*マキマさん成り代わり
*書きたいとこしか書いてないです。
*体育祭のトーナメント戦からの開始。
*岸辺さんの設定修正済み
『"伏せ"』
開始の合図と共に美しい形の唇が僅かに笑みを浮かべた。
対戦相手である上鳴にすら聞こえなかったその言葉は観客の声と共に宙へ舞った。
「う"ッ、」
「…へ、嘘だろ、ッ、動け、ねぇ」
彼女の言葉と同時に勢い良く倒れた少年は、未だに動くことなく頬を冷たいコンクリートに押し付けている。
彼女は一歩も動くことなく変わらぬ笑みを浮かべ、ただそこに立っていた。
「_________オイオイオイッ!!!!!!なんだァァァア!?!?今何が起きたァ!?!?!?」
「_____________上鳴くん行動不能、よって、早川さんの勝ち!!!」
あまりにも呆気なく終わった試合。
その試合時間の短さと理解の追いつかない状況に観客達は困惑の声を広げる。
彼女はまだ床と仲良くしている上鳴に近づくと、彼の目の前でしゃがみ込み口を開いた。
『雷か、良い個性だね』
『自信無くさないで、相手が悪かっただけだから。あと、』
『________舐めないでね。私のこと。』
「え、」
『ふふ、じゃあね』
やっと自由になった体で、彼女の後ろ姿をただ見つめることしか出来なかった。
「オイオイ一旦どんな個性の持ち主だァ!?!?瞬殺だったぞ!!!」
「普通科!!"早川マキマ"の勝ち!!!!!」
ぐるりと円を描いた瞳が妖しげに細められた。
未だにしん、としたままの会場。先程までの盛り上がりはどこへやら_________
先程の早川マキマVS上鳴電気の試合は異質と言っていい、静か過ぎるものとして終わりを告げた。歓声に掻き消されたマキマの声は誰の耳にも届かず、側から見れば何が起こったのか訳も分からない状況となっていた。普通科であるマキマの"個性"を知る者は同じクラスにも少ない。混沌に包まれたまま試合は次へと続いた。
そんな彼女は自分のクラスの席に戻り、友人やクラスメイト達から応援や称賛の声を受けていた。
『うーん。やっぱりパフォーマンス性に欠けてたかな。』
「欠けてる、なんてもんじゃなかったけどな」
『大丈夫、次はもっと面白くするよ』
「面白くねぇ…早川が言うと恐ろしく聞こえるな」
同じクラスである心操の隣に座り、大して悩む素振りもなくそんなことを口にするマキマ。マキマとそれなりに親交のある心操はそんな彼女を見て苦笑いを浮かべた。
心操の"個性"は洗脳である。"敵向き"だとこれまでの人生で飽きる程言われてきた。雄英に入学してからは周囲にヒーロー志望が多く、そう言われることはかなり減った。それでも自分と話す際はどこか構えている奴も多い。そんな中、マキマは心操の"個性"を知っても尚、いや、知ったからこそ彼に声をかけた。彼女の見た目よりも気さくな声かけに逆に心操が身構えてしまったくらいだ。何故自分に、と怪訝そうな顔をする心操にマキマは自身の"個性"を打ち明けた。
彼女が自ら進んで"個性"を教えたのは心操だけだった。
「そういえば、最後上鳴になんて言ったんだ?わざわざ近寄って行ったろ」
『ああ、あれね。』
『開始前に今度お茶どう、慰めてあげるよ、って言われたからちょっと言い返しちゃった。』
「…早川って意外と煽り耐性低いよな」
『そうかな?』
穏やかな笑みを決して崩さないマキマの横顔を一瞥し、心操は目の前の試合へと視線を向けた。
早川マキマ_____雄英高校1年生の間で美人だと噂されている、らしい。生憎心操はそういった話には詳しくない。
同じ普通科の所属だが、彼女は自分とは違い元から普通科一本で受験をしたと聞いた。曰く、「ヒーローは尊敬はするけど、私には向いてないし憧れたこともない。」とのことだ。たまたま昼食を一緒にした際に話していた。"個性"は似通う点のある2人だが、そういった面では正反対であった。
マキマは物腰が柔らかく誰にでも平等に接する。が、どこか一線引いたようにクラスメイトと会話をしていることがあると最近気が付いた。恐らくそれに気付いているのは自分だけだ。彼女は心操に妙に心を開いているようで、行動を一緒にすることも多くなったからこそ気が付いたのだ。何故自分が、と疑問は残るが彼女と話すのは割と楽しいし何より気が楽なので放っておいている。
『次は頑張るよ』
「程々に頼むぜ」
笑みを深めた彼女を見送り、再び意識を試合に向けた。
.
