※注意※
何番煎じだろうと気にしない、降谷さん逆行ネタです。
以下の注意点が含まれます。
・安定の赤井絶対殺すマンな降谷零
・今度は工藤一家を引き込みたいという思惑から、工藤家に接触する気満々
・まだまだ出てくるのは先だけれど、主人公含めいろんなキャラを懐柔していきます。
・原作の通りには多分進まない
・逆行したら変態ホイホイにクラスチェンジ
・若干の腐向け要素がのちのち入ってくるでしょう(その時は腐向けタグつけます)
一番の注意点は、若いころや幼少期に、逆行零くんと接触した主要キャラの性格が恐らく原作と乖離が発生することでしょう。
出会いのタイミング、順番によって受ける影響はだいぶ変わりますし、唯一の記憶持ち逆行零くんが自分に都合よくなるよう変えていく気でいるので。
つまりは降谷零による、降谷と大事な人と日本に都合がよくなるように原作主要キャラを攻略()していくお話です。
はい、嫌な予感がした方はお逃げください!
逆行前の降谷さんの死にコナン君が絡んでいるのは今後の展開の為なので、ヘイトやら厳しめやらの意図ではありません。
終始降谷さんの視点なので、降谷さんが嫌いなひとは常に罵られておりますがキャラヘイトの意図はございませんので、ヘイト系のタグはつけないでいただけると嬉しいです。
繰り返しますが、原作は崩壊します。
長くなると思いますが、のんびりお付き合いいただけると幸いです。
1
女優としての仕事も、組織の仕事も全て片付けて、完全なオフを勝ち取った私は、クリス・ヴィンセントの姿になって日本へと飛んだ。
到着時刻はまだ朝の早い時間。休む間もなく、タクシーを飛ばして向かったのは、東都大学。
大学の周囲には、学生達だけではなく、スーツやフォーマルなワンピース姿の保護者たちがたくさんいる。……私も、端から見てそんなひとり、なのかしらね。
なんだか不思議な気持ちで、講堂へと向かう。
今日は零の卒業式だ。
案内に従って保護者用の席に座り、式の進行を見守るのは、とても奇妙な気分になるものよね。
だって、まさかこの私が、普通の親のように子どもの卒業式に参列する、だなんて。零と出会う前の私なら、絶対に考えられないことだったわ。今でも、時々信じられない。この日々は、何かの間違いで、夢なんじゃないかしら、って。
そのくらい、私にとってあの子に出会ってからの日々は幸せだった。
幼い頃から飛び抜けて優秀だった男の子は、すっかり成長して立派な男性になってくれた。
この日本最難関の大学にも主席で入学して、主席で卒業するのだものね。天性の才能のお陰もあるだろうけれど、努力家で勤勉で、知識欲が旺盛だったから、日々の研鑽を惜しむこともなくって。
だからこうして壇上で卒業生代表としてスピーチすることになったのも、当然のことだと思うと同時に、誇らしい。……まあ、あの子は最初は、目立つから嫌だと逃げ回っていたみたいだけれど。写真は撮らない、という条件で引き受けたらしいわ。相変わらず、写真嫌いのままで、あの時の変態には本当に腹が立つわね。
ちょっと嫌なことを思い出してしまったけれど、零が壇上から降りるとき、私に気付いて微笑んでくれたので、あっさりと気持ちは上向いた。そうよね、晴れの日なんだから、嫌な記憶は忘れましょう。
厳かな式が終わって、一足先に講堂から出て、卒業生が出てくるのを待つ。アカデミックガウンを着た卒業生達の姿を、保護者達は皆誇らしげな顔で見守っていた。
私も同じようにヒロくんと何か話しながら出てくる例の姿を見て、二年前のことを思い出した。
二年前……零の、成人式の時。
あの日も私はいそいそと日本にやってきて、零を成人式の会場まで送り迎えしたのよね。紋付き袴にするか、スーツにするかで散々迷って、結局あの日は、オーダーメイドのスーツをプレゼントして、着せたの。
零にオーダーメイドを贈るのはわりといつものことだけれど、あの日のスーツはその中でも特別製。かなり前から、生地からこだわって選び抜いたものだった。見事に着こなしてくれた零は、成人式後の集団撮影からすら逃げ回っていたのだけれど、一枚だけ。写真館で、私とふたりの写真を撮ってくれて。
出会ったときの小さなあの子が、こんなに大きくなった今も、私の隣に立って変わらない笑顔を向けてくれている。
それが嬉しく、大泣きしてしまったのは、ちょっと忘れたい思い出だけれど。あの日の写真は私の宝物。
今日は……せめて桜の下で一枚くらい、撮らせてくれると嬉しいんだけどね。
うっかりまた涙が滲むのを、瞬きを繰り返して堪えて、私はこちらに向かって歩いてくる愛し子に、心からの笑顔を添えて手を振った。
***
大学生活の四年間は、あっという間に過ぎ去った。その間に僕もヒロも成人し、成人式にはベルモットも来日して祝ってくれた。写真は大の苦手ということで、集団写真からも逃げ回っていた僕だったけれど、この日ばかりは一枚だけ。ベルモットと一緒に並んでとってもらったよ。
ベルモットがめちゃくちゃ泣いてしまったのは困ったけども。
いや、本当にこの人、すっかり母親になっちゃったなぁと思うと申し訳ないようなこそばゆいような、妙な気分だ。打算ばかりではじめた関係だけれども、僕にとってももう本当に、母と呼んで差し支えない相手だしね。
そんな成人式から二年後、大学の卒業式にも参席してくれて、この日はぎりぎり泣いていなかった。
卒業式の後は、ブックカフェ・シャーロックで宮野一家を始め、家族ぐるみで付き合いのあるみなに祝われた。そこに並んだ顔ぶれは、前の時は縁の無かった人も居れば、既に亡くなっていたはずのひともいたりして。僕がこれまでしてきたことが、回り回ってこの縁を紡いだのかと思えば……なんとも不思議な心持ちになったものだ。
お祝いをする、なんて聞いてなかったので、ベルモットにシャーロックに連れて行かれたら友人知人が勢揃いだったのには結構意表を突かれたよ。黒田さんまでいたんだから、本当にびっくりだ。
そんなふうに、前の時には考えられなかった程の祝福を受けて、僕とヒロは次のステージ……警察学校へと進んだ。
これまた二回目の警察学校では、相変わらずこの金髪のせいで注目を集めてしまったけれど、前よりもずっと気にならない。気にしても仕方ない、という諦め、というわけじゃない。だって僕がこの頭だったから――君の目を引いたんだろう?
「おい」
入校式やオリエンテーションが終わり、夕食もすませ各自部屋に戻ろうというタイミング。
背後からかけられた、ぶっきらぼうな声が懐かしい。
入校式で彼らの姿を見かけた時から、不覚にも少し泣きそうだった。だけどそんな感情は押し隠して、何でもない顔で振り返る。
「ちっとツラ貸せよ、パツキン野郎」
最後の記憶よりもずっと若い、仏頂面の松田陣平が、前の時とまったく同じように言い放った。
ああ、本当に。
会いたかったよ、僕の悪友。
























