ワームドレザーが耳を広げるとチルチャックの前にイヅツミが守るように出る。
「イヅツミ!?」
「獣人の娘ごと吹き飛べ!!」
風を起こしてイヅツミを吹き飛ばそうとしたがイヅツミの爪で裂いて風を消した。
(この獣人の娘…魂が2つの気配?あのブルガの作った合成魔獣と似ているが…まさか)
「拙者の攻撃が効いていない!?」
「ほらかかってこいお前らなんて私一人で十分だ」
イヅツミはそう言うとバックベアードが光線を放ったがそれを簡単に避けた。
ドガン!ワームドレザーの体当たりがイヅツミの体にぶつかる。
「貞宗殿!」
「よくやった。《デュアル・スマッシャー》」
バックベアードの目からリング状の光線を放った。チュチュはチルチャックの手首をつかむ。
「おい!?チュチュ!」
「しっかり掴まってろよ!」
チュチュの怪力でチルチャックを背負うと建物の中に隠れる。
イヅツミは体当たりされて体がまだ宙に浮いたままであった。
「チィ!」
地を蹴ると体をひねり小刀でバックベアードの攻撃を防ぐがイヅツミの全身に傷が入る。
傷は浅い。だがもう一度受ければタダでは済まないだろう。
「おや?一人で十分と大層なことを言っていたが、我と市川殿の息のあった連携の前に一体どれくらいで折れるか見物だ」
「ククク!さぁどうする?獣人!!」
チルチャックはチュチュと一緒に建物に隠れながらイヅツミを心配していた。
「なんでイヅツミは俺達を助けてくれるんだ、会ってそんなに経っていないのに」
「そんなの決まってるだろ、チルチャック」
「なんだよ…チュチュ」
「死なせたくねぇ…だろ?」
「チュチュ…お前」
チルチャックは頷くと建物から二人が出てくるとチュチュは石ころを見つけて投石した。
ゴン!っとワームドレザーに当たると「なんだ?」っと振り返るとチュチュの蹴りが当たる。
「グワッ!?」
「チュチュ!チルチャック!」
「追いかけなくて済んだ。ここで獣人の娘と共に散れ!」
「悪いけど…あ〜しは往生際が悪いほうでね!」
「イヅツミを!置いていけるか!目玉親父!」
バックベアードが光線を放つ準備する。するとライオス達が現れる。
「チルチャック無事か!何処に行っていたんだ!心配をしたんだぞ!」
ライオスはそう言うと表情が少し青ざめ顔色が悪かった。センシ、マルシル、ファリンが二人の様子を見守る。
「ライオス…いまのお前の心中は察するに余りある。ファリンを助けて地上に戻る。それで地上に戻ると思った。けどライオスはあの祠について調べたいとわかっていた」
「あ…」
ライオスはチルチャックの泣いてる顔を見て驚いた。
「あの祠の事を知れば地上にいるマキマ達に追いかけられる。必ず誰か死ぬ、頼むライオス!祠を調べるの諦めて地上に戻ろう。俺はお前達を失いたくない!」
「チルチャック…あの祠を調べたい」
「まだそんな事を!」
チルチャックは涙を拭き取る。ライオスは先程の表情と違う。
落ち着いて優しい顔を浮かべていた。
「聞いてほしいチルチャック、あの祠はシュタルクやクロエ達がどうしてこのダンジョンにいや…どうして喚ばれたのか、その答えが判る、マキマ達の目的も!あの祠を調べさせてほしい。チルチャック!危険になったらすぐ逃げる、絶対に死なないように心がける」
「兄さん…!」
「心配させて悪かったチルチャック」
ライオスはそう言うとチルチャックは頷いた。
「うん」
バックベアードは二人の話を邪魔せずに待っていた。話終わると目玉がギョロと動いた。
「最後に言い残す話は済んだか?トールマン、ドワーフが増えたところで勝てまい」
「マルシル!センシ!ファリン!チルチャック!イヅツミ!全員で行くぞ」
