転生したらパーセルタングだった。
ごめんなさい。言ってみたかったんです。
ただコレ、実際大問題なんです。
成長するにつれ前世の記憶が蘇った。ハリポタの世界だ、わーいとはならなかった。
いやねえ、代々スリザリンの純血貴族なら、我が家に偉大なる祖の血が!みたいに喜ばれるんでしょうが、ウチの家没落貴族。
もうほぼ庶民と言って差し障りない。
ハリーの扱い見てると、スリザリン以外だと裏切り者呼ばわりされる可能性が高い。
ウチの家昔ならいざ知らず、今はスリザリン出が数百年出てない。
「困ったわねえ」
「蛇と喋れる事は、どの寮になっても隠しておきなさい。利用されたり、誤解を受けるのは得策ではないからな」
「はーい」
ゴーント家みたいに、イッチまってる人達じゃない両親の下に生まれて、本当に良かった。
「良かったー。ハッフルパフで」
あっ、この世界、爺世代です。
ハグリッドとマートル、あとはシグナス様が同級生。ブラック三姉妹のお父さんね。
オリオン様は来年入学で、トム・リドルとアルファード様が一個上。
四年生にヴァルブルガ様。アブラクサスさんとルクレティア様は五年生です。
クモはどうにかするとして、探索だけして大人しく過ごそ。
蛇は、うーん、一旦保留。命大事。
帝王というか、劣等生と蔑まされてるハッフルパフじゃあ、今のスリザリン生に近づくのは厳しい。
遠目に見ても光ってるもん。
マグルの戦争中だから、雰囲気もピリピリしてるし、下手な事してダンブルドア先生に目えつけられたくはない。
目立たずそこそこ真面目にやってれば、特に問題なく過ごせる、はずだった。
「誰?イリス・ボージャって」
「確か、ハッフルパフの子よ」
「授業中、そんなに目立ってた?」
「レポートや実技は普通で、テストは満点だったらしいわよ」
授業普通に受けて、提出期限守ってただけだよ!
元社会人舐めんな!!と叫びたいが、我慢。
違う。コッチの教育水準の低さを舐めてた。
テストははっきり言って簡単だった。
要は読解力の問題。数学や理科みたいに方程式解くわけじゃなし。制作者の意図を理解し、どう自分で落とし込むか。
好奇の目に晒される中、一際敵意を持って睨みつけてくる人物がいた。
リドル先輩以外の学年別トップは、ブラックが独占していた。
私がトップ取っちまったって事は、つまり、シグナス君が次席って事で。
ヤーっちまったなあ、自分。おわた。
貴族のプライドが許さないのか、直接文句言ってくる事はなかったが、来期からどうしよ。
「うーむ、まあまあかな」
二年生に進級して、絶賛ボッチ中です。
いや、いじめられてはいないっすよ?ただ遠巻きにされてるだけです、うん。
まあいいんだけどね。ガキのお守りも飽きてきてたとこだし、単独の方が動きやすい。
「醤油ほしいなー」
話変わりますが、日本食が恋しい。
敵国の飯がほしいなど、この時代言えるはずもなく、ハウスエルフに作ってもらった混ぜご飯をおにぎりにし、魚からとった出汁でだし巻き卵擬きを作り、どうにか欲を満たしている。
金稼げるようになったら、絶対に日本に食い倒れ旅に行こうと、決意を新たにする。
んで、そんな私に声を掛けるタイミングを伺ってる人物がいる。アルファード先輩だ。
文句言われるくらいならいいけど、なんか企んでるのなら、勘弁願いたい。
本編の描写だと、シリウスと仲良くして他の家族とは距離置いてたっぽい?
