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ガチ天女ムーブ天女4

ラドリカラドリカ

お待たせしました!!!委員会回です!!!コメントスタンプいつも励みになっております!もし今後見たい展開とかあればこちらのコメントに残してもらえると嬉しいです!!!物語に問題のない範囲内で採用させていただきます!!! よければ別連載押しつ押されつもよろしくお願いします。こちらの夢主は竹でぶっ飛び移動するとんでも夢主となっております。 novel/27433211 追記 26.05.09 皆様ありがとうございます!!!作品はルーキーランキング49位に入りました!!!皆様のおかげです!!! 作品が2026/05/02~2026/05/08の[小説] ルーキーランキングに入りました! 49 位

あれから数日夢子は掃除に明け暮れていた。
 広すぎる学園の掃除はまあ大変だった。雑巾がけに高い所の煤払い。そして小松田さんのドジで起こる仕事……はいつも通りだったな。最近になって委員会の備品を運んだりもした。保健室に包帯を持って行ってくれと吉野先生に言われたときは雑渡さんフラグ!!!???と思ったがなんともなかった。これが一番ドキドキした。
 そして今日は用具委員会が間に合っていない修補を頼まれた。なんでも小平太くんがいけどんしたせいであちこちに穴が開いているらしい。

「じゃあ夢乃さん!行きましょうか」
「修補は初めてですがお力になれるよう一生懸命努めますね」
「一緒に頑張りましょうね!たしかこっちに___わあ!!!」
「小松田様!」

 小松田さんが落とし穴に落ちた!!!えっどうしよう。引っ張り上げられるかな。

「ごめんね夢乃さん~縄梯子持ってきてくれる?用具倉庫にあるはずだから」
「かしこまりました。用具倉庫はどちらにありますか?」
「僕が行こうとした方向だよ!落とし穴に気を付けてねぇ」
「かしこまりました」

 というとこっちか。歩き始めるが落とし穴がどこにあるかわからないからいつ落ちてもおかしくない。確か何か印があったはずだけど……
 手探りで進んでいく。途中木の端らしきものを見つけたからあれが目印とわかったからにはもう楽勝だ。
 夢子は小走りで用具倉庫に向かった。

 ……どうしてこうなった。
 夢野夢子は落とし穴の中でうずくまっていた。
 確かに木の端を避けて通ったはずなのだが気付いたら落とし穴に落ちていた。
 監視の先生が助けてくれないかな。他の人は絶対助けてくれないだろうから。

 それを見ていた本日の監視、野村は頭を抱えた。
 小松田くんはわかる。天女!!!何故落ちた!!!
 いや、天女を責めるのはよくないだろう。先ほどまで慎重に歩いていたが、落とし穴の目印の木の端を見つけてから走ったのは良かった。なぜ何もない所で落ちた。……喜八郎のせいか。
 しても何故天女は助けを求めないのだろうか。仕事をさぼろうとしてる……?いや、勤勉な彼女がそんなことをするとは思えない。
 ……自分が助けを求めても助けてもらえないと思っているからか。天女は忍たまに石や手裏剣を投げつけられたと聞く。そんな状態では助けを求めようとしないか。
 ……しょうがない。助けに行ってやろう。

 野村はその場を後にした。

「天女様、ご無事ですか」

 野村先生~~~!!!今日の監視は野村先生だったんですね!!!2年の授業を滞らせてしまってすみません!!!

「……!野村様!すみません。目印がなかったもので落ちてしまいまして。私より先にあっちのほうに小松田様が落ちているので助けていただけませんか?」
「もう助けてあります」
「ごめんね夢乃さん僕のドジが移っちゃったかも……」
「いえ、お気になさらないでください。すみません野村様、ありがとうございます」
「……仕事ですから。手を出してください。引っ張り上げます」

 夢子が手を出すと、ひょいと引っ張られ地面に着地する。

「野村様、ありがとうございました」

 夢子は深く礼をする。
 野村は少し驚いた。ここまで綺麗に礼をする天女は見たことがなかったからだ。

「いえ、お気になさらず。では」

 そう言い影へと消えていった。
 すごい言葉の節々にツンデレを感じる。それにしても、忍者ってすごいなぁ。

「小松田様もお待たせしてしまってすみません」
「謝らないで夢乃さん!僕も穴に落ちちゃったから……それより修補!急ごっか」
「はい!」

 用具倉庫から修補道具を取り出し、壁を修補していく。これがなかなか難しい。均等に塗り上げるのが難しいのだ。
 それでもなんとか仕上げ、次の穴を修補する。途中事務室でお昼を挟み、修補を続けていく。
 時間はあっという間に過ぎていった。

「すみません。修補ありがとうございます」

 この声は……!!!

「食満留三郎くん!それに用具委員会のみんなも!」

 食満留三郎だ~~~!!!というか修補に集中しすぎて放課後になってしまった。いけない。生徒とのエンカウントだ。慎重に行かねば。というか委員会もばらばらになっていると思ったがそこまでではなさそうだ。意外とノーマルモードだったりするのか?
 守一郎くんと富松作兵衛くんと下坂部平太くんとしんべヱくんと喜三太くん。
 ……うん。全体的に好感度が高いな。作兵衛くんはぼっとん掃除してるときにちょっと言われたがそれ以外の好感度が高すぎる。

「はにゃ!天女様だ!」
「本当だ!天女様も修補するんですね」
「天女様!俺渾身のだじゃれを考えてきたんです!」

 おいおいおい落ち着け。私は危険人物なんだぞ落ち着いてくれこっちに来ないでオタクの心臓がやばいから!!!イエスロリータノータッチを掲げているんだ!!!教義を裏切るわけにはいかない!!!

「お、落ち着いてください。修補はお仕事ですから。浜様はだじゃれはまた今度お聞きしたく思います。みなさま、私はまだ害のある可能性がある存在なのです。あまり近づいてはいけませんよ。」
「「「えー」」」
「えーじゃないだろうお前ら!すみません天女様」
「いえ、お気になさらず。申し遅れました、私夢乃というものです。学園で事務を中心にお手伝いさせていただいてます」
「え、ああ。食満留三郎です……」

 よーしこれで留三郎くんのことは食満様って呼べるな!!!呼び方がないってちょっと面倒だからね。
 作兵衛くんと平太くんをちらりと見る。怯えた平太くんを作兵衛くんが庇う。
 ……この二人と挨拶は難しそうだな。

「お前、まだ居たんだな」
「こら作兵衛!すみません天女様」
「いえ、お気になさらないでください」
「富松先輩!そんないい方ないと思います!」
「こらお前ら!今日は修補しにきたんだぞ!すみません、修補変わります」

 わぁ……6年生って大変だなぁ。なんかパパみが深い……

「ありがとうございます。ここから東は修補致しました。何分初めての修補でしたので至らぬ点がありましたら申し訳ございません」
「あ、いえ、お気になさらず」
「用具委員会のみんなが戻って来てくれてよかったぁ。夢乃さん、事務室に戻ろうか」
「はい。みなさま修補頑張ってください」
「あ、はい」
「じゃあね~天女様~!」

