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ローゼマインの異変

春野音春野音

ローゼマイン 7歳

SIDE:フェルディナンド

「神官長!大変です!ローゼマイン様が……!」

神殿に戻ってしばらく経った頃、夜中にフランがグッタリとしたローゼマインを抱えて神官長室に駆け込んできた。フランに抱えられたローゼマインは、どうやら眠っている間に魔力暴走を起こしたようで、物凄い熱に魘されていた。

空の魔石では全く追いつかないほど熱が高く、すぐにフランに神具を持って来させて対応する。

うわ言で私の名前を呼び続け、微かに「フェルディナンド様……死んじゃ嫌……」などと言っているのが聞き取れた。

名前を呼ばれたので「私はここに居る」と言って手を握り、背中を撫でてやると少し落ち着いたようだが、少し離れるとまたうわ言を言っていて、一晩中目を離すことができなかった。

__私の前ではいつも明るく振舞っていたが、君は以前からこのようにひとりで苦しみ、耐えていたのか?

翌朝目覚めたローゼマインは一旦落ち着いているようだったので、隠し部屋で話をすることにした。

「ローゼマイン、君は昨晩、魔力暴走を起こしかけていた。これは初めてのことか?」

「あれが魔力暴走なのですね...。昨晩ほど酷いのは2度目だと思います。目覚めた日の夜に同じようなことが起こりました。翌朝には改善していましたし、マインの記憶では幼い頃に何度も同じようなことがあったようなので、この身体はそういうものなのだと、そこまで重大なことだとは考えていませんでした」

「そうか...。うわ言で私の名前を読んでいたが、私が死ぬ夢でも見ていたのか?」

「……はい。未来でわたしはフェルディナンド様から遺言を受け取るとお伝えしましたが、フェルディナンド様が即死毒を浴びせられ、死にかける夢を見ていました」

「……その夢はよく見るのか?」

「同じ夢ではありませんが、悪夢に魘されることはよくあります。どうやらわたしの心の中に麗乃のマインが住んでいるような感じで、わたしが小説で読んで知っている未来の情報に麗乃のマインが心を乱しているというか……上手く説明できませんが魔力暴走を起こしているのはわたしではなく麗乃というか…。わたしがいくら客観的な物語として捉えて心を落ち着かせようとしていても、眠ってしまうと麗乃の魂が暴れだすんです」

「うむ……聞いたことのない症状だな」

「魂だけ別人と入れ替わることなど、わたしも作り話でしか見聞きしたことがありませんので、自分の身に何が起こっているのかまだよく理解できていません。今までに見た悪夢は、フェルディナンド様が害される夢と、ジルヴェスター様に家族として関わることを禁じられ家族と引き離される夢、フェルディナンドの遺言を受け取った際にジルヴェスター様やボニファティウス様に他領の者だから諦めろと言われる夢、フェルディナンド様がアーレンスバッハに旅立つ日の夢、王族にフェルディナンド様を連座で処分すると脅される夢の5種類でしょうか」

「なるほど…。何が起こっているのか前世の知識で何か心当たりはないか?」

「悪夢に関しては、PTSDと言われる病の症状に似ている気がします。PTSDはpost-traumatic stress disorder、心的外傷後ストレス障害と言って、命の安全が脅かされるような出来事が原因で起こる心の病です。こちらの世界でも例えば戦いなどで目の前で大切な人を失った人が心の病を患うといった事例はありませんか?」

「確かにそのような症状が出た騎士の話は聞いたことがあるな。前世ではその病は治る病とされているのか?」

「わたくしも詳しくはありませんが、時間の経過とともに改善していくことが多いと聞いたことがあります。ただ重い心の病は完治することが難しく、ちょっとしたきっかけで再発することも多く、治療に時間がかかると言われていました」

「なるほど。君はどうすれば良いと思う?私にできることはあるか?」

「……2つ我儘を言っても良いでしょうか?」

「ああ」

「1つ目は、昨日フェルディナンド様に手を握っていただくと、麗乃が落ち着く感じがしました。女性嫌いのフェルディナンド様にこんなことをお願いするのは申し訳ないのですが、夜眠る時に手を握って隣にいていただけないでしょうか?」

「……それは、共寝をするということか?」

「はい。この世界では、星を結んでいない男女が共寝するのは外聞的に許されないことだとは知っておりますが、まだ7歳ということで、お目こぼしいただくことはできないでしょうか?」

「また魔力暴走を起こしたら危険だからな……今日から神官長室で休みなさい。ただ、私だけでは君を守るのに力不足なので、ユストクスにだけ君のこと、君から聞かされた未来のことを話して、協力を要請しても良いだろうか?」

「構いません。それであればエルヴィーラお母様にもお話しておいた方が良い気がします。エルヴィーラお母様はわたしを平民だと知りながら受け入れてくださった信頼できる方だと思っております。リンクベルク家にいる時に発作を起こす可能性も考えられますし、お母様に隠し通せる自信もありませんし...」

「確かにな...。エルヴィーラにも私から話しておこう」

「もう1つの我儘は、フェルディナンド様のユレーヴェで治療させていただけませんか?染まっているから問題なく使えるはずなんです」

「…………わかった。用意しておこう」

— End —

Comments 12

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>○<1 个月前
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三日月1 个月前
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まおむ1 个月前

あらっ、素直なフェル様🤭

イヴリース1 个月前
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美奈子鈴木1 个月前
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このは1 个月前
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ふーばあ1 个月前

春野音さま🌸 良かった~💕 器の大きいスーパー貴婦人&フェル さま守り隊隊長のエルヴィーラお母様なら、身分と言い家庭内権力と いい、かゆい所に手が届く最強の守り神ですねっ✨

U
USBookworm 1 个月前

I'm glad they're going to do the jureve sooner. This Rozemyne needs to be healthy ASAP

教子1 个月前
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Sakuria
Where every work blooms
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