よく見ていると、リドル先輩ともそこまで仲良しこよしというわけでもない。
アブラクサス先輩が一番熱心な信者っぽい。あとはやっぱりレストレンジ。
マルフォイ家は、ちょっと俗っぽいものに対して憧れとかありそう。
失敗してたけど、ドラコもハリーと友達になりたそうな描写あったもんな。
まだ見ぬルシウス君も、アーサー君とくだらない小競り合いしてたし。
平和な世にするにはやっぱり、リドル先輩矯正と、純血貴族どうにかするしかないかあ。
ダンブルドアはアレ、スリザリン生に対する就職妨害とヘイトさえやめてくれれば害はない。
真っ当にお金稼ぐ為には、無視出来ない事が山積みなんだよな、この時代も。
「美味そうだな、そのサンドウィッチ。他のより柔らかそうだし、具材もしっかり入ってる」
「人の物を欲しがるなんてはしたないですよ先輩」
興味持ったのはコッチかー。
外国のパンって硬いのよ。この時代のって、パサパサのも多いし。
魔法で工夫したり、自分で作ったりして、好みのもの試作してたのが裏目に出たか。
「ここはお一つどうぞとか言うだろ」
「貴族様に食わせる程の飯ではないですよ。これ以上目立ちたくもないので、どうぞお引き取りください」
「俺が何もしなくても、もう充分目立ってるぞ。弟、夏休みも勉強詰めで、すげーピリピリしてたし」
「だから手を抜けと?」
「したら余計面倒くさくなるぞ。アレはねちっこいし、根に持つタイプだ」
「予想通りですね。そういう先輩は弟のオヤツ食べちゃって、お姉様に怒られてたタイプですか?」
「お前、預言者か?」
「違います。こんなの頭使えば、簡単に想像出来ますよ」
シグナス君。可哀想に。
レギュラスと一緒で、ノー天気でチャランポランな兄に変わって、家を継ぐという使命を幼い頃から課せられて、苦労する運命とは。
今のブラックの末っ子は、そういう呪いにかかっているのだろうか。
アルファード先輩からのちょっかいを交わしつつ、迎えた学年末。
私は変わらずトップの成績であった。
シグナス君から呪われそうとか思ってたら、本人が歯噛みしながら、声をかけてきた。
「僕と君で何が違う!?普段の授業や筆記試験だけなら、こんなに差はつかないはずだ!」
「いや、私に言われても。強いて言うなら、レポートじゃないかな」
「レポートだと?!君のを特別に見せてもらったが、僕より優れていたとはとても思えなかったが?」
「まあ、ブラック君の方が、パッと見は難しい用語使ったりして、いい出来に見えるよね」
「パッと見だと?!」
「ぶっちゃけ、もの凄く読みにくいんだよね。立派な事遠回しに書いて、結論までの道筋や論点が微妙にぶれてたり。貴族特有の言い回しなのかもしれないけど、先生が求めてるのはもっとシンプルなものだよ。ここは学校であって、裁判所や役所じゃないんだから」
課題のレポートで求められる事は、先生達が教えたことを理解しているかが最重要。
プラスアルファや応用を評価してほしければ、別にレポートを書くなり、授業外に質問したりすればいい。
ボッチなのをいい事に、ダンブルドア以外の先生達を回って、話を聞いたり情報を集めた結果、校長とも仲良くなった。
「やっぱりブラックが沢山いる年は大変なんですね。怪我なんてもっての他」
「そうなんじゃよ。跡継ぎがいる年は、特に。うぅっ卒業まで胃が痛い」
死亡事故なんて隠匿し、ろくに調べもせず解決済みにしたがるのも頷ける。
自分が同じ立場だったら、絶対嫌だ。
次期校長はリドル先輩と、グリンデルバルトとの妄想ニャンニャンで忙しそうだし、目つけられないうちに動くか。
(ゲラート氏に似た編みぐるみ作って空き部屋に置いといたら、許可もなくパクっていった。マジかよ)
三年になった。蛇と対面した。話し合いをして、仲間になってもらった。やったぜ。
「私以外の人が訪ねてきたら、無視してほしいんだけどいいかな?」
「いいぞ」
「え、いいの?」
「先に訪ねてきたのはお前だろう」
「スリザリンの遺言はいいの?あー、純血は石化しない魔法が貴方にかかってるとか?」
「そんなものはかかっていない。そんな事より、いい餌が校内にいるな」
「かかってないんすか。餌は、ちょっと待っててください。食べ物持ってくるんで」
クモ、もういるのかあ。
純血ガードもなしって、スリザリン使えねーな。
リドル先輩より先に見つけられてよかったー。
「クモの密告したのお前じゃないのか?」
「何で私が。いくらハッフルパフが仲良しだからって、男子部屋には入れませんよ」
「それもそうか」
匿名の手紙校長に送って、ハグリッドの部屋をガサ入れしてもらった。
泣いて暴れたが、ハッフルパフにもそこそこいい家の子がいる。
外国の研究所にクモ共々引き取られていった。
マートル?それとなく話をしつつ、イジメの実態をフリットウィック先生にチクり、事体を収集してもらった。
ふー、ちょっと一息つける。
リドル全然出てきてねーじゃんとか思ってます?
学年も寮も違うと、接点ってそんなないんですよね。スラグクラブには誘われてるけど、貴族の集まりになってる今、入りにくいんですよ。
蛇を押さえられたんなら、もういいかなあとも思ってたりはする。
身内殺しとか宝探しは別に私には関係ないし、分霊箱も止めても、そのうち作りそうだし。
うん、ほっとこう。
そうと決めれば、将来の就職先探しだ。
ブラックに睨まれてるから、魔法界でのいい所は難しい。マグルも住んでる村にいるから、向こうで働く?企業する?
あー、けど、バジリスク置いてくの可哀想だな。本人気にしてないとはいえ、千年も放置ってあり得なくない?