 うーん頑張ってくださいは軽かったかな。もう少し天女っぽい言い方ができたらよかったんだけど。
 その言葉に夢子は綺麗な礼で返した。

「お前ら天女に近づきすぎだ!あいつは天女なんだぞ!妖術を使うかもしれん。警戒するに越したことはない」
「でも食満先輩、僕のナメクジさん天女様が見つけてくれたんです」
「なんだと」
「僕この間一人でドブ掃除してるところを助けてあげました!」
「何だってぇ!?天女が一人でドブ掃除!?小松田さんに押し付けてるんじゃなくてか……?」
「はい。なんでも小松田さんがドブに落ちちゃったみたいで、それで着替えてる間にって天女様が言ってました!」

 富松は驚いた。まさか天女が一人でドブ掃除をやっていたなんて。しかも小松田さんがいなくなってもさぼることなく。
 富松にとって大きな衝撃だった。
 そういえば前はトイレの汚泥掃除をしていた。それも一人で。
 ……天女は狡猾な生き物だ。自分の理になることしかせず、仕事はほったらかす。そして上級生を誑かす悪の存在だ。
 なのに、一人でするなんて。

 これは罠かもしれねえ。同情を引く手かもしれない。
 でも、誰も見てねえところでまでやる必要あるか?
 汚泥掃除なんて、みんなやりたくないだろうに。

 富松の心に小さな疑問が残った。

「天女様お賃金貰ってないのに頑張ってるなんてえらいよね」
「えっ、天女様お賃金貰ってないのか!?」

 浜が驚く。

「どうやらそうみたいです。予算が足りてないのかなぁ」
「天女っていうもんはそんなもんじゃないだろ。しかもいつ帰るかわからないやつにまで予算は避けないだろ」
「ええ~でも可哀そうです」
「お金がもらえないということはご飯を買い食いできないということ!それはそれは辛いことです!」
「それはしんべヱにとってだろ!ほら、みんな。修補するぞ」
「「「「「はい!」」」」」

 食満留三郎は委員会のメンバーが天女といつの間にか交流していたことに胃を痛めた。

 あいつら、あんなに警戒が薄かったか?いや、でも天女側から距離を取っていた。天女は忍たまと仲良くなることを避けている?何故だ。
 普通の天女なら逆だろう。近づいてくる。取り入る。媚びる。それが当たり前だった。

 だがあれは、関わらないようにしているようにしか見えない。何故だ。害のある可能性がある存在だから近づいてはいけないと言っていたが……自分を正しく把握できているとしか言えない。先生を恐れている?これまでの天女の顛末を知っているのか?だから殺されたくなくて生きるために行動している?

 ___だめだ。考えても考えても余計にわからなくなる。
 分からないものを、下に近づけるわけにはいかない。
 最高学年としての食満留三郎の判断だった。

 事務室に戻ったら吉野先生が居たので修補の報告をする。

「夢乃さん、今日はもう上がっていいですよ。だいぶ疲れているでしょう」

 帳面から顔を上げて、吉野が穏やかに言った。

「……いえ、まだ大丈夫でございます」
「無理をする必要はありませんよ。部屋に戻って休んでください」

 優しい声だった。
 だからこそ、夢子はほんの一瞬だけ言葉を選ぶ。

「……申し訳ございません。もしよろしければ少し、こちらに居させていただいてもよろしいでしょうか」
「事務室に、ですか?」
「はい。生徒様との接触が少ない場所ですので」

 その言い方に、吉野はわずかに目を細めた。

「……気を遣っているのですね」
「ただでさえ私は害の可能性がある人物ですので。皆様にご迷惑をおかけするわけにはまいりませんので」

 静かに微笑む。あくまで“要注意人物”としての振る舞いを崩さない。
 横から小松田が顔を出した。

「でも夢乃さん、ずっと働きっぱなしだよ?せめて座ってお茶でも飲もうよ」
「……ありがとうございます。では、ご厚意に甘えさせていただきます」

 湯呑みを受け取り、そっと口をつける。

「前のドブ掃除、大変でしたねぇ……」
「はい。ですが、福富様と山村様のお二人に手伝っていただけましたので、思っていたより早く終わりました」
「僕がドブに落ちちゃったからねぇ」
「はい。とても優しい方々でした」

 それを見て小松田と吉野がほっとしたように笑う。

「よかったです。怖がられたりしませんでしたか?」
「……最初のほうだけ、少し」
「えっそうなの夢乃さん」
「ええ。怖いなら手伝わなくても大丈夫ですよと申し上げたら山村様がいい人だと言うなら手伝う、と。本当に強い方です。見ず知らずの、しかも過去害を与えられた存在を怖いと思うお気持ちは、当然のことでございます」

 その言葉に小松田は少し言葉を失った。
 天女なのに生徒と積極的に接触しない。むしろ害の可能性のある存在、怖い存在として見られることを前提に動いている。
 小松田は前から気になっていたことを口にした。

「……夢乃さんってさ、怒らないよね。なんだろう。不満を持つことになれてないというか。う~ん……」
「そうですね。少し心配になります」
「えっ」

 小松田さんだけじゃなくて吉野先生まで……!?そんな吉野先生と関わることはなかったはずだが、小松田さん経由で好感度が広がったのか……?
 吉野先生は篭絡しようとしてこういうことはきっと仰らない方だ。きっと私が居ない間の報告やらなんやらで好感度があがったのかな?
 不満、か。不遇なことはあっても不満はない。他の人なら不満になりえることでも私はそれらが天女のせいと知っているからだ。

「私は不満を持つ立場ではございませんので。私はこの学園に置いていただいている身ですから。それに不遇はあれどそれは過去の天女のせいだと知っていますのでみなさまに不満を持つことはありません」
「……それでも」

 吉野が静かに口を開く。

「身体と心は大事にしてください。働けなくなっては元も子もありません」
「……お気遣い、ありがとうございます」

 深く、丁寧に礼をする。吉野先生から言われると違うな~~~!!!積み上げてきた自分の好感度ににやけてしまいようだ。

「ねえ夢乃さん……もし、困ったことがあったら、ちゃんと言うんだよ?」

 小松田の瞳と言葉は、どこまでもまっすぐだった。
 夢子は一瞬だけ言葉に詰まる。

 それから、いつものように微笑んだ。

「……ありがとうございます。その際は、よろしくお願いいたします」

 困ったこと、か。
 はたしてそれを口にしても許されるのだろうか。
 でも小松田さんと吉野先生とシナ先生くらいだったら、ちょっとだけなら、言ってもいいのかもしれない。
 夢子は少しだけ強い味方を持った気分だった。

 夕刻、学園長の囲炉裏。障子の外に気配はない。
 静まり返った空間に、音もなく一つの影が現れた。

「野村です。本日の監視報告を」
「入りなさい」

 野村は静かに入室すると、報告を始めた。

「対象は本日、掃除業務および修補作業に従事。その際に落とし穴に転落しました」
「負傷は」
「軽微。自力での脱出はせず、待機しておりました」
「妙だな」

 土井の声が響く。

「天女のこれまでの行動から恐らく自分が助けを求めても助けてもらえないと思っていると考えます」

 土井は少し考え込む素振りを見せたがすぐに姿勢を正した。

「その時のことなのですが“自分より先に小松田くんを”とお願いをされました」

 わずかな沈黙。土井は相変わらず難しい顔をしている。同席しているシナもそれを聞き苦い顔をした。

「そのあと用具委員会と接触。酷く懐かれている様子でしたが自分から距離を取っていました。同じく終業後、“生徒との接触を避けるため”と、事務室に留まっています」
「自ら距離を取るか」