「「おう!!」」
ライオスが掛け声と同時に全員が動き出すとバックベアードの《デュアルスマッシャー》が放たられた。
「どりゃ!」
センシの鍋がデュアルスマッシャーを弾いた。
「アダマンタイト製の鍋!?貞宗殿の技を頑丈な鍋で防いだと!?」
「兄さん!」
「ハンマーだと!ぐわ!?」
ファリンがモーニングスターを振り回してハンマーを投げる。バックベアードの体を叩きつけるとフラフラとバックベアードはひるむ。
「ナイス!ファリン」
そのスキを逃さないチルチャックは弓を持ち矢を放った。
「弱点はそこだ!イヅツミ!!」
「任せろ!」
チルチャックの放った矢がバックベアードの頭に突くとイヅツミがクナイでバックベアードの触手を斬っていった。
マルシルが杖を前にだした。
「バックベアード!長生きの魔物!私よりも年上!?」
「なに?エルフの娘いくつだ?」
「えっと…50…ちょっと!レディに年齢聞くな!」
バックベアードに怒るマルシル。
炎が渦巻くとバックベアードがマルシルの顔を見て少し驚いた。
「アースラー!」
「あのエルフ…子供か!やりたくもない相手を任せられた!!」
バックベアードの体中で爆破が起きる。ライオスは爆破を利用して吹き飛ばされると剣でバックベアードの体を切り裂いた。
「もしかすると…これは…食える!」
「あの大食いの子供に似ている。だが剣術はそれ程ではない。だが…」
《ライオスパーティ・コンビネーションアタック》
息のあった連携攻撃を繰り出す強力な技であろう。
(息のあった連携、獣人の娘が水を得た魚のように動きがまるで違う。羨ましい程だ)
バックベアードは起き上がるとライオス達の後ろからディランザが現れる。
魔術師ブルガが現れるとディランザの手に鉄カゴに囚われたチュチュ達の仲間を見せつける。
「オホホホホ!ネズミがこんなに沢山捕まえた!!」
「魔術師!仲間を返せ!」
「大人しくしていれば、返してやるとも、貞宗殿、ワームドレザーこやつらを捕まえろ」
「クゥ!ブルガなんという恥を…戦いに泥を塗りおって」
ワームドレザーは舌打ちして少し怒りをみせていた。
バックベアードは目玉を動かしてライオスの方に寄る。
「ホントに羨ましい…あのブルガは国司殿と同じ人間をみていない、許させはしない」
「バックベアード…」
「オホホホホ!!さぁディランザ二人いや?三人ほど落とせ」
「やめろぉぉ!!」
センシがブルガに止めるように言って叫ぶがディランザは鉄のカゴからトールマンの子供を空に放り投げた。
「まずいぞ!?ここからでは助けることは出来ない!」
センシがそう言うと投げ飛ばされた子供は地に衝突する寸前で黒髪の少女に助けられた。
「よかったギリギリでした」
「でかしたぞクロエ!」
「ク…ク…クロエ!?まさかギルドアズマもここに来てる!?」
「ん?あなた誰ですか」
「え?覚えてない…うそ、まさかこやつ…」
ポカーンとブルガは停止するとバックベアードがディランザの持っていた鉄のカゴに光線を放ち鉄カゴが落ちる。
「今行くぞ!!」
「わぁ!?」
「防御魔法展開!!」
センシとマルシルとチルチャックの三人が鉄のカゴを受け止めると中に入っていた子供達は怪我はなかった。
「ファリンお姉さんありがとう!」
「ファリンのアネゴ!」
「みんな無事でよかった…」
ファリンの防御魔法で怪我はしなかった。イヅツミはバックベアードを見る。
「どうして助けた?目玉おやじ」
イヅツミの質問を聞かずにバックベアードはブルガに近づいた。
「フン!先程のハーフフットの矢の攻撃で深傷を負った。ブルガ殿さきに撤退させていただこう、マキマ殿の報告は私にお任せください」
