※注
・これの番外編です
・捏造しかない
・100億回は見た事あるネタ
・あくまでちゃんねる“風”です。好き勝手書いてます
・なんでも許せる方向け
もう一度言います。
捏造しかありません。好き勝手書いてます。
微怖、グロな内容ですがホラーといっていいのか分からなかったのでタグに入れていません。
もし必要そうだったら、お手数お掛けしますがタグ付けしていただけるとありがたいです。
以上を踏まえて、大丈夫そうな方はお暇つぶしにしてください。
(五ページ目からのお話は再掲となっています)
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・
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84︰審神者
今更だけど、ここオカルトスレなのに最近全然怖いい話し流れてこないよね
85︰ラーメン審神者
>>79
マジ無理絶対おろしポン酢のぶっかけラーメンの方がうまい
86︰審神者
>>84
同感
87︰審神者
>>84
怖い話って?
88︰うどん審神者
>>85
食ったこともねえやつが醤油とんこつうどん否定してんじゃねえよksが
89︰審神者
>>87
ほら、ここオカルト雑談スレのはずなのにゲテモノのラーメンとうどんの話で盛り上がってるじゃん?
いくら審神者といえどもう怖い話はネタがつきてきたのかなって
90︰審神者
>>89
ワンチャン、ゲテモノ料理をオカルトと勘違いしてる説ある
91︰審神者
【悲報】審神者がオカルト現象に慣れすぎてオカルトがゲシュタルト崩壊している件について
92︰審神者
てか食べ物の話するなら雑談スレ行ってほしいんだけど
普通に規約違反じゃん
93︰審神者
今オカルトスレ過疎ってるからね…関係ない話が盛り上がるか炎上しないと流れないの普通にやばいと思う
94︰審神者
あの、すみません。
今年審神者になった新参者なのですが、質問してもよろしいでしょうか?
95︰審神者
いいよ〜
どした?
96︰審神者
新卒さんいらっしゃ〜い
97︰審神者
サニワタノシイヨ〜
98︰審神者
>>94
いいけどここオカルトスレだよ?
質問なら専用スレたてた方がいいと思うけど
99︰審神者
>>94
新参者さんコテハンできる?
審神者って名前を編集して、自分が相談主って事を分かりやすくしてほしいんだけど
100︰新参者
ありがとうございます、変えてみました。
合っていますでしょうか?
101︰審神者
>>100
あってるけどパッと見三文字漢字であんま審神者と見分けつかないから新参者の後に審神者って付けてみ
102︰新参者審神者
付けてみました。
ありがとうございます。
103︰審神者
いいね
104︰審神者
それで相談って?
105︰新参者審神者
すみません、打ち込みに時間がかかりました。
相談というのは先日自分が参加した政府のオリエンテーションで聞いた話についてです。
その内容がオカルト寄りの話だったので、こちらのスレに相談に来ました。
単刀直入に聞かせていただきます。
先輩方は『黒渦奇襲事件』という事件をご存知でしょうか?
106︰審神者
?なにそれ
107︰審神者
あ……
108︰審神者
あ〜…
109︰審神者
ああ…あれね
110︰審神者
えしらない
なにそれ
111︰審神者
あれでしょ?
半年くらい前に本丸評定でS判定取った審神者が時間遡行軍に本丸襲撃された事件
112︰審神者
え
やばっ
113︰審神者
大事件じゃん
114︰審神者
自分山城本拠地だけど全然知らない
115︰審神者
うちも襲撃されたよ
本丸のサーバー全部ダウンさせられて奇襲された
しかも夜だったからまったく敵見えんくてやばかった
116︰審神者
うちも
サーバーダウンしてるから助けも呼べないしゲートも使えないし昼の景趣にも変えられないしで詰んでた
電気系統もやられたけど懐中電灯持って歩いてたら格好の的だって短刀に言われて
じゃあ廊下にある停電時の非常用のロウソク付けようとしたら向こうに火種として使われる可能性あるって止められて真っ暗な中足の小指ぶつけながら天守閣まで走ったわ
117︰審神者
>>115
>>116
それマジな話なの?
マジなら言い方軽すぎない?
118︰新参者審神者
すみません、実際に襲われた方がいらっしゃって驚きました。
ご無事で何よりです。
それで、そちらの話をオリエンテーションで聞いたのですが、本丸の空に突如『黒渦』が湧いてそこから雨の如く時間遡行軍が降り注いだというのは本当なのでしょうか?
自分は今年から備後国に配属になったのですが、この話を聞いてからとても怖くなってしまって。
もし差し支えなければ、どのような事件だったのか。
またどのような対策をすれば良いか教えていただきたいのです。
119︰審神者
教えてって言われてもなぁ…
120︰審神者
あの時曇ってたから空とか見えなかったんだよね…
遡行軍もそこかしこから禍々しい気配してて「やばいやばいやばい!」って言ってた記憶しかない。
121︰審神者
>>119
>>120
いや、マジで事に対する感想軽すぎない?
通信機器やられてたんでしょ?
夜で明かりも無かったんでしょ?
過去にも何度か襲撃事件聞いたことあるけど、刀剣男士折れたり審神者が亡くなったりシャレにならん被害出てんのに
122︰審神者
いやだって、あの事件って──
それは、あまりにも突然の出来事だった。
時間は…何時だっただろう。
よく覚えてない。ただ、お風呂に入って寝ようとするような時間だったと思う。
突然、本丸中の電気が消えて辺りが真っ暗になったのだ。
その時わたしは自室で動画を見ていたのだが、バチッと静電気を何十倍にもしたような音がして「えっ?」と慌ててその場に立ち上がったのを覚えている。
「? 停電?」
咄嗟に動画を切ってスマホのライトをつけたわたしの耳に届いたのは、地響きのような音と、ぼおうっという獣の咆哮のような風鳴りの音。
それから──おそらく、日光一文字の陣貝であろう法螺貝の音だった。
「、え、何」
「大将! いるか!」
「主! ご無事ですか!?」
あまりに突然の出来事に立ち尽くしていると、スパンと障子が開け放たれて戦装束を身にまとった薬研藤四郎とへし切長谷部が部屋に駆け込んできた。
常であれば、私の私室のある離れには気を使って近付いて来ようともしない二振りだ。
そんな彼らが土足で、しかも抜刀した状態で私の傍に近付いてくる。
体に怪我などがないか触れて確認している。
それだけで、この状況が如何に非常事態なのか伝わった。
「、ああ…よかった。無事だな」
「は、はい。無事です、けど、いったい何が」
問いかけようとした瞬間、薬研藤四郎の後ろにいたへし切長谷部がハッとしたように背後を振り返った。
刹那。
金属と金属のぶつかる音がしてへし切長谷部の体が横へ吹き飛んだ。
ドガッ!!
壁に人体のぶつかるけたたましい音が響く。
土埃があがってガラガラと壁が崩れ落ちる。
「! 長谷部ッ!」
振り返った薬研藤四郎が叫んだ。
そんな彼の背後に、へし切長谷部を吹き飛ばしたであろう大きな刀を構えるバケモノ──大太刀の時間遡行軍の姿が見えて、わたしは「、後ろっ!」と咄嗟に叫ぶ。
「、チッ」
薬研藤四郎が刀を構える。
暗闇に目を光らせた大太刀が刀を振りかぶる。
だが、その刃が振り下ろされるより先に風を斬り裂くような音が耳に届いた。
「──!」
目を見開くわたしの頬に、ぴっと生ぬるい何かが飛んでくる。
呆然と瞬きをすれば、大太刀を振りかぶった格好で固まっていた敵の首から破裂した水道管のように血が吹き出す。
ゴト。
鈍い音をたててその首が落ちた。
鉄錆のような臭いが辺りに充満する。
だが、少しすると大太刀の首と体は黒い煙のようなものに変化していき、飛び散った血と臭い諸共空気に溶けて消えていった。
「主、無事かっ!!?」
そこに、刀を持った大包平がわたしを呼びながら部屋に飛び込んでくる。
「? 、え、あっ」わたしは緩慢な動きで瞬きをし、大太刀のいた場所を見やる。
そこには、鶯丸が立っていた。
血振りをした刀身を鞘に収めながら、恐ろしいほどの無表情で大太刀のいた場所を見下ろしていたのである。
「やれやれ──月夜に女人の寝所を狙うとは。随分と命知らずな輩だな」
吐き捨てるような声と共に、怪しく輝く片目がこちらに向けられた。
「う、ぐいすまるさん」
「怪我は無いな? 薬研も」
「あ、ああ。無い」
ゆっくりとわたしと薬研藤四郎の無事を確認した鶯丸は、フッとその眼光を穏やかにして踵を返した。
壊れ崩れて土煙をあげる壁に向かっていく。
「長谷部、無事か」
倒れかけた襖を退けながら鶯丸は聞いた。
すると、咳き込むような音がして「、ああ…」とへし切長谷部の声が返ってくる。
クソッと吐き捨てる声とともに、自身である抜き身のへし切長谷部を手に持ってその場に立ち上がる。
「まさか大太刀を斥候で寄越すとは…」
「外に短刀と脇差もいた。まあ大包平がすべて片付けたが」
「お前がさっさと主の元に向かうからだろう!」
「長谷部さん、」
わたしはもたつきながらへし切長谷部に近付いた。
「主」とこちらを見下ろした彼に「け、怪我は、手入れは、」と半ばパニックで問いかける。
「平気です、受け身は取りましたから。かすり傷がついた程度です」
言いながら、彼は苦笑を浮かべて胸元に手を当てた。
そんな馬鹿なと、無惨に崩れ落ちた壁を見ながら思ったが、確かに彼の体は衝突の衝撃で衣装が汚れ破れただけで、目立った傷はどこにもなかった。
「それより主、すぐに天守閣へ避難を」
「て、天守閣?」
「はい。あそこは強固な結界が張られており、有事の際の審神者の避難場所となっています。俺達が護衛しますから、早く」
「わ、分かりました」
険しい顔をしたへし切長谷部に言われ、わたしは緊急用通信端末もといスマホを引っ掴んで廊下に出た。
すると、すぐ隣を薬研藤四郎が肩が触れるほどの距離で並び、前をへし切長谷部、後ろを鶯丸と大包平の二振りが並ぶ。
最短距離で本丸にある天守閣へ向かう。
「あの、これっ、いったい何が」
「俺たちにも分からん。いきなり遡行軍の気配がして、気づいた時にはこの有様だった」
聞けば、薬研藤四郎とへし切長谷部はお風呂帰りに馬達が騒ぐ音が聞こえて、それが気になって厩に様子を見に行っていたそうだ。
わたしが私室に使っている離れは、刀剣男士の居住区よりも厩の方が近い。
だから彼らが一番にここに駆けつけてくれたようだった。
「俺と大包平は畑近くで月見をしていた。そしたら突然空に黒い渦のようなものが出来てな。そこから遡行軍が現れたんだ」
「どういう仕組みか分からんが、どうやら敵は空に転移装置のようなものを生み出して遡行軍を送ってきているらしい」
これを聞いて、わたしは慌てて手に持っていた通信端末から政府に緊急救援信号を送った。
だが、画面に出たのは「予期せぬ問題が発生しました」という文字だけ。
何度試してもその文字以外が出てくることはない。
ならばせめて現在遠征に出ている五部隊を呼び戻そうとしたら、そちらも「予期せぬ問題が発生しました」と操作不能だった。
「なんで、」
「駄目か?」
「だめ、なんで、救援信号の通信回路は別なはずなのに…!」
敵にサーバーがハックされた時用に、本丸には緊急用の連絡手段がいくつか用意されている。
そのうちの一つが通信端末に付いている救援信号なのだが、何度タップしてもそこに表示されるのは「予期せぬ問題が発生しました」というエラー表記だけだった。
「となると、ゲートも無理だな」
「ああ。やはり天守閣で籠城戦が現実的だ」
「まあ主が無事だったんだ。あとはどうとでもなる」
「俺と鶯丸は屋外に出る。護衛は頼んだぞ」
そう言って、鶯丸と大包平は中庭に出ると近くの木に飛び乗り門の外へと飛び出して行った。
「あ、おまっ、お守り!!」
そんな彼らの背に咄嗟にそうわたしが叫べば、「あるぞ!」「持っている!」という大包平の声と鶯丸の声が返ってくる。
律儀な返事にわずかにホッとしていると、彼らと入れ替わるように「主君!」「主!」と前から前田藤四郎と平野藤四郎が走ってきた。
さらに別の場所から、「あるじさま!」「主君、ご無事ですか!?」と五虎退と秋田藤四郎が抜き身の刀を持って駆け寄ってくる。
「ちょうどいい。薬研、俺達も外へ出るぞ」
「ああ」
「あ、おま」
「持っております。大丈夫、あなたを残して折れたりはしませんから」
「ま、安心して天守から見守っててくれや」
そう言って、わしゃっとわたしの頭を撫でて薬研藤四郎はへし切長谷部と共に塀を飛び超えて外に出て行った。
そこからは、合流した粟田口の短刀達に周囲を囲まれるようにしてわたしは天守閣に移動した。
天守閣は、文字通り天上人を守る閣だ。
ここは本丸内にあるどの建物よりも高い場所にある。ゆえに、下を見下ろすにも指示を出すにもうってつけの場所だ。
「俺達以外の刀剣男士はみんな外に出たぜ。緊急時は連携が取りやすいよう馴染みの刀で固まれって主の指示通り、複数人で動くようにしてる」
「通信端末も渡してある。指示を出すならこっちのまいくともにたあを使え」
わたしの護衛のために天守閣に来てくれていた鯰尾藤四郎と骨喰藤四郎がそう言った。
まるでゲームのチュートリアルのような軽い物言いだったが、これは紛れもない現実だ。
今、わたしの本丸は敵の襲撃を受けていて、刀剣男士たちはそれと戦っている。
誰が折れてもおかしくない。
明日にはわたしもみんなも死んでいるかもしれない。
そんな状況に、直面している。
「、分かった、ありがとう」
わたしはバクバクと破裂しそうな心臓で、けれど頭は妙に冷静な感覚でモニターの前に座った。
生唾を飲んで、現在本丸にいる刀剣男士を確認する。
…多分、状況としては最悪寄りだけど最悪ではない状況だった。
外は夜。
サーバーダウンで景趣は変えられず、電気系統をやられてしまったから明かりはない。
けど、月明かりはある。
外への通信は通じないが、本丸空間内の通信はできる。
遠征に出ているのは六振り五部隊の三十振り。
呼び戻せないけど、みんな明け方には戻ってくるよう時間調整してある。
「あるじさま」
「大丈夫ですよ、皆さんお強いですから。何も心配はありません」
わたしの両隣に座りながら、五虎退と前田藤四郎がにこっと安心させるような笑顔を浮かべた。
その言葉に同意するように、向かいに座った骨喰藤四郎が頷く。
「そうだ。あんたが生きていた時点で俺たちに負けはない」
「そうそう。ブチ切れたいち兄ってほんと怖いからさ。むしろ敵に同情しちゃうかもよ?」
さらに、のしっと骨喰藤四郎の頭に腕を乗せた鯰尾藤四郎がニンマリと笑っていつも通りの語調で続けた。
わたしはこれを、彼らからの気遣いだと受け取った。
目の前がまっ暗になりそうな不安に包まれるわたしを、平静を装って励まそうとしてくれているのだと。
「…ありがとう」
だから、必死に笑顔をつくって返した。
──まさか数時間後に、あんな状況になっているとは夢にも思っていなかったから…
◇
チーム ︰山姥切組
「──そうか、分かった」
わずかに安堵したような声で言って、山姥切長義はインカムの通信を切った。
おもむろに空を見上げる。そこには、月を覆い隠す黒い雲がある。
──否、雲ではない。黒い渦だ。
耳障りな音をたてて渦巻くそれからは、絶えず黒い雨のようなものが降り注いでいる。
それが地に落ちる度、呻き声のような雄叫びが聞こえてくる。
「主は無事に天守閣に着いた。短刀と脇差が護衛している。後は俺達の仕事だ」
言いながら、山姥切長義は刀を抜いた。
すると、背後にあった木からバサッとハチマキを靡かせて山姥切国広が飛び降りてくる。
彼は気配を探るように遠くを見ながら、抜刀して山姥切長義の隣に並ぶ。
「敵の強さは」
「阿津賀志山程度だな。数はいるが、取るに足らない」
刹那、山姥切長義の背後に木の葉を割いて短刀の遡行軍が迫った。
紅く輝く刃が彼の首筋に近付く。
だが、それが首を切り裂くより先に山姥切長義の手が骨の胴を掴み地面に叩きつけた。
バキッ!!
