、どういうことかな。今は美味しいご飯を食べて幸せだねって時間じゃあないんですか。いや、確かに、銀魂って一秒ごとに何かしら起こってるけども。
 流石に夜中だしそんなことないだろって油断してたよ。この世界の主人公がこの場にいるんだから、そりゃ何かしら起こるよね!

「興味ねえだろうから私の話はしませんっつっといて、全然普通に対応してくんじゃん」
「え?」
「おねーさんの考えてること、何もわかんねーわ」

 いやいや待ってください。このまま放置したら絶対何かわからないところで拗れそうだよね? 絶対そうだよね? これから起こるトラブルの始まりだったりしない?
 そういえば。彼の機嫌が急降下し始めたのはあの謎の質問コーナー、の前に。新八くんも交えての作戦会議? からだ。謎に私が天人だと推理し始めたあの時、確かにちょっと様子がおかしかった。あの時は万事屋の二人も首を傾けていたくらいにはらしくなかった、と思う。まあその後すぐに銀魂的展開になったから、特に気にしてなかったんだけど。

 ・・・あれ、もしかして。もしかしてだけど。
 彼は私を嫌っていて、というか、そういうことじゃないのか。いやまあここはずっと否定できないんだけど。
 でも、明確な理由が若干わかったような気もする。

 多分、坂田銀時を除いた三人しか知らない話題っていうのが気に食わなかったんだと思う!
 名推理だ。私の中のジャンプとは違う雑誌の名探偵が指を刺した瞬間である。ああ、そうとなればなんだかすごくスッキリした。
 そもそも彼は私に興味なんてない前提のもと、彼は万事屋の二人が知っている情報を自分が知らないという状況にただイラついただけだろう。それで、件の原因である余所者の女に矛先が向いた。
 あくまでも万事屋の上の立場だからこその、あれなんだろう、多分。いや、ちょっと理由としては押し付けすぎてるような気もするが。まあ、そんなこともあるだろう。

「・・・すみません。坂田さんを除け者にしたつもりはなくて」
「ふーん?」
「本当に、たまたまタイミングが合わなかっただけですよ」
「そーだな。俺ァおねーさんの見舞いに一回も行ってねえし」
「その間、私のために色々としていてくれたのでしょう」

 駕籠の中で見た隈は、今でも目を凝らせばまだ見える。彼としては隠しているつもりだったのだろうけど、確信を持って見ればわかりやすいものだ。
 若干彼の目が見開かれたが、それも一瞬のことだった。

「まあもし、そーだとしてもだ。おねーさん的にはもう俺に身体は預けられねェわけだ」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
「そりゃあ? そのせいでさっき怪我したし? こう、気安く触らないで欲しいみたいな気持ちがあんのもわかるよ?」
「うん・・・?」

 あ、さっきのお姫様抱っこを拒否したことを言ってたりします?
 いや、そんなこと一ミリも考えてなかったよ。万事屋の入り口で怪我をしたとは言っても、そもそも主人公に非なんて一切なかったし。私のこの身体の弱さが原因なので、特に気にすることでもなかったといいますか。

「あの、誤解してますよ。私は坂田さんのことを信頼してます」
「ふうん? 信頼、信頼ねえ・・・」

 だってあの坂田銀時だぜ? やる時はちゃんとやる、あの坂田銀時だぜ? 信頼できない要素がないんだよ。従業員へ給料を払うか否かと、家賃を払うか否か以外は。いやそれって人としてかなり重要な部分では。

「いや、その・・・あれは、恥ずかしいじゃないですか」
「・・・・・・は?」
「・・・・・・・・・あれは、距離が、・・・近くなるし」
「きょり」
「・・・と、とにかく。信頼してるとかそういう話ではなく、私個人の話なので」
「・・・・・・」

 目をかっぴらいて此方を凝視してくるのはやめて欲しい。何やらブツブツと、「え、うそ。あれ照れてたの? 表情変わんなさすぎじゃない?」とか何やら言っているが、とにかく。
 こほん、と一つ咳をすれば、ハッとして坂田銀時は口を閉じた。

「だから、あの。坂田さんが何か悩むようなことは何一つなくて。私の問題なんです、すべて」
「なら、俺もいうけど。俺ァ、別に、興味ないとか思ってねェから。・・・いや、そもそもなんでそんなふうにおねーさんが思ってたのか意味わかんないけどね?」

 何やら少しずつ調子を取り戻してきたらしい主人公の表情は、先ほどのような重いものではなかった。よかったよかった。なんか、良い感じのところに落ち着いたらしい。

「・・・だからさァ、こっから先、あんな突き放すようなこと言うんじゃねえよ」

 また感情の読めない表情を浮かべている。なんか、私は彼の地雷っぽいのを若干踏んでいたのかもしれない。なんか、ごめん・・・?
 いやでもまさか主人公が私みたいなモブに興味があるだなんて思うわけないじゃない。なんて、いろいろ考えていたところで、突如として凄い勢いで襖が開け放たれた。
 二人してその音の方へと顔を向ければ。

「ひどいアル! 私にも食べされろヨ!!!」

 神楽ちゃんが飛び込んで来た。わずかな匂いで起きてくるなんて、さすがは神楽ちゃんだ。
 いや、途中坂田銀時が叫んでたりしたしな。どうだろう。

●夢主

今回、なんと怪我をしなかった! すごい!
お姫様抱っこでは恥ずかしがるのに、ご飯を食べさせてもらうことには何も思ってない。ちょっとズレてる。
なんでこうも坂田銀時は私如きに感情を動かしてるんだろうと疑問。本気で自分に興味を持つわけないと思っていただけに、失礼とか思ってなかった。

●神楽ちゃん

私一人置いて二人でご飯食べるなんて!!!

●坂田銀時

担ぐことを拒否られたかと思えば、飯を食わせろとか言ってくる夢主に振り回されていた。実はとんでもねえ女なのかもしれないな、とか思ってる。
自分だけ諸々を知らされてなかった上に、興味ないですよね? 発言にモヤモヤしてた。が、なんか担がれるだけなのに恥ずかしがっていたらしくて、ふーん? ってなった。そういう感情あんのね。俺に対して。
何となく悪気なかったんだろうな、とか察してきた。

— End —

Comments 19

すてら1 个月前
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1 个月前
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H
hannya1 个月前

更新ありがとうございます! 嫉妬しているらしき銀時と人物紹介の神楽の文面が可愛すぎて思わずニコニコしてしまいました。 それに主人公の怪我も増えず、すれ違いもなんとかなりそうでホッとしました(satisfaction3)

りん1 个月前
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しちみ1 个月前
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雪香1 个月前
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ハリネズミ1 个月前
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ぺりこ1 个月前
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りお1 个月前
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抹茶1 个月前

可愛い…!

夏葵1 个月前
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S
sound1 个月前
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Sakuria
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