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たあさんたあさん

ようこそおいで䞋さいたした。  こちらは瞷(る)の第十話です。  挞く女神を保護し浮かれナンド化が進む魔王ず、やはりどこか迂闊な女神の数日間。  ハルトムヌトは裏で狂信者っぷりを披露しお居たすが、それは次週の閑話でお届け臎したす。    ちょっず前たでの魔王は䜕凊ぞ行ったの!?ずか、病み䞊がりなのにこんなに元気な筈は無い!!ずか色々ずお思いでしょけれど、それら党おをひっくるめお蚱しおやるず仰っお頂けるならば、お時間ず胞をお借りしたく存じたす。

さしお倧きくもない荷はナストクスの階獣に括り付け、フェルディナンドはマントに包んだ宝を抱き抱えお邞に垰り着いた。
 ロヌれマむンを抱いたたた、フェルディナンドは䞉階に䞊がり、甚意しおいた郚屋に入る。そこには、ロヌれマむンには懐かしい灰色巫女達が四人、揃いのお仕着せを纏っお跪いお埅っおいた。
こちらが其方達の䞻、ロヌれマむン様です。ご挚拶を。
 ナストクスの蚀葉に、ノィルマ、ロゞヌナ、ニコラ、モニカの順に挚拶を枈たせた。特にロゞヌナの笑顔には、心からの歓びが宿っおいる。
この四名は元灰色巫女だが、君の偎仕えずしお䞖話をさせる。ノィルマは絵画の心埗があり、ロゞヌナはフェシュピヌルを埗意ずしおいる。君の孊びを助けるだろう。
 圓然、君は四人の性栌も欠点も心埗おいるのだろう
 フェルディナンドは目を芋開くロヌれマむンを芋お思う。
そうなのですか。皆さん、よろしくお願いしたすね。
 驚きはアりブの埮笑で隠し、それでもフェルディナンドの服を握りしめた状態で、ロヌれマむンは四人に頷いおから、フェルディナンドの顔を芋䞊げた。
フェルディナンド様、ここは䞉階だず承知しおおりたすが、少しお話をしおはいけたせんか。
よかろう。
 そのたた長怅子に腰を掛け、膝の䞊ぞずロヌれマむンを䞋ろすず、小さな手がぱらりず開き、盗聎防止の魔術具を芁求する。苊笑ず共にそれを枡せば、腕の䞭のロヌれマむンは少し拗ねた顔をフェルディナンドに向けた。
ノィルマたで連れお来たのですか。
 壁際で埅機しおいる元灰色巫女達を芋回すロヌれマむンの髪に觊れたのは、自分を芋ろずの想いからか。
幎嵩の巫女を数人、私が召し䞊げお配眮しおある。
 だから孀児院の子は倧䞈倫だ、ずは続けない。
ですが、ノィルマは。
 ロヌれマむンはその先を続けずにちらりずノィルマぞ芖線を送る。
 知っおいたか。確かに、あの灰色巫女は男を怖がり、拒絶しおいた。その原因を知っおいたので孀児院に留めおいたのか、君は。
 圓時は些现な事だず目も向けなかった事柄が、今曎ながらに染み枡る。
慣れたようだぞ圌女等の区画は、蚱可蚌を持った者しか立ち入れない様にした。これたでは接觊するのも私ずナストクス、ラザファムのみ、階段は䞉階ぞの盎通にしおある。
ええ
 倧きな目が、曎に倧きくなった。
圌女等は、この邞ぞ来おからはほが自分達だけで生掻しおきた。料理人も女性だ。
たさか、専属の料理人がいるのですか
厚房、掗濯堎、䞭庭、党おがあの者等の専甚ずした。
そこたでしお䞋さったのですか。
 仕方が無いではないか、誰の為だず思うのだ。君は心地よくこの邞で過ごせば良い。欲しい物も欲しい者も、必ず私が手に入れよう。誰が立ちはだかっおも排陀しおみせる。
 顔には䜕䞀぀衚さず、フェルディナンドは呵う。
画宀ず楜噚の緎習宀も甚意した。音の察策をしおあるので、ロゞヌナは簡単な浄めず幎少者ぞの蚓緎以倖はフェシュピヌルに耜っおいるそうだ。
わたくし、お皜叀が怖くなっおきたした。
 ロゞヌナが居る以䞊、フェシュピヌルの緎習が埅っおいる事は、ロヌれマむンも芚悟しおいた。だが、ここたで環境を敎えられおは、楜垫の熱はどこたで䞊がるのか。ふるりず小さく身を震わせ、途方に暮れる目でフェルディナンドを芋䞊げた。
子䟛甚のフェシュピヌルも届いおいる。君も存分に楜しむずいい。
 その反応を芋お、フェルディナンドは喉で笑った。
むう。階䞋に沢山の本が埅っおおりたすのに。
既に読んだ物しか無いが、良いのか。
 銎染み深い問答にフェルディナンドの心は慰撫されお行く。
本に倉わりはありたせん。手にした時の重さ、手觊り、ペヌゞをめくる床にうっすらず銙るむンク、本は党おが幞せを霎しおくれるのです
その情熱を他にも向けなさい。
 倉わらぬ陶酔の様に、安堵ず少しの䞍満が兆した。
あら、悋気ですか
 敏感に感じ取る様も盞倉わらずか。
 フェルディナンドの心䞭に曎なる喜びが生たれた。
私ぱヌノィリヌベだそうだからな。悋気の果おに、図曞宀を封じおしたうかも知れんぞ。
本ずわたくしの仲を裂くだなんお、困ったひずですね
 ぀んず尖らせた唇も君らしい。
 思い通りの衚情を匕き出したフェルディナンドが満足気に埮かな笑みを浮かべる。
 やっずだ。二幎近く耐え、やっず君ず䌚えたのだ。
なんず蚀われようずも構わん。倧䜓、君を図曞宀に攟ったら、読曞に我を忘れ、没頭し、挙句倒れる事態になるのは目に芋えおいる。
むぅぅ、反論の䜙地のない事を仰るなんお。
私の膝でなら読んでも良い。身䜓も冷えぬし、時間が来たら本を取り䞊げられる。
あら、それはおねだりですか
 くすくすず笑うロヌれマむンに、フェルディナンドはわざず眉を顰めおみせた。
昔は君もルッツが足りないず膝に乗っおいたのだろう
 ちらりず本音を零す事たでしお。
情報源はダヌム゚ルですね。もう。鍵の掛かる曞箱から、開架曞架ぞ倉曎です。
私の手に党おの鍵があるからだ。
盞倉わらずの魔王っぷりですね。
なんずでも。
 他者には芋せぬ柔らかで枩かな熱さえ顕にした笑みで、女神に焊がれる魔王は、そっず指先でふくりず膚れた頬を撫でた。

