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俺は男だ

斉藤真由美またはナミちゃん斉藤真由美またはナミちゃん

悠太さん(user/72883053)のリクエストにお応えしてみました。 いただいたシチュエーションそのままではないので、お気に召すかどうかはわかりませんが・・・ 筆者自身のちょっと苦い思い出も込めて、学校を舞台にした作品に仕立ててみました。 (筆者は男性ですが、小柄で運動なんかが苦手のおとなしい子供だったので、クラスのガキ大将的な奴に小馬鹿にされていたりしました。イジメというほど露骨ではなかったですが、相手はおそらく、自身より身体が小さくて力も強くない私のことを下に見て悦に入っていたのでしょう・・・)

「おい北野、てめえ弱々のチビのくせしやがって、俺様をこんな目に合わせて、タダで済むと思うなよ?」

僕、北野作弥が属している高校2年F組の、ボス的な男子生徒である高森武尊が、教室の椅子にロープでグルグル巻きに縛られた状態で、僕を睨みつけながら叫んでいる。

こいつはいつも僕のことを馬鹿にしていた。まあ、イジメというほど痛めつけられていたわけではないけど、クラスの中でも小柄で、体力もあんまりなくて体育の授業を苦手としている僕のことを、何かにつけて侮辱する。僕とは対照的に、体格もがっちりしていて背も高くて、野球部の主将をやってるとかいう高森。運動部のエースみたいなあいつと、冴えない小柄な男子である僕を比べれば、そりゃ女子からの人気はあいつのほうが断然ある。それは僕だって認める。

しかし、ことあるごとに「強い俺」をやたらアピールして、「弱い僕」をさんざん嘲笑うこいつの言動にも、いよいよ我慢できなくなった。それで僕はちょっとしたトリックを使って、今のこの状況に至っているというわけだ。詳しくは言えないけど、まあ暗示みたいなものだ。

縛りつけられたまま、椅子ごとジタバタと暴れながら、武尊は叫び続ける。

「この野郎、あとでボッコボコにしてやるからな、覚悟しとけよ!」

「あーもう、いちいちうるさいなあ。そうやって、汚い言葉遣いで大声をあげる、そういうのが『男らしい』って思ってるんだよね、君は。ことあるごとに『俺は男らしい』『おまえは男らしくない、女みたいだ』とか、もういい加減聞き飽きたよ」

「あんだと!? てめえが女みてぇにひょろひょろしてんのは本当だろうが」

「はいはい、僕が君みたいな筋肉バカじゃないことは認めますって。ただね、言っとくけどさ、『男らしさ』って、力が強いとかガサツだとか、そういう動物的なモノじゃないってことは解ってほしいんだよね。他人に優しくすること、礼儀正しくすること、つまり紳士であることも『男らしさ』の一つであるってことを、さ」

「はぁ? なーにが、優しくだの、礼儀だの。そんなのは女の領分じゃねえか。男はとにかく強けりゃいいんだよ!」

はぁ・・・ 僕は思わず溜息をつく。ダメだこりゃ。この筋肉バカと言葉のやりとりだけでは永遠に解りあえない。無理だわ。僕はかねてから考えていたことを実行に移すことにした。

「うん、わかったよ。ああ、正確には『君の言ってることは全然わからないけど、わかったことにした』だけどね。じゃ、君の言う『男らしさ』がどこまで続くか、僕に見せてよ」

「何を言ってやがる。おまえが何をしようが、俺様はおまえみたいなチビよりも、断然男らしいだろうが」

はあ、なるほど? じゃあサイズから始めようか。こいつの身長、190cmはあったと思うけど、140cmくらいに縮めてみようか。ついさっきまで、椅子には尻と腰くらいしか収まっていなかったのが、高森の全身がみるみる縮んで、身体の半分くらいが椅子に乗っかっている形になった。クラスの一番小柄な女子くらいになったんじゃないかな。