黒い革靴が遡行軍の頭を踏み潰す。
砕け散った骨と刃が黒い煙となって消える。
「──ははっ!」
山姥切長義は刀を構え、歪に口角を上げた。
「そら、いくらでも来いよ。 ──まとめてぶった斬ってやる」
愉しくて堪らないと言わんばかりにその蒼い瞳が輝く。
隣で、山姥切国広は眼孔鋭く暗がりを見据える。
「我らが主を狙った罪───地獄に堕ちた程度で済むと思うなよ」
瞬間、剣戟の音が森に響き渡った。
チーム︰伊達組
「──さて、仕込みは上々っと」
不自然に盛り上がった地面を蹴りながら鶴丸国永は不敵に口角を上げた。
その後ろには、苦笑いを浮かべる燭台切光忠とやれやれと頭の後ろで手を組む太鼓鐘貞宗がいる。
そこに、離れた位置でインカムで通話していた大倶利伽羅が戻ってくる。
「…主は天守閣へ逃げた。あとは遡行軍の処理だけだ」
「怪我は? してなかったのかい?」
「ああ」
短く返事をした大倶利伽羅に、燭台切光忠と太鼓鐘貞宗はホッと安堵した顔を浮かべる。
「そっか、よかった…」
「うっし! そんじゃあいっちょ派手にやろうぜ!」
「好きにしろ。俺は一人で動く」
「駄目だよ、いざという時は馴染みのある刀で動けっていうのが主の指示なんだから」
「それに通信機器持ってる伽羅がどっか行ったら俺達主の指示聞けなくなるじゃん!」
さっさとその場を離れようとする大倶利伽羅の両腕を、太鼓鐘貞宗と燭台切光忠がガシッと掴む。
大倶利伽羅は「チッ」と舌打ちをしたが、彼らの言い分はもっともなので「離せ」とだけ言って近くの木にもたれかかった。
「ん? なんだ伽羅坊、通信は終わったのか?」
そこに、抜刀した鶴丸国永が戻ってくる。
「主はどうだ? 無事に逃げられたかい?」「ああ」「そうか。ならもう心配はないな」ホッと目尻を下げた鶴丸国永が、抜き身の刃を肩に乗せる。
と、その場に獣の咆哮のような雄叫びが響いた。
ズシンズシンと地響きのような足音が近付いてくる。
「ん?」と振り返った鶴丸国永の瞳に、大太刀や薙刀を構えた遡行軍が邪魔だと言わんばかりに木々をなぎ倒しながら進軍してくる光景が映る。
「おっと」
だが、四振りに慌てた様子はなかった。
暗がりに輝く金色の瞳は敵を見据え、太鼓鐘貞宗、大倶利伽羅、燭台切光忠は鞘から刀を抜いて静かに構える。
同時に、遡行軍達も得物を構え土を蹴るように走り出す。──が。
刹那、その姿が消えた。
否、落ちたのだ。
鶴丸国永の用意した、落とし穴の中に。
「……………」
盛大な土埃と共に、辺りに沈黙が落ちた。
「古典的な…」
呆れ顔で呟いた大倶利伽羅に「なに、罠は罠さ」と鶴丸国永はくつくつ笑って落とし穴に近づいた。
穴の縁にヤンキーのように座り、頬杖をついて袋のねずみとなった六体の敵を見下ろす。
「さて、敵さんよ───俺が誂えた墓穴は気に入ってくれたかい?」
うっそりと妖しく笑った人外に、穴の中で怒り狂ったような咆哮をあげた敵打刀が得物を投げる。
風を斬り飛んできた刀を、鶴丸国永の刃がいとも簡単に弾き落とす。穴に飛び込む。
──ザシュッ!!
非道い音が鳴った。
夥しい量の血飛沫が飛んで、敵の体が地面に倒れ込む。
「──まあ、肉も骨も残らんお前らにゃ要らんものだっただろうがな」
真っ白い装束を赤く染めた男が、そう吐き捨てた。
「あーあ。鶴怒ってるよ、珍しく」
穴に飛び込んだ鶴丸国永を見ていた太鼓鐘貞宗は苦笑いを浮かべて腰に手を当てた。
そんな彼の真後ろに、脇差の遡行軍が蜘蛛のように這い寄る。
ギラり。輝く刃が振り上げられる。
だが、それが振り下ろされるより先に空に飛び上がった太鼓鐘貞宗が敵の頭部を掴み首を掻き切った。
「──ま、俺も怒ってんだけど」
頬に服に血を飛び散らせた少年は、琥珀の瞳を細めながら敵の首を投げ捨てる。
「僕達の主の命を狙ったんだ。地獄を見る覚悟くらいはできてるよね」
木々の隙間から迫り来る遡行軍の短刀達を、燭台切光忠の一太刀が諸共斬り裂く。
隙をついて彼の真横に迫った打刀を、大倶利伽羅の刃が真っ二つにする。
「そうじゃないと───格好つかないよ?」
やけに優しい声が、月夜に響いた。
チーム:粟田口組
「ふっ!」
乱藤四郎は眼前に迫った敵短刀を斬り捨てた。
しかし、いくら倒そうとキリがない。
敵は空に生まれる渦から次々吐き出されている。
「あーもう! どんだけ出てくんだよ!」
「大将が近くにいるから疲労はあんまねえ、けど!」
背中合わせに戦いながら厚藤四郎と後藤藤四郎が吐き捨てる。
「ご心配なく。みなさまが傷ついてもわたくしが治癒しますので」
そんな二振りに、敵脇差の喉元に剣を突き立てながら白山吉光がそう言う。
「がんばってください! 渦の瘴気は着実に減ってきております! 微力ながらわたくしも声をはりあげ応援しますゆえ!」
「キツネ、うるさい」
「ごめん、正直うるさい!」
「なんと! そんなぁ」
キツネを肩に乗せた鳴狐が大太刀の首を斬り落とす。
その隣で、乱藤四郎が空を泳ぐ短刀を一刀両断する。
その時だった。
「、えっ、きゃあっ」
突然、闇夜から伸びてきた敵薙刀の柄が、乱藤四郎の体を木に叩き付けた。
「! 乱ッ!」
「! 乱藤四郎!」
振り返った厚藤四郎と白山吉光が同時に叫ぶ。
乱藤四郎は肩を押さえ木の根元に座り込んでいた。
「いったぁ…っ」俯き、痛みに呻く彼に今度は薙刀の刃が迫る。
「乱!」
そんな彼を守るために、後藤藤四郎が地を蹴り刀を振りかぶった。
だが、その刃が敵に届くより先に敵薙刀の心の臓を背後から刃が貫く。
ドシュッ!!