 ノィルマ達の暖かい䞖話ず、フェルディナンドの现やかな指瀺や投薬ずで、ロヌれマむンは着々ず回埩しおいった。
 その回埩具合に反比䟋しおフェルディナンドのあの倜の焊燥はなりを朜め、比䟋しお歓びず疑問が湧き䞊がる。
ロヌれマむン、少し話をしよう。
 倕食埌、茶の垭で盗聎防止の魔術具を出しお切り出した。己の膝の䞊で軜く小銖をかしげながら受け取っお魔力を流すロヌれマむンの姿に、たたフェルディナンドの歓びは増す。
私はあの日、君から遺蚀に䌌たものを受け取った。神殿に居た筈が、気付けば䞋町の、君の家に居たのだ。
わたくし、確かに死にかけたしたし状況に萜胆しおおりたしたけど、遺蚀を送る皋の状況ではありたせんでしたよ。
 䞍思議そうに銖を逆方向に傟ける。
私の所芋でもそうだった。であるからこそ、遺蚀ず䌌たもの、ず衚珟するしかない。君は、掗瀌匏でず蚀ったのに䜕故うちなのか、これでは困るず蚀い、私の名を呌んで泣き始めた。
はい、泣いた事は芚えおいたす。
 少し、ロヌれマむンの頬に玅があらわれた。
では、掗瀌匏でず告げたのは䜕時、誰に向かっお蚀ったのだ
高みで、メスティオノヌラ様に芁求したした。
 しれっず答えたロヌれマむンに、フェルディナンドは眉間の皺を芋せ぀けた。
聞いおいない。
すっかり忘れおおりたした。
君は、党く。では、この堎で詳らかにしおもらえるか。
 䜕故忘れおいられるのだ、ず皺が深くなった。
はい。わたくし、高みで蚀われたのです。ナルゲンシュミットが厩壊する、それを阻み、存続ぞの道を敎える様にず。぀たりはやり盎しをしろ、ず蚀うこずですよね。
 むう、ずロヌれマむンの眉間にも皺が寄る。
メスティオノヌラの曞を獲埗する術も公開したず云うのに、厩壊の危機を迎えたのか。
 フェルディナンドの眉間の皺は、曎に深さを増した。
 なんずいう事だ。あの日々を無駄にしたのか、この囜の貎族は。そしお神々は君に匷いたのか。あの日々を繰り返せず。
 神殿長に家族を殺すず脅され、怒りに暎走しかけ、それでも䞡芪に笑いかける姿。
 青色神官の悪意に晒されおも気䞈に立ち向かうものの、䞋町での䞍穏な状況に垰る事も蚱されず泣く姿。
 祈念匏で廻る旅の途䞊、灰色達を襲われ、党力を出し切っお守り倒れた姿。
 匕き入れられた他領の貎族に狙われ、家族を傷぀けられ、挙句には倧切な人々から匕き剥がされお、それでもその人々に想いの党おを捧げお党属性の魔法陣を構築し、涙を流しながら祝犏を莈る姿。
 フェルディナンドの䞭で、次々ず苊しみ足掻き立ち向かっおは痛みを堪えるロヌれマむンの姿ばかりが甊る。 
どうやらその様です。すぐにこちらぞ送られおしたったので、それがどの時点でなのかは教えお頂けたせんでした。慌おお、わたくしに名を捧げた者達には生前の蚘憶を持たせる事、起点はわたくしの掗瀌匏でメダル登録をした時点にする事を芁求したのです。随分ず埌になっおから思い出したのですが、あの時、わたくしの登録をしお䞋さったのはフェルディナンド様でしたよね。
そうだ。
 指先に針を刺す事にすら怯えおいた君は、平民にしおは身綺麗で、目を匕く容姿だった。纏った衣装は颚倉わりで、髪には糞で立䜓的に線たれた髪食り、芋䞊げる瞳は䞊質な蜂蜜の金色。今よりは少し倧きかったが、䞀際小柄だったな。
 初察面時のロヌれマむンを思い出しお、眉間の谷はなだらかになった。
そうしたら、フェルディナンド様にもすぐにわたくしが誰かお解りになるでしょう助けお頂けるのではないかず思ったのです。あの頃は、わたくしの魔力は圧瞮が远い぀かなくなっおきたずころでしたし。
生きおいるのが䞍思議な皋の魔力量だったな。
 邞に来た翌日にはニコラ達にリンシャンの制䜜方法を教え、䜿い始めたロヌれマむンの髪が、艶やかにフェルディナンドの指を誘う。
 その髪を食る簪は、フェルディナンドが調合した魔術具。お守りだからず粟緻な魔法陣が幟぀も刻たれ、その魔法陣が目立たぬ様に党面に食り暡様も刻印しおあった。
 あの時のトゥヌリの髪食りには及ばぬが。
 今のフェルディナンドは、髪食りに蟌められおいた想いを知っおいる。家族が倧事な存圚の為に、祝いず願いを圢にしたものだったず蚀う事を。
神殿で身食いだず明かした日、垰りにベンノさんからこの熱が魔力で、身食いずは魔力を持っお生たれた平民だず教わりたした。
 ロヌれマむンの芖線も、圌方の時を远っおいる。
そしお君は青色巫女ずなった。
だから掗瀌匏でずお願いしたしたのに、この有様なのですもの。ほんずにがっかりです。しょんがりぞにょんです。
 すずんずロヌれマむンは䞊䜓をフェルディナンドの胞に預ける。
気を付けなさい、蚀葉が乱れおいるぞ。だが、君が私の名を呌んだ事で、蚘憶があるず確信が持お、倜を埅っお䌚いに行ったのだ。
 フェルディナンドの腕は、柔らかくロヌれマむンを囲いこんだ。
しょうのない人でしたね。
蚀っおくれるな。私が蚘憶を持ったのは、二幎近く前なのだぞ。
 くす、ず笑みを零すロヌれマむン。フェルディナンドの耳に、少し玅色がのった。
きっかけは䜕でした
初めおの奉玍匏だ。魔力を奉玍した盎埌に君ず過ごした日々を芋た。ナストクスにだけ話し、君を探させ、ハルトムヌトを匕き蟌み、教育させおいる。
ハルトムヌトをですか。
暎走されおは堪らないではないか。
 フェルディナンドの眉間に、たたくっきりず皺が寄る。
それはたあ、確かにそうですね。ハルトムヌトは攟し飌い厳犁です。
 顔の前で䞡の人差し指を亀差させる愛らしい姿であっおも、その眉間には効かなかった。
圌奎は掗瀌匏で埗たそうだ。
ふんぬう、わたくしも掗瀌匏が良かったのに。
祝犏を返した途端にず蚀っおいたので、魔力の奉玍ず同矩ずしたのだろう。
では、他の皆も掗瀌匏の可胜性が高いですね。
少なくずも、護衛階士二人、偎仕え䞀人、文官䞉人は確保出来る。偎近ずしおは足らぬが、他に欲しい者が居るのならば遞べば良い。
 君はたた、あの䞋玚階士ず文官ずを欲するのだろう。理由など、いくらでも私が捏造し、有象無象を叩き䌏せおやれば良いだけだ。その皋床は手間でも無い。
 フェルディナンドは濃い茶の髪の青幎ず、若葉色の瞳の少女を思い浮かべた。
お埅ち䞋さい、たた領䞻候補生になれず仰るのですか
 偎近、の䞀蚀に反応し、ロヌれマむンはぷくりず頬を膚らたせる。
君には身を守る護衛階士が必芁だ。
 偎仕えは誰であれ必芁だが、個人で文官や護衛階士を埓える事が出来るのは領䞻䞀族か王族のみであり、偎仕えも含めおその者達は偎近ず呌ばれる。
 圹職や立堎に䟝っおは他に呜じ、埓わせる事は出来る。ギヌベならば、その治める地の文官や階士団が偎に控えるが、それはギヌベず蚀う圹職に付く事を意味する。
 察しお、偎近は個人に付く。䞻である人物が死亡するかその身分から離れた時には、偎近達は解散し、構成員各々が望むかもしくは脅されでもしない限り、同じ顔ぶれで別の䞻に付く事は無い。
それは解りたすけれど 。
私を婿にしおくれるのだろう
 フェルディナンドは、わざず拗ねた声を出す。
 領䞻候補生である男性を婿ずしお迎えるならば、女性も領䞻候補生であるのが䞀般的だ。婿入りすれば他の女性を嚶る事は無く、粟々が愛功を囲うくらいだ。
 女性が嫁ぐ堎合にはその限りでは無いが、その堎合、男性には耇数の倫人を持おず圧力がかかる。
 そしお女性が耇数の倫を持぀事は攟埒で淫乱な女だず芋られ、嘲りの察象ずなる。それを倧矩名分ずする意図もあり、以前の人生ではフェルディナンドがロヌれマむンの婿ずなった。
 二人は、お互い以倖は誰も芁らない、ず囜䞭に公蚀したのだ。
もう、本圓にしょうのない人ですね
なんず蚀われようず構わぬ。二床ず君を手攟す気など無い。君の偎近達に蚘憶が有るならば奜郜合だ。
 フェルディナンドの埮笑に、ロヌれマむンが小さなため息を぀いた。
䜕を䌁んでいるのですか。
決たっおいる。
 含み笑いは、嘗おロヌれマむンが「魔王の笑み」ず称した、冷淡で悪蟣䞔぀凄味を挂わせる衚情。
倧局愉しそうですが、詳らかにしお䞋さいたせ。でなければ蚱したせん。ぜぇったいに
 右手の人差し指を立おお、ロヌれマむンがフェルディナンドに突き付ける。
君が本を読めるように敎えるのだ。それ以倖に䜕がある。
ご、誀魔化しおたすね。
 心持ち顎を䞊げお半県ずなったフェルディナンドは、正に魔王。
いや、本心だが
フェルディナンド様がご自身の利を手攟すずは思えたせんっ。
 ひょえっず奇声を挏らした幌子はそれでも远求する。
私の利は君の笑顔だ。
 ふわり。魔王は屈み、そっず耳元に囁きを吹き蟌む。
しれっずそんな事をぉ。
本心だからな。
 もう、もう、もう、ず、ロヌれマむンは蚀葉を続けられず、魔術具を握った手でフェルディナンドの胞元を䜕床か叩いた。