「飯田くん場外…早川さん3回戦進出!!」
「まァた呆気なく終わっちまったぜェェエ!!!なんだ今の大量のカラス!?!?早川!!そろそろ個性教えてやれよ!!!!可哀想だぜ!!!」
『そういったものは実況で説明すべきでは?』
「確かにィ!!!!!!!」
「普通科早川マキマ_________個性:"支配" 動物を操り聴覚を共有することが出来る_______ってオイ!!!1回戦の上鳴の瞬殺はどーやったんだァ!?"個性"に関することはこれしか書いてねェぞォ!?!?!?」
『ふふ、内緒です』
「そうか内緒かァ…じゃァねェェェエ!!!!!!!!!」
「うるせぇ」
またも瞬殺、一瞬で決着の着いた試合。
試合開始と同時に飯田がマキマに向かって走り出した、そこまでは良かった。マキマが僅かに口を動かした後、何十、何百のカラスが突然現れ彼女の姿をすっぽりと隠した。そして飯田は止まることも方向転換することもなく一直線に進み続け、なんと自ら場外へと出てしまったのだ。観客も飯田本人も困惑状態。試合終了の合図の後、カラスが一列になって空へと帰って行く姿を皆唖然と眺めていた。
一方マキマは、パフォーマンスって難しいな、とカラス達を家に帰しながら思っていたのだった。飯田の"個性"は自分とは相性が悪い。近戦に持ち込まれると面倒くさいし、でもだからと言ってさっきみたいに瞬殺は…と考えた結果、瞬殺に決めた。一応カラスを操ってみたので先程の試合よりは面白かったはずだ。何も成せなかった…と落ち込む飯田を横目に、プレゼント・マイクの馬鹿でかい実況に受け応えをする。"個性"がバレた以上次は難しいかもな、また瞬殺にしよっかな、なんて呑気に考えながら自分のクラスの席へと向かった。
「早川マキマさん…普通科所属でトーナメント戦まで目立った活躍はなかったけどどの種目でもきちんと点をとっているし"個性"もまだ謎が多い…動物と聴覚を共有出来るのは強いけどそれだけじゃなさそうだし、"支配"もどれくらいの範囲まで効くのか一切分からない…でも上鳴くんや飯田くんを見ると行動不能、本人の意思とは別に体が動いていたこと、これを見るとかなり"支配"の範囲は広そう…」
「デクくん、とりあえず今は治療に集中しよう」
「次は瞬殺とはいかないぜェ!!てかどーやってんだよ!?個性謎多き早川マキマ!!」
「3回戦!!!早川vs轟!!!どんな試合になるんだァ!?!?!?」
「謎多き、か」
「お前も個性複数持ちなのか」
『いいや。"支配"だけだよ。君と違ってね』
『私ね、もっと面白い試合にしたいんだ。』
『だからちょっと付き合ってね』
「あ?_______ッ、それも本当に"支配"かよ、」
『さあね』
「おっっとォ!?!?なんだ今の!!早川!!!銃になんのかァ!?お前の手は!!!!」
人差し指を轟に向けたマキマ。わざと外れるように撃たれた"それ"は轟の頬を擦り僅かに血を滲ませた。まだ隠していたのかと轟は舌打ちをした。マキマが氷を素早く避けて人差し指を向けると、まるで弾丸のように空気が氷に穴を空けて破壊する。一貫性のない動きでこちらに近付いてくる為凍らせようにも的が定まらない。どんな能力を隠しているのか分からない相手に初手から体力を使い過ぎる訳にはいかない。またもや舌打ちをした轟はマキマが柔らかな笑みを浮かべていることに気が付いた。
『炎ならこの銃もどきも効かないし私も距離を取らざるを得なくなる。ほら、利点ばかりだ』