「うぉわ!? なんだ、教室が急に広くなった、って、なんだこりゃ?!」

「高森くーん、君は男らしいんですか?」

「あ? なんか、俺の身体が縮んだような気がするが、関係ねぇ、俺は男だ!」

まあ、寸法が縮んだくらいじゃ、自覚も変わらないか。じゃあ次、行きますか。

「なんか胸が膨らんでるみたいだけど、それでも男らしいのかな?」

「あ? え?」慌てて胸元に手をやる高森。いつのまにか膨らんだ胸元がワイシャツの生地を押し上げて、いくつかのボタンは弾けて飛びそうになっている。

「あたりめえだろ、これは俺の筋肉だ。てめえにゃほとんど無いだろうが」

「それじゃあさ、その長〜い髪の毛は? それって男らしい?」

野球部らしく五分刈りにしていた高森の髪は、ぐんぐん伸びて艶やかな黒髪となり、その先端はふっくらとした胸元まで達していた。シャンプーの香りが僕のところまで漂ってきている。

「髪の毛・・・? なんだこりゃ? 知るか、あとでバッサリ切っとくわ、男らしさには関係ねえ」

「そういえば高森、サマースクールで風呂に入ったとき、ブツがでかいのをやたら自慢してたよねえ。僕にはその価値観がさっぱりわからなかったけど。で、今でもでかいんだっけ?」

高森はハッとした表情になって股間に手をやる。両脚の間には・・・突起物が見当たらないようだ。平坦な股間に指先がスッと入ってしまったことに青ざめている。あんなものの大小にこだわっていたなんて、つくづくしょうもない奴だなあ、こいつ。

「なんだか知らんが、俺の気持ちは男のままだ、それは変わらない」

だんだん面倒になってきたので、身体を一気に変えてやることにした。先ほど失くさせてやったブツの裏側、お尻を2倍くらいに膨らませて、ウェストをギュッと圧縮して砂時計型のボディラインを整え、腕と脚を細く絞って体毛を無くす。衣服は男子生徒のワイシャツと黒いスラックスのままだが、首から下はどう見ても豊満な若い女性の身体。このあたりで聞いてみるか。

「どうだい? まだ君は男らしいのかい?」

「え? あ、なんか身体の具合が変だが、俺は男だ。少なくとも女じゃない」

お、ちょっと心境の変化が出てきたかな。「男らしい」の代わりに「女じゃない」って言い出した。つまり、奴が女に近づきつつあることを認めている証拠だ。さて、残るは顔と首か・・・

「男らしいって言うなら、声も力強いわけだよね」

「当たり前だ! ・・・あれ? な、なんだこの声・・・」

声帯をいじったので、高森はもう低い男声を出すことはできない。アニメの女の子役を担う声優のような、鼻にかかった高い声で、それでも男言葉を使い続ける高森。僕は笑いを堪えながら仕上げに入る。どんな顔つきがいいかな? 目元はぱっちりした二重瞼、豊かで長い睫毛に覆われて、鼻はスッと細長く、口は小さいけれどぷっくりした唇。イマドキの女子高生のようにピンク系のメイクを施して、唇には色付きのリップクリームをぺったりと塗りつける。

「その手鏡で、君の顔を見てごらん。それって男らしい?」

いつのまにか持たされていた手鏡を、武尊は呆然としたように覗き込む。その様子は、まだ慣れないメイクの仕上がりを確かめている女子高生のようにしか見えなかった。

「俺はおと・・・ まだ、まだ女にはなってない!」

そんな言葉を聞いて、僕はむしろ満足する。いよいよ「女になる」ことを認めるか認めないかの瀬戸際まで、武尊は追い込まれている。

「まだ女にはなってない、って? じゃあ、そのうち君は女になるのかな?」

そう言いながら、僕はあいつにとどめを刺す。最後まで残っていた、あいつの「男」の部分・・・ つまり男としての自覚を木っ端微塵に破壊する。これで、武尊の心身ともに、男だった要素は完全に消滅するのだ。