 その倜もフェルディナンドは䜕時もの様にロヌれマむンを膝に乗せ、範囲指定の盗聎防止甚魔術具を䜜動させた䞊で食埌の茶を喫しおいた。
 青い魔術の垷は、二人だけの䌚話を守る砊の劂く、その倖に控える者達に芖線は蚱すが音は党お遮断し、囲い蟌む。
 ラザファムが淹れた薬草茶はロヌれマむンの、ナストスクがいれた茶はフェルディナンドの奜みにぎたりず合わせおあり、䞀口含んで、二人は満足の吐息を぀いた。
今䞖、君の本圓の出自を知る者は、ナストクスずハルトムヌトだけにしたい。
 二口目を飲んで、フェルディナンドは切り出した。
構いたせんが、理由を教えお䞋さいたせ。
 こおり。小銖を傟げおロヌれマむンが蚊いた。
前回、ゞルノェスタヌが君を蔑ろにした原因は、出自が関係しおいたのだず思う。゚ックハルトもだ。
゚ックハルトお兄様は、公䜿の䜿い分けが出来おいたず思いたすけれど。
 んんん、ず声を出しながら、ロヌれマむンは以前の様子に気持ちを向ける。
 その様な衚情はここだけにしお欲しいものだ。たるで、圌方に想いを銳せる様な、隙だらけな衚情は。
 じりりず身䞭を灌く熱の栞を感じ、フェルディナンドは無の仮面を厚くした。
いや、そうでは無い。公私の別では無く、君の出自を知るが故の蚀動の事だ。
そうですか
 倧きな目が曎に倧きく芋開かれ、くっず小さくフェルディナンドの笑いが挏れる。
 君はそうだな、たるで気付きはしないだろう。兄ずしお慕っおいた様子から考えおも、どうせ気にはならなかったのだろう
蚘憶を埗た瞬間に、芋萜ずしおきた倚くの事に気付いた。知る者党おが君を蔑んでいたず。
党おっお。ああ、だから開口䞀番の蚀葉があれだったのですか。
すたぬ、ロヌれマむン。
気にしおいたせんよ、圓然の事ですもの。わたくしは平民ですから、知ればそうなるでしょう
 屈蚗の無い笑顔で、ロヌれマむンは蚀った。
 頌むから、その笑みを他の者には芋せおくれるな。芋た者を党お消し去りたくなるではないか。それに、君を蔑む者を簡単に蚱すでない。
 ちりちりず胞の䞭心が焌け萜ちおいく。
だが、私は埌悔を埗たが、他の者達はこうはならぬ。その堎合、私には我慢など出来ぬ。
わたくしはどちらでも良いです。
 だから蚱すなず蚀うに。
 熱の栞は枩床ず倧きさを増し、仮面を焊がす。
良い事があるか。故に、君は高䜍貎族の家に生たれ、しかし䞡芪に危機が迫った為、旧知の私に蚗された事ずしたい。
 仮面が灌け萜ち、眉間には深い皺が刻たれた。
『貎皮流離譚』ですね物語の王道の
 ぱっずロヌれマむンの顔が歓びに茝いた。
 はず呟いたフェルディナンドの䞭で、熱の栞が消し飛んだ。
きしゅりゅうりたん、ずはあちらの蚀葉か。
はい、身分の高い子䟛や若者が、その地䜍を奪われ様々な苊劎ず経隓の末に、元の身分を取り戻したり、もっず高い地䜍に就いたりする、そんなお話です。
 歎史物ならあれずそれ、『ファンタゞヌ』だずあれもこれもそれもそうだし、傑䜜が倚いんですよ、ず手を振り回しお解説を続ける。
そうか。
 ふぁんたじヌずは䜕かず問う事も出来ず、フェルディナンドが盞づちを打぀。
ずっおもワクワクしちゃいたす
では、良いな君は高䜍貎族を芪に持぀が、安党の為に家門の名を衚に出す事は出来ず、私が庇護しおいる子䟛だずするが。
はい
 䞊機嫌のロヌれマむンは、蚭定どうしたすか、他領かそれずも䞭倮か、やっぱりリンクベルクが無難かな、でもリンクベルク家の危機っおそれナルゲンシュミットの危機じゃ、ず捲し立お、萜ち着けず窘められた。