しかも自分のデッカい銅像の中に封印って、よく考えたら趣味わるっ。
「スーさん。ずっとここにいるの退屈じゃない?小さくは出来るから、石化光線どうにかならないかな。普通の蛇に化けられるんなら、私のペットとして連れ歩けるし、卒業してからも一緒にいられるよ?」
「ふむ。少し頑張ってみるか。お前の作る飯はなかなか美味だからな」
「アザーーす」
バジリスク、名前もつけられてなかったんだって。だから一文字とってスー。
色々試していくと、魔力を制御してもらいつつ、目に反射の魔法かけとけば、ギリギリセーフの範囲にたどり着いた。
人前では極力寝たふりか、目を合わさないようにしてもらって。石化はしないけど、違和感感じるくらいはありそうだし、下手に魔法とかれちゃ敵わん。
「お前、ボッチ街道まっしぐらだな」
「分かってた事ですから。気楽でいいですよ」
迷子の蛇を保護したから飼いたいと申し出て、許可は下りた。
スリザリン生以外からは不評である。
「私が純血主義に見えるんですかね?だとしたら、おめでたい頭すぎますよ」
「違うのか?」
「どっちでもいいって感じですかね。没落した家にとっては、純血が武器になるわけじゃない。名家に玉の輿乗れたとしても、伝統やら格式やら世継ぎ問題やらで面倒くさいに決まってます。理解あるマグルと一緒になった方が、幸せになれる可能性もある。蛇がスリザリンの象徴だからって、蛇好きが皆純血主義者なわけないでしょう。バカらしい」
「いうなあ。俺、一応ブラックだぜ?」
「家の事に興味ないですよね先輩。まあいいんじゃないですか?歪んだ純血主義進めていけば、いつか立ちいかなくなる。その時半純血とかの扱いどうするのか見ものですよね。インペリオでもして子作りさせるんですかね」
「ええ、お前、発想が物騒」
「そうですか?マグルの戦争のキッカケの一部は、昔から絶対にそういう理由じゃないですか。民族浄化、選民思想。やってる事魔法族だって一緒。洗脳魔法ある分だけ、コッチの方がタチは悪いかも。夢も希望もないですねー。お先真っ暗だし面白くない。私んちほぼ一般人だし、マグルの世界に機軸移して、学習施設でも作ろうかな」
「マグル育ちのか?意味あるのか、それ。第一貴族が反対するだろ」
「マグル育ち追い出したいのに反対?それこそ意味分かりませんよ。魔法界からマグル育ちやマグル追い出したいんなら、向こうに学校作るのが一番の近道なのに。秘密保護?魔法族の村なんかホグズミートしか無い時点で破綻してますよ。何か変わった人達住んでるけど、自分達に害ないからいいかって、共生してるのが現状。中世は魔女狩り、今も戦争中で危ないのは事実ですけど、それもいずれ終わります。人間の一番の武器は考える頭。マグルの化学技術と魔法が上手く合わされば、凄い発見が生まれるとどうして考えないのか不思議。上手くいけば私はお金持ち。向こうで利益独占してウハウハです」
「そんな上手くいくか?たとえ上手くいっても魔法省が黙ってないだろ」
「今まで何の法改正も整備もしてなかったのに?多少提携しなきゃいけない部分はありますけど、マグルの土地のマグルの法で、マグル界生まれや育ち限定って名うっちゃえば、エリートで頭固い純血貴族様達が何言ってきたって、説得力皆無ですよ。すり寄ってくる融和派もいるでしょうけど、今まで何にもしてなかった時点でそっちも信用できない」
「まあな。けど金はどうするんだよ。人材だっているだろうし」
「ホグワーツ卒じゃなきゃ教師になれないなんて、魔法族の傲慢ですよ。飢えて苦労してる人達、ノクターンにいけばゴロゴロいますよ。そういう人達は死ぬ気で働く。だって後がないから。同族に酷い目に遭わされた人達も多いだろうし、マグルの世界で生きづらい子達に、優しくしてくれると思いません?」
「それ、大分危ない橋つーか、魔法族に牙向くって思われないか?」
「そういう穿った見方する奴らが、一番魔法族にとって害をなす存在だと思いません?光側とか、特に。そういう時、真の純血貴族ならどう動くか。援助か支援か保護か。次の魔法界の舵取りを任せるに相応しい、試金石になると思いません?」
「っ!!」
そう。ノクターンに住んでる下流層なんか、純血ではないと見捨てるのもいい。
マグル側で勝手にやってた奴らが死んだ所で、痛くも痒くもない。
本当に?隠蔽した所で、人の口はよく回る。
「マグル生まれの魔法使いはこれから益々増えますよ。いやいやホグワーツに行かざるを得ない子達からすれば、魔法族なんて光も闇も純血も関係ない。クソどうでもいい生き物って事になりません?その場合滅ぶのは、どっちなんでしょうね?」
「ヒッ!!」
魔法族滅ぼしたい人からすれば、願ってもない事態なんだろうけど、それじゃ面白くない。
私もそこまで望んでない。スーさん筆頭に、珍しい魔法動物も沢山いるからねえ。
お金貯まったら広い土地買って、魔法動物の保護と飼育もしたいし。
やっぱりスポンサー集めは大事だな。
スーさんの牙って、いくらで売れる?
