蒼色の任務編
2097年4月20日12時00分 ダストウォール1番街:出版社ノヴァ・メイカー
表向きは一般的な出版社だが、内情は財団X上層部がブルーバードや制圧部隊のサポートのために保持しているビルの一つ、使用許可書などは必要なく財団X所属と言う証明書さえ提示すれば職員は誰でも使用できる。
11階の第二会議室、一人はグレーのコートとスーツに身を包み、もう一人はスプリッター迷彩の戦闘服を身にまとった男性が窓の外を眺めていた。
「Seriously, even though it's an emergency summons, what on earth is going on, Void?」(全く、緊急招集とはいえ一体全体何なんだろうなヴォイド)
「Well, even though Melt introduced us, this is our first time coming into contact with that thing, Accel.」(まぁ、メルトの紹介とはいえ俺たちもアレと接触するのは初めてだからなアクセル)
「I wonder what kind of guy Bluebird is.」(どんな奴なんだろうなブルーバードってのは)
雑談を交わす二人の背後にある扉が突然開いた。
「Well, let's start with an introduction.」(まぁ、まずはご挨拶からだな)
アクセルとヴォイドが振り向くと、そこにはいつも着用しているように全身を蒼一色のスーツと仮面に身を包んだブルーバードが立っている。
「Sorry to keep you waiting, Mr.Accel and Mr.Void.」(お待たせしましたアクセルさん、ヴォイドさん)
「I'd heard about it from Melt, but Bluebird, you're dressed in a pretty eccentric outfit. Did you just come straight here from your mission?」(メルトから話は聞いていたが随分と奇抜な格好だなブルーバード、任務終わりでそのまま正面から来たのか?)
「No, just to be safe, I used my ID card to take the elevator from the underground parking lot, and I left the cleanup of the mission to Melt and the others... We can't start the meeting standing, so please sit down first.」(いえ念の為にとIDカードを使って地下駐車場からエレベーターで、任務の方は後始末をメルト達に任せてきました・・・立ったまま会議は始められないのでまずは座ってください)
二人が腰掛けると同時にブルーバードは数日前メルトに見せた資料のコピーを配り始めた。
会議の内容としては、かつて壊滅させたライラックグループが遺した負の遺産と予想される化学薬品と陸軍の装備品を積んだ貨物強奪、そしてブラック・ハートがテロ行為を行おうとしている可能性。
「This is still just something happening behind the scenes and not guaranteed to happen, but they could make their move at any moment.」(あくまでも、まだ水面下であり絶対に起きるとは限らない話ですが連中はいつ行動を起こしてもおかしくないです)
「Even so, surely they can't just withhold such valuable information from upper management who are unaware of this fact, right?」(だとしても、この事実を知らない上層部にこれほどまでに貴重な情報を共有しないわけにはいかないだろう?)
「No, this information will only be shared among those of us present here, including Melt.」(いえ、コレはメルトを含めて今この場にいる私達の間でのみ情報を共有させていただきます)
「...I'm sorry to butt in, but are you talking about the 'spy' story Melt was talking about? Bluebird」(・・・横槍を入れるようで申し訳ないけれどメルトが話していた『スパイ』の話かい?ブルーバード)
ブルーバードはゆっくりとヴォイドからの質問に頷いた、反対にアクセルは頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
「Both Melt and I are aware that there are individuals within the organization suspected of being spies, but we still don't know who the spies are or how many there are.」(あくまで私もメルトもスパイ容疑のある人物が内部にいるのは把握しているのですが、一体誰がスパイで何人いるのかまだ判明していません)
「Didn't you ever consider that either I or Accel might be a spy?」(俺かアクセルがスパイかもしれないとは考えなかったのか?)
「If you two were spies, I'd be a lifeless corpse by now. Besides, if you were spies, you wouldn't help the person you're supposed to eliminate, would you?」(もしもお二人がスパイだったら今頃私は物言わぬ骸になっていますよ、それにスパイだとしたら始末すべき相手に手を貸したりしないでしょうし)
「Bluebird has a point, but what was the main reason we were called here?」(ブルーバードの言うことも一理ありますね、ですが我々がここに呼ばれた一番の要因は何でしょうか?)
「Now, let me get back to the main point. We've come here because Melt and I have a personal request for you both.」(では改めまして本題に入らせていただきます、お二人には私とメルト二人の個人的な依頼を聞いてもらいたいからここにきました)
ここでブルーバードは深く息を吸い、依頼内容を発表した。
「We have come to ask for your cooperation in joining the "Anti-Black Heart Destruction Squad" and in the "Azure Mission."」(私達と共に『対ブラック・ハート壊滅部隊』への加入、及びに『蒼色の任務』の協力をもらいにきました)
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同時刻 ダストウォール市内、某所
真っ暗な部屋の中でヘッドホンを耳に押し当て、その人は集中していた。
「電波は悪いが・・・ブルーバード達がなにを考えているかは概ね見当がついた」
ノイズ音しか流れなくなったヘッドホンを外して、その人は机に置いてある一枚の写真を手に取った。
「しかし、お前達にはあの方の立てた計画は崩せない」
そう言い放つと、手に取った写真を机に置き直すとカッターナイフを突き立てた。
そこに写っていたのはブルーバードとメルト、そしてウィルをどこからか盗撮した写真だった。