鈍い音が鳴った。
俯く乱藤四郎の戦装束に血が飛び、赤黒く染まる。
地面には瞬く間に血溜まりが出来上がる。
「!」
乱藤四郎はハッと顔を上げた。
絶命し、黒煙へと変わる敵の背後に立つ兄の姿を呆然と呼ぶ。
「──いち、兄」
彼は恐ろしいほどの無表情でそこに立っていた。
一切の感情の滲まない表情だ。
それを下から見上げた乱藤四郎は「あ…」と。
痛みの引いた肩から手を離しながら、たらりと頬に冷や汗をつたわせて頬を引き攣らせた。
そこに、白山吉光が駆けつける。
「大丈夫ですか」と肩に手を添えてきた彼に「だいじょうぶじゃないかも…」と答える。
「え? …あ」
白山吉光も一期一振の顔を見て固まった。
一期一振は刀に残った黒煙をはらい、踵を返す。
「…あ」「あっ」
その顔を見た厚藤四郎と後藤藤四郎も、頬を引き攣らせて冷や汗をながす。
「──もう、二度と」
地を這うような低い声が吐き捨てる。
瞬間、一期一振の前に敵大太刀が飛び出してくる。
太刀の二倍はありそうな巨大な刃を振るう。
だが、一期一振は軽々刀でそれを振り払い、敵の両脚を斬り捨て、倒れ伏した頭に刃を突き立てた。
「落城などさせない」
剣呑な光を宿した瞳が敵を見据える。
「──俺が地獄の業火へ突き落としてやる」
後ろには「いち兄キレちゃった…」と怯える弟達の姿があった。
チーム:織田組
宗三左文字と不動行光は空を見上げていた。
不気味に渦巻く黒いモヤを睨んでいたのだ。
すると、彼らの背後に足音が近付いてくる。
その音に、二振りは同時に後ろを振り返り馴染みの顔を出迎える。
「長谷部、薬研」
「あの人は無事に天守閣へ逃げましたか?」
問い掛けた宗三左文字に、へし切長谷部はああと頷いた。
わずかに二振りの表情が安堵する。しかしすぐに警戒したように空を見上げた。
グルグルと蠢く黒渦からは、絶えず時間遡行軍が吐き出されている。
「…嫌な気配ですね」
「そうか? この程度、あのお方の気配と比べたら月とすっぽんだろ」
あっけらかんと言った薬研藤四郎を、不動行光がジトっと横目に睨む。
「おい、敵を信長公と比べるなよ」
咎めるような声に、薬研藤四郎は肩を竦めて刀を抜いた。
「いやなに、その姿を見てきた俺達の敵じゃないって言いたかっただけさ」
瞬間、茂みから奇襲を仕掛けてきた打刀の腹に抜いた刃を突き立てた。
ドスッ!! 肉が抉れるような音とともに、敵の背から薬研藤四郎の柄がのぞく。
そして絶命した体を蹴り捨てると、彼は血肉の付いた刃を服で拭いながら「な?」と瞳を光らせた。
「そうですね…数は多いですけど」
憂えげにため息を吐いた宗三左文字が抜刀する。
暗がりから現れた短刀の刃を振り払い、奥から現れた打刀の首を一線で泣き別れにした。
「魔王を倒せといわれている訳じゃない」
ヒラリと、黒煙の中を蝶が舞う。
「フン、敵が何であろうと関係ない。──俺は今代の主を守るだけだ」
刀を抜き、歪な笑みを浮かべたへし切長谷部が前に出る。
「そうだ、俺たちがいるのは守れなかった過去じゃない。──今代の主が生きる、今だ」
不動行光は太刀を振りかぶる敵の喉元に、その刃を突き立てた。
血飛沫が舞い、敵であった黒煙が辺りを漂う。
暗がりに、宗三左文字の色の違う瞳が輝く。
「そう、ここに生きるは我らが主」
肉と骨の切れる音がする。
心臓に刃を突き立てた薬研藤四郎は、呻く敵の顔を覗き込み嘲笑した。
「そこに土足で踏み込んでんだ。──生きて帰れると思うなよ」
バシャリ。
血溜まりに敵の首が落ちる。
眼球のない落窪んだ目は、瞳孔を見開き、歪に口角を上げて嗤うへし切長谷部の顔をまっすぐ見上げていた。
「死ね。──ここに来たことを後悔しながらな」
チーム:幕末組
「…まず、俺がここにいる理由が分からないんだが」
蜂須賀虎徹はムスッと腕を組みながら吐き捨てた。
彼の目の前には、キョトンと目を丸くする長曽祢虎徹がいる。
その横には、銃の手入れをする半目の陸奥守吉行が立っている。
「おんし…まーだそがなこと言うちょるがか」
「当たり前だ! 何故俺が贋作と同じちいむに組み分けされなければいけないんだ!」
「はーい、蜂須賀センセー。見えてないかもしんないけど俺達もいまーす」
「いまーす」
「そこ! うるさい!」
すちゃっと手を挙げた加州清光と大和守安定を蜂須賀虎徹がクワッと指さす。
この言動こそ彼が「センセー」と呼ばれた所以なのだが、本人はそれに気付いていない。
そして今後も気づくことは無い。
「でもほんと、蜂須賀さんなんで幕末組に組み分けされたんでしょうね? 江戸三作の方々と同じちいむでも良かったと思いますけど」
小首を傾げた堀川国広に、「さあな」と和泉守兼定が腕を組む。
「主は険しい顔で“ここだけはみゅもあるから譲れない”っつってたが…」
「? なんだ、みゅって」
「さあ…」
七振りは首をかしげた。
しかし、そんな和やかな空気を斬り裂くように山の上から咆哮が聞こえてくる。
木々の倒れるけたたましい音に、彼らの纏う空気は一変する。
「…まあ、この辺結界薄くて敵も多いだろうし。人数多い方がいいのは間違いないからいいんじゃない?」
「殺り甲斐ありそうだしね」
「やり甲斐な」
「…はあ、もういい」
ため息を吐いた蜂須賀虎徹が刀を抜く。
地響きのような雄叫びと共に、暗がりに何百もの赤い目の光が浮かび上がる。
その中から、短刀らしき六つの影が空を泳ぎ一直線に彼らの方へ飛んできた。
「──ばん」
その内の一体が、銃声と共に砕け散る。
銃口の硝煙越しに、犬歯をのぞかせ笑みを浮かべる陸奥守吉行の姿が浮かび上がる。
「ちょっと、デカい音たてないでよ。居場所バレちゃうじゃん」
呆れ顔の加州清光が刀を抜いた。
すると、隣で既に抜刀していた大和守安定が蒼い瞳を光らせ悪鬼羅刹の笑みを浮かべて走り出す。
「はは、あっははははッ! そら、死ねよ! 首落ちて死ね!!」
暗闇で輝く刃が、刀種様々な敵の首を的確に狙い切り落としていく。
ボト。首が落ちる音がする。
遅れてドサッと体が地面に崩れ落ちる。
あたりは一瞬で地獄絵図となった。
そうして地に落ちた首のひとつが斜面を転がり、佇む堀川国広の靴にコツっとあたる。
「あいつ…辻斬じゃねえか」
「主さんが狙われたって知って真っ先に部屋飛び出してましたからね。清光さんと安定さん」
「あれキレてんのかぁ…? 通常運転じゃなくて?」
「ブチ切れてますよ。まあ」
グシャッと、堀川国広の靴が転がってきた頭を踏み潰した。
「僕も許せませんけど」
抜かれた刃に、不気味に輝く堀川国広の瞳が映る。
和泉守兼定は一瞬目を丸くしたが、すぐにニッと口角をあげると好戦的に同じ色の瞳を細めた。
「──御用改めである! …ってな。行くぞ、国広!」
「はい! 兼さん!」
二振りは同時に敵の波に向かって走り出した。
「あ、おい! お前ら!」
そんな彼らに、耳にインカムを付けた長曽祢虎徹が慌てて声をはりあげる。しかし、振り返るものは誰一人いない。
「無駄だって長曽祢さん。キレてて誰も耳に入んないよ」
「だが、まだ主の指示が」
刹那、耳を劈くような咆哮と共に敵打刀がその刀を投げた。
反りが無く、槍のように飛んできた刃は加州清光の顔を目掛けて飛んでくる。
彼はそれを横目に捉え、鋭い蹴りでたたき落とす。
「お、…」
「──それに」
「俺も可愛くしてる余裕、ないんだよねぇ」
地を這うような声と共に、加州清光は走り出した。
刀を投げてきた敵打刀の顔を目掛けて刀を突き立て、血飛沫をあげて絶命したソレを蹴り飛ばす。
そのまま周囲にいた敵脇差三体を薙ぎ払うように斬り裂いていく。
「あ、あいつら…」
「まったく…野蛮すぎないか。君のところの刀は」
「まっはっは! ええやないき、血気盛んで!」
豪快に笑う陸奥守吉行の前で血飛沫があがる。
そこかしこに血溜まりができ、黒煙となって消えていく。
「…俺は冷静にいかせてもらう。虎徹の刀は強く、美しく、だ」
「そうか。…ではおれはこの場を任されたものとして、後に続こう」
「わしも出るかのう! 主に夜明けを見せるために!」
そうして、戦いの火蓋が切って落とされた。
チーム:一文字
「御前!」
南泉一文字は声を張り上げながら敵に飛びかかった。
佇む一文字則宗の首を狙う大太刀の肩に飛び乗る。上から頭を目掛けて刀を突き立てる。
大太刀は声をあげることなく絶命し、黒い煙となって空に消えた。
「おお、坊主。ありがとう。さすが猫だ、身のこなしが軽い」
「じゃなくて戦ってくれよ! あんたらも!! にゃあ!」
閉じた扇子を持ったまま木陰に佇む一文字則宗に、南泉一文字がフシャーと毛を逆立てる。
一文字則宗はキョトンと片目を丸くし、しょんぼりと肩を落として首を振った。
「そうは言うがなぁ、修行に出たおまえさんたちと比べると僕は身が重くて重くて…」
「おれもぉ。上杉の子達いないと力でなぁい。南くんがんばってぇ」
「頑張ってくれ、南くん」
一文字則宗の両脇に控えた姫鶴一文字と道誉一文字がヒラヒラと手を振る。
「俺を一回も勝たせてくれない奴らが何言ってんだよ! にゃーっ!」
もはや半泣き状態の南泉一文字が敵を斬り捨てる。
そんな彼の背後では、手を使い、鞘を使い、刀を使い、脚を使い。まるでギャングの抗争のような戦闘を繰り広げる山鳥毛と日光一文字がいた。
どちらも淡々と、業務的に敵を倒している。
「……それで? この状況をどう思う」
不意に、道誉一文字が一文字則宗に尋ねた。
「数は多い。…だが、圧倒的に弱い」一文字則宗は片目を細め低く呟く。
道誉一文字はふむと顎を押さえ、周囲を見渡した。
「やはりこれは、うちを落としに来たわけじゃなさそうだな」
「はあ? じゃあなに、陽動でうちの本丸来てんの? こいつら」
不機嫌そうに眉を寄せた姫鶴一文字が吐き捨てる。
刹那、バキっと骨と肉が硬いものに叩きつけられる音がした。
「あっ」「む?」一文字則宗と道誉一文字は音の方を見やった。
そこには、薙刀の柄で頭を殴られた姫鶴一文字の姿がある。
ツっと血をつたわせながら、患部を押さえている。
「っ、ってぇ…」
薙刀は雄叫びをあげた。
頭を押さえる姫鶴一文字にトドメを刺そうと今度は刃を向ける。
だが。
──ガッ
それより先に姫鶴一文字の脚が得物を蹴り上げた。
黒い手袋をした手が敵薙刀の顔面を掴む。
二メートル以上はある巨体が軽々持ち上げられて、ミシミシと骨の軋む嫌な音が鳴る。
「──ざけんなよ雑魚が」
瞬間、骨が砕け肉の弾ける音が辺りに響いた。
赤黒い血肉が、悪鬼の形相をする姫鶴一文字の顔に飛び散る。
足元には瞬く間に血溜まりができていく。
「おおぅ…」
「お姫…とってもワイルドだね」
若干引いた顔をする一文字則宗と道誉一文字の足元に、顔を握り潰された遡行軍の体がドサッと放り投げられた。
「…おれもやる。なぁんか腹立ってきた」
姫鶴一文字はフラりと木陰から出て抜刀した。
その姿を見た一文字則宗と道誉一文字は、しばらく一方的な暴力の広がる光景を眺めていたが、しかし。
「──確かに」
「言われてみると腹が立ってくるな。──僕らのかわゆい主を狙うとは」
やがて木陰から出ると、静かに抜刀した。
剣呑な光を宿した瞳が敵を見据える。
その光景を横目に見た日光一文字は、敵に刃を突き立てる山鳥毛のそばに近づいた。
「お頭。ご隠居方が前に出られるようです」
小声の報告に、突き立てた刃を抜きながら山鳥毛はわらう。
「では我らは少し休ませてもらおう。子猫もよく頑張った」
「しかし、大丈夫でしょうか。各々方は加減を知りません」
「なに、心配ない」
ビチャッと血溜まりに死体を投げ捨てながら、山鳥毛が顔をあげる。
「ここに生かしておく予定の敵はいないからな」
直後、まるで森林伐採でもするような轟音が辺りに響き渡った。
チーム:天下五剣組
そこは、審神者のいる本丸を守る最後の砦だった。
審神者のいる本丸を守るために結界の役割を果たす場所──大門の前である。
そこに、天下五剣達は並んでいた。
暗がりを眺めながら、柄に手をそえて。
そこかしこから漂う瘴気と戦闘の音を、きいていたのである。
「…そろそろ四半刻か」
空を見あげた鬼丸国綱が言う。
すると、どこからか爆発音のような音が鳴った。
五振りが目をこらしてそちらを見れば、遠くの森に微かに明るく見える場所があることに気がつく。
そこからは土煙の他に、もくもくと黒い煙があがっている。
「火か。…まずいな」
その光景に、険しい顔をした大典太光世が前に出ようとした。
「いいえ、大丈夫です」
しかしそれを、数珠丸恒次が止める。
すると、煙をあげていた場所に水流のようなものが生まれた。
青く輝く美しい水だ。
それは黒煙を包み込み、炎を飲み込んで、泡となって空に消える。
「あれは…琉球宝剣の」
「千代金丸殿と江雪左文字殿は大忙しだな」
極めた彼らの刃は水と氷の力を纏っている。
それ故に、火消し役としても活躍しているようだった。
「──ふむ」
三日月宗近は顎を引き、空を見上げる。
辺りからは絶えず戦闘の音が聞こえてきている。
空には黒煙があがり、地獄のような光景が広がっている。
だが、それがどちらにとっての地獄なのかは、誰が見ても明らかだった。
「これは我らの出番は無さそうだなぁ…」
苦笑いを浮かべた三日月宗近が呟く。
残りの四振りも同意するように、肩を竦めてあちこちで上がる敵の消滅の黒煙を見やるのだった。
・
・
・
122︰審神者
いやだって、あの事件って───審神者の間で【時間遡行軍大量虐殺事件】とかいわれてるやつでしょ?
123︰審神者
…は?
124︰審神者
はあ?
125︰審神者
なんで侵攻してきた敵が被害者みたいな名称付けられてんの?