「待ちなさい!?貞宗殿!ワームドレザー!」
バックベアードとワームドレザーは転移魔法の床に行くと姿を消した。
ディランザが光線にぶつかり爆発した。ディランザとはまた違う鉄のゴーレムが現れる。
「デミトレーナー!ニカ!!」
「チュチュ!おまたせ!!途中でディランザの集団に襲われたけどこの方達に助けてもらったの」
「ディランザの集団を倒した?」
デミトレーナーの周りに少年少女達の姿を現す。青年やおじさんなど様々な種族の姿もあった。
「ライオス様、マルシル様、ご無事ですか?」
「生きているか!みんな」
「フェルン!シュタルク!無事でよかった〜」
マルシルは安心すると家入硝子は五条悟、夏油スグルと三人並ぶ。
「しょうこちゃんは子供の確保を優先、サトルとボクは魔術師の相手をする。キルコちゃんは、しょうこちゃんを護衛マル君はディランザをかく乱を頼む」
「了解!アニキ!」
「しょうこさんのことはボクに任せて!」
ブルガはディランザを呼ぼうとしたが、ディランザの首が建物に当たる。
「フン!呼んでも無駄だぜ!」
「伊之助と俺達が倒したからな!ヒャハハハ!!」
「むきー!こうなったら召喚魔法で片付けてあげるわ!!」
伊之助とデンジがブルガに向かって笑うと巨大魔獣が現れてデンジ達のいた塔を壊した。
「なんだ?悪魔か?」
「鬼か?」
獅子の頭と虎の頭、蛇の尻尾と天使の羽であろうか、4足歩行しながらデンジ達を襲う。
「召喚!【合成魔獣ガリュー】!やぁ〜ておしまい!」
「術式反転…赫!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
呆気なくブルガは吹き飛ばされると召喚した魔獣共々爆発してダンジョンの天井を突き抜け空に飛んでいった。
デミトレーナーから降りるニカ。
チュチュはニカにグーでニカもグーでハイタッチをする。
フェルンとシュタルクがライオス達のところに向かう。
「ライオス無事か!」
「俺は大丈夫だけど、シュタルクのほうが怪我をしている」
「あぁ、魔族と遭遇してよ、強かった…俺ぜんぜん歯がたたなかった」
「シュタルク様は血塗られし軍神リヴァーレと戦ったですが、呪術高専の方々が助けて頂いたのです」
「軍神リヴァーレ…聞いたことないな」
マルシルとチルチャックとセンシが青ざめた顔をしていた。
「おいおい!大魔族リヴァーレじゃあねぇか」
「魔法学校で聞いたことある、ヒンメル勇者でも苦戦したって」
「よく生きて帰ってこれたのが幸いだ。シュタルクそれで助けてくれた呪術高専とやらは?」
「いや、呪術高専ともう一人いるんです」
「呼んだか、シュタルク」
シュタルクがそう言うと遠くからカランコロンと響いた音がきこえた。
「下駄の音?」
マルシルがそう言うと奥の闇から瞳が視えた。白髪の青年がみえた。
「ワシをここに呼んだのは飯を食べさせてくれるのか?シュタルク」
「ゲゲ郎様、食事はまだです」
「その呼ばれ方は、こそばい。フェルンちゃん」
「俺はライオス、シュタルクを助けてくれてありがとうございます。ゲゲ郎さん」
ゲゲ郎は周りの者達を見て興味津々のようだ。
「助けた訳ではない。ただあの者とは知り合いでのう、今回ばかりはワシの顔をたてて見逃してくれたんじゃ」
「ボクも礼を言わせてくださいゲゲ郎さん」
夏油スグルはゲゲ郎に感謝の言葉を伝えると五条悟が微笑む。
「俺達が二人がかりであのオッサンに勝てたけどな、今度会った時はボコボコにしてやるよ!」
「ふふ…面白い人間だ」
ゲゲ郎がそう言うとお腹を鳴らす音が聞こえた。近くにいたモチヅキが食べたそうな表情をする。