 出自は明かさねば良い。そう蚀った筈だが
 倧きな空の魔石を握らせおから、フェルディナンドはロヌれマむンの瞳を芗き蟌んだ。身を屈めた肩口から氎色の髪が萜ち、ロヌれマむンの髪ぞず觊れる。
そうでした。ですが、それで通せたすか
 魔石ぞず滟る魔力を吞わせ぀぀、ふうず幌子らしからぬ溜息をひず぀。
幌い君は、䌎も無く、平民に蚗されお゚ヌレンフェストの䞋町に蟿り着き、ギルベルタ商䌚が䞀時的に保護、ベンノが枡されおいた手玙を䜿い、私に連絡をした。その旅の途䞭で君の子䟛甚魔術具は金粉化しおしたい、君は必死で圧瞮を繰り返しおいた故、魔力量は倚く、身䜓は幎霢よりも小さいたたずなっおいる。ここたで詳しく語る必芁は無いが、芚えおいお欲しい。
 裏の蚭定ですね、ずロヌれマむンは嬉しそうに呟く。
今はただ、政倉が片付いお間も無い時期だ。そしお君は、自分がどこで生たれたのか、たた家名ず䞡芪の名を知らずずも䞍思議では無い幎霢だ。それずも私が䜕か倱態を犯すずでも
思いたせん。
では、そう蚀う事だ。君は、自身が䜕凊のどの家の者か知らない。私は君の䞡芪ずの玄定があり、他人には䜕も話せない。良いな。
 はぁい、ず答えたロヌれマむンは、ひょいず手を䌞ばし、フェルディナンドの髪を掎んだ。
こら、䜕をする。
髪に艶が有りたせんね。あの頃よりずっず顔色も良く、若さもありたすが、やっぱりお薬臭いですし。
 ふんふんず胞元を嗅ぎ、ロヌれマむンが顔を顰めた。
ニコラずモニカは厚房のお手䌝いもしおるそうですね。
そうだ。
料理人は若い方ですか
いや、若くは無い。しかし、若い頃から埓来の調理法に抗い、倚くの倱敗を重ね、料理人組合からは半ば攟逐されおいる者だ。そうでなければこの邞で雇う事など出来ぬ。
それだけでフェルディナンド様が目を付けるずは思えたせんけれど
 现められた目が、党おを詳らかにせよずフェルディナンドに呜ずる。
ナストクスによるず、その者の口癖は、『䌝統に瞛られおいるのが悔しい』だそうだ。
 すいっずロヌれマむンの口角が䞊がった。
わたくし、明日からニコラずモニカを通じお、その料理人にスヌプを䜜っお貰いたいず思いたす。よろしいでしょうか。
コン゜メに至るのならば良かろう。
 くすくす笑うだけで、ロヌれマむンは蚀質を䞎えなかった。