「左は使わねぇ。まだ本気を出してない相手にはな」
『ふーん。それなら無理にでも使わせる』
「_________は、なんで、クソ、これが"支配"か」
「…ッ、舐めやがって、」
『ふふ、なんのこと?』
彼の右側だけ"個性"を使えないようにした。正直、相手の個性に細かいコントロールが効くか半分賭けではあった。けど問題なく"支配"出来たようで安心。炎の方が盛り上がると思うんだよね。人って炎に魅了されるし。
氷を封じられた轟はマキマと距離を取る。
うんうん良い感じ。観客も盛り上がってるね。
『"個性"なしの殴り合いはしたくないんだ。人を殴るのはどうも気が引けるし、あんまり盛り上がらないしね』
『ねえ、まだ使わないの?』
「…お前のパフォーマンスに付き合うつもりはねぇ」
『そっか。』
"ならもういいや"
『"伏せ"』
「ッ、」
「おォ!?!?なにこれデジャブかァ!?轟!!上鳴と同じ展開だぜこれ!!!!」
「轟くん、動ける?」
「…」
「…轟くん行動不能、早川さんの勝ち!!!」
どちらも動かぬ時間が続き、ようやくマキマが一歩前へ進んだ_________かと思えば、1回戦目と同じように轟がいきなり倒れ込み動かなくなってしまった。
目線以外の体の自由を奪われた轟は、自分の近くまでやって来たマキマを睨むことしか出来なかった。その時見た彼女の瞳は温度を持たず、ただひたすらに冷たいものであった。まるで蛇に睨まれた小動物のように背筋が凍り、ドッと冷や汗が流れ出た。
『あーあ…』
それだけ呟き轟を見下ろすと、先程までの笑みを取り戻した優しげな顔で控え室へと戻って行った。試合終了と共に体は自由になっていたが、マキマの瞳に睨まれている間は1ミリも動くことが出来なかった。
『ヒーロー科って弱いね』
「そのヒーロー科に負けた奴の前でそれ言うか?」
『ああ、ごめん』
1ミリも思ってないだろ、と言いたくなるような何の感情も込められていない謝罪に心操はいつものことか、とマキマを見つめた。応援席に戻ってくるまではいつもの笑顔を浮かべてたくせに、自分の隣に座った瞬間無表情で足を組み出したマキマ。珍しいな、と思い彼女の独り言に答えると目線も寄越さず口だけの謝罪を述べた。
先程の試合はかなり盛り上がっていたし、マキマも楽しそうに戦っていたと思う。途中までは。
突然氷を使わなくなった轟と無表情になったマキマ。2人が何か会話をしているのは分かったが内容までは聞こえてこなかった。2人の間で何があったのかは知らないが、まあ良くないことだろうなと予想がつくマキマの態度。声色も普段と変わりはないが言葉の節々に苛つきを感じる。
「お前が強過ぎるんだよ。個性知ってたって防ぎようがないし」
「て言うか、妙に戦い慣れてなかったか?A組なら分かるけど、ヒーロー志望でもない普通科の生徒とは思えない動きだったぞ」
『当たり前でしょ』
『マキマなんだから。』
「…そ」
食い気味に答えたマキマの瞳は明らかに怒りを含んでいた。それ以上何か言う空気でもなくなり、2人して黙り込んだ。
すぐに次の試合が始まるのでマキマは応援席を後にした。
「私なんだから」
自分に自信があるが故の言葉と言うよりも、他の誰かのことを話しているような口ぶりだった。マキマのあの強さがあればそんな台詞も言えてしまうのだろうけど、それとは違う意味も含んでいたと思う。