 学園長が静かに言う。その行動に教師陣からざわめきが起きた

「はい。その際に”自分は害の可能性のある存在”と発言しておりました」
「演技の可能性は」
「否定はできません」

 即答だった。ですが、と続けて口を開いた。

「ですが、行動は一貫しています」
「ほう。一貫しているとな」
「はい。危機時・平時ともに“他者優先”および“自己抑制”、”自己軽視”が継続して見られます」
「……それが作為的であれば相当だな」

 沈黙が落ちる。みな学園長の判断を待っていた。

「現時点で害意は確認されないが、万が一もある。だが、生徒と接触しても自分から積極的に関りを持とうとしない点に関しては一考の余地があると思う」

 静寂が落ちる。学園長も思い悩んでいるようだ。
 もちろんこの天女が害がない存在であればこの上なく喜ばしい。だが、万が一もある。その万が一が起きた場合、また学園は壊れてしまう。
 それを防ぐのが学園長としての役目であり、責任である。

「うーむ。シナ先生はどう思われますかね」
「……少なくとも“これまでと同じ天女”ではないかと。生徒との接触を避け、自分より他人を優先する。それは今までの天女たちと酷く異なっております。また以前生徒と接触した際は『生徒が怒られてしまうから近寄らせないで欲しい』と生徒の身を案じる発言をしています。もう複数の生徒との接触は確認されているため段階的に生徒との接触を増やすべきかと思います」
「うむ。土井先生は」
「私も段階的に生徒との接触は増やすべきだと思います。今は口では生徒のためと言っておりますが関われば状況も変わるでしょう。監視を強化しつつ接触を増やすべきかと」
「ふむ、野村先生はどうですかな」
「私、は……」

 これまでの天女の行動を思い返す。勉学に勤勉に励んでいた姿、真面目に仕事に取り組む姿、そして今日の天女。自分が窮地にも関わらず他人を優先する姿。生徒に囲まれても自分の安全性が確立されてないからと距離を取る姿。仕事が終わっても生徒のことを案じ行動する姿。そのすべてが善性に溢れているがここまでの善性は逆に不安材料ともなる。
 野村は口を開いた。

「判断材料は揃っていません。行動に一貫性と継続性があり善性と判断したいところですが慎重に行くべきでしょう。ただし、“通常の人間の反応ではない”点は明確です」
「ふむ。それは此度の天女が天から来たと言っていた点ですか」
「あの世迷言ですか……あ、でも先日小松田くんに甘味を差し出された際に神様に献上するようなものは口にできないと言っていました」
「ほう!まさに通常の人間ではないな。ははっ」
「笑っているバヤイですか!必要なのは天女が学園や学園関係者に害のある存在かどうかでしょう」
「おお、すまなかった土井先生」

 咳払いをして学園長は全体を見やる。

「此度の天女、現時点で害意は確認されないが、万が一もある。段階的に生徒との接触を増やすことにしましょう」
「はっ!」

 室内に、再び静けさが戻る。
 評価はまだ、下されない。

 “見過ごせない違和感”だけが、確かにそこに残った。

 今日は金曜日!!!つまり明日はおやすみであり保健室への出立義務がある日!!!
 素直に言ってしまおう!!!嫌である!!!
 ただでさえ保健室という存在が苦手なのにまた雑渡さんとエンカウントするなんて非常に嫌だからである。首絞められずに一定以上の距離を保ってお喋りはしたいがそれが叶うことはないだろう。

 今日は安藤先生が持ってきてくれた朝餉を食べ、仕事に向かう。今日は事務仕事がメインで外にでることはなかった。途中小松田さんが炭をひっくり返したくらいで特に何もなかった。吉野先生にはいっぱい怒られていたが。

 そして吉野先生が持ってきてくれた昼餉を食べ、また書類整理をした。途中会計委員会にこの書類を持って行って欲しいと言われたが生徒が居ない時間帯なので引き受けた。会計委員会はちょっと離れたところにあったが迷わずに帰ってこれた。会計委員に十キロそろばんがあって「あれが例のそろばん……!!!」となったが触るわけにはいかないので放置した。
 そして吉野先生から今日は早めに帰っていいですよと言われたのでこれ以上自分ができることもないだろうと部屋へ帰宅。

 よし!!!ここからは自由時間!!!読みの勉強をするぞ!!!簡単な文字なら読めるようになってきたので事務を手伝えるまで後少しだろう。漢字は結構現代に通じるものがあるからね!
 勉強をしようと本を開いたときだった。

「失礼します!天女様はいますか?」

 喜三太くんだ。どうしたんだろう。またナメクジさんがいなくなっちゃったのかな。

「おります。山本様?どうされましたか」

 そう言い襖を開く。そこには___

「天女様ですね!喜三太から話は聞きました!」
「天女様っていい人なんですね!」
「天女様お久しぶりです!」
「天女様ですね。お邪魔します」

 一年は組の金吾くん、乱太郎くん、しんべヱくん、そして庄左ヱ門くんが居た。
 お邪魔しますが言えるなんて!!!庄ちゃんっていい子なのね~~~!!!
 やばい、圧がすごいがご挨拶しないと。

「山村様、福富様、お久しぶりです。みなさま初めまして、夢乃と申します」
「はーい!私猪名寺乱太郎って言います!」
「皆本金吾って言います」
「黒木庄左ヱ門と言います」

 やばい~~~!!!みんなご挨拶ができていい子!!!お姉さんって言っていい年かわからないけどお姉さん嬉しくなっちゃう!!!
 ここまで一年が揃うってことはさては土井先生の言いつけを無視した悪い子たちなのかな?それでも可愛い~~~!!!私としてはまずい~~~!!!土井先生が本日の監視でないことを祈ろう。

「本日はどうされたのですか?」
「今日から段落的に天女様の説明が解除されるって聞いて!」
「段階的な接触な」
「流石庄ちゃん!」
「それで私たち、天女様に会いに来たんです!」

 うお~~~!!!とっても嬉しい!!!なんていい子たちなんだ!!!私、生徒への接触が段階的に解除されたんですね!!!にしても段階的って言葉は知ってるかな???

「それで会いに来てくれたのですね。お気持ちは嬉しいのですが土井先生は何と言っていましたか」
「それがぁ、『お前らはあまり天女様に近づかないように』って言われたんですけど」
「ちょっとの人数でぇ!」
「ちょっとならいいかなって来ちゃいました!」
「僕は引率で来ました」

 う~~~んごめんね土井先生……私には一年は組の暴走は止められなかったよ……庄ちゃんはいい子だねぇ……庄ちゃんついてるからセーフってことにしてください……

「そうなんですね。念のため言っておきますが私はまだ害の可能性がある存在です。みなさん、ちょっとだけお喋りしたらちゃんと帰ってくれますか?」
「「「は~い!」」」
「「はい!」」

 うんお返事がいいことはなによりだ!!!なんたって可愛い!!!表情筋大丈夫かな?よし、引き締めよう。

「じゃあ一人一個だけ質問に答えます。質問したい人はいますか?」
「はい!私から!天女様はどこから来たんですか!」

 おっと嘘だろう。乱太郎くんにここでガチ天女ムーブを求められるとは思ってなかった。
 最近やってなかったけど頑張ろう!!!そしていい感じに噂を流してもらおう!!!