 次の日、ロヌれマむンは朚札にスヌプの詳现なレシピを曞き付け、ニコラに枡したが、その時になっお初めおニコラもモニカもただ読み曞きが䞍埗手な事を知った。
解りたした。では、今回はノィルマかロゞヌナに読み䞊げお貰いたしょう。ニコラずモニカは、料理人ず䞀緒にお料理をしお䞋さいね。倧䞈倫です、ここでコツをしっかり芚えお、料理人に䌝われば良いのですから。
 恥じ入る幎少者二人に埮笑み、ロヌれマむンは請け合う。その姿に励たされ、朚札を読み䞊げながらの説明を真剣な面持ちで芚えた二人は、ノィルマず厚房ぞず降りお行った。
 鐘半分も経った頃、モニカ䞀人が小さな怀を盆に茉せ、戻っお来た。
どうしたした
あの、ロヌれマむン様。
 モニカは跪き、気䞍味そうに蚀葉を切った。
モニカ
その、料理人が、どうしおもお味芋をしお欲しいず申しおおりたす。ノィルマは止めたのですが、確認しお頂かなければこの先ぞは進めないず、座っお動きたせん。
したすすぐにお味芋したす
 喜色も顕に早く早くず手を䌞ばす䞻ぞ、ロゞヌナはたずはお毒芋を臎したせんず、ず矎しい笑顔を向ける。すぐに䞀匙、モニカは口に含んで目を瞬かせた。
ロゞヌナ、こちらぞそのお盆を䞋さいたせ
ロヌれマむン様。ですが。
 モニカは苊しむ様子も無く、しかし身動きもせず、ただ䜕床も瞬きを繰り返しおいた。
倚分、モニカは驚いおいるだけです、冷めおしたう前に早く
 ロゞヌナはモニカの手から怀ず匙を取り、自分も䞀口、毒味する。
酷いです、ロゞヌナぁ。わたくしより先に頂くなんおぇ。
 半分涙声の抗議に、ロゞヌナは振り返った。
これは、ロヌれマむン様、これはなんですの
わたくしのレシピですっおばぁ。
これが、ロヌれマむン様のレシピ 。
 呆然ずし぀぀も怀を運び、手巟で匙を拭っお添える。ロヌれマむンは䞡手の平を胞前で合わせ、䞀瀌しおから怀を手にし、匙を入れた。
合栌合栌ですよモニカ、埌は塩で味を敎える様に䌝えお䞋さいたせ神に感謝を!!
 空の怀ず匙を持ったたた、䞡腕を高く䞊げおロヌれマむンは叫ぶ。すぐにロゞヌナが怀を取り䞊げ、フェルディナンドに枡されおいた魔石を握らせた。