「マフィンいらんかねー。マグルの文房具も売ってるよー。ついでに就職相談も受け付けてまーす」
「…お前、堂々と何やってるんだ」
「アルファード先輩、こんにちは。マフィンはプレーン、チョコ、チョコチップ、ブルーベリーの4種になっております」
「じゃあチョコくれ、ってちげーよ。学校で商売なんてよく許可おりたな。しかも堂々と就職相談って」
「校長先生からは許可とりましたよ?カウンセラーもいない、寮母もいない、売店もないなんて刑務所か軍隊みたいですねって言ったら、泣いてましたよ」
「?お前、マグルの学校行ってたのか」
「ええ。マグル界育ちって、どこで区切るんですかね?マグルと接しないで、家に引きこもって家庭学習してたら?結界張って関わらなければセーフ?マグル側と接してない土地って、この世にほぼ存在しませんよね」
「…」
「私は一応純血ですけど、マグルの文化もいい所も沢山知ってる。今後も取り入れていきますよ。勿論強制はしません」
「そうか。けど、就職相談ってお前の家、没落してるだろ」
「コッチの純血貴族としては終わってますね。けど、曾祖父の代で借金は返し終わってるんで、貧乏って訳じゃないんですよ。株やら何やらで儲けて。まあ、コッチの資産よりマグル側の資産が多いので、魔法族からすれば、なんて家だって思われてますが。知ったこっちゃないですけど。このご時世、マグル界育ちはコッチじゃ碌な職にはつけないでしょうから、向こうで普通に働く事を勧めてますよ。どうしても魔法使いとして働きたいんなら、ウチで面倒見ます。両親と相談して、農場と牧場買い取る目処つけたんで」
「そ、そうなのか。凄いな」
「私が稼いだ金じゃないので心苦しいんですけど、将来の投資と言う事で」
コッチでいう貴族って、ただの金持ちってだけじゃないのが面倒くさい。
魔法界において、いかに昔から貢献し、尊き血を繋いできたか。見栄が一番。
向こうは金を稼いだ分だけ、自分達で使える。名誉は大事だけど、それが一番ではない。
純血貴族がマグル育ちに恩恵与える気がないんなら、ウチで囲い込んでも問題ないでしょ。
この時代まだ数は少ないし。
「優秀な人材取りこぼしてもしーらない」
「兄様!!こんなマグルの味方する奴とつるんで、あまつさえ商人の真似事なんて、何を考えているんだ!恥知らずめ!」
四年生に上がった。アルファード先輩がシグナス君に怒られた。
当たり前と言えば当たり前だが、私には関係ないので止めない。
ルクレティア先輩とアブラクサス先輩がいれば、もう少し違う態度になるんだろうが、二人とも卒業しちゃったからねえ。
「ボージャ!君も君だ。分家とはいえブラックの人間をこき使うなんて、何を企んでいる?!」
「何も?お兄様がやりたいって言ったから、やらせてただけ。こんなごっこ遊びに何をそんなにカッカしてるの?流通の仕組み理解するのって、家回す時にも大事だと思うけど。貴族は書類仕事だけしてろと?それは、いい後身分ですねえ」
「うるさい!!没落貴族の分際で!兄様、血を裏切る者何かと関わっては、我が家の沽券に関わりますよ」
「あー?シグナス。悪いが、俺はそこまで苛烈になれない。純血主義を否定はしないが、それが全て正しいとは思いたくねえ」
「なっ?!」
「ウチも強烈なマグル友好派ではないよ。純血主義も否定しない。何もやらない奴らが嫌いなだけ。優秀なマグル育ち囲い込んでなにが悪いの?学生のうちにスカウトするのって、貴族は当たり前にやってるよね?ウチは駄目なの?何で?光側も差別だって言うんならさあ、雇用先用意してやればいいじゃん。結局口だけなんだよ、どいつもこいつも」
首に巻いてたスーさんをいじりながら、周りに睨みを効かせる。
この時代の年寄りたちは、マグル育ちを完全には信用していない。
スリザリンとはいえ優秀なリドル先輩に、どこからも声がかかってないのがいい証拠だ。
全部が全部、ダンブルドアのせいという訳では、多分ない。
「私は私のものを、一生手放す気はないよ?後から欲しいなんて言われても、絶対にお断りします。例えそれが、ブラックやマルフォイであっても。まあ、アルファード先輩以外はそんな事いう奴はいなさそうだから、安心ですけど。純血至上主義の人達が、まさか、後から人のもの欲しがるなんてはしたない真似、しませんよね?」
シーーン。沈黙、ねえ。
あーあ、リドル先輩も聞いてるよ?
