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新しい甘味料①

春野音春野音

ローゼマイン 8歳

SIDE:フェルディナンド

「ローゼマイン、君が眠っていた間に、ハルデンツェル、アスマン、ヘルツフェルトでメープルの木が見つかった。君が書き残してくれていた方法で春に樹液を採集したものを時止めの魔術具に入れて保管してあるので後で確認してほしい。君が気にしていたクラッセンブルクの蜜も入手してある」

「まぁ、ありがとう存じます。では後でメープルシロップの試作品を作って、クラッセンブルクの蜜と食べ比べてみましょう」

__君は簡単そうに言うが、そんなに簡単にメープルシロップとやらは作れるものなのか?

「あぁ。ただ、君が言っていたもうひとつと砂糖の原料である砂糖大根の情報はまだ何も集まっていない……」

「砂糖大根は収穫時期が秋の終わりから冬ですからね。見つかるとしても二月以上先だと思いますよ。わたしが貴族院に入学するまでに貴族院で消費する分くらいのエーレンフェスト産の甘味料が作れれば良いと考えて気長に探しましょう。未だ底辺領地とされるエーレンフェストが甘味料の生産なんて始めたと知られたら、上位領地が奪おうとするに決まってますから、ゆっくり目立たないようにやれば良いのです」

__そうか、焦る必要はなかったのだな。

「そうか。砂糖大根は見つからなかったが、ロスレンゲルとオースヴァルトから、君が探していたサトウキビという植物ではないかというものが先日届いたぞ」

時止めの魔術具から、サトウキビと思われるものを取り出して渡すとローゼマインは感嘆の声をあげた。

「うわ~すごい!確かにサトウキビに似ていますね!
ただ、ロスレンゲルのものには古いものが含まれているようです…。ロスレンゲルは熱帯気候ですから、わたしが思っていたよりももっと早い時期に収穫すべきだったのでしょう。
以前お教えした毒を洗い流すイメージでこれらを1度ヴァッシェンしていただけますか?」

「あぁ、ヴァッシェン!」

案の定、オースヴァルトの方はすぐに水か引いたが、ロスレンゲルで収穫されたというサトウキビの一部は水がなかなか引かなかった。

「やっぱり……」

「これは毒だったということか?」

「ええ、収穫期ではない時期のサトウキビや収穫してから時間が経ったものにはかなり毒性が強いものがあるのです。毒を盛られたなどというわけではありませんが、前世でも死亡事故がありましたので注意が必要です。今後取引をする際には、この水がなかなか引かなかった物のように、触って柔らかくなっているものや赤みがかっているようなものを省くように指示しておいてください。見た目である程度判別できますが、見極める目が養われるまでは念の為加工前にヴァッシェンできると良いですね」

「なるほど。取引量が少ないうちは私かユストクスがヴァッシェンするようにしよう」

「それなら安心ですね。慣れれば少しでも変色しているものは省くようにして、時止めの魔術具から出したらすぐに砂糖を生成することを、携わる平民たちに徹底させれば大丈夫です。この毒があった分は、切って温室に埋めてみましょう。運が良ければ芽が出るかもしれません」

「それはエーレンフェストでもサトウキビを栽培できるかもしれないということか?」

「栽培に関しては、本来は気候的に無理ですが、温度管理ができる温室でなら可能でしょうね。本当は若いものを土に埋めると芽が出ると言われているので、今回は難しい可能性が高いですが…」

「それなら、さっそく今晩にでも私の屋敷の庭に温室をエントヴィッケルンしておこう」

「そんなに急がなくても…」

「今は君のお陰で魔力に余裕があるからな。温室は元々薬草を育てるのにほしいと思っていたのだ」

「そうですか……それであればいいのですが無理はしないでくださいね。
あと、もしこの植物がサトウキビで、砂糖の生成に成功した場合、砂糖の原料ということは秘匿いたしましょう。これが砂糖の原料だと判れば、二度と売って貰えなくなるかもしれませんから。
甘味料ではなく、工芸品の材料というていで仕入れるのがおすすめです。実際にサトウキビの絞りカスはパルプという厚紙の材料になりますから、相手が探ってくるようなら工芸品に加工するとでも言っておきましょう」

「なるほど…」

__やはりローゼマインがいると、どんどん事が進行するな…。

「秋に砂糖大根が見つかったとしても、自生しているものを栽培できるようになるまでは時間がかかりますし、サトウキビも当分少量ずつしか仕入れられませんから、足りない分ははちみつを増産して、カルフェ芋から水飴を作ってみますか……」

「君はまた……大金貨何十枚にもなる情報をポロポロと…」

「フェルディナンド様の前だけです。
はちみつの増産といっても派手にやるつもりはありませんし、取り掛かるのは次の春先からです。
カルフェ芋から作れる水飴は砂糖と比べるとかなり甘みが控えめなので、そのまま砂糖の味を知っている上位貴族に売るのは難しいでしょう。料理に使うか平民や下位の貴族向けの菓子が作れる程度です」

「それでも、莫大な利益を産む可能性がある情報に変わりない。この隠し部屋の外では漏らさないよう注意しなさい」

— End —

Comments 8

三日月1 个月前
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M
Mya1yu51 个月前
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このは1 个月前
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ふーばあ1 个月前

春野音さま🌸 甘い物の原料だけでもこんなに多くの種類があり、 収穫期や毒性についても記して下さって勉強になります♪沖縄旅行で ガジガジ楽しんだサトウキビの味や、首里城から市内に戻るバスから見た 運搬車やサトウキビ畑の風景が甦りました。麗マインのお菓子食べてみたいです💕

美奈子鈴木1 个月前
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教子1 个月前
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イヴリース1 个月前
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