 夢子は空を見上げ目を細める。その様子を5人はじっと見ていた。

「そうですね。あの天から来ました」
「天女様が天から来るのは普通では?」
「いえ、神様のところで女中として働いていたのです」
「「ええっ!神様のところで!?」」
「はい。信仰されている人が不遇な目に合っていないかなどの観察をしたり、御神様の話し相手になったり、ご来賓の神様のお世話もさせていただいてました」
「神様のところにも女中っているんですね」

 よし!!!掴みは完璧だ!!!次来い!!!

「じゃあ次僕!天女様の好きなご飯はなんですか!」
「私は麻婆豆腐が好きです」
「えっお豆腐好きなんですか?」
「ええ。好きですよ。お味噌汁の具がお豆腐の日だとちょっと嬉しくなっちゃいます」

 豆腐。それは不摂生な自分でも気軽にとれる栄養素満点のスーパーフード!!!味噌汁に入れても良し!!!なんなら湯豆腐なんかにしてもよし!!!炒めても良し!!!焼いても良し!!!そして何と言っても安い!!!
 某豆腐小僧ほどではないが夢子は豆腐が好きだった。だからといって豆腐地獄への参加はご遠慮願いたいが。

「あの、五年にとっっっても豆腐が大好きな先輩がいるんですけど豆腐地獄があるので言わないほうがいいですよ」
「五年生ですね。豆腐地獄とは……?」
「それはもう地獄で!!!食べても食べてもなくならないんですよ~~~!恐ろしい!」
「それは恐ろしいですね……ありがとうございます福富様。気を付けますね」
「じゃあ次僕いいですか……?」

 おっ金吾くんだ。なんだい。お姉さん()なんでも答えちゃうよ。

「剣は!お好きですかっ!」
「好きですよ。残念ながら振るったことはありませんが美しい太刀筋を見ると惚れ惚れしてしまいます」
「……!天女様も剣がお好きなんですね!」

 途端にぱぁっと顔が明るくなる。その顔が見たかったんだよ。ありがとうね。とっても元気そうで安心するよ。精神の健康は肉体の健康にも通じるからね。

「じゃあ次僕!ナメクジさんは好きですかぁ!」
「見てる分には大好きですよ」
「そうなんですね!嬉しいですぅ!」

 わちゃわちゃと寄ってくる一年たちを、肩を押し座らせる。まだ質問をしていない庄ちゃんが気になって見たら、庄ちゃんも見ていてようでふと逸らされてしまった。
 怖がっているわけではなさそうだ。でも何か悩んでいる……?ように見える。
 私は庄ちゃんの前に座った。

「黒木様は何か質問はありますか?」
「え、っと」
「なんでもいいんですよ。怒ったりしませんから」
「じゃあ、天女様は……」

 言おうか迷っているのか口をぱくぱくさせる。それを夢子は微笑みながら見つめていた。

「天女様は、どうしてご自分のことを”害の可能性がある存在”と言うのですか」

 庄ちゃんったら鋭い質問するねえ……少しびっくりしたが、笑みを崩してはいけない。彼等の不安材料になってはいけないからだ。

「僕も気になってました!どうしてですか?天女様は優しいのに……」
「山村様……優しいだけでは測れないことがあるからですよ」

 夢子は深呼吸をし、黒木の目を見つめて話し始めた。

「少し怖い話をしますね。私が害の可能性のある存在、と言うのは私が安全であるかどうかわからないからです。山村様は私のことを優しいと仰ってくださいました。
 でももし私が妖術を持っていて無意識に使ったとしたら。それは学園にとって害のある存在となってしまいます」

 一年達が小さく震え上がる。だが、視線は外さなかった。

「私は妖術を持っていないと思っています。使えるかどうかも定かではありません。ですが、もしもがあっては困ります。私がみなさんと距離を取るのはそのもしもが遭った時に、みなさんに被害を出さないように、です」
「みんなを守るために……ですか?」
「はい。そうです」

 黒木は少しだけ思案するように視線を落とした。
 そして、ゆっくりと口を開いた。

「……じゃあ、天女様は自分が危ないかもしれないから、じゃなくて。誰かを危ない目に遭わせるかもしれないから、離れているんですね」
「……そうです。黒木様は聡明な方ですね」
「さっすが庄ちゃんあったまいい!」

 黒木は小さく頷く。

「……なるほど」

 少しだけ考えてから、顔を上げた。

「でも、それだと天女様だけが我慢してることになりませんか?」
「えっ、天女様我慢してるの?」
「我慢はいけないですよ?」
「いえ、我慢していると思ったことはありません。全てはみなさんを守るためですから苦になったことはありません」

 そのままみんなはう~んと悩んでしまった。同じ方向に頭が向いているのがとっても可愛いがそろそろ時間だろう。

「ほらみなさん、そろそろお時間ですよ。先生に見つかる前にお帰りなさい」
「「「「「は~い」」」」」

 五人のダル気な返事にふふっと笑みが零れてしまう。
 みんなを廊下まで見送った時に、乱太郎くんが振り返る。

「お姉さん!また来ますから!」

 その有無を言わせない気迫に夢子は諦めたように微笑んだ。

「……はい」

 天女の部屋の天井裏にひとつの気配があった。
 安藤は静かに見聞きしたものを整理する。

 “害の可能性がある”と自己認識、生徒との距離を保つ行動。野村先生も仰っていた通り、自己抑制が強いようだ。
 現時点では、害はない。むしろ……勤勉で仕事熱心。天女に害があるかどうかという点については思考を続けた方がよさそうだ。

 ……観測を継続しましょう。私が今できることはそれくらいなのだから。

 夢子は読みの練習をしながら今日のできごとを反芻していた。まさかは組がもう来るとは思わなかったな。ガチ天女ムーブちゃんと出来てたかな。
 最後、庄ちゃんの質問はみんなにわかってもらえたかな。それだけが今は気がかりだ。みんなに離れてほしいわけではない。でも自分が危険な存在なのは認知してほしい。
 ……あわよくば、そんな存在だと知っても私の無実を、無害を信じてほしいなど、言えるわけがないのに。

「はぁ」

 夢子は小さく息をついて、襖を見た。本当は自由に外が見たい。締めっぱなしは嫌になる。
 本当はもっとみんなと仲良くなりたい。冷たい目で見られるのは心が痛い。私のせいじゃないのに。