ここでスリザリンの仲間は別だ!とか言えば、まだ格好もついただろうに。
拗らせた半純血がとる行動なんて、一つしかないだろうに。
アブラクサス先輩、ご愁傷様です。
「純血貴族を滅ぼすために、協力してくれないかい?後、その子を触らせてくれ」
「おい、リドル。本気かよ!」
「滅ぼすのは遠慮します。触らせるのはいいですよ。ちょっと毒あるんで気をつけて下さいね」
アルファード先輩とリドル先輩は、やっぱりあんまり仲良くはないみたい。
勘がいいアルファード先輩は、リドル先輩の危険性を何となく感じ取っているんだろう。
「か、かわいい。はっ、何故だ?!君だって上の純血貴族の身勝手にはウンザリしてるだろう?自分より無能のくせにとは思わないのか?!」
「リドルお前、やっぱりそんな事思ってたのかよ」
「先輩、本音溢れてますよ。同意しか無いですけど、わざわざコッチが何かしなくても、緩々崩壊していきますよ」
「何故だ?」
「子供出来なきゃ血は繋げないから。ウィーズリー以外、何処も子沢山とはいえませんよね?先輩、マグルの学校通ってましたよね。コッチでは遺伝子とかDNAなんかの化学なんてくだらないと言われますが、血の入れ替え拒否して、近い所だけで婚姻関係結ぶとどうなるか、分かりますよね?」
「遺伝子異常、不妊、流産。血が濃くなりすぎて、さまざまな弊害が現れる」
「魔法族の場合は血の呪いなんて、物騒なものもありますからねえ。慌てて対策取ろうにも、数が減りすぎてますよ。マグルの血入れようにも、自分達が散々追い出してきた人達に、頭下げるプライドあります?」
「ないだろうな。そもそも、マグル側が嫌がるだろ」
「お互い好きあってたり、金積めば良いって子もいるかも知れませんけど、圧倒的に数は足りない。極一部除いて、半純血しか跡継ぎいない家だらけになりますよ。そうなったら、今の魔法界は当然維持できない。
リスク負ってまで、滅ぼす価値あります?マグルの世界で高みの見物して、しれっと向こうより役に立つ研究成果とか上げといて、いよいよピンチって時に首を垂れてきたら、紙の束で横っ面引っ張たいてやればいいんじゃないですか」
「フッ、フハハハハッ!!アルファード、お前、とんでもない女に声を掛けたな!僕よりよっぽど邪悪で陰湿じゃないか!」
「今、スッゲー後悔してる。俺、それ聞いてどうすればいいんだ?」
「どうもしなくていいんじゃないですか?今の時代純血思想変えるなんて、絶対に無理。家追い出されたら、結婚して子供作ってのんびりしてればいいんですよ。どうせ勘当されようが、余るほど資産貰えるんでしょ?いいなあ、金持ちは」
「すごい下げてくるなあ」
ぶっちゃけアルファード先輩に、興味はない。
スポンサーになってくれたら嬉しいけど、リドル先輩がコッチについた時点で、勝ち確。
ほどほどに長生きしてもらえればいい。
五年生って、色々やらかす時期だったよね。
変なことする前に、興味を逸らさないとな。
後日、二人きりで話がしたいと、リドル先輩から呼び出されたのは好都合だった。
「永遠の命に興味はないか」
「宗教の勧誘ですか?残念ながらないですねえ。というか、古今東西ありとあらゆる人達が追い求めたもの、大体がロクでもない結果に終わってますよね。最後は年寄りになったり自我保てなかったり、魂が摩耗したり。先輩、不死にもし慣れたとして、ハゲデブの醜い外見で一生過ごす羽目になったりしたら、どうするんですか?そういう禁術って、やり直しききませんよね?」
「…嫌だ。そんなの美しくないし、僕が追い求める完璧とは程遠いものだ」
「そうでしょうそうでしょう」
日記ひとつくらいなら大丈夫なのかもしれないけど、作らないにこした事はない。
「ならスリザリンの、いや、創設者達が残した幻の宝については?」
「先輩。その事なんですけど、スリザリンの遺産はここにいるんです」
「は?」
「このスーさんがバジリスクなんですよ。私、パーセルタングなんです」
シューシューと、蛇語で挨拶。
「なっ?!バカな、お前も?いや、スリザリンの子孫は確かに他にもいたんだろうが、しかし、」
「本当にうっすーーくですよ。ほぼ他人だし、きっと偶然です。ゴーント家と親戚なんてお断りです」
「な、何故だ?!」
「没落してるからじゃなく、精神的にイッチまってるんですよ、あの家。血に固執しすぎた末路。犯罪も起こしてるし、身内虐待してたって噂もありますし、関わらないにこした事はないですよ」
「そ、そうなのか。入り口はどこにあった?」
「女子トイレです」
「え?」
