Novel5 months ago · 7.4k chars · 1 pages

Peacock in the hole

ながあめながあめ

年内なので生誕祭作品を投稿しても良いものとします。 遅ばせながらガイア、お誕生日おめでとう。下半期怒涛の供給に私は幾度倒れたか覚えていません。生まれてきてくれてありがとう。ずっと幸せに生きてください。 また私事で申し訳ありませんが、この度𝕏アカウントを作成致しました。作品の投稿通知、及びちょっとした日常などを投稿しようかと考えております。プロフにリンクを貼っておきますので、よろしければぜひ。

窓から差し込んだ月明かりが顔を照らし、あまりの眩しさにガイアは目覚めた。双眸を片腕で覆いながら、回らない思考を上手く取りまとめる。……今は何時だ?
微睡む目を擦り、棚の置き時計を探る。針は午前1時手前を指していた。
そもそも何時に寝たんだったか。確か連日徹夜での書類作成がやっと終わり、最低限の身支度だけして倒れるように床に着いた、はず。起きるには早すぎるが、素直に寝直す気にもなれない。仕方ない、と上体を起こし、ベッドから降りた。鏡を見ながら軽く寝癖を直し、眼帯を結ぶ。いつもの服に身を通せば、机上のランタンに手を掛けた。オイルはまだ残っているようだ。机の引き出しからマッチを取り出し、ランタンに火を灯す。調査隊長が作った錬金薬を活用したランタンもあるが、あれが発光しなくなるまで外にいるつもりはない。ああいうのは夜間任務に使えばいい。今回はちょっとした散歩なのだから。
木製のドアをゆっくりと開けた。

宿舎には誰もいなかった。深夜だからと言えば当然なのだが。廊下のランプも、既に光を失っている。
給湯室を覗いても誰もいない。普段ならば、書類作成に追われた騎士がコーヒーを飲んでいるか、夜食を頬張っているかなのだが、話し相手の宛が外れたようだ。
そういう奴らは、大抵目元に大層な隈を拵えて「お疲れ様です」としゃがれ声で言うのだ。後者は若い騎士が多い。あとは夜番の奴らが交代で来ていたりな。彼が顔を見せるとぎょっとしたように目を丸くして、「内緒にしてもらえませんか……?」と眉をひそめる仕草はどの年代でも同じ。
だが今日に限って誰もいない。これから朝まで起き続ける気はさらさらないため、コーヒーは遠慮することにした。
音を立てないように扉を開け外に出る。見張りが立っていない。サボって酒場にでも行っているのか?今日のシフトを思い出すが、2人とも真面目な騎士であった。一方が仮眠を取るにしても、もう一方はその場に残っていなければならない。
ガイアは訝しげな顔を浮かべるも、すぐにかぶりを振った。まあいい、2人してサボる日もあるだろう。明日所在を問えばいい。
石畳の道に革靴の小気味良い音が響き、やがて空気に染み込んだ。耳に入るのは自分の息遣いだけ。周囲に人の気配は全くなかった。
所在なく歩いていると、いつの間にか風神像前の広場に辿り着いていた。吹き抜けの明るい星空とは裏腹に、そこにも人はいない。普段からこの時間の広場に人が集まることは少ないが、時折酔った緑の吟遊詩人が風神像の手の上でライアーを奏でていたりする。それを聴きに来る人々も多少なりともいるはずだ。
ランプの火が微かに揺らめく。
……止めだ、誰しも寝静まる日くらいあるだろう。考えすぎ、そう、これは考えすぎだ。ランタンを握り直し、階段を降りた。
表通りも明かりすらついていなかった。だが、破壊されたものや襲われた形跡はひとつもない。生活の痕跡はそのまま、人だけがこつ然と姿を消してしまっていた。まるで時間にでも攫われてしまったかのように。