 ……まあ、こんなこと言っても誰も聞いてくれないからどうにもできないんだけどさ。人の意思は変えられない。それが世の中の常だ。

 夢子は背筋を伸ばし、文字の勉強に励む。その姿が誰かの心を動かすと信じて。

 乱太郎としんべヱは自室に戻ってきた。

「「ただいまー」」
「おかえり天女様のとこ行ってきたんだろ……その、変なことされなかったか」
「なーんも!」
「天女様、麻婆豆腐が好きだって言ってたよ!」
「天女様ね、僕たちを守るために近づかないんだよ!」
「なんだそれ」
「しかも神様のところで働いてたんだって!」
「神様?大層なとこで働いてたんだなあ」
「あとね!お金ももらってないのに働いてるの!」
「えっお金!?」
「きりちゃん。落ち着いて」
「ああ。お金貰ってないって本当かよ」
「うん。天女様言ってた」
「……天女って、大変なんだな。タダ働きほど辛いものはないし……」
「ね、今回の天女様優しいしお金あげてもいいと思うんだよね」
「ね!前みたいに横暴じゃないし全然怒らない!」
「上級生にも迷惑かけてるわけじゃないし……今回の天女様っていままでと違うのか?」
「そうだよ!きっと!」
「ねぇ乱太郎。他のクラスのみんなにも天女様優しいんだよって伝えに行こうよ!」
「うん!みんな今までの天女様で誤解してるもんね!きり丸はどうする?やめとく?」
「…………いや、俺も、ついていくだけ行ってもいいか。他の奴が天女についてどう考えてるか知りたい。どんな存在なのか、確かめたい!」
「うん!じゃあ三人で行こう!」
「「「おー!!!」」」

今日も今日とて同じ時間に目が覚める。休日であろうと関係なしだ。今日は保健委員突撃の予定があるから頑張らないと。保健室行きたくないな。

 夢子は無意識に首を擦った。

 いっけな~い!ストレス反応ストレス反応~~~!!!雑渡さんが絞めたせいで首の違和感が消えないんですけど~~~!!!労災降ります~~~!!!???
 まあそんなことは置いておいて。雑渡さんは普通に怖いので一対一で会いたくない。まじで祈るくらいしかできないけど。南に向かって祈っておくか。祈るだけならただだろ。

 南に向かって正座をして祈る。雑渡さんが来ませんように!来ても一対一でお喋りしませんように!

 よし。これでええやろ。
 着替えて、朝餉を食べ、お昼前に保健室に向かう。
 そしておそるおそる開けた保健室には伊作くんら保健委員会オールスターズが居た。
 どうやら薬草の整理をしているみたいだ。
 ……雑渡さんいなくてよかった~~~!!!

「おはようございます。怪我の経過の件でお邪魔しました。都合がよろしくなければ日を改めまずが」
「大丈夫ですよ。入ってください」

 入ると夢子に気付いた乱太郎と伏木蔵が駆け寄ってきた。

「天女様だ!」
「天女様こんにちわ!」
「はい。こんにちわ」
「おっ、お前ら!そんな近づくんじゃない!危ないだろ!」

 声の方を見てみると怯えている左近くんに、それを庇っている数馬くんが居た。
 数馬くんここでは初エンカウントだね!!!前は手当てしてくれてありがとう!!!警戒心があるようでとってもよろしい!!!

「そうですよ。乱太郎くん。私は害の可能性がある存在なのです。そのように近づいてはいけないですよ」
「は~い……」
「伏木蔵くんも。私は危ないかもしれない人なのです。スリルがあると言って近づいてはいけませんよ」
「でも天女様スリルがあって面白い人なのに……」
「お前ら天女は知ってるだろ!もっと警戒しろ!」
「……でも数馬先輩。天女様そこまで悪い人じゃないかもです」
「左近!?本当?」
「はい。僕、一人でトイレの汚泥掃除してるの見ました」
「私も!一人でドブ掃除してたってクラスの子から聞きました!」
「お前ら……」
「二回ほど伊作先輩から治療を受けてるんですけど変なことしませんでしたよ」
「治療!?何があったんだ?」
「ああ、1年い組の伝七の手裏剣が腕に刺さっちゃってね。それで僕が治療したんだ」
「手裏剣が腕に刺さった……!?え、大丈夫なんですか」

 おっと警戒心があっていいと言ったのは撤回しよう。お人よし過ぎる……大丈夫なのか保健委員会……まあ雑渡さんがいるからとんとんなのかもしれないが。

「はい。大丈夫です。もう沁みることもなくなってきたのですが念のため見てもらいに来ました」
「それは……あなたから言ったんですか……?」

 違うよ~~~!!!善法寺くんがまた来週って言うからやむなく来たんだよ!!!安心してね!!!君たちに無理に近づこうとなんてしないから!!!

「違うよ。僕が心配だから来てくださいって言ったんだ」
「そうなんですね……よかった……」

 話がまとまってくれそうでよかった。これなら自己紹介したら自己紹介しかえしてくれるかな?

「申し遅れました。私夢乃と申すものです」
「三反田、数馬です」
「川西左近です……」
「ありがとうございます。みなさんに危害を加えるつもりはありませんし、無理に近づこうとも致しませんのでどうか治療の間だけ耐えていただければ幸いです」
「僕は無理に近づこうとしないならそれでいいです」
「……僕もです」

 数馬と左近の言葉に、夢子は静かに頭を下げた。

「寛大なお言葉、ありがとうございます」

 そのやり取りを見ていた伊作が、ふと思い出したように声を上げる。

「そうだ、薬草の在庫が少なくなっていたんだった」
「えっ、もうそんなに減ってるんですか?」
「うん。この前の実習で怪我人が多くてね。今日、取りに行く予定だったんだ」

 伊作は棚を見やりながらそう言うと、数馬と左近に視線を向けた。

「みんなもし手が空いているなら一緒に薬草取り頼めるかな」
「わかりました!」
「はぁい!」

 乱太郎と伏木蔵が返事をするのを見て、数馬と左近も手伝うことを決めた。
 夢子は一歩下がる。ここは待機だな。

「お邪魔になってしまいますので私はこちらで待機しております。お気をつけていってらっしゃいませ」

 その言葉に、伊作は保健委員会の面々の顔を見た。みな警戒はしているが、怯えてはいない。
 この人は害が少ないと先生方が判断していらっしゃる。それに先日全委員会委員長を集めての報告があった。
『天女を段階的に生徒に関わらせようと思う。無論、まだ監視の先生はいるので心配しなくていい。もし委員会活動を手伝ってもらいたい委員会があれば天女に声をかけるか、事務の吉野先生に声をかけなさい』
 と言った報告だ。
 天女はこれからも怪我をするだろう。学園に残った天女の悪意によって。そのときに天女を手当するものは僕以外にもいてもいいはずだ。
 伊作は咳払いをしてから、天女へと話しかけた。

「天女様も来てみますか?薬草の見分けは覚えておいて損はありませんよ」

 夢子は一瞬だけ目を伏せる。
 行きたい気持ちはある。だが、自分は人を怯えさせてしまう。私が生徒に悪影響を及ぼす可能性もある。

「……いえ、私は」

 断ろうとしたところで、乱太郎と伏木蔵の声が割って入った。

「天女様来ないんですか?」
「行きましょうよ~楽しいですよぉ」

 う”っ!!!可愛い!!!いきたいのは山々なんだが怯え警戒させてしまう私がいたら薬草取りに影響がでるだろう。
 申し訳ないが断ろう。誘ってくれたのにごめんね……

「ですが三反田様と川西様はあまり……」
「……勝手な行動をしないとお約束できますか」

 夢子は顔を上げる。そう言ったのは数馬くんだった。

「はい。ご指示の範囲内でのみ行動いたします」

 迷いのない返答だった。
 数馬はじっと夢子を見つめる。
 その態度、その言葉。どれもこれまで見てきた“天女”とは違う。

 だが警戒は必要だ。

「わかりました。左近、辛くはない?怖かったら僕が断るから」
「大丈夫です。……ちゃんと、言った通りにしてくれそうですし。それに今回の天女様は言うほど悪い人ではないので」

 夢子は静かに頭を下げた。
 よっしゃー!!!天女あるある保健委員と行動ゲットだぜ!!!
 薬草のことはまったくわからないが生き延びるために知識は必要だ。申し訳ないが左近くんと数馬くんに甘えて行動を共にさせてもらおう!!!頑張るぞー!!!