「3階の女子トイレです。興味あるんなら、こっそり案内しますよ。あと、純血だけ死なない魔法とかもかかってないそうです。どうやってマグル育ちだけ追い出そうとしてたのか、謎ですよねー」
「そう、だな」
嘘は言ってない。女子トイレに繋がったのは偶然だけど、言わなくてもいい事だ。
幻滅しろ。偉大な魔法使いなんて、もういないんだからさあ。
「夏休み、ウチきませんか?スーさん、学校じゃ大きく出来ないので」
「!!いいだろう!そこまでいうのなら、招かれてやろう」
「ええ」
「貴女、アルファード様だけじゃなく、リドル君にも色目使っているらしいじゃない」
「はしたない」
「貴女なんかが相手にされるとでも?」
五年生になりました。
悪役令嬢達に絡まれております。
ただ残念。私、乙女ゲームはやった事ない。
「アルファード先輩は勝手によってくるだけですよ。リドル先輩は、誰か婿に貰ってあげればいいのでは?それか、家で雇うか就職先斡旋するか」
皆黙って目を逸らす。
そりゃあそうっすよね。当主の命には逆らえない。
この時代のスリザリンの純血貴族なら、大部分が婚約済み。
アブラクサス先輩ですら、今はまだ父親の下で働いている息子に過ぎない。
「何も出来ないのに、ギャーギャー騒ぐだけとは片腹痛い。品位が下がるので、今後は控えた方がよろしいですよ?ああ、失礼。下がる程の格もありませんでしたわね」
「っ?!」
「なんて失礼な事を!」
「覚えてらっしゃい!!」
ちゃっちい芝居を打ちつつ、去っていく背中を見つめていると、クックっと笑う声。
「見てたんなら助けてくださいよ」
「必要だったか?」
「全然」
「だろう?しかし、女とは醜いな」
「リドル先輩が無駄に愛想振り撒いてたからでしょ。優等生の皮被る必要なくなったんなら、邪険にしても問題ないですよ?落としたい女がいるんなら別ですが」
「そんな者はいない。それとも、落とした方がいい女でもいるのか」
「今現在、生徒を落とす必要はないですね。将来的に魔法省の幹部か、女当主に色目使ってもらう事態にはなるかもしれませんが」
「遠慮がないな」
「何言ってんですか。私達みたいに後ろ盾や地位もない、吹けば飛ぶ存在なんて体と頭使わなきゃ、コッチでのし上がれませんよ。肉体関係強要はしませんよ。そんなもの先輩には必要ない。ちょっと笑顔振り撒いて、思わせぶりな態度とってれば、大概の奴は落ちますから」
「お前、僕の事も貴族の事も馬鹿にしてるだろ」
「そんな事はないですよ」
顔面の良さは大事だとは思っている。
純血貴族達、自分より美しいものに出会った事がなかったから、帝王にほいほいいっちまったんだろうとは予測出来た。
ただ、コントロールの仕方が下手。癇癪持ちの残念な美形なんだから、適度にストレス発散させないと。
「フハハハは!!もう挑戦者はいないのか?!口ほどにもない奴らめ!」
「先輩カッコいい〜。向こうに懸賞金かかってたヒゲいましたから、そっちもやっちゃってー」
「任せろ!」
休暇中。ノクターンで人材を狩っ、スカウトしつつ、お掃除してお金も貰える。
うん。実にいい循環だ。
「全然良くない。貴族の中で、お前らの悪名が轟いてるぞ」
「ふふん、そうか」
「いいじゃないですか。ノクターンの治安改善に役立ってるんですから。私達は卒業したら、向こうに拠点置きますし。何か不都合が?」
「いや、その、本気か?今すぐは無理でも、オリオンやアブラクサスが当主になれば、」
「多少はマシになるんでしょうけど、それだけですよね?しかも、リドル先輩だけは特別だとか持ち上げる。それじゃあ意味はないんですよ。わざわざ孤高の存在にしないと対等に話せない?ハッ、そんなの、本当の友達じゃあない。貴族も大変なのは分かりますけど、それをコッチ側に押し付けないで下さい」
「ひっでぇなあ。お前だって、一応純血だろ」
「一応って言ってる時点でダメなんですよ。没落した家や一般人は魔法族じゃないって、言ってるようなものですよねそれ。一部のエリートだけで回ってる世の中なんて、遅かれ早かれ崩壊しますよ」
いつの世も体制を壊すのは、市民による怒りだ。
それがいいか悪いかは別として、帝王が誕生せずとも、魔法界が己の間違いに気づくのが遅くなればなるほど、自分達の首を締めていく事になる。
本当に力があった預言者達は処分され、生き残った者は沈黙している。
臭いものに蓋したところで、足元が腐ってたらどうしようもないのにね。
「あのような者と付き合っていては、お前さんも悪の道に走るかもしれん」
六年になる頃、忘れてたダンブルドアにイチャモンつけられた。
思い人との最終局面近いんだっけ?
リドル先輩が思ったより闇堕ちしてないのが気になってんのか?