126︰新参者審神者
それは、どうしてそう呼ばれるようになったのでしょうか…
127︰審神者
まず大前提として
・審神者が全員大きな怪我もなく無事だった。
・刀剣男士が一振も折れなかった。(それどころか重傷になった刀剣男士すらいなかった)
・事件が発生してから六時間後には全ての本丸でほとんどの後処理が終わっていた。
…って感じで、大した被害も出なかったから深刻なニュースとして取り上げられなかったんだよ
しかも敵の目的も分かんなかったし
128︰審神者
>>127
目的って…侵攻自体が目的なんじゃないの?
129︰審神者
>>128
それだと強い審神者だけを狙った理由が分かんないんだって
本丸に侵攻するって事は落城を狙ってるはずなのに、なんでよりにも寄って強者だけを狙ったのか
130︰審神者
しかも敵の強さも阿津賀志山くらいだったらしくて、それも何か意味があるんか、はたまたそれくらいの敵しか送れんかったんかも分かってないらしい
131︰審神者
>>130
「刀剣男士を強くするのに時間と資材がかかるように、遡行軍を強くするのも時間と資源がかかる」
戦争するにも金がかかるっていうし、後者の可能性が高い気がする
132︰審神者
>>131
だとしても強い刀剣男士のいる本丸だけを狙った理由が分かんないけどね
133︰審神者
事件当初は「遡行軍側の霊力技術の進捗調査」「優秀な審神者の実力調査」「何らかの陽動作戦」とか色々憶測たったらしいけど、いずれにしても戦場の調査とか解析とかしてる人達はみんなこの遡行軍の作戦は【失敗】の可能性が高いって言ってるみたい
審神者と刀剣男士にまったく被害が出てないのに対して、向こうは送った敵を全滅させられてるからね
134︰審神者
> 審神者と刀剣男士にまったく被害は出てない
尚、我が本丸は荒れ狂う刀剣男士によって森が半壊した模様
135︰審神者
うちも大門の外がえらいこっちゃなった
具体的に言うと植林して元戻すのに一ヶ月かかったよ
136︰審神者
うちも次郎ちゃんが嵐呼んじゃって…
137︰審神者
途中参加です
うちは極179レベルの鶴丸国永がブラジルまで繋がる落とし穴を掘りました
138︰審神者
>>137
貫通してて草
139︰審神者
俺は途中から「森がぁ!」「木があ!」って自然保護団体みたいな悲鳴あげてた覚えしかない
140︰審神者
話聞くとまったく被害出てないわけではないと思うけど…
141︰審神者
森林は尊い犠牲となったのだった…
142︰審神者
まあいうて本丸空間だったら森林も一ヶ月で再生しますし
143︰審神者
それよりやばかったのは、猛審神者の中に後処理終わってすぐ普通に刀剣男士出陣させて仕事してた奴らがいた事
阿津賀志山程度の敵とはいえ何十万体もの遡行軍倒してさらに働いてんだから
もう病気だよ
144︰審神者
>>143
ブラック本丸だ
145︰審神者
>>143
重傷進軍とか刀剣破壊とかじゃなくて社畜タイプのブラック本丸は初めて聞いたわ
146︰審神者
まあそんなわけで、まとめると時間遡行軍が一方的に虐○される結果になったからそんなふうに揶揄した名称が付けられたわけ
「怖かった」とか「みんな無事でよかった」って感想じゃなくて、「あれなんだったの?」「遡行軍の修学旅行?」「親方! 空から経験値がッ!」とか軽い言い方する審神者が多かったから事件性も危機感も薄れて笑い話みたいになっちゃってるんだよね
まあ実際圧倒的な戦力差があったからあの事件は一方的な虐○でしかなかったんだけど
147︰新参者審神者
そうだったのですね…
ありがとうございます。
政府の方は内容をふんわりとしか教えてくれなかったので、ちゃんと知る事ができてよかったです。
148︰審神者
>>147
あんま怖がらせると貴重な新人が逃げちゃうと思ったんだろうね
149︰審神者
それにしても久しぶりにオカルトスレ結構流れたね
150︰審神者
この波に乗ってなんかない?
怖い話
151︰審神者
本丸ウーバーでうどんとラーメン頼んだらうどんラーメンが来た俺の話する?
152︰審神者
>>151
いりません
153︰審神者
飯テロスレ行ってください
154︰審神者
(´・ω・`)
【完】
【緊急大至急】手違いで雑務処理課の新人をいわく付き本丸に連れてきてしまった【どうしよう】
1:刀剣男士
※このスレは刀剣男士専用の相談スレです。
霊波伝達技術により人間には文字化けして見えるようになっているので、本丸所属の刀剣男士、及び人間と仕事をしている刀剣男士は必ずそばにいる人間に「これはホラー現象ではありません」と伝えましょう。
(一時期刀剣男士が文字化けしたサイトで謎のやり取りをしていると騒動になりました。)
また、過度な愚痴や相手を不快にさせる行為、尊厳を傷付ける行為などはおやめ下さい。
人間の世界の常識ある行動を心掛けましょう。
(本丸によっては審神者の知らない刀剣男士が書き込みしている場合もありますので、刀剣男士の方々は各々審神者へのネタバレの配慮をしてください)
※本丸での深刻な問題事がある際は相談スレではなく緊急連絡所の方で書き込みください。
URLはこのサイトの上記に記載しております。
以上。
名刀集まるこの掲示板にモラルの欠けた行為をする刀剣男士が来るとは思えないが、万が一いた場合は俺がしょっぴくからな。
報告は時の政府管轄警備部第二課対刀剣男士部隊所属二筋樋貞宗まで。
※追記
長くて覚えられなかったら第二課のおまわりさんで覚えてくれ。
2︰刀剣男士
助けてくれ。
3︰刀剣男士
まずタイトルがめちゃくちゃすぎる
4︰刀剣男士
なになに?どした話聞こか?
5︰刀剣男士
俺今爪紅塗ったばっかで暇だから聞けるよ
6︰刀剣男士
俺も動画垂れ流してるだけだから聞けるぜ
7︰刀剣男士
僕は寝るのに忙しいので聞けません
8︰刀剣男士
俺も人妻探しで忙しいので無理です
9︰刀剣男士
やめてください人妻の話をするのはうちの包丁藤四郎が発作をおこします
10︰刀剣男士
つかスレたてた刀剣男士誰なんだよ
11︰刀剣男士
雑務処理課って書いてるから政府の刀じゃないか?
12︰刀剣男士
雑務処理課ってアレですよね審神者の方達に『秘密結社課』って呼ばれてるあの
13︰刀剣男士
なんだそのとって付けたような課は
14︰刀剣男士
いやでも実際雑務処理課は謎が多いんだぜ?
政府の企業ページにも部署の名前は載っているのに紹介文はない
さらに所属する人間及び刀剣男士の名前も一切載っていない
15︰刀剣男士
なにそれそんなホームページあるの?
16︰刀剣男士
なんか聞いたことがある話だな…
17︰刀剣男士
ウワサだと数百年前から顕現してる大ベテランの刀剣男士のみが配属されてるらしい
18︰刀剣男士
ベテランもベテランすぎるだろ
19︰刀剣男士
マジで神様してんな…俺が言うのもなんだけど
20︰刀剣男士
んで? スレたてた当の刀は誰なんだ
21︰和泉守兼定
つーかまず名前が初期設定で誰が話してんのか分からねえ!
てめぇらもっと自己アピールしろ!
22︰世界一ぷりてぃな加州清光
自己アピールは草
23︰疲れすぎた七星剣
>>22 汝はしっかりあぴーるしているようだが
24︰最近195レベになった包丁藤四郎
こんなに強くなったのに人妻にだけ会えない…
25︰鎧がスタ〇ドの山姥切国広
俺だけ重い鎧の宝物を持たされているのは写しだからか…
26︰屏風よりマシです一期一振
毎回戦闘で私だけ特殊背景あるみたいに登場しています
27︰同じく屏風の一期一振
まさかここで仲間に出会えるとは思いませんでしたな…
28︰皿持って乞食みたいになっている
三日月宗近だ
色が似ていると主に贈呈された
とても気に入っている
29︰特に言うことはない鯰尾藤四郎
>>28 こwじwきwwwww
30︰堀川国広は炬燵で寝ていたい
ところでスレ主さんは?
31︰スレ主は山姥切長義
すまない。
このような場所に書き込みをするのは初めてで時間がかかった。
ここは刀剣男士専用の掲示板で合っているかな?
使い方がわかっていないので規約違反がないか不安だが急を要する。話を続けさせてくれ。
まず、俺は時の政府の雑務処理課の山姥切長義だ。
詳しい身分は語れないが、長く政府で働いている。
姿は極。
本丸に配属されたことはない。
32︰和泉守兼定
やっと本題かよ…
33︰馬乗りのへし切長谷部
主が万屋に行き暇になったので覗きに来た。
ところでここのスレの名前表記はこれで合ってるか?
34︰とある本丸の厚藤四郎
>>33 多分間違ってる
35︰とある本丸の後藤藤四郎
>>33 意味は分かるけどなんか下ネタに聞こえる
36︰( ^ω^ )青江
呼ばれた気がしたんだ。僕が
37︰長船派の祖カッコイイが一振
ここのスレ名前が大喜利みたいになってるんだね
38︰鎧がスタ〇ドの山姥切国広
ところで本歌はどうした
39︰屏風よりマシです一期一振
おそらく文字を打つのに時間がかかっているのでしょう。スレに慣れていないようでしたから
40︰和泉守兼定
てめぇらまず名前普通にしろ
真面目な話が1ミリも入ってこねえ
・
・
・
・
・
60︰まだ皿持ってる
三日月宗近だ
ところでここスレ主は誰だったのだ?
61︰鶴丸国永
おいおいじいさんまだ皿持ってんのかい?
62︰一生屏風持ってる一期一振
政府の雑務処理課に所属する山姥切長義殿のスレですよ
63︰堀川国広
それにしても本丸に所属した経験がない刀で極って凄いですね
政府にいるということは時間遡行して戦う事もほとんどないはずですし
64︰乱藤四郎
やっぱり顕現して数百年経つってウワサは本当なのかな?
65︰御手杵
本当に秘密結社みたいだな…
66︰スレ主は山姥切長義
すまない、遅くなった。
ここから本題に入らせてもらう。
まず雑務処理課について様々な憶測がたっているようだが、仕事については名前通りといった感じだよ。
各々の部署に対処しきれない種類内容様々な雑務がまわされている。
時間遡行中に行方不明になった刀剣男士を迎えに行ったり、監査後のブラック確定した本丸の後始末に向かったり、失せものの出た本丸の調査に向かったり。
今回の任務も似たようなものだった。
タイトルにあるように、百年ほど前に審神者が落命した本丸の調査だ。
年月が経ち、本丸空間の所有権が切れたことで解体作業に移ることになったが、事前調査に向かった者が体調不良をうったえたり、人影のようなものが目撃されたり、同行したこんのすけが三体行方不明になったりと看過できない問題が発生したため、「なんでも課」と呼ばれる俺達が駆り出されることになった。
因みに雑務処理課に所属しているのは特命調査で本丸に配属される刀達だ。
山姥切長義、肥前忠広、南海太郎朝尊、水心子正秀、源清麿、地蔵行平、古今伝授の太刀、一文字則宗。
以上の八振りだ。みな修行に出ていて練度も上限に達している。
特殊な仕事内容の部署ゆえに人間はいない。
だが最近、くろのすけがとある人間をしばらく雇って欲しいと雑務処理課に連れてきた。
そしてその新人が今回のいわく付きの本丸調査に着いてきてしまった。
当然、連れて行く予定じゃなかったから
人間用の穢れ対策無し。
対刀剣男士用防衛結界無し。
自己防衛用攻撃札無し。
防犯ブザー無し。
携帯食料無し。
サバイバルナイフ無し。
と、クリアしたことのないゲームをウルトラハードモードで始めたような状況になっている。
どうしよう
67︰白山吉光
た い へ ん
68︰加州清光
>各々の部署に対処しきれない
エリートの集まりじゃねえか
69︰鶯丸
>失せ物探し
俺が昨日無くした大包平の書き初めも見つけてもらえるのか
70︰信濃藤四郎
さばいばるないふいるの? 俺たち刀なのに
71︰日本号
つうか真面目な話、早くその娘さんは政府に帰してやった方がよくねえか?
72︰歌仙兼定
僕も同意見だ。
うちの主は穢れで体調を崩しやすい。
あまり影響をうけない人間もいるようだが、基本的に霊力のある人間に穢れは猛毒だぞ。
73︰スレ主は山姥切長義
できるならそうしてる。
だが、先にも述べたが俺達が来たのは“曰く付き”の本丸だ
74︰歌仙兼定
ん?
75︰鶴丸国永
つまり?