「ありがとうございます。ご迷惑にならぬよう努めます」
「じゃあ決まりだね!行こうか!天女様はこの籠を持ってください」
「はい。ありがとうございます」

 保健室を出て森へ向かう一行。
 木々の間を抜ける風はやわらかく、薬草の匂いがほんのりと漂っていた。

「この辺りに多いはずだよ。見つけたら必ず声をかけてね。毒のあるものもあるから勝手に触らないこと!」

 伊作の言葉に、全員が頷く。

 夢子は一歩後ろに控え、進んでいく保健委員会の様子を見ながら足を進めた。
 しばらく経ったころ。
 あ、薬草これじゃね?これっぽいかも。聞ける人は……近くにいるのは数馬くんしかいないか……
 あっ、やべ、何か知らん葉に小指が触れたらかぶれたんだが。まあどうにかなるやろ。
 よし!腹くくって話しかけよう!

「三反田様、こちらの草は……該当いたしますでしょうか」

 夢子が見つけたのは、淡い緑の葉を持つ草だった。
 数馬が近づき、しゃがみ込む。

「見せてください」

 葉を確認しようとした、そのとき。

「先輩ーこれですかー?」

 横からひょいと手が伸びる。

「待って、それは違う!」

 数馬くんの制止が間に合わず、乱太郎がさっき私が触れていた葉に触れた。

「っ、いた……!」

 乱太郎が手を引いた瞬間、指先がじわりと赤くなっていく。
 まずい。止められなかった!伊作くんを呼ばなければ。

「善法寺様!猪名寺様が!」

 声を聴いた伊作が素早く駆け寄る。

「毒性は弱いけど、かぶれるやつだ……すぐ処置するよ。大丈夫だよ、乱太郎。今水で洗い流して帰ってから包帯を巻こう」

 ほえーじゃあ後で水で洗い流せばいいのか。あとで厠に行くふりして洗い流して来よう。

 一方数馬は、伊作の言葉を聞き背筋が冷えた。
 ほんの少しの判断ミスで、こうなる。
 それが“天女が関わる可能性のある場”で起きた。

 嫌な想像が、頭をよぎる。

 もし、これが毒じゃなかったら。もっと強いものだったら。意図的だったら。
 思考を振り払う。

(……いや、まだ断定するな。それに天女は薬草のことは知らなさそうだっただろ。落ち着け)

 そのとき。

「その必要はありません。布ならこちらでどうにかします」

 静かな声が落ちた。夢子だった。
 びり、と裾を裂く音が響く。

 布がないなら調達すればいいじゃない!!!止められなかった私の責任でもあるしね。足の方の肌着を力任せに引きちぎっていく。
 案外簡単にちぎれるものなんだな。ガタガタになってしまったがないよりはましでしょう。

 数馬の肩がわずかに揺れた。

「ガタガタですみません。こちらでよろしいでしょうか」
「どうして、そこまで……」
「それよりも猪名寺様の方が優先です」
「あっ、はい!」

 落ち着いた声。迷いのない動きで伊作は手当てをしていく。
 水で丁寧に洗い流し、天女が引きちぎった布で覆う。

 数馬は困惑していた。理解はできる。
 でも……何で、そんなに迷わないんだろう。

 普通は躊躇する。まして、自分のものを使うなんて。
 夢子は手当てを終えると、頭を下げた。

「……申し訳ございません。私が止められなかったせいです」
「そんなことないです!私が勝手に触っちゃったせいです……」

 天女のその言葉に、数馬の眉がわずかに動く。
 ……そうだ。触ったのは乱太郎だ。天女が悪いわけではない。
  伊作の声が落ちる。

「……どうして、そこまで」

 夢子は静かに答える。

「当然です。ここでは私が一番年長です。伊作様のほうが保険委員長として知識も経験もあるのは存じております。ですが私がここにいる以上責任を問われるのは私です。私がここにいる以上、“何も起きなかった状態”を維持する責任があります。申し訳ございませんでした」

 何でもないように。それが当たり前であるかのように謝罪した。
 生徒になにかあったら先生が飛んできて打ち首になるかもしれないからね!!!シナ先生にごめんなさいしておいた方がいいかな……

 数馬はその裾を見る。
 ためらいが一切なかった。理解できるようで、理解できない行動だった。

 善意かもしれない。
 だが、それだけで片付けていいのか。
 “天女”という前提が、どうしても離れない。

 ひとつ、息を吐く。これだけは言わなければ。

「乱太郎を助けていただいて、ありがとうございます」
「いえ、私は何もできませんでした。それを言うなら善法寺様に言ってあげてください」

 左近は、そんな二人を交互に見ていた。
 そして、小さく口を開く。

「……あの」

 夢子を見る。
 ほんの少しだけ、さっきより距離が近い。

「乱太郎のために、ありがとうございます……」
「私も!ありがとうございます!天女様!」
「天女様、乱太郎のためにありがとうございますぅ」

 そんなことを言ってくれるなんて!!!私の監督ミスでこんなことになったのに。保健委員会のみんなはいい子たちの集まりだな。……私がいるのがもったいないほどに。

「私は布の用意しかできませんでしたよ。……でも、ありがとうございます。」

 小さい子の感謝の心を折るなんてそんな真似私にはできなかった!!!まじで役立たずだったのに!!!乱太郎くんも伏木蔵くんも左近くんも優しいね!!!変な人についてっちゃだめだよ!!!

 そのやり取りを見ながら、数馬は目を細める。
 さっきまであれだけ警戒していたのに左近が、近づいた。左近から近づいたのだ。

 この人は悪い人じゃないかもしれない。
 だが、そう思う反面、わからないことがある。
 夢子の小指が、わずかに赤くなっているのが見えた。
 さっきの草に触れてしまったのだろう。だが本人は何も言わない。

 ……気付いてないのか?いや、違うだろう。
 ……気付いてて、言わないのか。

 どちらにしても、良くない。

 胸の奥に、小さな引っかかりが残る。
 警戒は、消えない。

 だが危ない人ではないかもしれない。
 それが、今の数馬の正直な結論だった。

 ひと通り薬草を採取し終え、一行は帰路についた。
 乱太郎の手も、応急処置のおかげでひとまず落ち着いている。

「保健室に戻ったらちゃんとした処置をするからね」
「はーい!」

 明るく返事をする乱太郎の横で、夢子は少し距離を取って歩いていた。
 いつものように、出過ぎない位置を保っている。
 万が一伊作くんにかぶれがバレてしまえば何言われるかわからないからね!!!ここは気配を消させていただこう!!!