ここは軽く牽制しておくか。
「先生の弟さんはヤギ好きなんですよね?リドル先輩も、女より蛇といる方が落ち着くとか言ってまして。強い魔法使いはそういう癖があるんですかね。先生にもそういった、特殊な性癖があるんですか?噂で、男性が好きとかいう話も出てましたけど、まさかですよねー」
「は、は、は、も、もちろんじゃ。だ、誰が、そのような、世迷い、ごとを」
「ですよねー。先生の事良く思ってない奴らが言い出した事ですよ!先生は命がけで、悪の魔法使いと戦ってらっしゃるのに!私、応援してますから。既得権益に塗れてる貴族共なんかに負けないで下さい!」
「そ、そうじゃな」
先生はそそくさと去っていった。
一人で正義の味方気取ってるんなら害はない。
ただし、学校を兵士養成所にすんのは頂けない。
「まっ、純血貴族しか通わなくなる学校で、そんな真似できるのかは謎だけど」
競い合う事で人は成長する。
純血貴族は生まれた時から、よほどの事がない限り、その序列が最初から決まっている。
個人として能力が認められても、家としての格が下なら、社交の場では冷遇される。
マルフォイのように、優秀な人を取り立てる家もあるが、それはごく少数。
今後も悪の魔法使いは生まれるだろうが、それは、いつも通りの流れだ。
わざわざ生徒の対立を煽り、駒として動かせる人材を育てた所で、使える場がなければ意味はない。
リドルの代わりに、ポッターやシリウスを悪の帝王に?
いや、性格的に無理でしょ。
闇堕ちしたところで、暴走するのがオチ。
それに、正真正銘のお貴族様達だよ?
身内が全力で止めるか、それこそ正規の闇払い達の出番でしょ。
私達みたいな庶民には、それこそ関係ない事だ。
「リドル先輩ー。マグル育ちの同級生、勧誘できてます?」
「ふっ、誰に物を言ってる。コチラで家を継ぐ半純血には、本当に何もしなくていいのか」
「先輩、羨ましいんですか?」
「そんなわけあるか。お前の事だから、どうせ碌でもない事を考えているんだろう」
「ひっどいなあ。碌でもない事かどうかは、今後の純血貴族の行ない次第じゃないですか?半端者と揶揄されても家の為に頑張ってる人達に、泥を投げるか手を貸すかは、その人次第ですし。自分達の危機を救う鍵が、マグルの血が入ったよそ者達って知ったら、どうなるんでしょうね」
「悪い女だな、貴様は」
「先輩だって好きなくせに」
「お前ら、そういうのは頼むから、俺が見てない所でやってくれ」
「わざとだが」「わざとですが」
「チクショウウッ!!」
「ほれ」
「ありがとうスーさん」
最終学年。一足先に卒業したリドル先輩とは、こまめに連絡を取り合っている。
スーさんを梟便扱いするのは申し訳ないが、本人はノリノリなので、よしとしよう。
リドル先輩主導のもと、私の両親と卒業していった先輩がた。それにノクターンで集めてきた人達の手によって、計画は始動している。
魔力暴走を起こしてる子供を見つけるのは、最初のうちは苦労するだろうが、一度軌道に乗れば、労せず向こうからやってくるだろう。
クリスマス休暇。
家を出ていたアルファード先輩が訪ねてきた。
「まだ数ヶ月。少し探らせてもらったが、あんなに魔法使いが集まるか?イリス。お前、何をした」
「私は何もしてませんよ。口コミで広がったのと、あとは、戦争があったからですよ」
まだ学校は作っていない。
始めているのは、保護施設だ。
「マグルの父親や旦那が戦争で亡くなったり、復員しても暴力的になって、生活がたちいかなくなった魔女は結構多いんですよ。病気で奥さん死んじゃって、子育てに難儀してるパターンもあり。コッチにつてがあれば別ですけど、大半は家飛び出してきた世間知らず。下手に子供捨てられるより、親子共々保護して引き込んじゃった方が楽なんですよ。魔法界にはノクターンと言う素敵なゴミ捨て場がありますけど、コッチでは立派な犯罪ですからね?施設に預けるにしても、人身売買組織と繋がってる場合もありますし」
「情報が多い!ノクターンがゴミ捨て場」
「間違ってます?コッチみたいに保護施設もシェルターもない。社会保証が魔法界ってクソなんですよ」
「クソ」
「ヤバいと思ってるんなら、向こうの制度変えればいいじゃないですか。再来年には私塾として、マグル育ち向けの教室開講しますし」
「魔法省からの許可は?まだ降りたという話は聞いていないぞ」
「誰がイギリスで開くと言いましたか?」
「っ?!本気でイギリス魔法界を見捨てるきか」
「人聞きが悪い。棲み分けろと言い出したのはそちらでしょう。穏健派もいらっしゃいますが、マグルの事を本気で理解しようとはしていない。それじゃあ、結局は純血貴族と変わらないんですよ。お帰りください」
あんまり意地悪するのも可哀想なので、リドル先輩には、魔法族しかかからない病気の研究もしてもらっている。
これが最低限の譲歩だ。
誰だって、自分のこと下に見てくる連中とは、働きたくないでしょう?
「リドル先輩、スーさん、見て見て!オーロラ出てますよ!」
「これから何度でも見る機会はあるだろう」
「ほう、初めて見たが良いものだな」
さて皆さん、ここはどこでしょう。
ヒントは氷と火の国。
「あったかーい」
「フンっ。まあまあだな」
「ぬくい」
正解はアイスランド。温泉も有名ですね。
いやねえ、最初はちゃんとイギリスに学校作る気はあったんですよ?
