「………っつ…」
頭を抑えながらベッドから起き上がる。
目が覚めた瞬間に頭の奥が痛むし、身体が気持ち悪い。
カーテンの隙間から外の景色を見ると、今日はあいにくの雨で気分が落ち込んじゃう。
理由はいくつかあるけど、その中で一番大きいのはやっぱりこの頭痛だ。
頭をハンマーでガンガン叩かれたみたいに痛いし、頭がすっごく重く感じる。
世間ではこれを偏頭痛って言うらしい。
雨が降るとなる人が多いらしくて、かぐやもその内の一人。
「…くすりは………」
雨の日はいつもこんな感じだから、いろはが薬をタンスに入れといてくれてるんだけど、ちょうど切らしてた。
「…まじか…」
楽になれるって思ってた分、さっきまでよりももっと体調が悪くなってきた。
そのせいで頭が余計に重く感じてイライラしてくる。
「…チッ………あーもう…」
「かぐや〜?起きてる?」
「…あ゛?」
「…ひっ………」
「…あっ」
やっちゃった。
完全にやっちゃった。
いろはが部屋まで来てくれたのに…イライラしてたから変な声出ちゃった。
いろはがプルプル震えてる。
怖がらせちゃったはず………謝んなきゃ!
「あ、あ〜!いろはごめんね!?ちょっと間違えちゃったというか…」
「………」
ほら!いろはがあんなに嬉しそうな顔を…し…て?
…え?嬉しそう?
「…いろは………?」
「…今のもっかいやって」
「………え?…何で?」
「…いやぁ…普段あんな声出さないし…レアじゃん?」
何を言い出したかと思ったら………何を言ってるんだ?
まじで。
「…そんないいもんじゃないでしょ」
「いや。すっごく良かった。お願いします」
「………」
「…だめ?」
「……………」
なんかもっと頭が痛くなってきた気がする………。
「お願い、一回だけ」
「…え〜」
「おねがい!この通り!」
そう言っていろはが正座をして前に手をついて頭を下げてきた。
いわゆる土下座という奴だ。
そこまでしてでも聞きたいのか………。
いやまぁ…減るもんでも無いし…一回くらいなら…。
それにいつもかぐやの我儘を聞いてくれてるし。
「…一回だけだよ?」
「うん!」
「はぁ…じゃあいくよ?………あ゛?」
「…おぉ………」
いろはが目を輝かせながら、ぱちぱちと手を叩いている。
「…はい。これでおしまい」
「え〜?あともっかいだけ!」
「………やんないよ?」
「お願い!」
「一回だけって言ったじゃん」
「このとーり!」
「………はぁ…分かったよ」
「ありがと!今度はもうちょっと低く!」
何なんだこの人は。
病人にやらせるもんじゃなくね?
でも、ここで断ってもめんどくさいし…それになんかモヤモヤするし。
「………あ゛…?」
「キャー!」
「はい、ほんとにおしまい」
「え〜?」
「え〜じゃないの。かぐや頭痛いんだから…」
「…それ先に言ってよ!薬持ってくるから、落ち着いて待っといてね」
「う、うん、ありがと」
そう言っていろはが駆け足で部屋から出ていった。
なんだかんだ言ってかぐやの事を大切にしてくれてるのが分かって嬉しくなっちゃった。
「…ふふっ」
「あ!そうだ!頭痛く無くなったらまたお願い!」
「…あ゛?」




