 その様子を見て、伊作は少しだけ歩幅を緩めた。

「天女様、先ほどはありがとうございました。助かりました」
「いえ、お役に立てたのであれば何よりでございます」

 いつも通りの、穏やかな返答。
 だが伊作は、そのまま言葉を続けた。

「……でも自分のことも、ちゃんと大事にしてください」

 夢子は一瞬だけ目を瞬かせた。
 まずい!!!バレた!!!誰か助けてくれる人いませんか!!!唾つけとけばどうにかなるだろの人!!!居ない!!!そりゃここは保健委員会ですからね!!!居ませんとも!!!
 いやまだ普通の会話として誤魔化せないか!!!???患部に対しての言及がない!!!勝つぞ!!!

「先ほど、指先。赤くなっていましたよね」

 やはり気付いていた。
 バレていたか、と夢子はわずかに視線を落とす。

「問題ございません。軽いものですので」
「そういう問題じゃありません」

 思わず、少し強い声になる。
 すぐに我に返り、息を整える。

「……天女様は、すぐ自分のことを後回しにするでしょう。怪我をしたら、ちゃんと見せてください。僕たちはそのためにいるんです」

 保健委員としての言葉。けれど、それだけじゃない響きがあった。
 夢子は少しだけ困ったように微笑む。

「ありがとうございます。ですが、私は___」

 言いかけて、言葉を飲み込む。伊作が思いっきり目を光らせていたからだ。

「……気を付けます」

 それが精一杯だった。
 伊作はその返事に、ほんの少しだけ眉を寄せる。

 これもだめだったのか!!!何が正解だったんだ保健委員会委員長!!!

 “わかりました”ではない。“気を付けます”だった。

 ……やっぱりこの人は自分を守ることを勘定に入れていない。
 それが、はっきりとわかる。
 しばらく沈黙が続いたあと、伊作は小さく息を吐いた。

「……あともう一つ」
「はい」
「さっきの、責任の取り方ですが。あれは、乱太郎が勝手に触ったんです。全部あなたのせいじゃないんですよ」

 夢子は少しだけ驚いたように目を見開いた。

「ですが、確認を求められた際に適切に応じられなかったのは事実です」
「それでもです」

 伊作はきっぱりと言う。

「全部背負う必要はない」

 その言葉に、夢子は一瞬だけ黙り込んだ。

 簡単に言ってくれるなぁ。伊作くんだって天女を取り巻く悪意に気が付いていないわけではなかろうに。
 悪いことがあったら全て天女のせいになるんですよ。君たちがそうじゃないと言ったところで、どうしようもないんだよ。

 ___でも、その言葉は、ちょっとだけ嬉しかった。

「……ありがとうございます」

 やはり天女は微笑みで返すだけだった。

 その笑みは、優しい。けれどどこか線を引いているようにも見えた。
 伊作はそれ以上は言わなかった。
 言ってもすぐには変わらないとわかっているから。
 ただ、心の中で静かに思う。

 この人は優しい人だ。自分が他人を害さないように距離をとることができ、他人を優先して思いやることができる。
 それは間違いない。

 でもそれはこの人の自己犠牲があってのものだ。このままだと壊れてしまいそうだと見ていて思う。

 それに気付いていないのか、それとも、気付いたうえでやっているのか。
 どちらにしても、危うい。

 視線の先で、夢子が他の生徒たちと距離を保ちながら歩いている。

 近づきすぎず、離れすぎず。
 まるで、自分の位置を決めているかのように。

 ……少しずつでいい。この人が、自分のことも大事にできるようになればいい。そう思った。

 無意識のうちに、そんな未来を思い描いていた。

 保健室に戻ると、伊作はすぐに乱太郎を椅子に座らせた。

「はい、手を見せて」
「はーい!」

 布を外し、状態を確認する。

「うん、大丈夫。軽いかぶれだね。ちゃんと洗ったのが良かったよ」

 そう言いながら薬を塗り、丁寧に包帯を巻いていく。
 その様子を少し離れた場所から見ていた夢子は、ほっと小さく息をついた。

「これでよし。あとはあんまり触らないこと。水にもあんまり付けないようにね」

「はーい!ありがとうございます!」

 元気に礼を言う乱太郎を送り出しながら、伊作はふと視線を動かす。

「……天女様」

 呼ばれて、夢子が顔を上げる。

「はい」
「次はあなたです」
「……?」

 一瞬、意味が分からないという顔をしてみた。これで騙されてくれないか。

「手、出してください」

 静かな声だったが、有無を言わせない響きがあった。

 逃げられなかった---!!!「さっき軽く洗ってきたんで大丈夫です」とは言えない~~~!!!お目目が保健委員会委員長のそれ~~~!!!さっきのでチャラになったのでは!!!関わりすぎじゃないか保険委員会委員長!!!どうしたんだ保険委員会委員長!!!私なんかしちゃったか!!!

 夢子はわずかに迷ったあと、そっと手を差し出す。
 伊作はその指先を取る。

「……やっぱり」

 赤くなった部分を確認し、眉を寄せた。

「これ、さっきの草ですよね」
「先ほど軽く洗いましたので問題は___」
「あります」

 伊作がぴたり、と言葉を遮る。
 夢子の治療拒否再チャレンジもやむなく却下された。
 そのまま水で洗い流し、薬を取り出す。
 さっき軽く洗ったんだけど信用されてないのか……いや怪我隠した私が悪いのかもしれないが。

「少し沁みますよ」
「はい」

 夢子は素直に頷いた。
 薬が触れた瞬間、ぴり、とした刺激が走る。だが、夢子は大人の意地で顔色一つ変えなかった。
 その様子に、伊作の手が一瞬止まる。

 伊作にはわかる。表情筋の力の入れ方、後ろに隠したもう片方の指、わかりやすすぎるほどに我慢してる。

「痛かったら言ってください」
「大丈夫です」
「我慢しないでください」

 少しだけ、強い声になる。
 夢子がわずかに目を瞬かせる。

「これは我慢するものじゃありません。怪我です」

 包帯を巻きながら続ける。

「天女様はさっきもそうでしたけど。自分のことになると、判断が甘いです」

 はっきりと言い切った。
 夢子は何も言えない。

「他の人のことなら、ちゃんと見るのに……どうして自分には同じことをしないんですか」

 問いかける声は、責めているわけではない。
 純粋な疑問と、ほんの少しの苛立ち。
 夢子は少しだけ視線を落とした。

「……優先順位の問題です
 私は天女です。みなさまより重要視される存在ではありません……後回しでも気にかけてくださる方が居るなら御の字でございます」

 私は天女だ。優先されるような人物ではない。
 ……だが、最近みんなと仲良くなって思ってしまうのだ。後回しでも、もし気にかけてくれる人がいるのなら、と。

 その瞬間、伊作の手が止まる。
 ぎゅっと包帯を持つ手に力が入った。

 ……だめだこれは、このままだと、本当に危ない。自己犠牲の精神はあってはならないものだ。

 ゆっくりと息を吐き、気持ちを整える。
 それから、夢子の手をそっと持ち直した。

 ふぁっ!!!伊作くんが手を握ってくれた!!!???おい保健委員会の危機管理能力どうなってんだ!!!もしかして伊作くん筆頭に低いのか!!!???どうした伊作くん!!!
 伊作くんの逆鱗に触れた?そんなこと___
 夢子は思いだす。伊作くんに自分を大切にしていないと言われたあれこれを。
 自分では疑われやすい怪しい天女として最大限怪しさとご迷惑を書けない行動が伊作くんの逆鱗に触れてしまっていたかもしれないということを。
 ……これは……しょうがないか……