 その日の倕食には、具沢山のスヌプが盛られた深皿ず、黄色いポメず塩気の少ないチヌズや生の葉物野菜に酢ず怍物油が䞻䜓のドレッシングを掛けたサラダ、それにパンだけが䞊んだ。
これは。
わたくしのレシピです
 フェルディナンドの呟きにロヌれマむンは明るく答えたが、絊仕をする者達はどこか䞍安そうだ。
 前菜も無ければ、肉料理も無い。毒味の際に矎味である事は確認したが、あたりにも型砎り、ずんでもなく垞識倖れの献立なのだ。
 軜食ならば有り埗る、しかし今は倕食の堎だ。有り埗ない。
メニュヌはゎロゎロ野菜ず腞詰めのポトフず、シャキシャキ野菜のサラダです。フェルディナンド様の料理人には無理を蚀っおしたいたしたが、ノィルマ達の料理人に䜜っお貰いたした。お嫌ならばすぐに倉えたすけれど。
ふむ。頂こう。
 ナストクスやノィルマの心配をよそに、フェルディナンドはすんなりずカトラリヌを手にした。
 躊躇いもせず、ちぎったパンずフォヌクで生野菜を噚甚に纏め、咀嚌する。
 ポトフず名付けられたスヌプずも煮蟌みずも぀かない料理は、具材の切り方が倧きく、ナむフずフォヌクで䞀口倧にしおから口ぞ運ぶ。
いかがでしょう、フェルディナンド様
 にっこりずロヌれマむンが問いかければ、僅かに口角すら䞊げお、良いのではないか、ず答えおたたフォヌクを䌞ばし、曎にスプヌンでスヌプを掬う。
ロヌれマむン、このレシピを私の料理人にも教えお貰えるか
 スヌプを飲み蟌み、邞の䞻はにこりず提案した。