76︰スレ主は山姥切長義
ここに来ると同時に移動用の扉が消えた。
地面が湧き出る黒い霧にかき消された。
こういう事があった時のために俺達刀剣男士は三時間後に霊体返還で政府へ強制帰還できるようになっているが、当然人間である新人は無理だ。
三時間後に帰還した俺達が迎えに行くことはできるだろうが、その場合十分ほど新人を怨念悪霊邪念堕ち神渦巻く本丸に一人置いていくことになる。
それ以前に、三時間ものあいだ新人がこの猛毒の穢れの空気に耐えられるのか分からない。
77︰和泉守兼定
詰んでんじゃねえか…
78︰燭台切光忠
それほど切羽詰まった状況ならまず政府に連絡した方がよくないかい?
この刀剣男士専用の掲示板に書き込みができているなら、霊力ネットワークは繋がっているはずだし
79︰スレ主は山姥切長義
連絡はしている。
だが、転移装置に座標と本丸IDを打ち込むと文字化けして使用不可能になるらしい。
呪術解除班が対応してくれているが、向こうが解除するより俺たちの霊体返還の方が先になる可能性の方が高いと。
80︰和泉守兼定
詰んでんじゃねえか…
81︰江雪左文字
ところで、その娘さんはご無事なのですか?
82︰スレ主は山姥切長義
今は青ざめた古今と行平と正秀と清麿が新人を囲んで穢れから守ってる。
「何この美形のかごめかごめ怖い怖い」とのんきに言っているがそんな場合じゃない新人。
君には時折現れる黒い影が見えていないのか。
83︰骨喰藤四郎
怨念悪霊邪念堕ち神渦巻く本丸で随分きもの座った娘だな…
84︰歌仙兼定
そもそも、どうしてその新人君は君たちについて来てしまったんだい?
85︰スレ主は山姥切長義
分からない。
俺たちは確かに八振りで転移装置を使ったはずだったし、そもそもこの転移装置は人間は使用不可能なはずだ。
向こうの職員からも「転移装置の履歴には刀剣男士八振りの銘しかありません」と言われている。
だが、ここに来た時には新人がいた。
書類を持ってキョトンと立っていた。
いわく、「あれ!? わたしファイルを片付けに倉庫の扉を開けたはずなんですけど!?」らしい。
86︰篭手切江
そ、それって…
87︰物吉貞宗
それって…
88︰本丸所属の山姥切長義
ちなみに確認だがその人間、足はあるのかな?
89︰スレ主は山姥切長義
ある。し、バイタル検査や人間ドックの登録から列記とした人間であることも確認されている。
幽霊の類ではない。
90︰秋田藤四郎
ほっ…
91︰平野藤四郎
よかった…
92︰スレ主は山姥切長義
おそらく、新人が片付けようとしていたファイルに現在は販売中止となっている刀剣男士喚び出し札が入っていたのだろう。
あれは霊力の少ない人間が使うと、刀剣男士ではなく使った人間の方が刀剣男士の元に喚び出されてしまう不具合がある。
昨日則宗が片付けるのを面倒くさがって放置していたファイルを、たまたま見つけた新人が倉庫に片付けようとしてくれたのが原因では、と俺たちは推測している。
93︰膝丸
>人間の方が刀剣男士の元に喚び出されてしまう
商品として致命的すぎる不具合じゃないか!
94︰髭切
片付けしてくれるなんて気が利くねぇ、そのこ
95︰スレ主は山姥切長義
ああ。雑務の処理にも慣れていて助かっている。
ただ…俺たちはその新人について何も知らない。
ある日突然、営業部のくろのすけが「しばらくここで雇ってあげてください」と雑務処理課に連れて来たんだ。
どうやら事情があって、過去の戦のない時代から政府へ連れてこられたらしい。
おそらく道転石にあたる人間だと思う。
96︰安宅切
道転石?
97︰へし切長谷部
>>96
そこにいようがいまいが、歴史というレールを走る世界にとってなんら影響のない人間のことだ
道に転がる石がひとつ消えたところで、気付く者はいない
98︰にっかり青江
>>96
稀人。典型的な神隠しの例だね
ある日突然子供がいなくなったり、生贄となるはずだった人間が忽然と消えたり
まあだいたい犯人は刀剣男士なんだけど
99︰静形薙刀
>>98
おい
100︰鯰尾藤四郎
>>98
おwれwたwちww
101︰小豆長光
そういえば刀剣男士がゆうめいなとしでんせつになっているじだいもあったね
102︰ソハヤノツルキ
実は、俺も連れ帰った事がある。
大きな声じゃ言えねえけど。
遠征先の村で仲良くなった子供でな。
用が済んで山奥から移転装置で本丸に戻ろうとしたらそいつが一人で木の下に座ってたんだ。
で、「お前こんなとこでどうしたんだ?」って聞いたら「おさむらいさん、こんにちは。ぼくはやくそうを取りに行ったかかさまをまっています」って。
村から10キロ以上離れた山奥でだぜ?
周りに人気なんてありゃしねえし、道中では蛇も猪も蜂も見た。
時間はあと一時間で夕暮れを迎えるって時間だ。
童は疲れ果てたように地面に座ってた。
随分歩き回ったのか、足の指は草履の鼻緒で擦れて血が出ていた。
103︰江雪左文字
ああ…なんという…
104︰小夜左文字
口減らしされたんだね
105︰太閤左文字
腹を痛めて産んだ我が子を…
106︰ソハヤノツルキ
まあでも、分かんねえからさ。
一緒に待ってみたんだよ。
ジャケットそいつに掛けてやって、日が暮れるまで。本丸の話とかしてさ。
そのうち真っ暗になって、俺は持って来てた提灯に灯りをつけた。
そしたら子供はついに膝に顔埋めて言ったんだ。
「どうしよう」って。
助けて、じゃなかったんだよ。
隣に俺みたいな頼れそうな大人がいるのに。
困ったなぁって、諦めたみたいに言うんだよ。
そいつ。
107︰毛利藤四郎
108︰謙信景光
そんな…
109︰薬研藤四郎
口減らしをするほど切羽詰まった村だ
親にも大人にも、助けを求められるような環境じゃなかったんだろう
110︰ソハヤノツルキ
本丸条令第三条
【過去の人間と過度な接触を禁ず】
……なぁんて、言われなくても分かってるし、まして連れ帰るなんて絶対しちゃいけねえ事だって分かってたけどさ。
でも、短刀よりも小さい子供が泣きもせずひとりで「どうしよう」って言ってんの見たらさ、思ったんだよ。
見捨てないといけない理由が“ソレ”だけだっつうなら、んなもんクソ喰らえって。
111︰毛利藤四郎
(号泣)
112︰和泉守兼定
あんたカッコよすぎるだろ
113︰御手杵
惚れる
114︰毛利藤四郎
>>110
ありがとうございます!!
ありがとうございます!!
115︰毛利藤四郎
>>110
あなたが神か!!
116︰毛利藤四郎
>>110
全本丸の僕が貴方に敬意をはらいます!!
117︰毛利藤四郎
>>110
子供さんは世界の宝物です!!
118︰毛利藤四郎
>>110
ソハヤノツルキさんとちっちゃい子に幸あれ!!
119︰大和守安定
すんごい毛利藤四郎出てくるじゃん…
120︰ソハヤノツルキ
まあでも、やっちゃいけないことに違いねえから。
主にも迷惑をかけた。
「俺はその選択をとったお前を誇る!」と言ってくれたが、正直もう同じ目に遭う子供を見ても連れ帰ることはできねえわ。
一番大切な本丸の仲間に迷惑がかかるからな。
121︰スレ主は山姥切長義
そうか…本丸にも色々あるんだな
122︰本丸所属の山姥切長義
おい、話が逸れているぞ
相談主の新人の話はどうなったんだ
123︰ソハヤノツルキ
と、ほんとだ悪りぃ
関係ねぇ俺の話ばっかしちまった
124︰スレ主は山姥切長義
いや、構わない。
それで、話を戻すがそんな日本の歴史とは無縁であろう新人が俺たちの部署にやって来たんだ。
こんのすけに連れられて身一つで。
面接無し。
履歴書無し。
身分証明無し。で。
こんのすけと一緒に「たのもー」と雑務処理課の扉を道場破りの勢いで入って来た。
125︰静形薙刀
>>124
よく門前払いしなかったな
それで
126︰和泉守兼定
>>124
「ここで働かせてください」だけで雇ったやつ湯婆○以外で初めて見たわ
127︰治金丸
>>126
湯○婆優しいよ
「働きたいやつには仕事をやる」って「食いたいやつには食わせてやる」と同じような意味だし
128︰北谷菜切
>>127
年齢性別種族問わずみたいなのもいいよなー
129︰千代金丸
>>128
贅沢だって名前のほとんどを取られるけどね
130︰スレ主は山姥切長義
ちなみにその“事情”についても教えてもらえなかった。
こんのすけに聞いても新人に聞いても曖昧にはぐらかされるばかりで。
ただまあ緊急で仕事を探しているようだったし、雑務処理課は刀剣男士しかいない分、外部に情報が漏れる可能性が低いから。
そういった理由でうちに連れてこられたんだと思う。
131︰笹貫
本当に千と千○みたいだな…
132︰スレ主は山姥切長義
あと、本音を言うと久しぶりに人間と仕事ができるということで舞い上がった下心もある。
俺たちが。
しかも女性だったし。
警備課の屈強な男性とバディを組んだことは何度かあったが、女性と机を挟んで仕事するのは初めてだった。
分かるか?
男士しかいなかった職場に行ったら可愛い後輩が「おはようございます」と挨拶してくれるんだ。
誰も片付けない出しっぱなしのファイルや書類を「片付けてきましょうか?」と聞いてくれて。
誰もやりたがらない入力系の作業を「前の仕事で似た作業をした経験がありますから。やっておきますよ」と率先してやってくれて。
これを天使と呼ばず何を天使と呼ぶんだ。
則宗なんて「初めての人間の後輩が激マブの女の子とはこれまで僕が積んできた徳が報われたありがとうございますッ!!!」と天を仰いでいたんだぞ。
133︰加州清光
>>132
俺の知ってる爺さんじゃない
134︰本丸所属の一文字則宗
>>133
僕の知ってる僕でもないな
135︰大和守安定
秘密結社の印象が一気に男士校に変わっちゃった
136︰スレ主は山姥切長義
まあそういうわけで、今は雇ってよかったと思っている。
ただ、謎が謎なままなのは変わらない。
日本人のように見えるが、髪は何故か刀剣男士の鶴丸国永のような白髪だし、顔には刀剣男士認識阻害の面布を着けているし。
おかげで俺たちは皆新人に人間だと思われている。
正直、これが一番の謎だ。
何故俺たちは新人に人間に見られているんだ。
137︰豊前江
どういう状況だよ…
138︰鶴丸国永
>>136
俺と同じくらい白いのか
親近感湧くな
139︰堀川国広
わざわざ刀剣男士しかいない部署を選んだのに霞面布着けてるんですか?
140︰スレ主は山姥切長義
着けている。
一度理由を聞いたが「ちょっとこれ以上刀剣男士のネタバレをくらいたくないので…」とよく分からない説明をされた。
なんだ。刀剣男士のネタバレって
141︰山姥切国広
あっ…(察し)
142︰松井江
あっ⋯⋯(察し)
143︰豊前江
>>140
まあ…気を付けてても避けられない事故ってあるよな
144︰鶴丸国永
そんで?
今その新人といわく付きの本丸に来たそちらさんはどんな状況なんだ
145︰物吉貞宗
ボクがここから少しでも幸運を投げつけられたらいいんですけど…
146︰亀甲貞宗
>>145
今幸運を投球フォームで振りかぶる君の姿が浮かんだよ
147︰太鼓鐘貞宗
>>145
投げんな。渡せ
148︰本丸所属の二筋樋貞宗
>>145
幸運を求める人間は多いが幸運の角に頭をぶつけて儚くなる人間もいる。
投げるのはやめなさい
149︰スレ主は山姥切長義
書き込みが速すぎないか貞宗の刀たちは
こちらは今鳥居を抜けて本丸の大門の前にいる。
ここまでは問題なく来れた。
視界の端に黒い影が見える以外は。
新人は本丸敷地内の穢れと淀みの濃度を計測する正秀と行平の手伝いをしている。
そしてこれは余談だが、清麿と行平と南海先生は新人に女性だと思われている。
「佐藤さん」「清水さん」「南さん」と呼ばれている。
おそらく、政府規定の役職の名で呼んでいるのだと思う。
因みに俺は「中田さん」と呼ばれていて、忠広は「渡邉さん」、古今は「小林さん」、正秀は「高橋さん」、則宗は「田中さん」と呼ばれている。
150︰五月雨江
役職? 職員の方の苗字ではないのですか?
