Novel1 years ago · 977 chars · 1 pages

午前2時

雨宿り雨宿り

SS

暗闇に秒針の音だけ響く。
ホソクは目の前の広い背中を闇に慣れた目で見つめた。
広くて、安心する彼の背中。
縋るように触れる。
ユンギはすぐ気づくと、振り向いた。闇夜にきらめくホソクの瞳に気づき、頬を撫でた。
「どうした?」
「...寝れない。」
ユンギはホソクの額の生え際をなぞり、「不安で?」と尋ねる。
「...ううん。わかんない。」
「......そうか。寝たいのか?」
ホソクは微睡むように目を伏せた。そしてはっとユンギを見上げ、「ヒョンと一緒にいたい」
と告げた。
「いるだろ。ここに。」
「ううん。いるけど。遠いの。」
ユンギはフフ、と笑ってホソクを引き寄せた。隙間ないくらいに、お互いの鼓動が響き逢う程、近く。
「あったかい」
「俺は代謝いいからな。お前はいつも手が冷てぇ」
「うん。」
項に手を当てて撫でる。
「ずっと一緒にいようね。ひょん。」
ユンギはそれには答えずにホソクの肩口に鼻先を擦り付けた。服越しに伝わるホソクの素肌。
「恋人ができてもさ、子供が出来ても、ヒョンと踊って歌いたい。」
「......あぁ。」
肩を抱きしめ、腰を撫でる。
「笑うのも、泣くのも、ひょんとじゃなきゃ嫌だよ」
「ハハ。お前はいつまでも兄離れしねぇな」
「ヒョン...」と不安げにホソクがユンギの腕の中で顔を上げる。
「わかってる。俺もお前がいねぇとダメだよ」
微笑みながら額を合わせる。
ホソクはしばらくユンギを見つめ、そして瞼をゆっくりと下ろした。ゆるやかに上下する胸。

寝たのを確認すると、ユンギはおもむろにホソクの首筋にキスを落とした。

ユンギは溢れてくる思いをため息とともに吐き出した。
ホソク、俺はお前をどうにかしたくてたまらないよ。
兄弟愛ともとれないこの感情にどう名前を付けようか。
サランヘヨじゃ伝わらない、果てしなく遠くて深い思い。だが報われないと確実に分かる思い。
いっそ死んでしまいたい。
ありがとうホソク。そしてごめん。お前と共に居ればいるほど、俺は蝕まれて焦がしていく。
いつかそれが頂点に達した時、お前を穢してめちゃくちゃに壊すんだろう。
もうお前を弟として見れなくなっちまった。
もう俺をヒョンと呼ばないで欲しい。

これを愛と呼べたならどんなに幸せだろうか。

ユンギはそっとホソクから離れ、静かにベッドから消えた。

— End —

Comments 0

No comments yet
Sakuria
Where every work blooms
Click anywhere to skip