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双葉の影

若月若月

こんにちはこんばんは、初めましての方はようこそ。 事件というには、大げさではありますがそんなことが起こりますがひらきよの2人が付き合う前のちょっとした日常の一コマを切り取ってみました。 ある意味、すごく平和。モブ的には一大事ではありますが💦 そんなわけで、久々にお付き合い前のお話。 タイトルの『双葉の影』。二人の間で種が芽吹き、双葉(平良と清居)となります。お話を読んでいくと影を想像していただけるシーンがありますので是非見つけてください🌕 そしてなんと投稿日の5/16は満月らしいので、そのあたりも現実とお話がリンクしております。 きっと皆様のすぐ近くのどこかでひらきよがいるかもしれません。 確定ではないのですが、5/23にイレギュラーですが投稿するかもです。 投稿するとしたらいつもと同じ22時を目標に頑張りたいと思います。 なぜ投稿するかは、5/23のキャプションにてお伝えしたいと思います。 ということで、何が何でも投稿できるように頑張りますね! いいね、ブクマ、コメント、コメント恥ずかしいという方はメッセージでも嬉しいので、宜しければお願いいたします。過去の作品でも頂けるととても嬉しいです。そして、すごく励みになります。 コメント、メッセージは必ず返信させていただいております。 今回もお読みくださってありがとうございます。 ※無断転載、拡散はご遠慮ください。 ※マイピク承認には条件がございますので、詳細はプロフィールに記載しております。

事務所を通さず、何度目かの劇団での芝居。
 平良は最初こそ変装をしてきていたが─変装と言っていいのか知らないが本人はそのつもりだろう─今は普通に見に来るようになった。
「打ち上げくるだろ?」
と一言声を掛ければ首を縦に振る。
 すっかり平良の中には俺がいると思えるのに、決め手に欠けるのは何度かチャンスをやっても平良は線を越えて来ない。
 火傷しそうなほどの視線を浴びせてくるのに、どこか遠い。
 まぁ打ち上げにくるだけ関係性は進んだんだろう。
 だからといって俺は平良とベタベタくっついて打ち上げに参加しない。あくまで、『平良が勝手についてきたのだから平良が動け』と思っている。
 今日も熱視線を浴びながら演じ切り、舞台のあとにアンケート用紙に必死に書き込む平良のもとへと寄る。
「長すぎる」
 余白がないほどびっしり書かれているアンケート用紙に少し引く。
「き、清居」
 テストの答案用紙を隠すように平良がアンケート用紙に覆いかぶさった。
 あとで読むから隠しても仕方ないのにと思いつつも、俺のことしか書いていない感想に妙にソワソワする。
「今日も打ち上げあるけど」
 続きを言わなくても平良には伝わったようで、
「い、行ってもいい?」
「・・・好きにすれば」
 それだけ告げて俺は平良から離れ、関係者に挨拶をしていく。
 片付けも終わり、打ち上げ会場へと移動しようと芝居会場から出ると数人の女がいた。たまにこうして出待ちをしている人がいることは知っていた。大抵ほかの先輩役者にだけど。
 今回もそうだろうと通り過ぎかけた時、
「清居くん!」
と呼ばれた。
「少しお話しいいですか?」
 真っ赤な顔をして上目遣いで俺を見る。
「清居くん、俺たち先に行ってるから」
 打ち上げ参加者はさっさと移動していく。
「あー・・・長い時間取れないけど」
 さっさと切り上げて欲しいことをオブラートに包んで伝える。
「あ、あの・・・清居くんのこと大好きです」
「え?」
 告白に反応したのは一番最後に出てきた平良だった。
「あっ」
 女も平良の存在に気付いて、さらに真っ赤になる。
「あ、えっと、邪魔してすみませんでした」
 そういって、走り出そうとした平良の腕を掴んだ。
「すぐ済むから待ってろ」
 五歩ほど後ろで待機している平良はなるべくこちらを見ようとしない。
「さっきのはファンとして?」
 女に聞く。
「ファンとしてもですが、その、もしお付き合いしている人がいないのなら私のこと考えてくれないでしょうか?」
 胸の前で組んだ指にぎゅっと力がこもっているのが分かる。
 でも、俺の答えは決まっている。
「申し訳ないけど、気持ちには応えられない」
「・・・・・そうですよね。いきなりすみません。あの、これからもファンを続けてもいいですか?」
「・・・ああ」
 本来なら断りたい。ストーカーになり得る可能性もあるからだ。事務所を通じての仕事だったらこういう時マネージャーがうまくしてくれるから話すこともないけれど、通してない場合は自力で解決するしかない。
 女は泣きながら走って行った。
 短いため息をついて振り返ると、どんよりという言葉がぴったりな平良が待っていた。
「なんだよ」
「ううん、何でもない」
 歩き出すと、平良は後ろからついてくる。
 まるでアヒルの雛のようだ。
「き、清居」
「あ?」
「なんで断ったの?」
「なんでって」
「俺、あの子何度か見たことあって、多分俺以上に清居の芝居を見に来てると思う」
「だからって付き合う理由にならないだろ」
「そうだけど・・・」
 結果的に断ったけれど、俺としては断り方もかなり気を付けた。
 高校生の頃は、自分が好きになる対象は男だと分かっていたから女から告白されても『無理』『興味ない』とか一言で片づけていたけれど、かなり譲歩したと思う。
 それに、俺のことが好きなのにほかの女をすすめてくる平良が意味不明だ。
「付き合ったらお前は満足かよ?」
 振り返って平良に向き合うと、平良はおどおどとしている。
「お前のなんでってそういうことだろ?付き合ったらお前は満足なのか?」
 もう一度問いただした。
「・・・・・清居が幸せなら俺は満足だ」
 俺の幸せを勝手に決めんじゃねぇよ。
 平良の脛に蹴りを一発入れた。
「痛っ!」
「平良のバカ!!!」
 俺は再び前を見て歩き出す。
「ちょ、清居待って。痛っ、清居!」
 必死に追いかけてくる変なリズムの足音。
 俺の幸せを願いながら何歩も後ろを行く平良は、俺に蹴られようが詰られようが俺から離れることはないようだ。
 それが心地よくもあり、平良の気持ちがはっきり分からずモヤモヤするところでもある。
 少し振り返ると、長い前髪から俺を見つめる瞳と目が合う。
─本当に嫌になる
「さっさと行くぞ」
 平良が追いつくのを待って並んで歩き出す。
 空には満月のような月が浮かんでいる。
 今日はとことん飲んでやる。
 そうなったら平良と朝日を拝むことになるだろう。

— End —

Comments 14

S
SHINee22 天前
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A
amariris23 天前

23日も楽しみです。

あき27 天前
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H
half moon27 天前
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海梟 ( seaowl )28 天前
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C
chacha28 天前
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チロ28 天前

何か、初々しくてドキドキします💓 清居は、ほんとにヒラが好きなんですね ヒラは何があっても、変わらない 運命の2人なんですね 23日楽しみにしています ありがとうございます😊

Sakuria
Where every work blooms
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