151︰陸奥守吉行
>視界の端に黒い影が見える以外は
大問題が残っちょるぜよ
152︰村雲江
>>150
政府では、神様に本当の名前をバレないようにするために営業職の人を「中田」って呼んだり、事務職の人を「佐藤」って呼んだりしてるんだよ。
どこかの本丸の雨さん。
153︰和泉守兼定
つーか女性に見られてるってなんだよ
154︰稲葉江
>>153
女性に見られているのだろう
そう書かれているのだからな
155︰和泉守兼定
>>154 んなこた分ーってるよ!
156︰物吉貞宗
やめてください! 喧嘩しないで! 幸運を撃ちますよ!
157︰亀甲貞宗
>>156
今幸運をスナイパーライフルに装填する君の姿が浮かんだよ
158︰二筋樋貞宗
>>156 やめろお巡りさんが来るぞ
159︰太鼓鐘貞宗
>>158
もう来てるだろ
160︰和泉守兼定
なんで貞宗派そんな書き込むの速ぇんだよ…
161︰スレ主は山姥切長義
今大門をくぐって本丸の敷地内に入った。
戦えないものを連れて敵陣に入るのは愚かな行為かもしれないが、今回は結界の役割を果たす鳥居の外にも謎の影が蠢いている。
もはやこの空間に安全な場所は無いと判断した。
162︰三郎国宗
まあ、でしょうねぇ
163︰日光一文字
敵に位置がバレているなら中も外も同じだ
164︰本丸所属の南海先生
ところで本丸敷地内の様子はどんな感じなんだい?
165︰スレ主は山姥切長義
パッと見は寂れているな。
草木が伸びっぱなしでどこもかしこも鬱蒼としている。大門も原型はあったがコケやツタでボロボロだった。
ただ本丸は頑丈な造りだからか比較的形がしっかり残っている。まあ襖や障子は壊れているから家屋としては使えそうにないけどね。
所有権のない本丸空間だから一部写真を載せておくよ。
[画像]
166︰本丸所属の南海先生
ありがとう。ふむ、かなり鬱蒼としているね
屋根にある黒いツタのようなものは配線かな?
167︰本丸所属の肥前忠広
いやこえーよ
168︰本丸所属の水心子まさひで
ほらあは載せる前にそう書いてくれ!!!
169︰水心子まさひでとは別の本丸の源清麿
>>168
ただの廃墟の写真だよ水心子
170︰本丸所属の地蔵行平
だが確かに、奥に黒い影がいるな
171︰本丸所属の古今伝授の太刀
私には見えませんが
172︰本丸所属の一文字則宗
僕にもだ
173︰本丸所属の水心子まさひで
やめてくれ!!
174︰本丸所属の山姥切長義
それで?
本丸敷地内の汚染調査はしたのか。政府の
175︰スレ主は山姥切長義
している。
長く放置されていたからか想像より空気は悪くない。
新人もケロッとしている。もしかしたら多少穢れや淀みに耐性があるのかもしれない。
ただ、さすがにこの光景を見て「もももももしかしてこれやばめの本丸の調査ですか?!」とここがいわく付きの本丸だとバレてしまった。
無理に怖がらせるのもよくないからここがどういう場所かは教えずにいたのだが。
176︰本丸所属の山姥切長義
まあ、だろうね
177︰本丸所属の山姥切長義(極)
>>175
後で記憶操作しておきなよ。こういう経験はトラウマになる人間も多いから
178︰スレ主は山姥切長義
ああ、そうする
とりあえず何があっても誰かの傍を離れないよう言い聞かせた。
獣や蛇が出てくる可能性もあるからな。
これから屋敷内の調査に移る。
どの道この現象の問題を解決しないと政府に帰れない。
179︰スレ主は山姥切長義
待て、
まずい新人がい
180︰和泉守兼定
ん?
181︰鶴丸国永
どうした?
182︰世界一ぷりてぃな加州清光
爪紅乾いたから来たけど何かあったの?
183︰大和守安定
>>182 お前は名前がどうしたんだよ
184︰雲生
大丈夫ですか?
185︰雲次
応答がない。通信が途絶えたみたいだ
186︰雲重
ど、どうしたらいいんだろう
187︰54:6騶ラ$ナ.go.jp‰
鑱欐栨劌栿𪀒弒し袛泗𪀒
址屍齒鼒𪀒しししし錙嬨粢𪀒
188︰44444444
し 宩
189︰雲重
ひっ!!!!?!
190︰雲次
え!!?!!?
191︰乱藤四郎
え、なに!?
192︰前田藤四郎
い、イタズラでしょうか…
193︰数珠丸恒次
いえ。霊力サーバーが乱れていますね
194︰大典太光世
乱れどころじゃないだろ
195︰本丸所属の源清麿
うちの水心子が泡吹いて気絶してるんだけどこのスレのせいかな
196︰本丸所属の肥前忠広
これ俺らが普通に書き込みできてるって事は、文字化けしてんのスレ主の山姥切長義だろ
197︰加州清光
ぷりてぃとは別の加州清光ね
一応サバエラの報告しといた
198︰堀川国広
ありがとうございます
199︰和泉守兼定
つか、このスレ見てる刀剣男士結構多いんだな
200︰まだ皿持ってる
三日月宗近だ。
短刀とお菓子を食べているから書き込みはしていないがスレは見ているぞ
201︰鎧がスタ〇ドの山姥切国広
俺もいる
鎧を磨いていた
202︰赤疲労の七星剣
おれもいる。
疲れているから書き込みはしていないが。
203︰丙子椒林剣
>>202
卿、もしや私の本丸の七星剣か…?
204︰赤疲労の七星剣
おれの宿る星におまえはいない
205︰五虎退
かなしい
206︰山伏国広
して、今はどのような状況であるか?
207︰堀川国広
分かんないけど、多分スレ主さんがうまく通信出来なくなってるんだと思う
208︰雲生
空であれば、万が一通信機器が使えなくなった場合の手段が他にありますけど…
209︰泛塵
流石にスレにはないな…
210︰本丸所属の一文字則宗
こればっかりは仕方ない。
傍観者である僕たちは座して待つしかない。
211︰本丸所属の山姥切長義
ああ。
それに、雑務処理課の刀剣男士は俺が政府にいた頃から有名だった。怪物の集まりだとな
数百年折れることなく、またなまくらに成り果てることもなかったのがその証左だ。
なまくらでないなら、人の命を守る事もできて当然
212︰大千鳥十文字槍
俺はこれから出陣してくる
やれることもないしな
213︰京極正宗
わたくしも
名残惜しいですが行ってまいります
214︰太閤左文字
儂も行ってくる! スレ主達の武運を祈るぞ!
215︰和泉守兼定
おお。気を付けてな
216︰鎧がスタ〇ドの山姥切国広
俺も三時間遠征に行ってくる。この鎧とともに
217︰一生屏風持ってる一期一振
奇遇ですな私もこれから遠征です
この派手な屏風とともに
218︰世界一ぷりてぃな加州清光
そんなに嫌なら主に宝物イヤッて言えば?
219︰山姥切国広がス○ンドの鎧
嫌とは言っていない
コイツにはもう俺の銘が付いている
だからウチの子だ
220︰屏風と永遠に一期一振
この子が居なくなったら誰が私の特殊背景務めてくれるんですか!!
221︰和泉守兼定
だー!! うるせぇさっさと仕事行け!!
そんで帰ってきたら名前変えやがれてめえら!!
・
・
・
・
・
287︰厚藤四郎
…ってまあ、そんなわけだから
うちの本丸は大将がもういねえんだ
288︰平野藤四郎
そうだったのですか…
289︰鳴狐
…寂しいね
290︰後藤藤四郎
ああ。でも、何も変わんないはずなんだ。
今までだって、本丸に大将がいたことなんてねえし、その姿も知らないし。声だって聞いたことない
でも、なんていうかさ…たまに「ああ、もう大将はどこにも居ないんだな」って思うことがあるんだ
何もしてない時とかにフッと我に返るんだよ。
291︰和泉守兼定
辛ぇな…そりゃ
292︰獅子王
俺の主はすっっっげぇ変わったやつでさ
最初は戸惑ったり困惑したけど、今はあの明るくて阿……面白いところに救われてる
審神者がいないのは辛いよ
293︰厚藤四郎
ってわりぃ。
ここ俺らの相談スレじゃねえのに
関係ない自分たちの事ばっか話しちまった
政府の山姥切長義さんはどうなったんだろうな?
294︰鶴丸国永
分からんが、まあこうしてスレを動かしていれば戻ってきた時にまだ見ているやつがいるというのが分かりやすいだろう
295︰スレ主は山姥切長義
すまない。今戻った。
雑務処理課の山姥切長義だ。
296︰鶴丸国永
おっ
297︰厚藤四郎
おっ!
298︰後藤藤四郎
おお!
299︰平野藤四郎
おかえりなさい!
300︰物吉貞宗
お待ちしておりました!
幸運を連射し続けていましたよ!
301︰亀甲貞宗
>>300
今マシンガンで幸運を撃つ君の姿が浮かんだよ
302︰和泉守兼定
大丈夫だったのか?
303︰加州清光
>>295
ぷりてぃの加州清光ね
おかえり〜。スレ来れてるってことは無事みたいだね
304︰堀川国広
>>295
任務は無事に終了しましたか?
305︰日光一文字
>>295
新人とやらは無事なのか
306︰姫鶴一文字
>>295
折れた刀はいなぁい?
307︰スレ主は山姥切長義
ああ、無事だ。新人も怪我ひとつない。
書き込みの方はいくら入力しても文字化けしか表記されないから、ここに来るのはしばらく控えていた。
今は皆で大量の報告書と始末書に囲まれて頭を抱えている。
助けてくれ。
308︰和泉守兼定
ご愁傷さま
309︰後家兼光
ボク途中参加組なんだけど何があったんだい?
310︰福島光忠
>>309
色々だ
311︰姫鶴一文字
>>309
レベル1のジョブ人間の政府職員を魔王城に連れてきてしまった
↓
装備整え忘れたのに「現在ファストトラベルは使用できません」出てきて詰んでる
↓
しかもその子に毒霧で継続ダメージ入りそうどうしよう
↓
応答がない通信が途絶えたようだ
↓
イマココ
312︰後家兼光
>>311
簡潔な説明どうもありがとう
どこかの本丸のゲーマーのおつう
313︰道誉一文字
>>311
もしかしてお姫、俺の本丸の姫鶴一文字か…?
314︰ゲーマー姫鶴一文字
残念うちの本丸道誉くんいねぇんだわ(笑)
315︰五虎退
かなしい
316︰スレ主は山姥切長義
相談しておいて突然消えてすまなかった。
一応、事の詳細を載せておく。
あの後、俺達は新人を囲うような陣形で本丸に入った。
玄関扉は鍵がかかっておらず、中は真っ暗だった。
夜目の効く忠広が中を確認したが、そこら中から異様な気配のする異常しかない空間だった。
こちらも写真を載せておく。
苦手なものは画像表示をオフにしてくれ。
[画像]
317︰白山吉光
わあ
318︰大和守安定
やばっ
319︰歌仙兼定
呪われてるじゃないか!!!
320︰薬研藤四郎
暗がりに足っぽいのが見えてるな
321︰太郎太刀
私には二体見えます
322︰本丸所属の源清麿
隣の水心子が「やだーーーーッ!!!」ってどっか行っちゃった
323︰スレ主は山姥切長義
ちなみにこの光景を見た新人のひと言
「暗いですね…」
324︰和泉守兼定
暗いどころじゃねえだろ
325︰加州清光
深淵じゃねえか
326︰火車切
あちらを覗くとき、向こうもこちらを覗いている
327︰堀川国広
なんなんですかその新人さんの強者感は…
328︰長曽祢虎徹
入ったら二度と出られなそうだな…
329︰スレ主は山姥切長義
そしてこの言葉を言った直後に新人が消えた。
330︰堀川国広
え?
331︰和泉守兼定
は?
332︰加州清光
深淵に…?
333︰ゲーマー姫鶴一文字
卓ゲなら一発ロストのやつ
334︰薬研藤四郎
げーむじゃなくても駄目だろこの暗がりは
335︰スレ主は山姥切長義
まあ、詳しい話は後でする。
とにかくその時は忽然と消えたんだ。
俺達は新人を囲うようにして本丸に入っていた。
なのに、誰も消えた瞬間を見ていない。
「暗いですね…」と言った言葉を最後に気付いたら姿を消していた。
そして代わりに、俺達を見ていた黒い影がそこにいた。
336︰鯰尾藤四郎
ギャーーー!!!
337︰乱藤四郎
キャーーッ!!
338︰次郎太刀
ちょ、唐突なホラーやめて!
お酒吹き出しちゃったじゃん!
339︰安宅切
それはその新人様が影になったのではないのですか?
340︰実休光忠
>>339 大丈夫生きてる。生きてるから
341︰スレ主は山姥切長義
ああ生きている。穢れによる身体的影響も霊障による精神的影響も外傷もない。
すこぶる元気だ。
今は始末書に「わたし何も悪いことしてないのにっ」とキレているが。
342︰石切丸
元気?