「攫われる……?」

側道の階段を降りていた足が止まる。
ああそうだ、なぜ今の今まで気が付かなかったんだ?ここには、この場所には、風がない。蒲公英の1つも飛ばない、無風の地。
背中が薄ら寒い。寒気の呼び声さえ聞こえないと言うのに。
瞬間、火が弱々しく音を挙げる。足早に歩を進め、気づけばエンジェルズシェアの前に立っていた。普段ならば壁越しでも賑やかな声が聞こえているというのに、全くの無音。恐る恐るドアに手を掛ける。木が軋む音を立て、ドアは開いた。
空だった。均等に揃えられた椅子、丁寧に磨かれたテーブル、棚に並べられた大小様々なボトル、いつもと変わらない光景。だがやはりおかしい。孕んだ空気が違う。
ガイアは片手で頭を抑えた。ならば、原因を調べなければ。
だが、ここに来るまでに城内はほとんど歩いたが、根本の異変らしきものは見当たらなかった。
外に出よう。そう判断し、ガイアは城門を潜った。
やはり見張りはおらず、挙句の果てに橋の上のハトすらいなかった。普段はシードル湖で優雅に漂っているというのに。
橋を渡りながら思索に沈む。闇雲に探していては埒が明かない。ふと、あの偵察騎士がいつか言っていた言葉を思い出した。

「森や山で迷ったときは、高いところに登るのが正解ですよ!」

たまには後輩の教えに倣うとしよう。
道中に気を配りながら、星拾いの崖を目指す。ランタンで木々の間を照らすも、野生動物の気配はない。ここには俺以外の生物という生物がいないようだ。この調子じゃ付近をうろつく魔物もいないだろう。まあ、魔物が出てくれば真相に近づいている証拠にもなるから、出てくれたほうが好都合なのだが。
森を抜け勾配に差し掛かっても、近辺に発生していた魔物の息遣いは聞こえなかった。静かな夜は好ましいが、寝息さえも聞こえない闇夜はおぞましい。
障害がなかった所為か、想定よりも早く先端に辿り着いた。崖の上はランタンが不要なほど星が瞬いていた。
ここに来るのも随分久しぶりだ、と息を吐く。任務でもここを訪れることは少ない。
最初にここを訪れたのは、養子になって最初の冬だった。小さな手に引かれ崖を登り切り、あの星空に目を奪われた。澄んだ空気と義父の満足そうな笑みを覚えている。
ガイアはかぶりを振った。駄目だ、こんなことをしている場合じゃない。
持ってきていた単眼鏡で周囲を見渡した。風立ちの地、異常なし。風龍廃墟、拡大の範囲外だな、見えない。奔狼領も見えにくいな。あの辺は足で調査するか。
清泉町に、ダダウパの谷、誓いの岬も異常はなし。さらに望風山地から星落としの湖へ視線を動かす。
非効率だが、やはり足で探すべきか?と落胆し、首が垂れる。そのとき、視界の端に動くものが写った。
身をかがめて望風海岸を単眼鏡で覗くと、そこには少女が1人。距離が遠く、容貌までは見えない。
ただの少女がこの場にいるとは考えづらい。手掛かりを掴んだとしたり顔を浮かべ、頂から飛び降りた。風の翼を広げ、崖の陰に身を潜めながら滑空する。木々を避けて降りれば、岩陰に隠れ作戦を思索し始めた。
ここからどうするか。出会い頭に戦闘になる可能性もある。堂々と出ていくのは避けたいが……
とそこまで考え、持っていたランタンの火を吹き消し、その場に置いた。万が一戦闘になったなら邪魔になるだけだ。
虚空から剣を抜き、都度身をかがめながら海岸の少女に近づいていく。近づく度にその姿が明らかになっていく。その少女は金髪を肩に流し、白いワンピースを着た異邦人。その顔立ちには覚えがあった。
そうか、彼女が旅人の血縁者。アビス教団のトップか……!
少女は静かに海を眺め佇んでいた。その視線をなぞるように視線を移した。見てしまった。本来あるはずの地平線が、漆黒に染まっていた。その先に続いている海が、空が、ない。まるでその空間ごと裁断されてしまったかのように。

