前提
超かぐや姫!の本編後の二次創作。かぐやとヤチヨの二人にボディがあるIF設定です。一応続きですが、この話だけでも楽しめます。
◆
「彩葉ー、この紙なにー?」
休日。
リビングでヤチヨと次の歌配信で歌う曲をリストアップしていた時、二階からかぐやが紙の束を持って現れた。
それは、かぐやとヤチヨのボディを作成していた時期に、私が設計図の元として描いたラフ画だった。
「どこから引っ張り出してきたんだおまえ」
「彩葉の机だけど」
「当然のように荒らすな……」
「え、彩葉すごい! 絵うま!」
「あ、ちょっとヤチヨ、それ見ないで……」
「えー、いいじゃーん……あれ、これはちょっと今と体型違うね?」
「本当だ……あ、ねぇねぇ彩葉、今の私たちを描いてみない?」
「いいね! 描いて描いて!」
「えぇ……なんでそうなるの……まぁ、ラフスケッチくらいなら……」
かぐやとヤチヨは顔を見合わせてニヤリと笑う。
次の瞬間、二人はバサッと服を脱ぎ捨てて、全裸のまま私の目の前でポーズを決め始めた。
「ちょっ……なにして!?」
「ほらほら、早く描いてー!」
「スケッチは全裸なんだから、それに合わせたんだよ~☆」
「ふ、ふふふふ、服着ててもいいでしょ……!」
「えぇ~彩葉はかぐやの裸描きたくないの~?」
「描きたいかたくないかって話じゃなくてですね、ちょっと直視できないと言いますか……」
「ほらほら、はやく~ヤチヨたち風邪引いちゃうよ~」
熱烈ラブコールが一生止まないので、私は諦めて、鉛筆と、紙束から白紙のものを二枚手に取った。
◆
シャ、シャ、と鉛筆が紙を走る音だけがリビングに響く。
しかし、そんな静寂が長く続くはずもなかった。
「……ねえー、まだー? 飽きてきたんだけど」
開始から一分も経ってないが、早くも飽きてきたかぐやがモゾモゾと動き始めた。
そして、隣でポーズを取っているヤチヨの脇腹を、ツンッと突っついた。
「ひゃうっ!?」
「ひゃうだって~、うひひっ、そりゃそりゃっ」
「クソガキすぎるだろ。やめぃ」
ヤチヨは脇腹を突かれて、バランスを崩し、床に倒れ込んだ。
元々ヤチヨは体幹が弱い。
「あははっ、ヤチヨ弱すぎー」
「もう! 邪魔しないでよ」
ヤチヨは体勢を立て直し、再びポーズを決める。
かぐやは再びヤチヨの足元を狙って、今度は足を伸ばしてきた。
だが今度はヤチヨがそれを察知し、お尻を引いて避けた。
「わっ!?」
勢い余ったかぐやが、今度はドテッと床に転がる。
「やったなぁ〜!」
「自業自得なのです」
二人はお互いを小突き合う小競り合いを始めてしまった。全裸のまま。
「ちょ、こら、二人とも動かないでよ……あーもう! はい、できた!」
私は急いで残りを描き上げて、ラフスケッチを二人に見せる。
「お~! 見せて見せて〜! ……あれ?」
スケッチブックを覗き込んだかぐやとヤチヨが、不思議そうに首を傾げた。
「え~、かぐやの方は綺麗なのに、なんでヤチヨの方だけ雑なの〜?」
「うん。何か線が迷ってるっていうか、ぼやけてるっていうか……?」
「や、だって……」
私は視線を逸らし、ボソッと呟いた。
「……推しの裸体直視するのは、流石に……」
「「今さら!?」」
全裸の二人から、見事なハモリのツッコミが入った。
「そもそも、この体作ったの彩葉だよ? 夜も一緒に寝てるし……」
「メンテの時にも何度も見てるじゃん! 一緒にお風呂にも入ることあるし!」
「い……いや、だって、いつもはほら、暗いから……電気消してるし、お風呂は湯気があるし……こんなど真昼間の明るいリビングで、じっくり観察するのは違うっていうか」
私が必死に言い訳をしていると、かぐやが何かを思い出したようにポンッと手を打った。
「……そういえば、前にヤチヨが玄関前で全裸になったとき、彩葉それ見て鼻血出して気絶してたよね」
「あー、あったねそんなこと……ってことは?」
かぐやとヤチヨは顔を見合わせ、ニヤッと意地悪な笑みを浮かべた。
「彩葉、今、結構いっぱいいっぱいなんじゃな〜い?」
ヤチヨが全裸のまま、ニヤニヤしながら私ににじり寄ってくる。
「ち、ちが……来ないで! 服着なさい!」
私はヤチヨが近づいてきたのと同じ分だけ、ズルズルと後ずさりする。
だが、背中にドンッと柔らかな感触が当たった。
「逃がさないよー」
「いつの間に!?」
背後に回り込んでいたかぐやが、私の逃げ道を塞いでしまった。
そして、前からヤチヨが覆いかぶさってくる。
「「かぐやサンド〜!」」
「〜〜〜〜ッ!?」
前門のヤチヨ、後門のかぐや。
二人のボディに密着され、視覚と触覚と嗅覚が二人に支配される。
私の脳は許容量を超えた。
「ぶっ」
「「あ」」
私の鼻から赤い液体がツーッと垂れた。
「うわっ、やりすぎた! ご、ごめん彩葉! ティッシュ、ティッシュ!」
「あわわ、え、えっと、そ、ソファいこ! あ、触らないほうがいい……?」
二人が慌てて私から離れ、ティッシュボックスを持ってきて私の鼻に詰める。
私は鼻にティッシュを詰めたまま、真っ赤な顔で俯く。
このままやられっぱなしで終わるのはちょっと悔しかったので、ポツリと呟く。
「……今後は、服を脱ぐのは暗くなったらにしてね……」
「「えっ」」
私の一言に、今度はかぐやとヤチヨの顔が赤くなっていた。
ふと床を見ると、二人が暴れたときに散らばったラフスケッチが、宙を舞って二枚重なり合うように落ちていた。
うん。今夜は、ちょっと楽しい夜になりそうだ。
























いけっ!今度は彩葉をひん剥いてデッサンするのだ!