「武尊、いや美琴ちゃん、一度落ち着いて深呼吸しよう。はい、吸って〜、吐いて〜」

いつのまにか、僕の言うことに素直に従うようになっていた武尊⎯⎯美琴は、両目を軽く閉じて、両腕を軽く開いて、すぅ〜、はぁ〜、と深呼吸をしている。そして目を開いた美琴ちゃんは、すっきりしたような穏やかな微笑を浮かべていた。

そんな彼女をロープで縛り付けていることが申し訳なくなってきて、僕は慌てて彼女に駆け寄り、ロープを切り刻む。彼女は僕を見上げてにっこり笑って言った。

「作弥くん、ありがとね。でもあたし、なんで男子の制服なんか着てるんだろ? こんな格好、君に見られてて恥ずかしいよ・・・///」

顔を赤らめて、両手で顔を覆って俯く彼女を見て、僕は慌てて答える。

「ああ、そうだね。美琴ちゃんの制服、探してくるよ」

僕が探しに行くまでもなく、美琴の全身がふわっと光り輝いたかと思うと、その光が消え失せたあと、彼女は「正しい」女子制服を身にまとっていた。丸襟の白いブラウス、アイボリーのニットベスト、青地のチェック柄のプリーツスカート、そして胸元には赤いリボンをきちんと結んでいた。スカートから出ている細い脚には紺色のハイソックスと茶色のローファーが履かされていた。

コツ、と靴音を立てて、彼女は立ち上がる。僕と向かい合う形になった彼女の顔は、僕の首元あたりにあった。彼女の上目遣いに、僕は思わずドキッとしてしまう。

「あのさ・・・」彼女がおずおずと話し始める。

「ど、どうしたの?」僕も少しうろたえて答える。

「あたし、なんか変な夢を見てたみたい。夢の中であたし、やたら『男らしい』とか言っちゃってるの。女の子が男らしいとか、意味わかんないよね」

「あ・・・ ああ、そうだね。君みたいな可愛い、女の子らしい女の子に『男らしさ』とか、関係ないもんね」

彼女は一瞬だけ目を見開いて僕を見つめたが、すぐに柔らかい笑顔に戻って言った。

「そうだよね、あたしは可愛くなりたい女の子。それから、作弥くんが大好きな女の子」

「美琴ちゃん、君はもう十分可愛いよ。そして、僕の彼女になってくれるよね?」

「えー、何それー? じゃあ今まであたしは、作弥の彼女じゃなかったわけー?」

「ごめんごめん、確認したかっただけ。美琴ちゃんはいつでも僕の彼女。ん・・・ ごめん」

僕は衝動を抑えきれなくなってしまい、美琴ちゃんを強く抱きしめて唇を奪う。彼女はハッとした表情になったものの、すぐに目を閉じてうっとりとした表情になり、「うぅん・・・」と小さな可愛い声を出しながら僕のキスを受け止めてくれた。彼女の柔らかい身体から伝わる体温が僕にゆっくりと伝わってくる。彼女の髪や身体から発せられる女の子らしい香りが心地よい。

そういえば、さっきまで僕は彼女になんだか敵対的な感情を持っていたような気がするんだけど、なんだったんだろう? 大好きな美琴ちゃんに敵意を持つなんてありえないはずなのに・・・ そもそも、彼女と今ここに二人きりでいるのがどういう経緯だったか思い出せないな。でもまあ、いいか。愛する美琴ちゃんとこうして甘い時間を過ごしている今を大切にしよう。

— End —

Comments 1

タス1 个月前

もし続きがあるとしたら、美琴が暗示を使う事になりそう。 ・武尊の消滅でボス格になった野球部員が作弥を馬鹿にする →『作弥の方がずっと男らしいんだから』と憤慨した美琴が野球部員を改変する。 →新たにボス格になった野球部員が...。 みたいな。

Sakuria
Where every work blooms
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