「ようやく来たんだね」

あどけなさを孕んだ柔い声が眼前から響く。驚いてそちらに目を向けると同時に、反射的に仰け反った。そこには先程の少女が後ろに腕を組んで立っていた。敵対意志は感じられない。ただこちらを見定めるように、まっすぐ見つめていた。

「出てきて、広いところで話さない?」

お願いではなく、命令。嫌な予感を感じ取り、剣はそのままに大人しくその言葉に従った。彼女は海岸沿いをゆっくり歩いていき、その10数歩後を歩く。

「まさか、ここに人が落ちてくるとは思っていなかったんだけど」

くるりと振り返った。足を止め、呟く。

「あなたを見て納得がいったの。あなた、アンフォルタスの末裔……アルベリヒ家の人でしょ?」

肌が粟立つ。アンフォルタス、知らない名だがあの口ぶりからして500年前の自身の祖先だろう。そのフィルター越しに観察されると憤りが沸いてくる。
腹の虫を抑え、口を開いた。

「ほお?俺の家系をご存知だとは夢にも思わなかったぜ、アビス教団のお姫さま」

一瞬呆けたような表情を浮かべ、そのまま言葉を紡ぐ。

「私を知ってるんだ。空から聞いてたの?」

ああ、と言葉とともに頷きを返す。そう、とさして興味もないような素振りで口が閉じる。少女は顔を海に向けた。

「驚いた?ここはあなたの住んでいた世界じゃないの。大陸全てを記録する地脈から抽出した、切り取られたいつかのモンド。まだ試作段階だったから不完全でね、生き物がいないんだ。範囲も絞っているから、モンド外には何もないよ」

ああ、なるほど。どうりで。説明を受け、全てが腑に落ちた気がした。ここがアビス由来のものだからこそ、ずっと奇妙な雰囲気を纏っていたのか。

「ああそうだ。ここには私以外誰もいないから、その剣は仕舞っていいよ。私も今のところは敵対するつもりはない」

周囲に気を配り、やがて言われたとおりに剣を収めた。確かに周りには誰もいない。

「護衛もつけないとは変わり者だな」
「私も、1人で散歩したいときくらいあるよ」

ふう、と少女が1つ息を吐いた。

「そろそろ消去しようと思うの、ここ。たぶん、あなたと私が会うのはこれっきり。あなたが私を追ってくるなら別だけど、あなた個人にはその意思はなさそうだから。だから、少し話さない?」
「西風騎士団がアビス教団を敵と認識しているのは知っているだろ。なぜそう言い切れる?もしかしたら俺が個人的に教団に恨みを抱いていて、お前が油断した隙に剣先を向けるかもしれないぜ?」
「それを言うってことはしないでしょ?」

彼女は控えめに笑った。

「心配しなくても、私たちは夜の散歩中に出会った……ちょっと奇妙な知人ってことにすればいい」

軽く首を傾げ、唇が言葉を描いた。

「あなたから見たお兄ちゃんが聞きたい」

ガイアは呆気に取られたような顔をし、すぐに破顔した。

「ははは、お姫さまの言動ってのは読めないな!」

一通り笑った後、溜息を吐き砂浜に腰を下ろした。

「いいぜ。お気に召すかは分からないけどな」

蛍は頷き、スカートに気を配りながら座った。
ガイアは顎に手を当て思案する。さて、どこから話そうか。
着地点は決めず、時系列順にひとつひとつ拾い上げるように話し始めた。蛍はその話を静かに耳にしていた。その様は大規模教団の姫君ではなく、ただ1人の兄を想う少女にすぎなかった。