「ぜ、善法寺様、距離が近いです。私は害のある可能性がある存在です。もう少し距離を取られては?」
「いいえ。適切です。先ほどの言葉ですがそれは違います。優先順位の問題じゃありません」

 一度、言葉を選ぶように息を置いて。

「怪我をしたら、処置をする。それだけです。天女かどうかは関係ありません」

 感情を抑えているのがわかる声が少しだけ、強くなる。

「目の前で怪我をしている人を後回しにする理由にはなりません」

 結び終え、手を離す。

「これで終わりです。水に触れすぎないようにしてください」

 いつもの調子に戻った声。
 だが、その言葉の重さは残っている。

 夢子は自分の手を見つめた。
 丁寧に巻かれた包帯。
 少しだけ温かい、手。

「……ありがとうございます」

 夢子はいつもの礼をして保健室を出る。
 そうして保健室はいつもの静寂な空間に戻った。

 夜。夕餉を食べ終えた後の6年は組の部屋は、いつもより静かだった。

「失礼します」
「どうぞ」

 伊作が顔を上げると、そこに立っていたのはシナ先生だった。

「少し、お話よろしいですか」
「はい」

 留三郎は衝立を立て、読書をし始めた。

「本日の件で確認があります」

 まっすぐに、伊作を見る。

「天女様が一年生の猪名寺乱太郎くんに怪我をさせてしまいました。監督責任です、とご本人が仰っていたのですが、何か、ありましたか?」
「そんな!違います!」

 間髪入れず。
 強い否定だった。
 衝立の向こうで、息を呑む気配がする。

「怪我をしたのは乱太郎が不用意に触れたからです。天女様が原因ではありません。僕の責任です」

 言葉を選ぶ様子はない。
 事実を、そのまま並べていく。

「天女様は止めようとしていましたし、実際に止めきれなかっただけです。あれを“させた”と表現するのは不適切です」

 淡々としている。だが、はっきりとした線引きがある。
 シナは少しだけ目を細めた。

「ですが、ご本人はそう認識しているようですが」
「それも違います」

 即答だった。

「“そう認識している”んじゃないです。天女はどうやら“そういう前提で動いている”だけのようです」

 空気が、わずかに張る。
 衝立の向こうで、留三郎が息を潜める話に聞き入っていた。

「……どういう意味ですか」

 シナの声は変わらない。だが、興味が乗った。善良なあの子を少しでも理解出来たら、と思った。
 伊作は一度だけ息を整える。

「天女様は“何かあれば自分の責任になる”前提で行動しています。だから、実際に原因かどうかは関係なく、責任を引き受ける
 ……あれは事実の報告ではありません。あれは自己犠牲に基づく行動です」

 静かに言い切った。シナは数秒、何も言わなかった。

 その沈黙は重くない。
 “整理している”沈黙だった。

「では、あなたはどう見ていますか」
「怪我は事故です。責任の所在は乱太郎本人の判断ミスです。天女様の関与は“現場に居合わせた”以上でも以下でもありません」

 ここで初めて、わずかに声が強くなる。

「少なくとも、“危害を加えた”という評価にはなりません」

 きっぱりと線を引いた。
 シナはその言葉を受け止める。

「……なるほど」

 小さく頷く。
 だが、そこで終わらない。もし、この言動が本心だとしたら、あの子の味方が増えるということなのかもしれないから。

「ではもう一点。伊作くんは、天女様の行動をどう評価しますか」

 試すような問いではない。
 純粋な確認。
 伊作は少しだけ考えた。

「他人を優先する姿勢が強すぎます。先ほども言いましたが自己犠牲が強いです」

 それは肯定ではない。
 だが、切り捨てでもない。

「だからこそ、なおさら危ういと思います」

 シナはその言葉を受け、わずかに目を伏せた。
 ___やはり。この子は、天女としてではなく“一人の人として見ている”。

「ありがとうございます。状況は把握しました」

 すっと一礼する。

「報告と照らし合わせ、判断材料とさせていただきます」
「はい」

 短いやり取り。だが、十分だった。
 シナは踵を返す。
 襖を開ける前に、ふと足を止めた。

「……善法寺くん」
「はい」
「あなたは、あの方をどう思いますか」
「……患者です」
「___ありがとうございます」

 それだけ言って、部屋を出て行った。
 襖が閉まる。
 伊作が息をつくと衝立の向こうの同室が声をかけてきた。

「……おい伊作。お前、天女に誑かされてるんじゃないか?」
「聞いてたのかい、留三郎」
「普通に気になるだろ」

 伊作は小さく息を吐いた。

「……事実を言っただけだよ」
「いやいやいや、“患者です”はだいぶだろ」

 苦笑する留三郎。
 伊作は少しだけ視線を落とす。

「……怪我をしている人間を、そう呼ぶのは当然だろう?」

 それだけ言った。
 留三郎はそれを見て、少しだけ笑みを引っ込める。

「……まあな」

 軽く頷く。

「今日、なにがあったんだよ」
「それがね!天女様が……ああ!」
「ど、どうした伊作!」
「天女様の腕の包帯を取り替えるの忘れてた……不運だ……」
「ま、まあまあ。一日二日くらい大丈夫だろう。天女もバカじゃないんだ。勝手にどうにかするさ」
「どうにかするって!留三郎!あの人の自己犠牲を舐めちゃいけないよ!今日ね!___」

 夜はこんこんと更けていく。
 伊作は、天女の自己犠牲の危うげを語りながら布団の上で天井を見上げる。

 あの人は、自分が“放っておかれる側”であることに慣れすぎている。
 それが、どうしようもなく引っかかった。

 明日、もう一度見に行こう。
 今度は、見逃さないように。

— End —

Comments 23

ろ⁉️7 天前

夢野表記が夢乃になっており、名前が変換できていないことが多々あります😭失礼かつ不躾なお願いで申し訳ないのですが、どうか表記にお心遣いいただきたいです。作品自体がとても好きなのでこのまま読み進めていくことももちろん楽しいのですが、そうなれば良いなと思ってしまいました。

龍龍9 天前
Sticker
すてら27 天前
Sticker
S
sound1 个月前
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都咲1 个月前

最高です……😭👍🏻

ゆじ1 个月前
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イルカ1号1 个月前
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ぐみを1 个月前

更新‼感謝‼😭夢主の、患部への言及がない‼勝つぞ‼💪😠💦からの伊作君に即バレで即落ち2コマな光景に笑ってしまいました😂✨夢主の自己犠牲が強く何かあれば天女である自分のせいに持っていくのがもう切なく苦しく…😭また伊作君や5年生との接触も拝見してみたいです…😳

ゆきぃち1 个月前
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水無月1 个月前
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Sakuria
Where every work blooms
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