まあ、今は応援が先か。
『"伏せ"』
「!」
『…なんだ君もか』
『あー…』
「________爆豪くん行動不能、早川さんの勝ち」
再び静寂に包まれた会場。
会場にいた誰もが寂しげに歩き出したマキマをただ見つめることしか出来なかった。
優勝_________普通科早川マキマ
目が覚めると知らない場所に座っていた。
どこまでも緑が広がる大地に青い空、しばらくぼーっと眺めていると背後に男が現れた。
「よおマキマ_________それとも今は違う名前か?」
『…岸辺』
「なんだ呼び捨てかよ」
黒髪の整った顔立ちの男が自分を見下ろし薄ら笑いを浮かべた。
それ以上何を言うでもなく、その男は小さい体の自分を抱き抱えて歩き出した。
_________ん?マキマ?今マキマって言った?
少女は男に抱き抱えられながら思いついた。
これ転生だわ。しかも成り代わりものじゃん、と。
早川マキマ_________彼女は、いや、彼女の中身は転生者であった。目が覚めたらいきなりイケメンに抱っこされて家に連れていかれて訓練だ何やらとシゴかれ今年から雄英高校の1年生として勉学に励むことになっただけのただの元一般ピーポー。詳しく言うとマキマ推しのちょっとヤベェ奴、でもある。何故か岸辺が自分の保護者になってるしそもそもこの世界ヒロアカだしなんやねんもう転生って。
どうやらこの世界に悪魔は自分しかいないらしい。チェンソーマンもいない。これはちゃんと確かめた。「助けてチェンソーマン」と口にしても冷めた目で岸辺に見つめられるだけだった。ちなみにこれはかなりの黒歴史である。
何故名前が早川マキマかと言うと、岸辺が自分のことをマキマ、としか呼ばないし見た目はそのままマキマさんだったから。あと、保護者代わりである岸辺の名字を名乗るのが嫌で早川が良い!!とゴリ押したら面倒くさくなった岸辺がOK出してくれたのだ。チョロいな。
わーいマキマさんだー、と思いながらのほほんと育ったが人前に出る時はマキマのように振る舞うことを忘れない。マキマさんはこんなことしない、マキマさんならこうした。と元オタク魂が叫ぶからだ。お陰で岸辺からはマキマの皮を被った阿保、と言われてしまったがまあ実際そうなので気にしてない。岸辺は自分はマキマでありマキマではないと理解しているようでそれなりに優しく接してはくれている。それどころかきちんとした教育を受けさせてくれ、休日にはお出かけ、なんてこともしてくれる。父と娘のような関係性となった2人はそれなりに楽しく生きて来た。
この世界のマキマは家族も友達と呼べる存在もいる。人と対等に育ってきた。
一つを除いて。
マキマは強かった。とても、強かった。
岸辺の訓練を2回程受けた所で「もう教えることがねぇ」と放棄されてしまうくらいには。
マキマは自分よりも程度が低いと思ったものを支配することが出来る。
程度が低い、の認識はマキマの判断に委ねられる。
マキマの中にいる転生者はマキマガチ勢のヤベェ奴である。マキマさんが一番強いし綺麗だし完璧だろうが!!!!と本気で思っているので、もれなくこの世界の生物はマキマよりも程度が低い、という認識となる。そして世界最強の阿保が完成してしまった、という訳だ。チェンソーマンが現れない限りこの事実は変わらない。なんとも悲しい事態だ。
そして彼女は誰とも対等に戦うことが出来なくなった。別に彼女は暴力好きのヤベェ奴ではないので普段の生活に支障は全く出ない。ただ、今回の体育祭でつまらないな、という感想を抱いてしまっただけだ。オールマイトすらマキマさんには負ける、と本気で思っているので、たとえA組だとしても彼女に勝てる訳がないのだ。
普通科の女子生徒が優勝した、ということでメディアは彼女を大きく取り上げた。
彼女の戦闘スタイルも相まって、最早世間でマキマを知らぬ者は居なくなった。
体育祭が終わった以上誰かと戦うこともないので、あの日のような無表情など見せることなく柔らかな笑みを浮かべていた。
「あ、あああああああああののののっ、ははははは早川さん!!!!!!!」
『なに?』
「ヒュッ」
「緑谷くん!!息をしろ!!!!」
「ほら、デクくん!!早川さん待ってくれてるよ!!」
「…なんだこの状況」
『私が知りたいよ』
体育祭から早数日、またいつもの平穏な日々へと戻りつつあった、そんなある日のこと。
マキマが昼食をとっていた所、A組の生徒に声をかけられたのだ。かなり緊張しているのか顔は真っ赤で声も震えまくっている。そこに遅れてやって来た心操は緑谷の顔を見て状況を把握出来ないでいた。なんだこの状況。