343︰にっかり青江
へえ。耐性があるとはいえ、穢れや淀みのある空間に数時間もいて健康体だったのかい?
344︰スレ主は山姥切長義
その事についても後で説明する。
とにかく、気が付いたら新人のいた場所に黒い影が蠢いていた。
殿にいた則宗が斬り捨てようと刀を抜いたが、 瞬きをした次の瞬間に黒い影は消えていた。
辺りを見渡しても、影も気配も新人の姿も見当たらない。
それでしばらく玄関付近を手分けして新人を探していたんだが、その時に妙な物を見つけたんだ。
345︰和泉守兼定
妙な物?
346︰スレ主は山姥切長義
刀だ。
刀掛けに掛けられた、傷一つない打刀。
それが部屋の中心に置かれていた。
347︰物吉貞宗
刀…? 刀剣男士のどなたかですか?
348︰スレ主は山姥切長義
いや、物語のない無銘刀だ。
互の目乱刃の…清麿の作に少し似ていた。
名のある職人の物ではないようだったが、それなりに立派な物だったな。
ただ、抜き身で百年放置されたにしてはあまりにも状態が良すぎたが。
349︰大慶直胤
それは…誰かが手入れしてたってこと?
350︰本丸所属の源清麿
あるいは、誰かが最近持って来たか
351︰スレ主は山姥切長義
ああ、俺たちもそう判断した。
何れにしても、異常であることに変わりない。
触らぬ神に祟りなしだ。
俺たちは刀は一旦放置して放置して新人の捜索を急いだ。
だが、どこを探しても人の気配がない。
空間把握のために穢れや霊波を測定する機器は常に確認していたが、そちらもまったく異常がなかった。
黒い影もあれ以降姿を現さない。時間は有限。
状況は手詰まりだった。
それで、仕方がないから異常の方を先に対処しようって話になったんだ。
手分けして本丸を探索してみて分かったが、この本丸は百年放置されていたにしてはあまりにも状態が良すぎる。
障子や襖は破れていたのに、廊下や畳が雨ざらしになった形跡がないのはどう考えてもおかしい。
そんな異常だらけの本丸の中で、ひときわ異常だったのがあの刀だ。
抜き身で、百年放置されてあれほど状態良くそこに残るのは有り得ない。
だから俺たちは、警戒しながらそれを調べる事にした。
352︰秋田藤四郎
ゴク…
353︰包丁藤四郎
ごく…
354︰鶴丸国永
まあでも、折れず新人殿も生きてるってことは大きな問題は怒らなかったんだろう?
355︰スレ主は山姥切長義
いや問題は起こった。
刀を調べようとした途端、「さわるな!!」と叫び声が聞こえたんだ。
ものすごい剣幕の声だった。
俺たちは同時に声の方を見た。
そこに居たのは、抜き身の刀を構える雑務処理課の源清麿だった。
356︰本丸所属の水心子正秀
え
357︰本丸所属の水心子正秀(極)
えっ
358︰本丸所属の源清麿
僕?
359︰本丸所属の源清麿(極)
もしかして憑依された?
360︰スレ主は山姥切長義
おそらくは。
ただ、穢れ測定器や霊体探知機は何も反応していなかったし、そういったものが“視える”古今から見ても何も異変はなかった。
だが、清麿の表情は正しく敵に向けるそれだった。
俺は笑顔で敵を斬って毒を吐く彼しか知らないから、そんな顔もできるのかと驚いたよ。
361︰五虎退
しんらつ
362︰本丸所属の水心子正秀
>笑顔で敵を斬って毒を吐く
冷血漢みたいな個体がいるのだな…
363︰雑務処理課の水心子正秀
>>362
冷血漢どころじゃない
鬼だ。あれは
364︰鶴丸国永
おっ
365︰加州清光
雑務処理課の水心子正秀じゃん
366︰和泉守兼定
秘密結社からもう一振出てきたな
367︰本丸所属の肥前忠広
つか出てきて初っ端言うこと悪口かよ
368︰雑務処理課の肥前忠広
>>367
事実だからな。
アイツが鬼じゃなきゃ世界は菩薩だらけだ
正直長義より性格が悪い
369︰スレ主は山姥切長義
俺を巻き込むな
370︰雑務処理課の源清麿
へえ君達僕のことそんなふうに思ってたんだね
371︰雑務処理課の水心子正秀
┏○┓
もうしわけございませんでした
372︰雑務処理課の肥前忠広
┏○┓
おろかもののざれごとです
373︰スレ主は山姥切長義
┏○┓
たいへんしつれいいたしました
374︰本丸所属の一文字則宗
>>373
上下関係がしっかりしてるな
375︰加州清光
>>374
上下かは分かんないけど誰が強いのかは分かったわ
376︰本丸所属の源清麿(極)
そんなに雑務処理課の僕って強いの?
377︰雑務処理課の源清麿
>>376
普通だよ。
ただ、他の源清麿の個体と比べて打撃値が高くてね。
修行に出る前から百を超えてたから、亜種個体の可能性があるって本丸に行く許可がおりなかったんだ。
378︰本丸所属の水心子正秀
そうだったのか…
379︰蛍丸
打撃百なんて全然大したことないのにね
380︰明石国行
>>379
蛍丸が言うと説得力がちゃいますな
381︰雑務処理課の源清麿
>>379
ありがとう、そう言ってくれて。
まあ今は修行に出て打撃三百越えちゃってるんだけど。
別にダイヤモンドを砕けるのって大した事じゃないよね。
単一元素でできてる綺麗な結晶ってだけだし。
漫画なら岩とか船とか斬り裂く人間が出てくるんだから。
382︰和泉守兼定
(゜Д゜)
383︰加州清光
(゜∇゜ ;)
384︰姫鶴一文字
(;・∀・)
385︰山姥切国広
なんか…世界観変わったな
386︰スレ主は山姥切長義
まあ…もう隠すことでもないから話すと、雑務処理課の俺たちは皆そういった“バグ”のようなものを抱えている。
源清麿は先にも話したが、顕現した時から異様に打撃の数値が高かった。
水心子正秀は統率値が異常に高く、並大抵の攻撃では体に傷がつかない。
古今伝授の太刀は偵察値が高く、“見えないもの”が視える力を持っている。
地蔵行平は生存値が異常に高く、刀を折られない限りその人間の器は手入れをせずとも傷が塞がっていく。
肥前忠広は機動が異様に高く、刃渡りが通常の肥前忠広より少し短い。容姿も少し幼いようだ。
南海太郎朝尊は隠蔽が異常に高く、敵の真横を通っても気付かれない。コードネームはアサシンだ。
一文字則宗は衝力が異常で、刀を振るだけで衝撃波が生まれる。格好いいから皆羨ましがってるバグだ。
最後の俺、山姥切長義に特筆すべき能力はない。
ただ、何故か髪が長髪で顕現した。
バグなのか亜種なのかは分からないが。
これのせいで人体検査をされたり、見知らぬ刀剣男士だと騒がれたりで本丸所属はできなかった。
以上、これが雑務処理課の実態だ。
あまり公にしたくはないから、この話はスレを見た者だけの秘密としていてほしい。
過去にはこのバグのせいで色々あったからね。
387︰物吉貞宗
>>386
そうだったんですね…
388︰鶴丸国永
>>386
出る杭は打たれる
亜種は個性といわれているが、亜種という呼び名がある限りその偏見は無くならんだろうからなぁ
389︰薬研藤四郎
>>386
うちの本丸にも一風変わった刀剣男士がいるぜ
特別扱いはしちゃいないが、人目のある演練場に行く時は大将が慎重になってる
390︰世界一ぷりてぃな加州清光
>>386
へえ、すごい偶然。
俺も亜種なんだよねえ。体が女性なの
まあでもうちは代々親子で引き継がれてる本丸で、初代から今代まで主は巫女だったからそんな苦労してる事はないかも
演練とかはダルいからパスしてるけど
391︰骨喰藤四郎
>>386
俺も亜種だ
記憶と性格は骨喰藤四郎そのものだが、姿と得物が薙刀の形をしている
392︰和泉守兼定
>>390
お前ぷりてぃだったのかよ…
393︰スレ主は山姥切長義
へえ、こうして見ると結構亜種と呼ばれる個体がいるんだね。
こういう掲示板を利用してみてよかったよ。
で、話を戻すけど雑務処理課の源清麿はバグで打撃値が三百を超えている。
防弾ガラスをキックで壊せるし、十トントラックを一人で軽々押して動かせる刀剣男士だ。
もうアメコミの主人公だと思ってくれ。
そんな彼が、憑依されたのか幻覚を見せられたのか俺達に刀を向けている。
敵意剥き出しの顔をしている。
これがどれだけ恐ろしい状況か分かるか?
394︰鶴丸国永
ワ、ワァ
395︰本丸所属の古今伝授の太刀
>>393
わたくしなら辞世の句を読みます
396︰本丸所属の地蔵行平
>>393
吾は己の墓を掘る
397︰スレ主は山姥切長義
雑務処理課の古今と行平も同じことを言っていた。
その後、俺たちはハンズアップして刀に触れないことを清麿に示したが彼の態度は変わらなかった。
刀に触るなの一点張りで警戒を解こうとしない。
こうなると、すべての原因であろう刀を俺たちは調べることができない。
刀の番人となってしまった清麿をどうするか。
俺たちは目線を合わせて考えた。
その結果、生存値の高い行平と統率の高い正秀が清麿と戦って時間を稼ぎ、残りのもので刀を調べる事にした。
……のだけれど…。
398︰加州清光
けれど?
399︰大和守安定
ど?
400︰スレ主は山姥切長義
俺たちが動き出した途端、フッと清麿の気配が変わった。
憑き物が落ちたかのようにキョトンと目を丸くしたんだ。
そして、あれ? と。
俺たちの後ろを見ながら不思議そうにこう言った。
「新人くん?」と。
401︰堀川国広
え?
402︰物吉貞宗
え?
403︰本丸所属の源清麿
どういう事?
404︰スレ主は山姥切長義
俺たちは後ろを振り返った。
すると、いつの間にか新人が俺たちの後ろの畳に座り込んでいた。
しかも、例の刀を手に持って。
鞘に収めた状態で、キョトンとして。
405︰姫鶴一文字
やば
406︰後家兼光
>>404
えっと…その刀は確か異常の原因である可能性が高かったんだよね?
え、それを人間の新人くんが持ってたの?
407︰鶴丸国永
>>404
おいおい…まさか新人が黒幕だったって話か?
408︰スレ主は山姥切長義
いや、そうじゃない。
俺たちも何が起こったのか分からずしばらく新人と状況確認をしたんだが…どうやら、あの玄関で消えたのは新人ではなく俺達の方だったようだ。
何が原因かは分からないが、刀剣男士だけが時間と現世から切り離された異空間に飲み込まれ、新人は朽ち果てた本丸に取り残されたらしい。
新人は「暗いですねって言って周り見たら誰もいなくて普通に怖くて死にそうで泣きました」と言っていた。
409︰二筋樋貞宗
>>408
そりゃ怖いし泣くだろ
いわく付きの本丸に人間が一人取り残されて…
410︰次郎太刀
というか、そんな状況でよくポツンと置かれた打刀に触ろうと思ったね。
その子
411︰スレ主は山姥切長義
いや、それが新人の視点では打刀はボロボロの状態で畳の上に転がっていたらしい。
本人も迂闊に物に触るのは良くないと思ったようだが、転がっていたのが刀だったため、もし刀剣男士の誰かで助かる可能性があるなら鞘に戻しておこうと思ったようだ。
412︰五虎退
やさしい
413︰一期一振
只今遠征戻りました
屏風の一期一振です
>>412
ところで先程からひと言だけ残していく五虎退の存在が気になっているのですが…
414︰山姥切国広
俺も戻った
鎧の山姥切国広だ
>>411
ボロボロの度合いにもよるだろうが、顕現を解いた状態で百年放置されたなら分霊も本霊へ還っている可能性が高いだろうな
415︰鬼丸国綱
>>411
なんにせよ、次からは触らないよう指導しておけ。
触らぬ神に祟りなし、だ。
416︰三日月宗近
左様。
先人の残した言葉には必ず意味がある。
まあ、今回のことで新人殿も痛いほど感じただろうが。
417︰スレ主は山姥切長義
ああ、肝に銘じるよう伝えておく。
ともかく、元凶である刀を新人が鞘に収めてくれたおかげで清麿の意識はもどり、俺たちも異空間から脱出できたようだった。
同時に、行方不明だったこんのすけ達も玄関前に目を回した状態で現れた。
後から聞いたが、こんのすけ達も時空のズレた異空間を彷徨っていたらしい。
そこで脱出路を探している時に、この本丸で落命した審神者の手記らしきものを見付けたそうだ。
418︰和泉守兼定
手記?