ただ許可取りとか横槍とか、面倒な事も多そうだなと思いまして。
色々調べていくと、棲み分けさせたいと思っている人達は、よその国にも結構いた。
魔法族って、自宅学習が基本なのよ。
だから身バレ防ぐためには、マグルの世界の魔法使いどうにかしてくれと思っていたり。
テメーらでやれよと思わなくもないが、我慢。
古い考えの奴らは何処にでもいる。
ましてやマグルの大戦や、グリンデルバルドが暴れ終わった直後。
「純血貴族は一切入れる気はないのですが、本当によろしいのですか?」
「ああ」
「元々、そういう目的で作られた学校もある」
「差別と捉えてもらっても構わない。が、守らなくてはいけない血もある事は」
「ええ。重々承知しておりますよ。私だって純血の端くれ。全てを否定しようなどとは思っておりません。ただ、これからを生きていく私達には少々窮屈でして。伝統と格式を重んじる老大国は特に」
「覚えておこう」
北欧のお偉方との話し合いの末、アイスランドに拠点をおく事を許可された。
安心して下さい。イギリスの保護施設も引き続き、運営していきますので。
各国に支部作って、教室自体は週何回かで通えるようにするのが理想。
けど、どうせイチャモンつけてくる奴もいるんでしょう。分かってますよ。
「リドル先輩ー。あんなカビ臭い学校じゃなくて、超ハイテクな現代風の学校作りましょうよー。守りは頑丈にしつつ、電子機器は使えるように。今後電話も使えないなんて致命的ですよ?情報はいつの時代も金になる!」
「簡単に言ってくれるな。あとお前は、魔法使いより詐欺師の才能の方がある」
「失礼な!私交渉の時、嘘はひとつも言ってませんからね。誠心誠意魔法界の現状を訴え、マグル界育ちの魔法使いの保護の必要性を説き、純血貴族のプライドを刺激する。するとあら不思議、一緒に頑張ろうではなく、マグル側を区別して分けようと考える。何故でしょうね?」
「そう誘導しているのはお前だろう。アルファードからも金を巻き上げておいて、白々しい」
「アレは先輩の善意ですよ。リドル先輩こそ、貴重なアイテム貢がせておいて、アブラクサス先輩の事袖にしたくせに。呪われても知りませんよ?」
「フッ。アレにそんな度胸はない。それに、アイツらは血統を重んじる。スリザリンを崇拝している奴らが、貴重なパーセルタングである僕らに、危害を加えると思うか?」
「うわぁ。世間知らずなリドル先輩が、腹芸を覚えてしまった。その調子で、この女落としてきて下さい。ノルウェーの王族に近い人なんですけど、魔法族にも精通してます。魔法使っちゃダメですよ?」
「誰に言ってる。セッティングは済んでいるんだろうな」
「勿論。今日はとりあえず、アフタヌーンティーだけ楽しんできて下さい」
「はっ、楽しませる頭があればいいがな。夕食までには戻る。今日は、なんだ?」
「鶏の唐揚げにしましょうかね。味噌が手に入ったので、豚汁もつけましょう」
「そうか。すぐ戻る」
「いってらっしゃいませ」
リドル先輩、和食にハマる。
やっぱり日本旅行行こう、うん。
遠くない未来の話。
「イリス、リドル助けて。姪と甥っ子が、斜め上の方向に成長しちゃって、もう手に負えない」
「杖取り上げて、アマゾンの奥地にでも放り込めばいいんじゃないですか」
「砂漠で耐久レースでもさせておけ」
「それコッチの学校のカリキュラムに組み込まれてるやつだよね?!」
「傲慢さを捨てさせるには、極限状態に追い込まないと。魔法が使えるからって、特別な人間だと思った時点で、社会に戻れなくなりますからね」
「コチラは学歴社会だからな。魔法の勉強のみならず、普通の勉強を怠った者は、容赦無く退学にしている。そっちは変わらず、生温い環境のようだな」
「うぅ」
「まぁ、私達も教育者の端くれ。お世話になったアルファード先輩を見捨てたりはしませんよ」
「イリス、ありがとう」
「じゃあこの委任状にサインして下さい」
「ええと、教育に関しての生死は問いませんって、どんな事させる気?!!やっぱりいい!むり!」
「根性なしめ」
「あら残念。アズカバンへの潜入泊まり込みレポートでも課そうと思ったのに。アバーフォースさんへの、突撃インタビューでも面白いですね」
「鬼!!」
暫くして魔法界に、ある噂が流れ出した。
悪さをした魔法族は、とある山にある、マグル側の魔法学校に送られ、そこで、クルーシオよりも恐ろしく辛い目にあわされ、最後は魂が抜けたようにされてしまうとか。
「リドル先輩の美貌って、幾つの子にまで有効なんですかね。ちょっとレポートにまとめて下さいよ」
「それをいうなら、お前の飯は何人の胃袋をダメにしてきたか数えてみろ」
お後がよろしいようで。
