「そろそろ食事の支度をしよう、くわしい話は食事中でもしよう」
「賛成ですセンシ様!」
「それがいい米はあるかな」
「ゲゲ郎様、お米はクロエが出してくれます」
「そうか…ふふ!楽しみだ」
ゲゲ郎は笑顔を見せると仲間を全員集めて食事の支度をはじめた。
日本 東京公安SSペイル局
暗黒空間の中をくぐり抜けマキマは広い部屋でモニターにライオスパーティの戦っている映像を見ていた。
その広い部屋にノームの夫婦が座っていた。
「あのバックベアードが冒険者にやられた一体何者だ!?」
漏瑚「じょうご」はそう言うとマキマはタンス夫妻に近づいた。
「あれがクロエギアの力なのでしょう。タンス夫妻この者達をご存じでしょうか?」
「しらん…」
「カカ…キキは無事でしょうか、二人にあわせてください」
タンスの妻ヤーンがそう言うとマキマはテーブルに手をおいた。
「二人は無事です。ただ私の質問を答えていただければすぐにお会い出来ます、もし答えない場合は」
「小娘?言葉には気おつけろ、あの子達に手を出してみたまえ、タダではおかん!」
「全くノームは気が強いばかりですね」
暗黒空間から現れた老人がそう言うとマキマは頭を下げた。
白髪に細い目と大きな目を動かしてタンス夫妻の動きを見ている。
「真戸呉緒先生お久しぶりです」
「おぉ!マキマ君、久しぶりだ。CCG本局で共に過ごした貴重な時間は今でも覚えている」
「先生もお元気そうでなによりです」
「本局も公安と共同で参加することになった。これまで邪魔してきた悪魔達を一人残らず倒そうではないか!」
真戸呉緒がそう言うと漏瑚が苦みつぶした顔をする。
「けっ!人間ごときが悪魔に勝てると思えないな」
「1つ目の化物?ではわたしが相手をしようか?君を倒すのに一分もいらない、ダハハ!!」
「キサマァァァ!!無事で帰れると思うなよ!!」
真戸呉緒と漏瑚が戦闘に入ろうとした瞬間に暗黒空間から4人の魔女が現れる。
「熱くなるのもよいけど、その前にライオスパーティをどうするかでしょう」
「魔女!?」
「これはこれは〜スポンサーを受けて頂いた新生SSペイル局の皆様!とんだお見苦しいところをお見せした。謝罪させていただこう」
「ふふ…構わないわ」
ゴルネリがそう言うとニューゲンがモニターの映像を見る。
「宝石の娘も気になるけど問題は復活した最強の戦士と北条時行の問題よ、あれ野放しにするのは」
「大丈夫です皆様」
マキマはそう言うとモニターに映された映像にゲゲ郎の姿にマキマは微笑む。
「用心棒で対処すれば、よろしいかと思います。ニューゲン、ネボラ、ゴルネリ、カル今日はお集まりしていただき感謝します」
「GUND技術の事なら私達に任せてマキマ」
「新しいSSペイル局新しい風が吹いてる」
4人の魔女達がそう伝えるとタンス夫妻は暗黒空間の方に逃げ込む。
漏瑚「じょうご」は追いかけないのか椅子にダランと座る。
「タンス夫妻が逃げたぞ」
「構わないわ。あの夫婦を追跡すれば、いずれクロエ達に会える、それに」
「それに?」
マキマはカーテンを開けると東京の街が見えた。この複雑な迷宮をタンス夫妻が脱出出来るか、マキマは悪意に満ちた笑顔をする。
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます!
エミリアとクロエが暮らしている異世界のお話はノベルアップ+で公開中
「異世界転移して元の世界に帰れないのでここで生活を始めます」星野アイと会うまえもアイドルとして活躍中!エミリアの活躍もしよかったら読んでみませんか?
葬送のフリーレン2期が発表されてとても嬉しいです。






