「ふむ……ではトレーナー、このメニューでいこう」
「分かった」
俺とエアグルーヴは今日の練習メニューを確認し、トレーニングコースで準備をしていた。
そんな俺たちに襲い掛かるウマ娘が現れる。
「エア様ぁぁぁぁぁぁ!今日も美しいですね!」
背後からエアグルーヴに抱き着き、背中に顔をうずめる。
「はぁぁぁぁぁ……いい香りがたまらんです!さあ一緒にトレーニングしましょう!いつまでも付いていきますよ!」
「また、貴様か……えぇい!離れんか!ビルドスノー!」
「嫌ですぅ!離れませんよー!」
ビルドスノー。
彼女は留学生で、エアグルーヴに一目惚れをしたらしい。
ちなみにファインモーションのお姉さんでもある。
「こ、こら!どこを触っているか!」
「恥ずかしがる姿も綺麗ですよ!」
ぷちん。
「いい加減に、せんかぁぁぁ!」
あ、背負い投げだ。
「きぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!?」
どしん!
見事な一本勝ちである。
「さ、さすが凛として強く、美しい大和撫子……私の惚れた相手です……」
地面に倒れこんだままだらしない笑顔を見せるビルドスノー。
「こんな奴に負けたとは……」
エアグルーヴが顔をゆがめる。
先日、選抜レースにてビルドスノーと争ったのだが、惜しくも敗れてしまう。
ただの変態ではなく、実力も兼ね備えた、変態なのだ。
「悔しそうな表情もそそりますねぇ……」
違う、ド変態だった。
「次、レースを行う時は絶対に勝つ。覚えておけ」
「そう簡単には負けませんよ……貴方が私の前を走る限り、すぐに追いついて見せます。そのキュートなヒップを目印にね……」
ぞわ……
エアグルーヴの尻尾が逆毛立つ。
「わ、私はこの変態に勝てる気がしない……」
まあ気持ちは分かるが、苦手意識は良くないな。
「大丈夫だ、エアグルーヴ。君の力が劣っているとは思えない。次は勝てると信じている」
「そ、そうか……その言葉を信じよう……」
「……なんですかこの雰囲気は。もしや!?」
立ち上がり、目を見開いて俺を睨む。
「うまぴょいしましたね!」
「や、やかましい!」
「許しませ……」
ビルドスノーの言葉が続くことはなかった。
「お姉ちゃん……?」
「ファ、ファイン?」
「ふふふ……迷惑かけちゃダメでしょ?」
「す、すいませんでしたぁ!」
ズルズルと引きずられてビルドスノーは去っていった。
「やれやれ、ようやく練習ができるな」
「ははは、そうだな」
俺は笑って答えた。
そして、エアグルーヴがこちらを真剣な表情で見つめてくる。
「先ほどの言葉、忘れるなよ……」
「ああ、もちろんだ」
「そうか……」
エアグルーヴは優しく微笑んだ。
たまに見せる女帝の笑顔は美しく、尊い。
君の頭上にティアラが輝く日を俺は待ち望む。
それは夢物語では終わらせはしないからな。























この長い小説を読み始めたところですけど楽しいです。