「……というわけだ。お気に召したか?」

話を終え、言葉を投げかけると、蛍はうん、と頷きを返した。

「ありがとう。人から見たお兄ちゃんを聞くのは、随分と新鮮だった」
「気に入ったなら良かったよ。少し長話しすぎた気もするがな」
「そうだね。ここに時間の流れはないけど、テイワットだと夜明けが近いと思う。……あなた、兄がいるの?」
「はあ?」

素っ頓狂な声が上がる。どこかの拍子に漏らしたか?
その様を見て、口元を手で抑え肩を揺らした。

「ふふふ、だって、あなたがお兄ちゃんのことを語っているときの表情、正しく弟の顔だったよ。私は生まれたときから妹だったからよく分かる」

ガイアは片手で頭を抑え、溜息を吐く。

「……まあ、一応な。いたよ、そういうやつは。ま、旅人は良い兄だ。大事にしてやれよ」
「勿論。あなたも、たまには素直に甘えてみたら?」
「……遠慮しておくぜ」

苦い顔をするガイアを横目に、蛍は海を眺めた。

「……そろそろお別れの時間だね。この箱庭を剪定しないと」

蛍は立ち上がり、思い出したように振り返った。

「ああ、そうだ。ここのことは他言無用でね。特に空には」
「はいはい、善処するよ」
「駄目。私たちの目はどこにでもあるからね」

その言葉は比喩ではないのだろう。その証左に先程まで柔らかかった表情が、姫に相応しい表情へと変わり果てていた。
冷ややかな面持ちで唇が1音目の形を描く。

「ねえ、あなたと私が会うのはこれっきりってさっき言ったでしょ?それはあなたが今の立場を貫いた場合。もしあなたの気が変わったなら……私たちは、いつでもあなたを『切り札』として活用できる。」
「突然何を言い出すんだ?俺の立場は変わらない、さっきそう明言したはずだが」

くすり、と蛍は笑いを返すだけで、問いには答えなかった。

「じゃあね、穴の中の孔雀さん」

蛍がこちらへと片手をかざし、記憶が途切れる。

目が覚めると自室のベッドの上だった。既に日は昇っており、街は活気づいていた。……何も異常はない。昨夜のことは夢だったのか?
確かめに行こう、とベッドから降り身だしなみを整えた。ちょうど休暇で助かった。そう考えドアを開ける。
階段を降りる途中で部下とすれ違った。

「隊長!お疲れ様です。これから任務ですか?」
「ああ、お疲れさん。いや、せっかくの休暇なんでな、城内をゆっくり散歩しようかと思っていたところだ」
「そうなんですね、楽しい休暇をお過ごしください!」

ひらりと手を振り、駆け上がる部下を見送った。宿舎であろうと、日中は皆いつも忙しない。邪魔にならないようさっと扉を開けた。

「お疲れ様です、隊長。これから任務ですか?」

同じような問いを見張り番から投げられる。昨夜と顔ぶれは変わらなかった。

「お疲れさん。いや、今日は休暇でな。ところで、昨夜仕事放り出してどこかに行ったりしていないよな?」
「え?していませんが……昨夜どこかに行かれたのですか?」
「いいや、部屋から人が見えなかったからその所為だな。すまんすまん、変なことを聞いたな」
早々に話を切り上げ立ち去った。探りを入れられては困る。こういうときは早めに退散するに限るな。
昨日歩いた道を辿っていく。風神像前の広場ではシスターが祈言を唱え、信奉者たちが祈りを捧げていた。日常的に見かける光景だ。

「今日はキャベツがお安いですよ〜〜!!」
「ニンジンとお肉のハニーソテーが1つ、ドドリアン海鮮スープが1つですね。かしこまりました!」
「綺麗なお花はいかがですかー?」

様々な店の呼び声が飛び交う。既に耳慣れた喧騒が、随分と懐かしく感じられた。静かな夜は嫌いじゃないが、やはりこの国には賑やかさが合っている。
首筋をひと吹きの風が撫でた。さも、風神が己の考えに同意しているかのように。