「緑谷、お前何してんだ」
「へっ!?心操くん!!ぼ、僕は早川さんに聞きたいことが…」
『うん、何かな?』
「ヒュッ」
「お前大丈夫か…?」
マキマはかなりの、いや、めちゃくちゃ美人である。特にその特徴的な瞳は目力があり、見つめられると圧すら感じる。そんなマキマの雰囲気に負けた緑谷はまともな返答を出来ていない。心操はこいつ大丈夫かなと割と本気で思った。後ろに着いて来た飯田と麗日もそんな緑谷を応援しながら心操と同じようなことを考えていた。
どうせなら、と一緒に食べることにして緑谷が落ち着くのを待つ。マキマはサラダを口に運びながら緑谷を見つめた。
『私の"個性"のことでしょ?』
「へ、」
『あれ、それを聞きに来たと思ったんだけど』
「う、うんっ!!そうなんだ!!早川さんの個性のことが体育祭から気になっていて失礼なのは分かってるんだけどどうしても聞きたくて、それで」
『いいよ。教えてあげる』
頬杖をついて緑谷に視線を向け直すと、彼女の唇は緩く弧を描いていた。
『個性は"支配"。私よりも程度が低いと思った者を支配出来るの。』
「程度が低い…その基準は?」
『私の判断次第だから、独断と偏見で決めることも出来る。結構緩いよね』
『思考から行動、感情まで自由自在。制限やキャパオーバーも無い。個性をかけられても本人は気付かない。』
『…ふふ、日常生活では使わないから安心して。』
「え?」
『顔、強張ってたよ。』
「へっ…あ!すみません!!!!」
『いいよ、気にしてない』
想像よりも強いその個性に無意識の内に顔が僅かに強張ってしまっていた。優しく微笑むマキマを見て、彼女が敵じゃなくて良かった、と心の底から思った。こんな強い個性が敵にいたら手も足も出せずに終わっていただろう。
麗日が何か疑問を持ったのか、小さく挙手をしてからマキマに質問をした。
「体育祭で戦った時、爆豪くんや轟くんが早川さんより程度が低いって、そう判断したのは何が基準だったの?爆豪くんなんて私怖くて試合前かなり緊張してたから気になって…」
『全部。』
『マキマより優れている所、彼らに一つでもあったっけ?』
「あ"?もっかい言ってみろやギョロ目女」
『ほら、こういう所とか。』
「あ"ぁ!?!?ふざけてんじゃねぇ!!!!!!」
「かっちゃん!!!落ち着いて、」
「うるせぇ!!!!」
たまたま通りかかった爆豪がタイミング悪くその言葉を聞き取ってしまった。それなりの爆発を起こした爆豪なんて気にも留めず食器を片付け出したマキマ。その姿を見て爆豪は更にヒートアップ。最悪な昼食時である。
爆豪を一瞥したマキマはその笑みを変えることなく彼に向かい合った。
「あ?…個性が、」
『君の個性は使えなくしました。次暴れたらその口を塞ぎます。』
「何ふざけたこと」
『…こんな感じで、細かいコントロールも出来るんだ。』
まだ知りたいことはある?
口を開けなくなった爆豪そっちのけで緑谷に視線を送るマキマ。緑谷はぶんぶんと頭を横に振り青ざめた顔を誤魔化した。
あの爆豪がいとも簡単に"支配"されている。その事実に気が付きサーっと血の気が引いた。体育祭で瞬殺されたこともあってか爆豪はマキマの煽りに簡単に乗っていた。つい先程まで大声を出していた爆豪はそれが嘘かのように静かにマキマを見据えている。個性や言葉を奪われて暴れる程馬鹿ではない。冷静にマキマの動きを観察している。
『先に絡んできたのは爆豪くんだよ』
『私に"支配"されなくなるよう頑張ってね』
じゃあね、と挨拶を残して彼女は食堂を後にした。
早川マキマ
転生者。マキマガチ勢。ヤベェオタク。
なんかマキマさんに成り代わってて発狂。今は岸辺さん家で暮らしてる。岸辺と名乗るのが嫌で名字は早川にしてもらった。とても強い。強すぎて相手がいないのでそこだけ孤独。でも本人は喧嘩も暴力も好きじゃないので生活に支障は一切ない。体育祭であまりにも相手が弱くてつまらなかったし寂しかった。煽り耐性は低め。ヒーローには興味なし。
岸辺
マキマの保護者。ヒーローには興味ないって言ってたのに雄英に進学したマキマを見てなんだコイツと思った。でも普通科だったので納得。
体育祭の中継は観てたけど寝落ちした。なんか帰ってきたマキマが不機嫌で八つ当たりされた。
こういうのが見たい


























やばい!! めちゃくちゃ好きすぎる!❤