私に向かって降り落ちる雨が「ポン」と傘に弾かれる。
この音が好き。
私が守られている証だから。
あなたと、その大きな傘に…。
一緒に歩くあなたの吐息が聞こえる。肌に触れる。
この距離感が好き。
いつもよりもあなたを感じられる。
あなたのその温かさを…。
傘からはみ出たあなたの体は雨に濡れてびっしょり。
それでもあなたは私を傘にすっぽりと納め続けてくれる。
その優しさに私の心はポカポカ温かい。
ねぇ、あなたは気付いてる?
私の鞄の中には折り畳み傘が入ってる事を…。
あなたの傘に入りたくて嘘を付いた事を…。
私は雨が好き。
あなたとこうしていられるから。
私の邪な想いを雨音が隠してくれるから。
〈Fin〉
— End —



