「バルバトス様は敬虔な信者ではない俺の考えにも同意してくれるんだな?」

返答はなかった。だが代わりに賑やかな笑い声を運んできた。その方向へと足を運ぶと、出処はエンジェルズシェアであった。昼から飲む連中は少なくないが、今日は普段より人数が多いらしい。確かめ終えたらご同伴に与るとしよう。そう考えを巡らせ、城門を出て橋を渡る。
森には生き物の鳴き声が響いていた。鳩、ヤマガラ、猫、それに風晶蝶の舞う音。生命が息づく音に安堵する。
星拾いの崖には行かず、そのまま望風海岸へ向かった。目の前まで進むと、ふと草むらに黒い物が落ちていることに気がついた。それはランタンだった。
そういえば、と昨夜ランタンを岩陰に置き、少女に接近したことを思い出した。既にオイルは空になっており、芯は焦げている。
抽出された地脈の事象が、現実に影響した?
原理は分からない、地脈については謎が多すぎる。だが、昨夜の出来事がただの夢でなかったことの証明はできた。
目的は達成、と踵を返そうとして、ふと海岸に人影を見つけた。
金髪の長髪に稀有な装い、それと隣に浮いている白い生物。旅人とパイモンであった。

「よっ、旅人にパイモンじゃないか。モンドに帰っていたのか」
「ガイア!へへっ、久しぶりだな!」
「久しぶり、元気にしてた?」

ガイアが手を振りながら声をかけると、2人はそれぞれ反応を返す。

「ん?おまえ、どうしてランタンなんて持ってるんだ?まだ昼だぞ」

パイモンが訝しげに手元のランタンを指差した。

「ああ、これは数日前の任務で置き忘れたランタンだよ。しばらく忙しくてすっかり忘れていてな。今日やっと取りに来られたんだ」

昨夜のことは触れずに口を回す。実際、数日前に夜間任務を行ったことは本当だし、全てが嘘ではない。

「ふーん、おまえでもうっかり忘れるってことがあるんだな」
「そりゃああるだろう、ははは。……ところで旅人。その手に持ってる花は誰かからの贈り物か?」

ガイアは話をすり替え、旅人の右手にある数輪の白い花に目を向けた。旅人はああ、と口にし、目の前に花を差し出す。

「そこの岩の上に置いてあったんだよ。この花はインテイワットって言って、カーンルイアの国花なんだ。蛍が、妹が、つい最近ここに来たのかもしれない……」

ああそうだ、と肯定しようとする口をつぐんだ。つい昨夜、おまえの妹がそこにいた。おまえが立っているその場所で自身の兄について口にする様は、ただ普通の妹だったよ。ただ会いたい、と……
胸の内を音に乗せないよう息を吐く。

「見つかるといいな、妹さん」
「……うん。ありがとう、ガイア」

空は眉を下げ、静かに微笑む。寂寥感を孕んだ空気を、大きな腹鳴が遮った。

「……う、しょうがないだろ!オイラのお腹は正直なんだから……」
「ははは。おまえたちの困難な旅路の中で、パイモンの食欲が失われていたらどうしようかと思っていたが……要らぬ心配だったようだな?」
「パイモンのおかげで、俺もお腹が空いてきちゃったな」
「そうかそうか、なら鹿狩りに行くとするか。今日は俺の奢りだ。何、モンドの栄誉騎士が帰ってきた祝いってことでな」
「本当か!!へへっ、オイラ、今日こそは全メニューを制覇してやるぜ!」

パイモンが目を輝かせながら我先にと飛び立っていった。その後ろから、旅人とガイアが続く。ガイアの手には、とうに冷たくなったランタンが握られている。奇妙な知人との一夜の邂逅を見届けた、唯一の証拠。
これが昨夜、どのような道筋を辿ってこちらに戻ってきたかは誰も知らない。 ────知らない、ということにしておいたほうがいい。

— End —

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Sakuria
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