419︰スレ主は山姥切長義
ああ。
それによると、この本丸の審神者は刀剣男士の源清麿と深い仲だったようだ。
だが、ある日出先で時間遡行軍に襲われ、源清麿は審神者を守って折れてしまう。
失意の底に沈んでいた審神者だが、ある日政府に所属している親族の刀鍛冶が、その源清麿の折れた刃の欠片を使って見た目だけ似た刀を打ってそれを渡したそうだ。
おそらく、慰めになればと思ったのだろう。
だが、審神者はその刀を見て「この刀であれば、自分の刀剣男士の源清麿を取り戻せるかもしれない」と考えたようだ。
その結果は、まあ言わなくとも分かるだろう。
どうやら審神者は、自分の命とも言える霊力を犠牲にして様々な儀式を行っていたらしい。
それが刀という媒体に残って、この時間も空間もねじ曲がった異様な本丸が出来上がってしまったようだ。
420︰骨喰藤四郎
ああ…なんという
421︰鯰尾藤四郎
>>419
壊れた物はもうどうしたって元には戻らないのに…
422︰雑務処理課の源清麿
>>421
それでも諦められないのが人間なのだと思う。
実は憑依されてた時、薄らと僕の意識があったんだけど…あの打刀だけが希望で、もしそれが無くなったら生きていけないって恐怖心と不安感だけがすごくあったんだ。
だから多分、僕に乗り移ったのは審神者だったんじゃないかなって思う。
423︰本丸所属の源清麿
>>422
そっか…
424︰山姥切国広
>>422
遣る瀬無いな
425︰本丸所属の水心子正秀
>>422
己を犠牲にしてまでも成し遂げたかった事だったんだろうな…
426︰スレ主は山姥切長義
まあ、そういうわけだ。
何はともあれ、俺たちの任務は完了した。
新人は見つかり、元凶も札で封印し回収した。
移動装置も復活して政府の救援隊も来た。
この本丸は取り壊され、また新たな審神者が生まれるだろう。
427︰和泉守兼定
一件落着だな
お疲れさん
428︰加州清光
おつかれ〜
429︰鶴丸国永
おつかれさん
430︰大倶利伽羅
お疲れさん
431︰本丸所属の源清麿
お疲れ様
432︰山姥切国広
お疲れ様
最後まで話を聞けてよかった
433︰一期一振
お疲れ様です
434︰本丸所属の南海太郎朝尊
お疲れ様。
有意義な時間だったよ。
435︰堀川国広
お疲れ様です!
436︰本丸所属の水心子まさひで
最後だけ確認しに来た。
皆無事なようで本当によかった。
お疲れ様。
437︰本丸所属の肥前忠広
>>436
あんた名前変わってないぞ
お疲れさん
うまい飯食えよ
438︰三日月宗近
お疲れ様
ゆっくり休んでくれ
439︰ソハヤノツルキ
お疲れさん
440︰スレ主は山姥切長義
ありがとう。
…と、言いたいが実はまだ少し続きがあるんだ。
441︰鯰尾藤四郎
え?
442︰骨喰藤四郎
続き?
443︰スレ主は山姥切長義
打刀を封印した俺たちは政府へと戻った。
そこで、上層部に人間である新人を連れて行ったことをしこたま怒られた。
その結果が大量の書類の提出だ。
追い打ちのような始末書と報告書に俺たちはゲンナリしながら雑務処理課に戻った。
すると、後ろをとぼとぼ着いてきていた新人が「大変ご迷惑をおかけしました」と言ったんだ。
無論、これは事故であって新人のせいではない。
俺たちは皆気にするなと言った。
新人は申し訳なさそうに笑っていた。
その顔を見て、俺たちは雑務処理課の扉を開けた。
するとそこには、デスクに座って電子キーボードを叩く新人の姿があった。
444︰和泉守兼定
……ん?
445︰加州清光
……え?
446︰山姥切国広
え?
447︰スレ主は山姥切長義
彼女は廊下を歩く俺たちの最後尾にいた。
あまりにも早い切り替えだった。
その姿に、先頭を歩いていた一文字則宗が不思議そうに聞いた。
「なんだお前さん、いつの間に戻ったんだ?」
新人は俺達に「お疲れ様です」と言った後、不思議そうに首を傾げてこう言った。
「わたし、今日は雑務処理課から出ていませんよ?」
俺たちは顔を見合せて後ろを振り返った。
そこには誰の姿もなかった。
ただ、見慣れた廊下がどこまでも広がるだけだった。
・
・
・
・
・
───とある審神者専用雑談スレより
133︰ヘルメット審神者
結論:やっぱり地震が起きた時に頭に被るのは獅子王一択
理由は獅子王と鵺の二段構えで守ってくれるから
異論は認める
134︰審神者
>>133
はよ寝ろ酔っ払い
135︰審神者
>>133
あんたまだ生きてはったん?
136︰審神者
>>133
誰か刀剣男士呼べ
ヘルメット審神者気絶させろ
137︰審神者
>>133
獅子王乗せるくらいならチャタちゃん肩車した方がよくない? 落ちてきた瓦礫触らず切れるし
138︰ヘルメット審神者
>>137
瓦礫落ちてきてんのにエケチェン肩に乗せるとかお前鬼畜の所業か神経狂ってんのか!!!!!!
139︰審神者
草
140︰審神者
>>138
北谷菜切様は赤さんではない
141︰審神者
>>138
てか獅子王はいいのかよ
142︰審神者
>>138
まあちっちゃい子盾にするなはごもっともではある
言ってる事は酔っ払いだけど
143︰審神者
今こうしてる間もヘルメット審神者の獅子王はヘルメットにされてると思うと涙を禁じ得ない
144︰審神者
寝れなくてROMってたけど獅子王をヘルメットにするってなに?
145︰審神者
>>144
多分日本語訳失敗してる
146︰獅子王最推し審神者
>>145
日本語訳は草
獅子王と鵺犠牲にするくらいなら俺というヘルメットを獅子王と鵺に被ってもらうわ
147︰審神者
>>146
お前ごときが最強装備ヘルメットになれるわけないだろ
148︰ヘルメット審神者
わかったじゃあ俺は獅子王と鵺連れて机の下に隠れる
刀剣男士全員入れる机買う
ハリ〇タくらいデカくて頑丈で長いやつ
149︰審神者
>>148
最適解で草
最初からそうしろよ
150︰審神者
災害について語ってるのが真面目なのかあたおかなのか混乱を招くな…
151︰審神者
>>150
アタオカだろ
獅子王犠牲にしようとしてんだから
152︰審神者
いいからはよ寝ろ
みんな限界なんだよ
刀剣男士ヘルメットにしようとしてるやつにレスしてる時点でおかしいって気付け
153︰審神者
なんか寝ようとしたらうちの兼さんが突然枕持って来て「一緒に寝てくれ」って言ってきたんだけど
どした?
154︰審神者
>>153
うちの超絶ぷりてぃな清光も「お願い一緒に寝て主」って来たんだけど
え天使すぎるキャワワ
155︰審神者
>>153
なんか俺んとこも鶴丸来た
コス〇コで買ったクソでかいくまのぬいぐるみと一緒に来た
もっとちっちぇえテディベア連れてこいよ
156︰審神者
>>155
うちのまんば宝物の鎧持ってきたんだけど
え俺今日まんばと鎧に挟まれて寝んの?
157︰審神者
>>156
金屏風持って来たうちの一期よりマシ
158︰審神者
>>157
私もいち兄に金屏風持たせてる
いち兄はやっぱ金屏風だよね
159︰審神者
>>156
ウチの三日月宗近は宝物の皿持ってきはったわ
割れるから置いときぃ言うてるのにぜんぜん置かへんのよあんひと
160︰審神者
私のとこ京極ちゃん来た
どうしよう。審神者共寝ゆるされる?
161︰審神者
俺んとこ枕と御神酒持った次郎ちゃん来たんだけど…
162︰審神者
えなに? 何が起こってんの?
163︰獅子王最推し審神者
刀剣男士の夜這い?
164︰審神者
>>163
現世に奥さんも子供もいるワイ
青い顔の宗三左文字来て修羅場の予感──
165︰審神者
>>163
昨日恋愛相談した二筋樋さんが今日険しい顔で部屋に来たんだけどこれ今から何起こる?
夜ドラ? メロドラマ?
166︰審神者
>>164
宗三左文字はガチ感ある
167︰審神者
うちの水ちゃんも震えながら枕抱きしめて来たんだけど
えホントなに?
168︰審神者
鎧の山姥切国広の審神者だけどなんか話聞くに刀剣男士専用のスレで怖い話見たっぽ
169︰審神者
>>168
なに刀剣男士が怖がるスレって
170︰審神者
うちの屏風の一期もそうっぽい
仕方ないから布団二枚だすか…
一期と屏風の分
171︰審神者
>>170
俺も鶴丸とくま用の布団出した
なんで俺こんな夜中にイケメンとくまのぬいぐるみ寝かし付けてんだよ…
172︰審神者
五虎ちゃん来た
かわいい
173︰ヘルメット審神者
獅子王──
来てくれてもいいんだぜ?
174︰審神者
>>173
おええぇぇぇぇぇ
175︰審神者
衛生兵!!
衛生兵!!
176︰審神者
おまわりさんこちらです!!
177︰審神者
二筋樋貞宗さんは私のとこに来てください!!!!!!
178︰審神者
草
179︰審神者
>>173
一人ヘルメット抱いて寝てろ
【完】
刀剣■■■■研■■■書
時の政府管轄■■種研■所■属
役職︰鹿路
以下、報告書の内容より一部抜粋
刀剣男士
ID︰?
銘︰一文字則宗
時の政府所属の呪い師により顕現。
容姿に異変はないが、衝力が異様に高く、亜種の可能性あり。
古い個体ゆえ記録がほとんど残っていないが、呪い師──現在でいう術師──の手によって顕現したと本人より報告があった。
人間には友好的。
衝力という特殊なステータスの異常ゆえ、器と刀の両方を調査していく。
刀剣男士
ID︰3249
銘︰山姥切長義
時の政府所属の職員により顕現。
顕現時から髪の長さが腰辺りまであったため、亜種と判断。
数度散髪をしたが、髪の長さは時間経過とともに一定の長さに戻った。
また、本人に自覚はないが神気が高く、人と刀というより神に気配が近い。
これは霊派が本霊に似ているためと思われる。
人間には友好的。
本丸所属を強く望んでいるが、神気の事もあるため政府預りとしておくのがいいだろう。
刀剣男士
ID︰5416
銘︰肥前忠広
本丸ID○○○○○の審神者より顕現。
容姿が通常の肥前忠広より幼く、また機動の数値が異様に高いため、亜種と判断。
具体的に人間の年齢で容姿を表すと、13歳、14歳ほどの少年姿をしている。
人間には非友好的。(しかしこれは肥前忠広という刀剣男士の性質によるものとみられる)
所有者の審神者がゴミ捨て場に放置していたところを政府が回収。
手入れをして器の調査をする。
刀剣男士
ID︰5799
銘︰南海太郎朝尊
時の政府所属の職員により顕現。
容姿に異変はないが、存在感が異様に薄い。
隠密の値が高い事が影響しているようだ。
人間には友好的。
亜種の可能性があるため政府預りとする。
刀剣男士
ID︰6187
銘︰源清麿
時の政府所属の職員により顕現。
容姿に異変はないが、打撃の数値が百を超えており亜種の可能性あり。
人間には非友好的。
力加減が分からず物を壊すので、両手に拘束具をつけた上で器の調査をする。
刀剣男士
ID︰6228
銘︰水心子正秀
本丸ID○○○○○○の審神者により顕現
容姿に異変はないが、統率の数値が高く亜種の可能性あり。
人間には友好的。
器を調べるため審神者に貸し出しの交渉をしたが断られたため、管狐による観察を続ける。
(審神者は多額の借金をしているようなので、金銭で交渉すれば簡単に譲ってもらえそうだ)
刀剣男士
ID︰4359
銘︰古今伝授の太刀
本丸ID○○○○○の審神者より顕現。
容姿に異変はないが、偵察値が異様に高く、亜種の可能性あり。
また、その影響か視認の難しい小物の怪異や霊なども見ることができるようだ。
人間には非友好的。
(審神者からの不当な扱いが原因とみられる)
ただし敵意もない。
時間遡行先の時代に放置されていたところを政府が保護。
これより政府預りとし、器の調査を行う。
刀剣男士
ID︰8296
銘︰地蔵行平
本丸ID○○○○○○の審神者より顕現。
容姿に異変はないが、生存値が異様に高く、亜種の可能性あり。
また、その影響か人間の器は傷がついてもひとりでに塞がっていくようだ。
人間には非友好的。
会話を拒絶する素振りがあるが、敵意はない。
【アングラバザール】より【アンデッド】の名で違法に取引されているところを回収した。
手入れをせずとも傷が塞がる点では、もっとも興味深い個体である───
