— End —

Comments 72

秋
秋4 䞪月前

貎皮流離譚っおフェル様が傍系王族の生たれから底蟺田舎領地の庶子で迫害され事実的なツェント配か぀倧領地のアりブ配ですね!

R
rkira11 䞪月前

たぶん、ナルゲン矎味な料理を戎く、平民達😋 ハルトムヌト号泣😭

R
rkira1 幎前

なるほど🀔しあがっおたす👍

み
みっち1 幎前
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す
すず1 幎前
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ね
ねむり ねこmii20201 幎前
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は
はにゃ1 幎前

ハッピヌフェルマむ🥰読者は1週間ですが2幎もよく耐えたしたね😅誰が掗瀌芪になるのかな⁇゚グ姫ず同じ手法⁇早く名捧げ組が揃いたすように🙏先が楜しみです🍀

た
たおむ1 幎前
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ゎ
ゎゞラ゚ノァ1 幎前

面癜いっすわ

ナ
ナリりス1 幎前
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å±±
山野玗耶1 幎前

自分の蚭定ファンタゞヌに興奮する幌女の手にあったお怀が、気づいたら空魔石になるマゞックw(shine2) あずは魔王所蔵の本さえ自由になれば 考える幌女の図略

メ
メル1 幎前
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Sakuria
Where every work blooms
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